2010年12月31日金曜日

脇本、タイでTKO負け WBOアジアパシフィック戦


 タイに遠征した日本フェザー級7位・脇本雅行(高砂)は29日スパンブリでWBOアジアパシフィック同級チャンピオン(WBC2位・WBA9位)のチョラタン・ピリヤピンヨー(タイ)に挑んだが、5回1分21秒TKO負けに退いた。
 この試合、脇本は最初の2ラウンズこそ好調だったが、3回にチャンピオンの右ストレートでダウンを奪われ、さらに2度ダウンを追加されてレフェリー・ストップとなった。
 チョラタン(25)はこれで36勝21KO負けなし。脇本(22)は15勝6KO3敗。

2010年12月30日木曜日

ミドル級の名選手ブリスコ逝く

 1970年代のミドル級シーンを彩った一人ベニー・ブリスコ(米)が28日(現地時間)、故郷の米フィラデルフィアで死去した。67歳だった。
 1969年9月プロデビューしたブリスコは著名選手の相手役として存在感ある脇役だった。対戦した選手はエミリー・グリフィス(2度)、マービン・ハグラー、ビト・アンツォフェルモ、カルロス・モンソン(2度)、ロドリゴ・バルデス(3度)、エディ・ムスタファ・ムハメドなど錚々たる顔ぶれが並ぶ。このうちモンソンには敵地ブエノスアイレスで挑戦し、15回判定負け(72年11月)。バルデスには2度挑み、初戦は7回KO負け(74年5月、モンテカルロ)。再戦は15回判定負けだった(77年5月、イタリア)。
 実力がありながら、当時のチャンピオンの強さに阻まれ、最後まで無冠の帝王に終わった。そのスキンヘッドの強面の風貌から日本では“海坊主”のニックネームで呼ばれた。ブリスコの試合を45回も興行したラッセル・ペルツ・プロモーターは「彼はフィラデルフィア・ボクシングの黄金時代の最大のスターだった」と死を惜しんでいる。
 引退後は市の清掃員として生計を立てていたブリスコの生涯戦績は66勝53KO24敗6分。死因は明らかにされていないが、ここ数年、健康がすぐれず、1週間前に地元の大学病院に入院していたという。

2010年12月28日火曜日

エディ賞に「チーム内山」

 今年の「エディタウンゼント賞」に、WBA世界S・フェザー級チャンピオン、内山高志の世界王座獲得に貢献したワタナベジムのトレーナー陣「チーム内山」が選ばれた。エディ賞は22年前(1988年)に亡くなった名伯楽、エディ・タウンゼント氏の功績を長く顕彰していこううと90年に設立され、現在日本で唯一のトレーナーを対象とした賞である。第21回となる今年の選考会は、去る21日に都内で催されていた。
 今回のように個人ではなく複数授賞は初めてである。チーム内山の陣容とそれぞれの担当は、佐々木修平(ミット打ち)、高橋智明(アドバイザー)、石原雄太(コンディショニング)、松浦慎一郎(サブ)の4氏。他に、特別参加として飯田裕(都城レオスポーツジム・トレーナー)、土井進(フィジカル・トレーナー)、飯島譲(セレスジム・トレーナー)の各氏。飯島氏はセレスジムのドクター、カットマンで、試合時のみセコンドについている。また、加山利治、大谷唯門の両トレーナーも内山の世界獲得に貢献したチーム内山のメンバーだったが、いずれも9月に退職している。
「うちのトレーナーがエディ賞をもらえて、僕もうれしい。自分がチャンピオンになれたのもみなさんのおかげ。感謝しています」と、1月31日にWBA世界S・フェザー級王座の3度目の防衛戦を予定している内山はわがことのように喜んでいる。

アマMVPは須佐 優秀選手賞は初の女子(新本)

 プロ表彰選手の選考会(別掲)と同じ席で、アマチュアの2010年度表彰選手も決まっている。最優秀選手賞は、中国・広州で開催されたアジア競技大会の52kg(フライ)級で3位に入賞した須佐勝明(自衛隊体育学校=写真=)が選ばれた。06年に続く2度目のMVP獲得。今年は全日本選手権優勝の他、カザフスタンのプレジデントカップでも優勝しており、活躍が目立った。
「うれしい。今年の成績については満足しています。来年の世界選手権が勝負なので、これに向けて頑張るつもりです」と須佐は早くも次の目標に照準を合わせている。
 優秀選手賞には、同じくアジア大会で初めて行われた女子ボクシングに出場し51kg(フライ)級で3位入賞の新本亜也(クリエイティブジャパン)が選ばれた。女子選手が年間表彰選手に選ばれたのは今回が初めてである。また新鋭賞には、16歳の高校2年ながら全日本選手権大会60kg(ライト)級優勝の殊勲を上げた藤田健児(倉敷高校)が選ばれた。各賞の受賞者は下記の通り--。
◇アマチュアの部
最優秀選手賞 須佐勝明(自衛隊体育学校・26)
優秀選手賞  新本亜也(クリエイティブジャパン・24)
技能賞    清水 聡(自衛隊体育学校・24)
努力賞    山田崇人(東京農業大学・22)
敢闘賞    林田太郎(駒沢大学・21)
新鋭賞    藤田健児(倉敷高校・16)

 表彰式はアマ・プロとも1月26日、東京ドームホテルで催される。

西岡が'10年MVPに


 2010年のプロ・アマチュアボクシング年間優秀選手選考会が28日、後楽園飯店で開かれ、日本ボクシングコミッションの委嘱を受けた東西メディアのボクシング担当記者の投票により各賞受賞者が決まった。
「プロ最優秀選手賞」に輝いたのはWBC世界S・バンタム級チャンピオンの西岡利晃(帝拳)。西岡は長谷川穂積(真正)とのハイレベルな票レースの末、決選投票で選ばれた。今年の西岡は4月に無敗バンゴヤンをKO、10月のV5戦では惜しくも連続KO防衛記録がとだえたものの、1位ムンロー相手に完璧な勝利を飾った。充実のチャンピオンはプロ11年、34歳にして初の受賞である。
「技能賞」は長谷川が受賞。モンティエルとのチャンピオン対決で敗れバンタム級王座から陥落するも、去る11月にフェザー級でドラマチックな復活。見事2階級制覇を達成した。ファンをしびれさせたモンティエルとの一戦は「年間最高試合賞」にも選ばれた。
「殊勲賞」は内山高志(ワタナベ)が受賞。サルガドを倒しWBA世界S・フェザー級王座を奪取し、ここまで連続KO防衛中。内山は「KO賞」も同時にゲットしたが、こちらは36票中32票を占め、他を圧倒した。
「敢闘賞」は五輪銅のタイベルトを見事破り2階級制覇を達成した粟生隆寛(帝拳)、さらに先日3階級制覇を果たした亀田興毅(亀田)が同票でそろって受賞。「努力賞」にはWBA・S・バンタム級王座を獲得した李冽理(横浜光)が、そして「新鋭賞」には亀海喜寛(日本S・ライト級王者=帝拳)と宮崎亮(OPBF・Lフライ級王者=井岡)のふたりが選ばれた。
「女子最優秀選手賞」は海外で2度の防衛戦に勝利したWBC・Lフライ級王者の富樫直美(ワタナベ)が“圧勝”。特に10月にメキシコでイルマ・サンチェスを下した一戦は女子の「最高試合賞」に選ばれた。
 また「特別賞」は、先ごろ引退した女子の菊地奈々子が受賞。菊地は元OPBF・Lフライ級王者でJBC認可前にはWBC女子ストロー級王座を獲得した。

2010年12月27日月曜日

亀田3兄弟一夜明け会見-大毅はベルト返上へ

3階級制覇を成し遂げた興毅、V2を果した大毅、タイ選手を一蹴した和毅の亀田3兄弟が27日午前都内で一夜明け会見を行い、亀田祭り成功に手応えの亀田プロモーション社長、興毅は「いずれは3人で世界タイトルマッチをやりたい」と今後の展望を述べた。大毅は改めて減量苦を口にして「ゼロからチャレンジしたい」とフライ級王座返上を明言。ジム側は年明けにも返上手続に入るとした。三男・和毅は早くも次戦が決定。2月、メキシコでWBCユース王座の防衛戦を行うという。
 テレビの視聴率は大毅の防衛戦が平均9.6パーセントに瞬間最高が13.6パーセント。興毅の平均が13.8パーセント、瞬間最高が19.3パーセント。女子フィギュアスケート、M-1という強力ライバル番組と互角の数字を残してた。

福岡の試合結果 黒木KO勝ち

 関ジム主催の「シュガーズファイト」は26日午後、福岡市の九電記念体育館で行われ、メインの女子ミニマム級6回戦では、東洋太平洋同級10位・黒木優子(関)が刘綺(中国)に3回55秒KO勝ちを飾っている。この日の黒田は初回からダウンを奪い優勢。3回に入りサウスポースタイルからの左ストレートを決めて刘をダウン。そのままカウントアウトとなった。これで関ジムのホープ黒木(19)は4勝KO1敗。敗れた刘は1勝1KO3敗。
 この日唯一の10回戦では、S・バンタム級の奈須辰之(関)が菅館克彦(ヤマカワスポーツ)に6回2分2秒TKO負けを喫した。奈須は初回に菅館の右をテンプルに浴びてダウンを奪われると、このダメージが尾を引き。その後反撃を試みるも調子出ず。6回に再び菅館のタイミングのいい右を浴びてダウンすると、レフェリーがストップしTKOを宣告した。

大阪最終戦 大沢、ペレスを7回KO

 関西地区今年最後の興行が26日午後、大坂・阿倍野区民センターで行われ、メインのS・フェザー級8回戦では、WBC世界フェザー級12位の大沢宏晋(大星)が元WBC中米カリブ・S・バンタム級王者のガブリエル・ペレス(メキシコ)を7回右ストレート一発でKOに沈めた。ペレスは4年前に粟生隆寛に6回TKO負けを喫した選手。

弟大毅は苦闘の2-1判定で初防衛 WBAフライ級戦


 亀田興毅-アレクサンデル・ムニョス戦と同じリングで行われたWBA世界フライ級タイトルマッチは、チャンピンの亀田大毅(亀田)が挑戦者同級14位のシルビオ・オルティアーヌ(ルーマニア)に苦戦の末2―1の判定勝ちでベルトを死守。2度目の王座防衛に成功した。
 この日の大毅は減量苦の影響から思うように動けず、しかも手が出ない。一方小柄なオルティアーヌは手数で勝ったものの的中率は悪く、しかも非力。坦々と進んだ試合は、そのまま盛り上がることなく12回を終えた。スコアは2―1といっても数字上は接戦ではない。大毅の勝ちとした2人は115-113、116-112と、2~4点差だったが、別なジャッジは118-110と逆に8点差でオルティアーヌの勝ち。まるで別な試合を採点していたかのよう。ジャッジの間で採点規準が違っていたとしかいいようがない。レベルの低い世界戦だったが、不調で手の少なかった大毅が王座を守れたのは幸運というほかない。
 大毅は「(内容は)よくない。でも、こんな状態でも守れたんでよかったです」とホッと一安心。微妙な判定につては「この回を勝ったとか負けたとかは気にしていなかった」と言う。一方敗者オルティアーヌは「結果を受け容れる」と言いつつも、勝ったと思ったかの質問には「そう思う。後半いいボクシングができたからね」
 大毅は試合前から口にしていたように、減量苦から上の階級に転向する可能性が高く、「2階級(バンタム級に)上げたい」とも。まだ結論は先だが、暫定王座を3度守っているルイス・コンセプシオン(パナマ)とのチャンピオン統一戦が実現する見込みはきわめて低くなった。
 ダブル世界戦の前座に出場した亀田家三男、和毅はタイのピチットチャイ・ツインズジムを5度ダウンさせた末3回KO勝ち。デビュー以来の連勝を17(12KO)に伸ばした。サウスポーのタイ選手から2回に2度のダウンを奪い、3回に左ボディーの後の連打でまたもダウン。なおも立ち上がったピチットチャイを追撃して倒すと、再開後すぐフィニッシュした。


亀田兄3階級制覇 WBA世界バンタム級王座決定戦

 26日さいたまスーパーアリーナで行われた「ダブル世界タイトル戦」のWBA世界バンタム級王座決定戦で、同級2位・亀田興毅(亀田)が同5位・アレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)から12回にダウンを奪い、3―0判定勝ちで新チャンピオンとなった。これで興毅はWBA・L・フライ級、WBCフライ級に続く王座獲得で3階級制覇となり、これは日本の世界チャンピオンの複数階級世界王座獲得の最多記録。また同じリングで行われたWBA世界フライ級タイトルマッチで防衛に成功した弟大毅とともに、兄弟同時世界チャンピオンとなった。
 今年初めに1度は引退し、10月に再起したばかりのおなじみムニョス(31)。さすがにKOキングとして猛威を揮った頃と比べればパンチにスピードもなく衰えは隠せない。それでも若い亀田(24)を勢いづかせまいと立ち上がりから攻勢に出て、ワンツー、右ストレートと大きなブローを放ってプレッシャーをかけ続けた。これに対し亀田はサウスポーから右フック、左ストレートで対抗するが、手数が少ないのはムニョスのプレッシャーがきつかったため、あるいは相手のスタミナ難から後半失速するのを待つ作戦だったか。しかしムニョスも、大振りでミスも目立ったが意外に衰えず、クリンチ際にしつこく相手の後頭部をたたく反則は相変わらず。6回にはこのラビットパンチで減点1を取られた。
 最終回で大きなヤマ場が訪れた。ムニョスがバランスを崩したところに亀田が右フックを決めて軽いダウンを奪った。ダメージは軽い。再開直後の猛攻で左ストレートの直撃弾。この方がムニョスにはこたえたろう。必死になって亀田にしがみつく様子はいかにもロートルの色がありあり。もっと早く亀田が仕掛けていれば、あるいはKOもあったかもしれない。
 それでも採点は接近しているかと思えたが、意外にも115-111、116-109、117-109と、4~8ポイント差の明白判定で亀田の勝ち。ムニョスの攻勢よりも、亀田の的確さにポイントを与えた採点だった。
 不思議なことにこの日の敗者はムニョスにしても、大毅の相手オルティアーヌにしても、露骨に判定に不服を唱えることは避けていた。ムニョスは「いい試合を見せられて、とてもいい気分。亀田はいい選手だ」と言いつつ、本音は不満ありあり。亀田についての印象を何度聞かれてもまともに答えず、「もう一度リベンジの機会を」と訴えるばかりだった。 日本選手との対戦8人目にして初黒星にもかかわらず、「一番強かったのは、セレス小林だ」とは……。
 一方、誇らしげに体に3本のチャンピオンベルトを巻きつけて試合後の記者会見室に現れた勝者も、コメントは謙虚だった。「3階級制覇は素直にうれしい。ムニョスは強い選手やったし、パンチも強かった。まだまだ勉強せんとあきません」。それでも「ドネアをはじめバンタム級のビッグなチャンピオンの中に俺も食い込んで、そして抜かしいきたい」と夢はあくまでビッグ。どうせなら、WBAのスーパー王者に昇格して正規王座を明け渡したアンセルモ・モレノとの統一戦を実現させてほしいものだ。

2010年12月25日土曜日

ダブルタイトル戦計量



 明日さいたまスーパーアリーナで開催されるダブル世界戦の調印式、計量が25日行われた。
 今回バンタム級に上げて戦う亀田興毅(亀田)は「前よりもパワーとスピード、パンチ力もあると思う。いいパンチを打ち込みたい」とコメント。亀田興と対戦するアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)も「体調は最高。必ずKOで勝つ」と元KOキングらしい自信をのぞかせた。
 同じリングでWBAフライ級王座の防衛戦に臨む亀田大毅(亀田)は「これが最後のフライ級になると思う。一度くらいフライ級でKOを見せたい」と素直に語り、挑戦者シルビオ・オルティアーヌ(ルーマニア)は「17年間夢見てきたリング。素晴らしい」と話した。
 会見後に行われた計量は4選手が一発合格。亀田興とムニョスは53.5キロ、亀田大とオルティアーヌが50.8キロといずれも階級の上限に合わせている。
 明日の試合オフィシャルの構成は次のとおり。バンタム級……レフェリー=ロベルト・ラミレス(プエルトリコ)/ジャッジ=ピニット・プラヤドサブ(タイ)、レビ・マルティネス(米)、ホセ・ロベルト・トーレス(プエルトリコ)。フライ級……レフェリー=ピニット・プラヤドサブ(タイ)/ジャッジ=レビ・マルティネス(米)、ロベルト・ラミレス、ホセ・ロベルト・トーレス(プエルトリコ)。立会人は両試合ともアラン・キム(韓)。

2010年12月24日金曜日

ワタナベの3選手タイで勝てず…速報

 24日タイ・シーサケート、ラチャパット大学シーサケート校特設リングに上がったワタナベジムの3選手はいずれも敗退した。
 ナパーポン・ソールンウィサイと空位のABCO・S・フェザー級王座を争った山元浩嗣は6回TKO負け。同フライ級王座決定戦出場の国重隆はスリヤン・ポーチョークチャイに3-0判定負け。ノンタイトル6回戦でABCO・S・フライ級王者ヨーッチャンチャイ・ナコンルアンプロモーションと対戦した中川雄太は1回にダウンを奪う健闘を見せたが5回に2度のダウンを喫してこの回TKOで退いた。

3度目の正直に失敗 久高、カサレスに判定負け


 23日、大阪府立体育会館で行われたWBA世界S・フライ級戦は王者ウーゴ・カサレス(メキシコ)が6位挑戦者の久高寛之(仲里・ATSUMI)に3-0判定勝ち。3度目の防衛に成功した。
 序盤の久高は悪くはなかった。キレのある右ボディーストレートや、リターンで放つワンツーなどで試合をつくる。4回は右、5回は左フックをカウンター気味に当てて相手を一瞬あわてさせた。しかし攻防の切り替えのうまいカサレスにしのがれ、逆にパンチを集められ、しだいに手数が少なくなる。王者のスイッチ戦法にも惑わされ、ポイントを奪われ続けた。結局116-112、117-111が2者のスコアで判定負けを喫した。坂田、デンガオセーンに続く3度目の世界挑戦にかけていたが、結果を出すことはできなかった。
 久高は「判定は妥当かな。こんなにパンチをもらったのははじめて」「現時点では僕はこんなものかなと思った」とカサレスのうまさに脱帽していた。

急逝の「津川勝会長」 本名は覚前廣和さん

 昨日の当サイトでオール拳・津川勝会長の訃報をお伝えしましたが、「津川勝」名は選手として活躍していた現役当時から用いたリング・ネームであり、本名は覚前廣和(かくまえ・ひろかず)さんであることが分かりました。本日午後7時からの通夜、明日25日午後1時からの告別式(いずれも会場は大阪市立北斎場)とも、津川名ではなく、覚前前で営まれます。葬儀い参列を予定されている方はご注意を。

統一戦限定でIBF、WBO戦OK 協会理事会

 日本プロボクシング協会(JPBA=大橋秀行会長)は23日静岡・熱海で総会・理事会を開き、懸案のIBF・WBO問題等を協議した。
 その結果、日本が現在加盟しているWBAとWBC以外のタイトル認定団体(IBFとWBO)に関しては、WBAとWBCのチャンピオンが統一戦を行う場合についてのみ認めるよう日本ボクシングコミッションに要請することを全員一致で決定した。ただし、これ以外の選手がIBFやWBOのタイトルに挑戦することは認めないとしている。4月の長谷川穂積-F・モンティエル戦のような統一戦はOKだが、来年1月に高山勝成が南アフリカで計画しているIBF世界ミニ・フライ級挑戦は、協会としては関知も関与もしないということ。日本がIBFやWBOに加盟するかどうかについては、踏み込んだ議論をしていない。
 同じく、WBCの認定している「ユース・タイトル戦」は、現在日本国内では認定していないが、これを認めるかどうかについても協議。「挑戦資格が不明朗」との反対もあったものの、「前向きに検討する」(北澤鈴春事務局長の話)ことになったという。各地域の協会で協議の上、改めて全日本の理事会にはかる。
 またこの日の理事会では、現在「ミニマム級」といわれている最軽量級について、以前の呼称である「ストロー級」に戻すようJBCに要請することも決めた。WBAやWBCにも呼びかけるという。

訃報・津川勝オール拳会長逝く


 オール拳(大阪・堺市)の津川勝会長が23日午前3時59分、入院先の大阪市内の病院で死去した。東京での試合から帰阪した後体調を崩していたが、肺炎をこじらせていたことが分かり入院治療したものの回復せず、この日息を引き取ったという。享年70歳だった。
 津川氏は大阪市浪速区出身。昭和34年にオール拳所属選手としてデビューし、バンタム、フェザー級でリングに上がり、8回戦を経験。ファイター型で、後の日本ライト級王者辻本英守(大星)に4回戦で勝ったこともある。近年オール拳のマネジャー、会長代行などをつとめ、昨年から会長に就任したばかりだった。
 故・津川勝氏の葬儀は大阪市立北斎場で、明日24日午後7時から通夜、25日午後1時から告別式が営まれる。喪主は娘の岡田里理さん。大阪市立北斎場は、大阪市北区長柄西1-7-13(電話06-6351-3042)

2010年12月23日木曜日

ワタナベジムの3選手明日タイで強豪に挑む

ワタナベジムの国重隆、山元浩嗣、中川雄太が24日、バンコクから約500㌔離れたタイ東北部シーサケートのリングに上がる。
国重は空位のABCOフライ級王座をかけてスリヤン・ポーチョクチャイ(タイ)と対戦。スリヤンは先日WBC王者ポンサクレックに挑んで大健闘したホープだが「タイ人に國重隆の名前を覚えさせますよ」と国重ヤル気満々。
山元浩嗣は、こちらも空位の同S・フェザー級王座決定戦に出場。相手はかつて西岡と世界王座を争ったベテランのナパーポン・ソールンウィサイ(タイ)で厳しい戦いが予想されるが「このチャンスを生かして一気に上まで登りつめたい」。日本のランカーがアウェーでどんな戦いを見せるか。
中川雄太はノンタイトル6回戦に出場だが、相手はABCO・S・フライ級チャンピオンのヨーッチャンチャイ・ナコンルアンプロモーションとこちらも強敵だが、中川も「まだ無名の僕ですが世界ランカーに勝って良い経験をつみたいです」と明日の決戦に向けて気合十分。本日行われた計量は全員パスした。
試合はタイのTV3チャンネルで午後2時20分から午後4時20分まで生中継される(日本時間午後4時20分から午後6時20分)。写真は今日行われた計量

近藤薄氷の勝利 小澤に2-1判定


 タイトル奪還を目指す前日本ライト級チャンピオン近藤明広(日東)が22日夜後楽園ホールで元ランカーの小澤大将(全日本パブリック)と8回戦を行い、判定勝ちした。しかし最近にない不出来で、2-1判定は逆になってもおかしくない内容に本人もガックリしていた。
 ジャブを多用して好スタートを切った小澤に対し、近藤はガードを固めてプレッシャーをかけるが、なかなか相手を読み切れない。時折左フック、右ストレートをヒットしたものの、小澤の右をよけ損なう場面も。5回には出ばなに小澤の左フックをカウンターされ足がもつれかけた。その後も最後までやりにくい相手を攻めあぐねた。スコアは2人が77-76、78-76で近藤の勝ちとしたが、残る1人は逆に77-76で小澤の勝ち。
「考えてしまって手が出なかった。まずい試合でした。そんなつもりはないけれど、油断があったのかも」と勝者近藤は浮かぬ顔。反対に敗者小澤(30)は「俺が勝った試合だった……」。これが27戦目で、リングに上がる前は「負けたら引退」と覚悟していたが、「ちょっと延びるかな」とまだまだやる気。
 この日主催の日東ジムは受難続き。セミの8回戦では、設楽賢太が橋本弘幸(西城)と劇画のような打撃戦の末6回2分45秒TKO負け。2回に橋本の右を浴びて痛烈なダウンを喫し、これは立ち上がり反撃場面もあったが、被弾のダメージも深く、6回血だるまになって連打されたところでレフェリー・ストップがかかった。もう1人S・バンタム級8回戦では八戸保頼が齋藤純彦(輪島功一スポーツ)に2-1判定負け。
 この他の8回戦では、“電通マン”中村幸裕(ピューマ渡久地)が益田健太郎(新日本木村)に1、2回にダウンを奪われ、0-3の判定負け。

パッキアオ-モズリー 5・7ラスベガスで決定

 現役最強ボクサー、マニー・パッキアオの次戦の対戦者に元3階級制覇王者シェーン・モズリーが決まった。11月上旬から交渉が進行していた一戦は、今週火曜日ラスベガスのトップランク社のオフィスで合意に達し、両陣営がサインを交わした。試合は来年5月7日、ラスベガスのMGMグランド・ガーデンで挙行される。12回戦で行われる試合はパッキアオが保持するWBO世界ウェルター級王座が懸けられる。
 ボブ・アラム・プロモーター(トップランク)によると、モズリーのほかに対戦候補者にはアンドレ・ベルト(WBC世界ウェルター級王者)、フアン・マヌエル・マルケス(WBA&WBO統一ライト級王者)が挙がっていたという。本命視されていたモズリーが選ばれたことについて「モズリーが知名度でベスト。多くのビッグファイトを経験し、ファンに知れ渡っている」とアラム氏は話している。
 同時にゴールデンボーイ・プロモーション傘下から離れ、フリーエージェントとなったモズリーは交渉しやすい相手だったようだ。テキサスで2試合続いたパッキアオは約1年半ぶりのラスベガス登場となる。ウェブサイトの情報ではモズリーの保証額は500万ドル。PPV売り上げにより、最高で850万ドルも可能とのこと。パッキアオは1200から1500万ドルの報酬が見込まれている。

2010年12月22日水曜日

明日ゴング! カサレス×久高


 23日に大阪府立体育会館で開催されるWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦の調印式と前日計量が22日、大阪市内のホテルで行われた。
 王者ウーゴ・カサレス(32=メキシコ)、挑戦者の同級6位・久高寛之(25=仲里ATSUMI)とも計量は1回でクリアした。ウエートはカサレスがリミットの52・1キロ、久高が52・0キロだった。検診でも両者とも医師から問題なしと診断された。カメラマンからリクエストされ、2人がにらみ合うシーンも見られた。
 計量前に行われた調印式では両選手が抱負を語った。まずはカサレスが「久高は若い。我々の方が経験に秀でている」とジャブを放った。これに久高は動じず「勝つためにしっかり準備してきた。階級を上げたことで減量もスムーズにいったし、体調は万全」と落ち着き払った表情だった。
 久高は過去2度の世界挑戦で坂田健史、デンカオセーンに対してともに12回判定負け。一方のカサレスは今年5月に名城信男から判定で王座を奪い、今回が3度目の防衛戦となる。
 試合はWBAルールに従ってスリーノックダウン制。グローブはメキシコ製が使用される。

オルティアーヌ公開練習


 26日、さいたまスーパーアリーナで亀田大毅のWBAフライ級王座に挑むシルビオ・オルティアーヌ(表記がオルティーヌから変更)が今日トレーニングを公開しインタビューに応じた。
 公開練習とはいうものの挑戦者はロープを数分跳んだかと思うとリングでシャドーをこれまた数分。そして「これでお終い。帰るよ」とリングを降りようとした。報道陣が呆気に取られる中、記者会見をうながされてインタビューに応じた。
 練習らしい練習をしなかったオルティアーヌは「これ以上必要ないから。すごく調子がいい。ウェイトも51.2キロ」と語ったように、披露したシャドーはスピードと切れのあるものだった。「自分のボクシングの特徴はテクニックとスピード。世界タイトル挑戦は初めてだが、特別の感情はない。しっかり準備をしてきた。カメダは若くていい選手。減量が大変? それは彼の問題であって私には関係のないこと。私は私のボクシングをするだけです。 作戦はありますが、ここで言うわけにはいきません。とにかく私は自分の準備をしてきました。勝つために日本に来ましたから、結果もそうなると思います」    ルーマニアのメッジディアの出身。16歳からボクシングを始め、11年間にわたって五輪強化選手として活動してきた。オリンピックは欧州選手権で敗れて出場していないが、国内タイトルは金2、銀2、銅6と安定した力を誇っていたようだ。アマでは48キロ級が主戦場だったという。 プロ活動のスタートはスペイン。「同じ努力をしてもルーマニアでは報われないから」と兄、姉が移住していたスペインを選んだ。デビュー3連敗というスタートだったが「それはまだ準備ができていなかったから」とオルティアーヌ。王者のKO宣言には「できるかどうか、みてみましょう」と余裕。ダウン経験はないと語った。
 

「亀田をKOする」ムニョスが公開練習


 亀田3兄弟が出場する26日のダブル世界タイトル戦、WBA世界バンタム級王座決定戦で長兄の亀田興毅と対戦する同級5位で元WBA世界S・フライ級チャンピオンのアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)が21日東京・小岩の勝又ジムでメディアに練習を公開した。
 予定時間を30分以上遅れてやってきたムニョス(31)は、相変わらずのマイ・ペース。スパーはやらず、ロープ跳びやシャドーボクシングなど、それでも1時間半ほど、たっぷりと動いた。ラモス・トレーナー相手のミット打ちでは、亀田対策なのか、アッパーを打ち込む練習を念入りに行っていた。しきりに笑顔を浮かべ、カメラの注文にも気さくにポーズをとっていたが、亀田ポスターと一緒の撮影は「ノー」とやんわり断った。
 今年初めには引退声明まで出したムニョスだったが、引退理由と復帰の経緯を聞かれると「あれは試合のチャンスがなかったためで、やめるつもりはなかった。その後スポーツ・コーディネーターを3ヵ月やっていた。声をかけられたので、パナマ、ニカラグアで試合をした」とケロリとしたもの。亀田については「印象は特にない。彼をKOするだけ」。この日の練習を見る限り、以前の強さを維持しているか分からなかったが、ムニョス本人は「約束する、彼は私に勝てない」と重ねて必勝宣言していた。

水谷、中国で判定勝ち 熊はIBF地域王座獲得

 女子ボクシングのWBC世界S・フェザー級15位、水谷智佳(宮田)が18日中国の昆明で行われたライト級10回戦に出場し、シェン・ダンイェ(中国)と観客を沸かせる攻防を展開。6回にはダウンを奪い、2-1判定勝ちを飾った。スコアは2人が98-93、96-93で水谷の勝ちを支持し、残る1人は96-95でシェンの勝ちとしていた。
 この日のメインは、内藤大助の世界フライ級王座に挑戦して惜敗した熊朝忠(中国)がポンパン・パタナカンジム(タイ)のアゴに右を打ち込み4回23秒KO勝ち。空位のIBFパンパシフィック・J・フライ(L・フライ)級王座を獲得している。
 同じリングで行われたフェザー級10回戦では、カシミジム所属のフィリピン人選手ジョナサン・バートがスー・コンリャン(中国)に3-0判定勝ち。バート(30)は07年10月名古屋で大場浩平に判定負けした後は8連勝と好調。

フックかが5度目の防衛成功 WBO世界クルーザー級戦

 WBO世界クルーザー級タイトルマッチは18日ドイツのベルリンで行われ、チャンピオンのマルコ・フック(ドイツ)が1位挑戦者デニス・レベデフ(ロシア)をきわどい2-1判定に下し、5度目の王座防衛に成功した。
 激しい攻防が続き両選手にとってタフな試合となった。チャンピオンは4回にろっ骨を痛め、その後は苦痛をおして戦い抜いた。
試合は判定に持ち込まれ、ジャッジ2人が115-113でフックの勝ち、残る1人は116-114で逆にレベドフの勝ちとしていた

井岡の返上日本王座 家住-黒田で決定戦

 プロ7戦目で世界チャンピオンを狙う井岡一翔(井岡)が15日付で日本L・フライ級王座を返上していたことが明らかになった。井岡は10月の決定戦でタイトルを獲得したばかりだが、次戦(2月頃)で世界挑戦する計画。この準備に専念するため、手にしたばかりの日本王座を返上することになった。
 空位となった日本王座の決定戦は、3月22日後楽園ホールで、WBC同級11位の家住勝彦(レイスポーツ)-日本同級1位の黒田雅之(川崎新田)の間で決定戦が行われることに決まっている。家住は6月宮崎亮(井岡)に敗れ東洋太平洋王座を追われているが、世界ランクを維持して今回の挑戦のチャンスが転がり込んだ。 家住(30)は29勝19KO8敗3分、黒田(24)は18勝12KO3敗分。

キューバのソリスがクリチコ戦へ WBCヘビー級挑戦者決定戦


 WBC世界ヘビー級挑戦者決定戦が18日米フロリダ州マイアミで行われ、同級2位のオドラニエル・ソリス(キューバ)が同1位のレイ・オースティン(米)に10回終了失格勝ちし、王者ビタリ・クリチコ(ウクライナ)への挑戦権を獲得した。 
 それまでソリスが世界挑戦経験者のオースティン相手にスピードとスキルで試合を支配し、5回には左を決めてダウンも奪っていた。オースティンは10回、ソリスの連打にダメージを負い、しつこいホールドを繰り返したため、ラウンド終了直前にレフェリーが失格を宣告した。それまでの採点は意外にも三者三様だった。
 五輪金メダリストからプロ転向したソリスはこれで不敗の17連勝12KO勝ち。
※ 写真はオースティンを攻めるソリス(右)PHOTO/SUMIO YAMADA

パスカルが論議呼ぶ引き分け ホプキンス抗議 WBC世界L・ヘビー級戦

 18日カナダのケベック市で行われた今年最後のビッグマッチ――WBC世界L・ヘビー級タイトルマッチは、王者ジャン・パスカル(カナダ)が45歳のベテラン、バーナード・ホプキンス(米)から1、3回にダウンを奪う好調の立ち上がりをみせたが、その後ホプキンスが盛り返して接戦に。判定は論議を呼ぶマジョリティー・ドローとなり、地元のパスカルが辛くも4度目のタイトル防衛に成功した。
 ダウンは初回は右フック、3回は左フックだがいずれもホプキンスがバランスを崩したところに打ち込んだもので、ダメージはほとんどなかった。スコアは、2人のジャッジが114-114、113-113で引き分けとし、残る1人は114-112でホプキンスの勝ちとしていたため、多数決で引き分けの結果となったもの。ホプキンス陣営(ゴールデンボーイ・プロモーション)は判定に猛烈に抗議し、ダイレクトの再戦を要求しているが、WBCはこれを認めていない。ホプキンスも「テープを見直したが、明らかに私の勝ち。パスカルにとってもカナダにとってもよくない」と批判している。
 パスカルはこれで26勝16KO1敗1分。驚異の45歳ホプキンスは51勝32KO5敗2分1NC。

カサレス-久高戦予備検診

 23日のWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦(大阪府立体育会館)に出場する両選手の予備検診が21日、大阪市内の日本ボクシングコミッション関西事務局で行われた=写真。同級6位の久高寛之(25=仲里ATSUMI)、王者ウーゴ・カサレス(32=メキシコ)とも体調に問題なしと診断された。
 久高は初対面だったカサレスについて「予想どおり強そうなチャンピオンだなと思った」と印象を語った。「過去2回の世界戦の時もそうだけど、リラックスしている。今回も気負いすぎずにできている。気持ちは必死だが、落ち着いて自分のボクシングをするだけ」と自信を漂わせた。
 一方のカサレスは名城信男(六島)から王座を奪い、これが3度目の防衛戦。「調整はうまくいっている。減量もコントロールできている」とこちらも落ち着いた表情だった。
 以下は検診結果(カサレス、久高の順)
 ▽身長 163センチ、164センチ
 ▽首回り 36センチ、35センチ
 ▽胸囲 84・5センチ、83センチ
 ▽胸厚 20・5センチ、21・5センチ
 ▽視力 左右とも2・0、右1・5左1・2
 ▽リーチ 165センチ、162センチ
 ▽ナックル 右27・5センチ左27センチ、左右とも25センチ
 ▽血圧 115/70、151/86
 ▽脈拍 57、44(ともに1分あたり)
 ▽体温 37・0度、37・2度

2010年12月20日月曜日

ムニョスとオルティーヌも予備検診

 亀田兄弟の後で予備検診を受けたアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)、シルビオ・オルティーヌ(ルーマニア)も体調に特別な不安点は見当たらなかった。
 久々の来日となるムニョスは「100パーセント。調子がいい。再び世界チャンピオンになる」と話した。一度は引退状態にあったムニョスだけに、どこまで往時の強さを取り戻しているのかが注目されているが「(10月の再起戦のあと)タイトル戦が決まろうと決まるまいと練習はしてきた。パンチ力はもっとパワーアップしている」と主張。「(日本人相手の)無敗を守る」と宣言した。
 大毅に挑戦するオルティーヌはこの日来日したばかりの強行軍。それでも「(チャンスを)16年間待ってきた。長い間だ。やる気になっている」と落ち着いた受け答え。カメラのストロボを浴びつつ、上半身の筋肉を自慢していた。
 興毅-ムニョス、大毅-オルティーヌ両試合の検診結果は以下のとおり。

《WBAバンタム級》
    亀田興      ムニョス
身長  166センチ    165.8センチ
頸周  38センチ     37.5センチ
胸囲  99センチ     91センチ
視力  右2.0左1.5    右2.0左1.5
リーチ 168センチ    174センチ
血圧  111/76     120/66
脈拍  43        45
体温  36.4       36.4
《WBAフライ級》
    亀田大      オルティーヌ
身長  168.5センチ   158センチ
頚周  38センチ     38センチ
胸囲  83センチ     91センチ
視力  右1.2左1.0    右0.9左0.9
リーチ 164.2センチ   156.8センチ
血圧  120/71     135/85
脈拍  46        60
体温  36.0       36.6

亀田兄弟の予備検診 26日にダブル世界戦

 ダブル世界戦(26日、さいたまスーパーアリーナ)の予備検診が20日、亀田兄弟と対戦する外国人選手別々に行われた。
 先に検診を受けた亀田兄弟は「ここまでの体調はええ」(大毅)、「結構仕上がってきた」(興毅)と順調な調整をアピール。もっとも減量苦に悩む大毅は「これからきつくなる」とこぼし、次戦以降の階級変更を示唆する発言もあった。大毅はオルティーヌを迎えてWBAフライ級王座2度目の防衛戦に臨む。
 一方、ムニョスとWBAバンタム級王座を争う興毅は「あとは体重を落とすだけ」。「これまで減量のための練習やったのが、試合のための練習をできた」と階級アップのメリットを語っていた。
 検診の結果、両選手とも特に異常は見られなかった。

“テリーブレ2”らが勝つ モラレス戦の前座より

 メキシコ・ティファナのアグアカリエンテ・サッカー場に18日(現地時間)約1万2千人のファンを集めて行われたモラレス-ロレンソ戦のアンダーカードではWBCシルバーベルト戦やマイナータイトル戦などが挙行された。
 まずWBC・L・フライ級シルバーベルト王座決定戦は不敗の新鋭ペドロ・ゲバラ(メキシコ)がカルルイス・ディアス(コロンビア)に3回2分11秒KO勝ちで戴冠。右レバーブローでフルカウントを聞かせたもの。ゲバラは18勝13KO。
 一方、初黒星から再起2戦目となるS・フェザー級ランカー、アレハンドロ・サナブリア(メキシコ)が同国のセルヒオ・ペレスに2回2分47秒TKO勝ち。以前、猪木サナブリアの名で協栄ジムに所属した父(マネジャー)を持つサナブリアは26勝21KO1敗。
 またエリクの実弟イバン・モラレスはS・フライ級6回戦で、マヌエル・バルデス(メキシコ)に初回2分47秒KO勝利。“テリーブレ2”イバンは8勝5KO無敗。 メイン終了後行われたマイナー団体WBE“世界”L・フライ級戦は地元のフェリペ・サルグエロ(メキシコ)がリゴベルト・カシージャスとダメージングブローの応酬で沸かせた末、114-114,117-111,116-112の2-0判定勝利でベルトを巻いた。サルグエロは15勝12KO2敗1分。(三浦勝夫)

モラレス10年ぶりの地元登場 ロレンソを下す


 復帰3戦目となる元3階級制覇王者エリク“テリーブレ”モラレス(メキシコ)が故郷ティファナに登場。フランシスコ・ロレンソ(ドミニカ共和国)に判定勝ちでWBC・S・ライト級シルバーベルトを守った。(12月18日)
 モラレスにとってはS・バンタム級チャンピオン時代の防衛戦以来、10年ぶりの地元リング。当初、元WBO世界J・ライト級王者ホルへ・バリオス(亜)を迎える予定だったが、直前にロレンソに変更された。序盤4回は公開スコアリングで3ジャッジともドローだったように互角の立ち上がり。5回、モラレスの右でロレンソが倒れ、カウントが入る。以後、メキシカンが的確なブローを決めれば、今年ホルへ・リナレスの再起戦の相手を務め、フルラウンド戦い抜いたロレンソは数発パンチを返して反撃。元王者をたじろがせる場面もつくる。8回終了時の途中採点は2-1と割れることに。それでも終盤、要所を占めたモラレスがストップに持ち込むことはできなかったものの、3-0判定勝利を飾った。公式スコアは116-111、114-113、115-112だった。
 モラレス(51勝38KO6敗)は正規ベルトでの4階級制覇を目指すが、全盛期の迫力が消えうせ、実現は難しいとの見方がされる。ロレンソは36勝15KO9敗。(三浦勝夫)

池原TKO負け 屋冨祖、知念は勝つ 沖縄の試合結果

 19日琉球ジム主催の興行が沖縄県南城市知念体育館で行われた。メインのS・フライ級10回戦では、池原龍次(琉球)が東洋太平洋同級7位のローウィー・バンティーグ(比国)と対戦したが、5回1分16秒TKO負けを喫した。26歳のフィリピン選手はこれまで17勝9KO14敗7分と勝率こそ高くはないもののしぶとさと体力で池原に勝っていた。池原は果敢に打ち合ったものの初回から打ち負け、5回2度のダウンを喫してレフェリー・ストップ負けとなった。
 セミの10回戦では、琉球ジム期待の屋富祖裕信がファラゾナ・フィダル(インドネシア)に4回2分52秒KO勝ち。この回2度目のダウンでカウントアウトとなった。8回戦では、昨年度の全日本新人王で現日本L・フライ級10位の知念勇樹(琉球)がサミー・ハグラー(インドネシア)と対戦、2回に右アッパーを決めてダウンを奪ったもののタフな相手にガードを固められるとそれ以上は攻め切れず、KOはならず。スコアは79-72、79-74、78-74だった。

2010年12月19日日曜日

8戦全KO土屋MVP、技能は原 全日本新人王戦

 第57回全日本新人王決定戦は19日東京・後楽園ホールに超満員2500の観客を集めて行われた。注目のライト級の不敗対決は、土屋修平(角海老宝石)が強打を三好祐樹(FUKUOKA)に決め、三好はアゴの骨折の疑いで初回終了棄権。新人王久々の大器はこれで8戦全KO勝ちを記録し、東日本決勝に続き最優秀新人王に選ばれた。角海老宝石ジムは今回土屋とともにS・バンタム級コーチ義人、フェザー級関豪介と3人の全日本新人王が誕生。同ジムにとっては20年ぶりの快挙達成となった。
 ミニマム級の原隆二(大橋)はアマ時代に勝っている西軍代表伊藤秀平(真正)を圧倒し、5回レフェリー・ストップによるTKO勝ちで技能賞を獲得。他に、ウェルター級の林欽貴(E&Jカシアス)は3回にタイミングのいい右ストレートを向真一郎(SFマキ)に決めて倒し、主審はノーカウントでTKOを宣告。林は内藤純一会長(カシアス内藤)にジム初の全日本新人王をもたらすとともに、技能賞をゲットした。
 なお東西対抗の成績は、東日本が8勝3敗1引き分けで今回も西日本を制している。
◇この日の全12階級の試合結果は次の通り--。
MM級 原 隆二(大橋)TKO5R1'40" 伊藤秀平(真正)
LF級 山口隼人(TEAM 10 COUNT)2-1判定 藤原永次(FUKUOKA)
F級 角谷淳志(金沢)2-1判定 堀陽太(横浜光) 
SF級 佐藤宗史(石神井スポーツ)引き分け 田中裕士(畑中)
※1R延長戦の末佐藤の勝者扱い 
B級  柘植雄季(駿河)2-1判定 堤英治(ONE-TWOスポーツ)
SB級 コーチ義人(角海老宝石)3-0判定 松本章宏(カシミ)  
FE級 関 豪介(角海老宝石)TKO4R2'13" 知念翔太(沖縄ワールドリング)
SFE級 荒井翔(ワタナベ)TKO3R1'09" 中山和彦(FUKUOKA)
L級 土屋修平(角海老宝石)TKO1R終了 三好祐樹(FUKUOKA)
SW級 山田智也(協栄)3-0判定 岡本和泰(奈良)
W級 林欽貴(E&Jカシアス)TKO3R0'21" 向真一郎(SFマキ)
M級 福山和徹(冷研鶴崎)3-0判定 岩崎和雄(ロッキー) 

全日本新人王戦、日テレG+で1月6日録画放映


 本日午後3時から後楽園ホールで行われる第57回全日本新人王決定戦は、ミニマム級からミドル級まで12階級で、東西のトーナメントを勝ち上がってきたルーキーが激突する。今回はライト級7戦全KOの土屋修平(角海老宝石)対7勝5KO1分の三好祐樹(FUKUOKA)、これも不敗同士のミニマム級元アマ高校4冠王者・原隆二(大橋)対伊藤秀平(真正)のアマ時代以来の再戦が注目されているが、他にも好素材や話題の選手が揃い、近年になく盛り上がりが期待されている。
 このためテレビ放送も、一時は撤退と伝えられた日本テレビの「G+」が急きょ今年もやることに決まり、1月6日夜11時半から3時間半の予定で全階級を録画放映することになった。
※写真は昨18日に行われた計量にパスしてポーズをとるライト級の土屋修平(左)と三好祐樹

2010年12月18日土曜日

無敗マルティンが判定勝ち


 WBC・S・バンタム級12位クリストファー・マルティン(米)が17日(現地時間)地元カリフォルニア州サンディエゴに登場。ベテランのヨグリ・エレラ(コロンビア)に8回判定勝ちを収めた。
 ランクされるのはS・バンタム級だが、S・フェザー級までで戦うマルティンは、計量でフェザー級リミットの126ポンドを計測。3ポンド重いエレラに対して左右ボディー打ち、右オーバーハンドを叩きつけてリードする。
 これまでアンセルモ・モレノ、リカルド・コルドバらと対戦しているエレラは、長谷川と対戦したフアン・カルロス・ブルゴス戦を含めて最近10連敗中。しかし、打たれてもエレラはラフなパンチを振るって抵抗。終盤、マルティンのボディーアタックが効果的だったものの、そのままゴングに辿りついた。スコアは80-72が2者に78-74でマルティンの勝利。
 マルティンは21勝6KO2分と無敗。エレラは22勝15KO14敗。(三浦勝夫)

内山は三浦と対戦 1.31

 ソリスの急病で延期が発表されていた内山高志(ワタナベ)のWBA世界S・フェザー級王座3度目の防衛戦は、あらたに4位挑戦者の三浦隆司(横浜光)を迎えて1月31日(月)、有明コロシアムで挙行されることとなった。18日、後楽園ホール展示会場で発表会見が行われた。
 渡辺均・ワタナベジム会長によると、延期決定後もソリスと交渉を続けていたが、最終的に実現には至らず、日本王者でもある三浦が挑戦者に抜擢されたという。三浦(26歳)は今回が初の世界タイトル戦の舞台。日本王座はすでに17日付で返上している。
 互いに試合まで1ヵ月半を切った段階で対戦が決まったが「気持ちが強くパンチがあってタフな選手。面白い試合になる」(内山)「ものすごい強いチャンピオンだが、チャンスをいただいたからには絶対に世界王者になる」(三浦)とすでに対決ムード。KO率の高い者同士、スリリングな試合が期待される。
 また当日はWBA世界S・バンタム級戦(李冽理-下田昭文)とのダブル世界戦となる。テレビ東京系列で20時から全国ネット生中継の予定。

カナダの決戦 パスカル-ホプキンス戦計量

 現地時間の明日18日、カナダ・ケベックシティのペプシアリーナで挙行されるWBC世界L・ヘビー級タイトルマッチの計量が17日行われ、王者ジャン・パスカル(ハイチ=カナダ)、挑戦者で元ミドル級、L・ヘビー級チャンピオン、バーナード・ホプキンス(米)とも無事クリアーした。
 パスカルのオフィシャル・ウエートは79.21キロ、ホプキンスは79.10キロだった。
 試合のキャッチフレーズは“DYNASTY”(名誉)。オフィシャルはレフェリーがマイケル・グリフィン(カナダ)、ジャッジはクロード・パケッテ(カナダ)、ダニエル・ヴァンデヴィーレ(ベルギー)、スティーブ・モロー(米)の3氏。

久高、カサレス攻略に自信 

 3度目の世界挑戦を控えるWBA世界スーパーフライ級8位の久高寛之(25=仲里ATSUMI)が17日、大阪市内の所属ジムで練習を公開した。23日に大阪府立体育会館で王者ウーゴ・カサレス(32=メキシコ)に挑む。既にスパーリングは打ち上げており、この日は約2時間のジムワークを披露。カサレスのスイッチを想定し、ミットを受けた仲里会長も構えを左右ひんぱんに入れ替えていた。
 久高は約110回こなしたというスパーリングのほとんどが、右構えのパートナーを相手にしたものだったという。それでもサウスポースタイルは歓迎のようだ。「サウスポーとのスパーは最後に少しやったくらい。でもサウスポーは苦手じゃない。深く考えないようにしている」と自信ありげ。仲里会長も「(カサレスより前に交渉していた)ポンサクレックとやるつもりで、サウスポーとの練習も積んでいた。サウスポーには右が当たりやすいし、左で来てくれた方がいいかも」と語った。
 減量も順調そうだ。坂田健史、デンカオセーンに挑んだ過去2度の世界戦はフライ級。今度は減量苦も少ない。この日の練習前でリミットまで2・6キロ。「食べながら体重を落とせている。今の時期にここまで元気で動けることはなかった。このまま本番に持っていける」と挑戦者はアピール。
 WBOライトフライ級王座に続く世界2階級王者のカサレスは、名城信男との2連戦で日本のボクシングファンにもおなじみ。久高は「ストレート系のパンチが当たると思う。相手のフェイントをあまり意識せず、ためらいなく打てるようにしたい」と攻略を描いた。

2010年12月17日金曜日

サイズもビッグ 亀田戦ポスター完成


 26日夜の「亀田3兄弟そろい踏み」をPRしようと、試合を放映するTBSが特製ポスターを作製した。同局担当者によると、亀田プロ社長でもある興毅と何度も打ち合わせを重ねて、デザインを決めたという自信作。写真のように4枚を貼り合わせると、天地約1メートル、左右約3メートルのビッグサイズ。これを20日から都内のJR主要20駅に貼り出すという。
 同局のボクシング中継は2009年の亀田興毅-内藤大助戦で43パーセントという驚異的な視聴率を記録したが、今年は亀田興毅が世界フライ級王座を追われたポンサクレック戦の22パーセントが最高と、落ち込みはいなめない(それでもすべてのボクシング番組の最高視聴率ではあるが)。初の3兄弟まとめて登場となる今回の番組で、数字上の亀田人気復活を期すつもり――?

ゴロフキン地元で初防衛 タピアを3回KO

 中央アジア、カザフスタンの首都アスタナで16日(現地時間)行われたWBA世界ミドル級“正規”タイトルマッチは王者ゲナディ・ゴロフキン(カザフスタン)が挑戦者4位ニルソン・タピア(コロンビア)に3回KO勝ちで初防衛を果たした。
 戴冠戦と同じく南米コロンビア選手と対戦したゴロフキン。そのヌニェス戦のような初回電撃KO劇ではなかったが、今回も仕事を早めに片づけた。1、2ラウンドを支配したゴロフキンは3回、右アッパーでタピアをロープへ詰め、強烈な左フックのレバー打ち。倒れたコロンビア人はテンカウントを聞かされた。
 ゴロフキンは戦績を20勝17KO無敗とした。タピアは14勝10KO3敗1分。

ムニョス準備完了 打倒・亀田に自信

 今月26日、日本で亀田興毅(亀田)とWBA世界バンタム級“正規”王座を争う元WBA世界S・フライ級王者アレクサンドル・ムニョス(ベネズエラ)が日本出発前に最終調整を完了した。
 カラカスの“KOドラッグジム”でジムワーク中だったムニョスは亀田戦に備えて3人のサウスポーのパートナートとスパーを展開。一方で、メミン・ラモス・トレーナーの下、3人の女子ボクサーと手合わせする余裕。12月14日までの段階で、男女合わせて94ラウンドのスパーを消化している。ラモス氏と復縁したムニョスは、“プロフェッサー”と呼ばれるオロペサ・フィジカルトレーナーとも”トリオ“を再開。セレス小林、小島英次を倒した当時の陣容で必勝を期す。
 試合11日前の時点で、ムニョスのウエートは119ポンドとリミット1ポンドオーバー。この情報から、コンディションは万全と見てよさそうだ。現地時間の16日木曜日午後8時出発のエアー・フランス便で、カラカス、パリ、成田の道順で来日予定のムニョスは「WBA会長のドクター・メンドサ氏、息子のヒルベルト・ジュニアをがっかりさせたくない。新たにWBA世界チャンピオンになるチャンスを逃したくない」と抱負を語っている。同時に日本での世界戦7試合負けなしのキャリアを活用して2階級制覇を成し遂げたい、とムニョスは強調している。

2010年12月16日木曜日

藤岡初防衛 OPBF女子MF級戦


 15日後楽園ホールの女子大会「G-Legend3」メインで行われたOPBF女子ミニ・フライ級戦は、チャンピオン藤岡奈穂子(竹原慎二&畑山隆則)が挑戦者2位の柴田直子(ワールドS)に10回判定勝ちで王座を守った。
 藤岡は柴田のブロッキングの隙間に左フック、右ストレートを打ち込み攻勢。柴田も奮闘し後半は旺盛に打ち返したが、ポイントを挽回するまでにはいたらなかった。ダウンシーンはなかったもののの好ファイトの末、ジャッジ3者全員が98-93で藤岡とした。
 初防衛に成功した藤岡(35歳)はこれで5勝(3KO)無敗。敗れた柴田(29歳)の戦績は6勝(3KO)1敗となった。

来年は統一王者目指す――「プロスポーツ大賞」西岡


 今年の「報知プロスポーツ大賞」のボクシング部門で大賞に選ばれたWBC世界S・バンタム級王者・西岡利晃(帝拳)が15日東京都内のホテルで催された授賞式に出席。プロ野球部門の前田健太(広島)や、相撲の横綱白鵬、ゴルフの石川遼らとともに表彰された。
 この賞はスポーツ紙の読者投票で決めるもので、「ムンロー戦は判定だった。それを評価してくれたのがうれしい。来年も選ばれたい」と西岡は受賞を喜んでいた。他ジャンルのトップ・アスリートと一緒になる機会は滅多にないだけに、「ここにいるのは各界で一番活躍している方ばかりなので、すごい刺激になり、勉強になった」と、つかの間の談笑を楽しんでいた。
 今年はバンゴヤンを一撃で沈めV4、10月には最強の刺客・ムンロー(英国)に大差判定勝ちでV5を果たし、充実した1年だった。来年の抱負を聞かれると「今年以上にもう一歩完璧に近づけて、結果も出します」とあくまで前向きだ。協会がIBF、WBOなど現在日本が非加盟の団体についても「統一戦に限り認める」という方向であるのを踏まえて、「ワクワクする大きな試合をしたい。別のチャンピオンとの対戦は、やる方も見る方も興奮する。僕が(統一戦を)やって、最初のチャンピオンになります」と語り、統一戦の準備をすることを公言した。
 すでに自主トレを始めているが、年明けから帝拳ジムでジムワークに入るという。

2010年12月15日水曜日

ソリス急病、内山の防衛戦延期


 1月10日有明コロシアムでWBA世界S・フェザー級王者内山高志と王座統一戦を行う予定だった同暫定王者ホルヘ・ソリスが急病のためこの興行を延期するとプロモートするワタナベジムが発表した。
 同ジムに、ソリスが気管支肺炎に罹り、1月10日に試合はできない旨の連絡が入ったのが今月9日。これはドクターの所見で完治の見込みなど詳細が記されたものではなかったため現在確認中というが、試合開催は困難と判断して延期を決めたもの。同ジムでは1月下旬か2月上旬の開催をメドにソリスを含めて再度挑戦者をあたっており、「興行の準備もあるので、ここ数日中には決定させる」と渡辺均会長。この大会はダブルタイトルマッチとしてWBA・S・バンタム級、王者・李冽理(横浜光)-挑戦者・下田昭文(帝拳)戦も一緒に組まれていたが、この試合も同時にスライドされることとなった。1月10日に照準を合わせて調整してきた内山は「病気なら仕方ないですね」と語っている。
写真は延期を発表する渡辺会長

5戦目の向井がマヨールと対戦 2.5名城戦前座




 日本S・フライ級12位で六島ジム期待の向井寛史のプロ5戦目の相手が、元WBC世界L・フライ級王者ロデル・マヨール(フィリピン)に決まった。2月5日の名城-ロハス戦(大阪府立体育会館第1競技場)前座で行われる。114ポンド契約の8回戦。
 向井(25歳)は南京都高校から日本大学に進み、アマのトップで活躍したサウスポー。全日本大学王座戦ではMVPにも輝いている。シャープなボクサーファイター型で、六島ジム入り後は3戦目でランキング入りを果たした。
 一方のマヨール(29歳)は日本でイーグル京和とWBCミニマム級王座を争ったことでファンにもおなじみの選手。イーグル戦は最軽量級とは思えない激闘の末に判定負けしたものの、09年にメキシコで5度目の世界挑戦を実らせ、エドガル・ソーサからL・フライ級王座を奪取。2度目の防衛に失敗した後、11月に再起戦を飾っている。27勝21KO5敗2分

名城が大学生とスパー


 世界王座奪還に向け東京で合宿中の名城信男(六島)が14日、アマチュアの日本大学合宿所(目黒)で大学生らとスパーを行った。ここ最近加速するプロとアマの協調を強く印象づける合同練習だった。
 この日、日大には東洋大、駒澤両大学の選手も参加。同僚の安田幹男(前日本王者)、細川貴之、向井寛史と道場を訪れた名城はシャドー、マスをこなした後、大学生3人と計6ラウンドのスパーを行った。ターゲットのWBC王者トマス・ロハス(メキシコ)を想定して動き、「(アマチュアの選手は)ディフェンスがやはりうまい。パンチを当てたらすぐに動くし、僕はどう追いかけるかを練習した。ロハス対策にもいいと思う」と手合わせの感想を語った。名城-ロハス戦の前座でOPBFバンタム級王者マルコム・ツニャカオ(真正)に挑戦する安田、細川、向井もそれぞれ6ラウンドのスパーを行った。
 今回の合同練習は六島ジムの藤原俊志トレーナーと梅下新介・日大監督が協力して実現に至ったもの。藤原氏と梅下監督は日大の同期でもあり、「アマとプロの友好関係が発展すれば」(藤原氏)、「プロとアマが交流し、互いに引き合えれば。どのスポーツでもそうです」(梅下監督)との思いが形になったものだ。アマ側の梅下監督は「これが本当のスタート。今後もどんどんやっていきたい」と意欲的に語った。

2010年12月14日火曜日

佐藤、東栄倒す ヒーローは辛勝

 14日夜後楽園ホールで行われた試合のメインカード、フライ級8回戦は、日本同級12位の佐藤洋輝(ワタナベ)が同L・フライ級6位・ブンブン東栄(一力)と倒し合いの末6回2分39秒TKOで元世界ランカーを攻略した。
 東栄は「最強後楽園」決勝でKO負けしたのに続く痛い敗北。好調時のような切れはなく、佐藤のしつこい攻撃にホールドを繰り返し減点をとられるなど、精彩がなかった。佐藤は2回にバランスを崩したところに東栄の右フックを引っかけられてダウンを取られたが、ダメージは軽くすぐ反撃。3回に右を直撃して逆転のダウンを奪った後も優勢裡に試合を進める。迎えた6回、佐藤の右を受けたブンブンは力尽きたように崩れ落ち、即座に試合を止められた。
 セミの8回戦では、日本S・フェザー級4位の阪東ヒーロー(フォーラム)が三谷拓也(セレス)のアウトボクシングに苦戦しながら、終盤の強引な打ち合いで勝り、僅差の3-0判定勝ちを飾った。阪東は売り物の強打が不発に終わったため敗色も漂っていたが、三谷の方もジャブ以外に決め手もなく、接戦を落とした。
 もう1つの8回戦では、日本S・ライト級9位の塩谷智行(レパード玉熊)がノーランクの生田真敬(ワタナベ)に明白な判定で敗れ、7月の日本王座挑戦失敗(亀海にTKO負け)を含め4連敗。

明日G-Legend3開催

  東日本協会が主催する女子選手オンリーの大会G-Legend(ジーレジェンド)の第3回が明日開催。14日、会場となる後楽園ホールで会見が行われた。
大会のメインはOPBFミニ・フライ級タイトルマッチ10回戦。チャンピオン藤岡奈穂子(竹原&畑山)が柴田直子(ワールドS)を挑戦者に迎えてタイトル初防衛戦。王者は「これぞメインという試合をしたい。相手は技術のある選手なので、あまり熱くなってペースを持っていかれないようにしたい。いずれにしろここでヘンな試合をするようでは先に進めませんからレベルの高い試合をしたいですね」と抱負。アマ時代から日本人無敵という王者が実力派の挑戦者を迎えてどういう戦いを見せるか。
 公式戦は他にカイ・ジョンソン(竹原&畑山)-石川範子(イマオカ)の6回戦に、宮尾綾香(小林悠梨(グリーンツダ)、斉藤ちなつ(大橋)-久保真由美(KG大和)、氷室笑香(レパード玉熊)-千葉とも子(ワールドS)の4回戦。 公式戦の前に2分3回戦、ヘッドギア着用のプロトライアルマッチ4組が組まれている。こちらには英国から日本に留学してボクシングを始めたアリス・ライト(ヨネクラ)がエントリーしている。
 開場は午後5時30分。同40分からはロビーで世界チャンピオンの富樫直美(ワタナベ)、天海ツナミ(山木)のサイン会も行われる。
 チケットは1万円、6千円、4千円。当日券は午後4時から後楽園ホール1階で販売。
 

三垣V2 不敗高瀬を中盤ストップ OPBFライト級戦


 13日後楽園ホールで行われた東洋太平洋(OPBF)ライト級タイトルマッチは、チャンピオンの三垣龍次(M.T)が挑戦者同級7位の高瀬司(大阪帝拳)に8回51秒レフェリー・ストップ勝ちし、2度目の王座防衛を果たした。
 プロ入り後12連勝7KOと勢いに乗る挑戦者が右を決めて幕を切ったこの一戦、なおも強気で攻めようとしたところに三垣が右カウンターを決めると、高瀬ひざをつくダウン。その後もチャンピオンがキャリアの差を見せつけ、ジャブから細かい連打を続け、4回終了時点の公開採点は3人のジャッジともフルマークの40-35で優勢だった。といって数字のように一方的ではない。高瀬も時折右ストレート、左フックで脅かしたが、手数、ヒット数で圧倒され、顔を腫らす。そして中盤8回、右の同時打ちの直後、間髪入れず三垣が追撃の連打を見舞うと、高瀬はロープ際に後退。ここでレフェリー・ストップがかかった。
 三垣(29)はこれで16勝12KO2敗。高瀬(24)は初黒星。 ※写真は4ラウンド、三垣の右が高瀬の顔面を直撃。

元世界挑戦者冨山、ノーランクに苦杯

 三垣-高瀬のOPBFライト級タイトルマッチの前座8回戦で、元世界挑戦者で元東洋太平洋S・フライ級王者(現日本バンタム級2位)の冨山浩之助(ワタナベ)がノーランカーに敗れる波乱があった。殊勲を上げたのは椎野大輝(三迫)。初回冨山の右を受けてダウンを喫したがその後立ち直り8回を戦って小差ながら3-0判定勝ちを飾ったもの。アマから転向して5戦目の椎野はこれで4勝3KO1敗。
 この日のセミは67kg契約の8回戦。日本ウェルター級2位の斉藤幸伸丸(輪島功一スポーツ)が日本S・ライト級12位の大川泰弘(ワタナベ)との激闘を制して2-1判定勝ち。もうひとつのフェザー級8回戦では、アマ出身の竹中良(三迫)が笛木亮(ジャパン・スポーツ)に4回1分3秒TKO勝ちしている。

ミハレス3つ目のベルト獲得 IBF・J・バンタム級

 おなじみミハレスがIBFで王座返り咲き――11日メキシコのトレオンで行われたIBF世界J・バンタム(S・フライ)級タイトルマッチで、元WBC&WBA同級王者クリスチアン・ミハレス(メキシコ)は、同国人の王者アルベルト・ロサスに3-0判定勝ちを飾り、新チャンピオンの座についた。試合は接戦となり、採点も115-113、117-111、116-113と2点差もいる接戦だった。

2010年12月12日日曜日

カーン熱闘制す マイダーナに小差の判定勝ち


 ラスベガスのマンダレイベイ・リゾート・ホテルで行われたWBA世界S・ライト級王者アミール・カーン(英国)-同暫定王者マルコス・マイダーナ(アルゼンチン)の統一戦は前半リードしたカーンがマイダーナの猛アタックをかわして3-0判定勝利を飾った。
 初回終了間際、カーンの放った左右ボディーでマイダーナは悶絶。ここで勝負がついてしまう雰囲気もあったが、続くラウンド、マイダーナはカーンのコンビネーションを浴びても乗り切り、中盤へ。息を吹き返したマイダーナの荒々しい攻撃が徐々に効果を発揮。ここをアウトボクシングで盛り返した英国人に対し、10回、マイダーナの右が炸裂。グラついたカーンに南米人は重戦車のように襲い掛かり、あと一歩でストップという場面をつくった。しかしカーンも劣勢から打ち返し終了。114-111が2者に113-112のスコアでカーンの手が上がった。
 セミファイナルで行われたS・ライト級上位ランカー同士の対戦は3ラウンドに2度カウントを聞かせたビクトル・オルティス(米、WBO1位)が有利かと思えたが、ジャッジ1人が95-93で相手のラーモント・ピーターソン(米、WBA4位)の勝ちと採点。他の2人は94-94のドローで、マジョリティードローという結果に終わった。(三浦勝夫)
PHOTO=SUMIO YAMADA

モンティエル、無冠戦で楽勝 ドネア戦に気勢

 バンタム級のWBC&WBO統一チャンピオン、フェルナンド・モンティエル(メキシコ)が10日(現地時間)メキシコ・サルティーリョに登場。ノンタイトル10回戦で同国のジョバニ・ソトに2回KO勝ちを飾った。
 モンティエルは当初、同じメキシカンのエデュアルド・ガルシア(日本で名城信男に挑戦)と防衛戦を行う話もあったが、ソトとの無冠戦を選択。オフのバイク事故の後遺症も心配されたモンティエルだが、初回から攻勢をかけダウンを奪う。次の2回、モンティエルは2度倒してフィニッシュした。KOタイムは2分29秒。
 これで来年2月19日、“フィリピーノ・フラッシュ”ノニト・ドネアとの防衛戦が濃厚となったモンティエルは「とても調子がよかった。ソトは勇敢に向かってきたけど、私は勝つ自信があった。ドネア戦に、準備はできている。2月19日、どちらが優れた選手か皆さんに披露します」とビッグマッチに気勢を上げている。
 モンティエルは44勝34KO2敗2分。ソトは29勝24KO12敗1分。

2010年12月11日土曜日

大竹が福島をTKO

 10日、後楽園ホールのメインで行われた8回戦は日本S・バンタム級6位大竹秀典(金子)が元王者の福島学(花形)に6回終了TKO勝ち。戦績を15勝8KO1敗3分とした。
 これが52戦目(36勝20KO11敗4分)のベテラン福島は立ち上がりから積極的に上下の攻めで大竹に迫った。タイミングをずらした右フックを決めるなどしたが、大竹も4回あたりからエンジンの回転数をアップ。持ち前のインサイドのコンビネーションで福島をコツコツと打ち、右アッパーからのフックなどで攻め立てた。6回終了後のインターバルで福島陣営が棄権を申し出て試合はストップした。試合後の福島(36歳)は引退を口にしている。

2010年12月10日金曜日

高山のIBF挑戦1月29日に 南アでジョイと対戦

 延期されていた元WBC世界ミニマム級王者高山勝成(27)のIBF王座挑戦が決まった。29日(現地時間)南アフリカヨハネスブルク郊外のカーニバルシティ・カジノで、IBF世界ミニフライ級王者ヌコシナティ・ジョイ(南アフリカ)に挑む。当初は11月26日に予定されていたが、地元プロモーターの準備不足で延期されていたもの。地元大阪で調整中の高山は、1月23日にも出発する予定。
 日本ではIBFは非加盟のため、高山はJBCに引退届を出した上で独自に活動している。

2010年12月9日木曜日

クリチコ弟ドタキャン 腹筋断裂で防衛戦中止

 IBFとWBOの世界ヘビー級チャンピオン、ウラジミール・クリチコ(ウクライナ)は土曜日(11日)ドイツのマイハイムで不敗挑戦者(10位)のデレク・チソーラ(英国)を相手に10度目の防衛戦(WBOは6度目)を予定していたが、3日前の8日、練習中のケガを理由に試合中止を発表した。同日午後の練習で左側の腹筋を断裂したと主治医が説明し、回復に4~6週間はかかるという。現時点で新しいスケジュールは明らかにされていない。

タイソン、チャベス、ロッキーも殿堂入り


 米国ニューヨーク州カナストータの国際ボクシング名誉の殿堂博物館は7日、恒例の来年度に新たに殿堂入りする元王者、関係者ら総勢12人の名前を発表した。
 元世界ヘビー級王者マイク・タイソン=写真=とメキシコの3階級王者フリオ・セサール・チャベス、さらには関係者部門で映画ロッキーの主役をつとめた俳優のシルベスター・スタローンさんと相次いで大物が選ばれている。タイソンは「ボクシング殿堂に入るのはとても光栄だ。私に多くをもたらしたボクシングの伝説と一緒になるのは神の恵み。今度は私が誰かに影響を与えることができたらいい」と喜びのコメントを寄せている。
 正式には来年6月11日に同博物館で殿堂入りのセレモニーが催される。以下は部門別の新規殿堂入り選手、関係者。*印は生存者
 ・モダーン部門
 マイク・タイソン(元世界ヘビー級チャンピオン)*
 フリオ・セサール・チャベス(元3階級世界チャンピオン)*
 コンスタンチン・ヅー(元世界S・ライト級チャンピオン)*
 ・オールドタイマー部門
 メンフィス・パル・ムーア(バンタム級コンテンダー)
 ジャック・ルート(初代世界L・ヘビー級王者)
 デーブ・シェード(ウェルター&ミドル級コンテンダー)
 ・パイオニア部門
 ジョン・ガリー(19世紀初期ベアナックル時代のボクサー)
 ・関係者部門
 イグナシオ・ナチョ・ベリスタイン(メキシコのトレーナー)*
 AFベティンソン(プロモーター)
 ジョー・コルテス(プエルトリコの国際レフェリー)*
 ・オブザーバー部門
 ハリー・カーペンター(米国のテレビ解説者)
 シルベスター・スタローン(映画俳優)*

2010年12月8日水曜日

11月のMVPに芹江 敢闘・細野、新鋭・岩井


 東日本ボクシング協会は7日、恒例の11月度の月間三賞を発表した。最優秀選手賞には、2日の日本S・バンタム級タイトルマッチで、6位長井祐太(勝又)の挑戦を5ラウンドTKOで撃退し3度目の王座防衛に成功した芹江匡晋(伴流・27)=写真=が選ばれた。
 同じく月間敢闘賞には、8日の日本フェザー級王座決定戦で梅津宏治(ワタナベ)に判定勝ちし新王座についた細野悟(大橋)が、新鋭賞には26日の8回戦で松崎博保(協栄)に判定勝ちした日本S・フェザー級5位の岩井大(三谷大和スポーツ)が選ばれた。日取りは未定だが、受賞選手たちは近く後楽園ホールのリング上で表彰される。

2010年12月7日火曜日

加藤初防衛ならず、井上新王者 4大タイトルマッチ


 女子世界戦2つを含む4大タイトルマッチが、6日夜後楽園ホールで行われた。メインのOPBF並びに日本ウェルター級戦(12回戦)では新王者加藤壮次郎(協栄)が同級1位井上庸(ヤマグチ土浦)に僅差の3-0判定で敗れ、初防衛に失敗。井上は日本王座とともに空位のOPBFと一挙に2つのタイトルを手にした。5回に井上の左フックでダウンを奪われた加藤は、終盤の反撃も逆転まで届かず。スコアは114-113、114-112、117-113でいずれも新チャンピオン誕生を支持していた。
 同じく男子の日本S・フライ級戦では、王者佐藤洋太(協栄)が同級9位福本雄基(三谷大和)の挑戦を7回2分28秒TKOに撃退、2度目の王座防衛に成功した。この回佐藤の連打に浦谷主審が早めのストップをかけた。
 女子の世界戦は、WBA世界S・フライ級王者天海ツナミ(山木)が藤本りえ(協栄)の挑戦を8回終了TKOに破り3度目のタイトル防衛に成功。ダウンはなかったがダメージの深い藤本側が棄権を申し入れたもの。またWBC世界アトム級王者小関桃(青木)と秋田屋まさえ(ワイルドビート)のタイトル戦は、3回に偶然のバッティングで秋田屋の右まゆが切れ、この回終了負傷引き分けとなった。小関は5度目の王座防衛。
※写真上は福本を攻める佐藤。同下は加藤を守勢に立たせる井上

2010年12月6日月曜日

多田、V4-大阪のWBA女子世界戦

5日、大阪ATCホールで行なわれたWBA女子世界ミニマム級タイトルマッチは、王者多田悦子がアマラ・ゴーキャットジムを判定に破って4度目の防衛に成功した。王者は馬力を武器に左ボディーブローで前進する挑戦者をフットワークでコントロール。前傾して迫るアマラに右アッパーをきれいにヒットし、相手のスイッチも苦にせず大差をつけて防衛を果たした。スコアは99-91.99-91.100-91。多田は7勝2KO2分。東洋王者でめあるアマラは初黒星(6勝2KO1分)
アンダーカード6回戦は、池山直(中外)が小田美佳(宮田)に2-1判定勝ち。安藤麻里(フュチュール)が伊藤まみ(イマオカ)に2-0判定勝ち。

ジョンV13 サウセドに大差判定

 WBA世界フェザー級スーパー王者クリス・ジョン(インドネシア)が12月5日ジャカルタで同級15位のフェルナンド・デビッド・サウセド(アルゼンチン)を12回大差の判定で下し、同国の世界王者として自己記録を更新する13度目の防衛を果たした。ノックダウンはなし。スコアは、119-109(2人)、120-108。
 ジョン(31)は7年以上ベルトを保持している現役でもっとも長寿の世界チャンピオン。WBAはこの級のIBF&WBA統一王者ユリオルキス・ガンボアとジョンの統一戦を促している。

2010年12月5日日曜日

仲村12連続KOで東洋奪取


 若きKOキングの誕生だ――5日大阪市のIMPホールでOPBF・S・フェザー級王者アラン・タナダ(比)に挑んだ仲村正男(仲里・ATSUMI)は5回46秒TKO勝ちでタイトル奪取に成功した。これで仲村のデビュー以来の連続KO記録は12にまで伸びた。
 両者は初回から激突。タナダは左フック、仲村は右ストレートとたがいの得意パンチを惜しげもなく相手に打ち込んだ。最初にチャンスをつかんだのはタナダ。2回、左フックで仲村を煽ったところに右ストレートを直撃し、たまらずKOホープはダウン。ここで決まってもおかしくはないダメージだったが、よく持ちこたえた仲村は3回から距離を取り、左ジャブから右ストレートにつなげるボクシングを徹底。テンポもいい連続攻撃で、タナダの左フックを空転させ続けた。迎えた5回、仲村は右ストレートでタナダをのけぞらせると一気の連打でダウンをマーク。立ち上がった王者を追撃し、主審のストップを呼び込んだ。
「途中からジャブを突いてチャンスを待った」と勝因を語った仲村は、「勝つことが前提ですが半分は(連続KO記録の)意識もあった」と告白。本人が認めるようにまだ粗い部分もあるが、魅力的な新チャンピオンが誕生した。ジムの先輩で23日にカサレスのWBA・S・フライ級王座に挑む久高寛之もいい刺激を受けた様子だった。
 敗れたタナダは13戦目の初黒星(10勝5KO2分)。気迫十分で臨んだ試合だったがホープの引き立て役に回ってしまった。

松田ジムの3ランカー勝つ 刈谷市の試合結果

 5日、愛知県刈谷市・刈谷産業振興センターあいおいホールで行われた松田ジム主催「SUPER FIGHT 30」には、同ジム所属の日本ランカー3人が出場し、それぞれ勝利を収めた。 最初に登場した日本S・フライ級5位の松浦克哉は、フライ級8回戦で、ビッグフェイス田原(YANAGIHARA)に3R1分24秒TKO勝ち。3回、開始ゴングと同時に飛び出した松浦は、細かな連打でレフェリーのストップを呼び込んだ。 セミファイナル、50kg契約の8回戦では日本L・フライ級2位の佐野友樹が、昨年度の全日本フライ級新人王で同級10位の佐々木章人(緑)とのランカー対決に1R1分29秒、見事な速決TKO勝ち。右クロスをカウンターで打ち下ろし、最初のダウンを奪った佐野は、再開後も自在な連打でコーナーへ詰めると、手の出ない佐々木に右連打を浴びせて試合をストップした。
 メインイの61kg契約の8回戦では日本ライト級1位の川瀬昭二が大江和樹(畑中)を同じく1R2分21秒TKO勝ち。佐野の勝ち方に影響を受けたかのように、川瀬はスタートからいつもよりプレッシャーをかけ、時に荒々しく攻撃を仕掛ける。ロープに追い、左フックから右ストレートでダウンを奪うと、再開後もすぐ左フックから右ストレートの2発が入ったところでレフェリーが試合を止めた。川瀬の気合いも入っていたが、力の差のあるカードでもあった。
 なお、もう一つの8回戦(フェザー級)では、2008年度の中日本新人王MVPの高山慎司(松田)が数藤武士(中日)に判定勝ち。採点は78-75、79-74、80-73。

ドネア楽勝 激闘ソト、アンティロン下す

 4日、米カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで行われた興行で、WBA世界S・フライ級暫定王座を返上したノニト・ドネア(比)が期待通りの強さを発揮。元WBA世界バンタム級王者ウラジミール・シドレンコ(ウクライナ)に快勝。メインではWBC世界ライト級王者ウンベルト・ソト(メキシコ)が挑戦者ウルバノ・アンティロン(米)と終始激しい打ち合いを展開した末、小差ながら3-0判定勝利で3度目の防衛を果たした。
 ドネア-シドレンコ戦は初回終了間際倒したドネアが体格差を利して優勢。3回、左カウンターでまた倒し、続く4回、目にも止まらぬワンツーで3度目のダウンを奪うと、顔面血まみれになったシドレンコを主審が救った。KOタイムは1分48秒。ドネアはWBC米大陸バンタム級王座を獲得した。
 ライト級戦は3階級制覇王者ソトに、メキシコ出身ながら地元ロサンゼルス育ちのアンティロンがプレスをかけて肉迫。そこへソトが迎撃するパターンで進行。挑戦者の猛アタックにソトが四苦八苦するシーンもあったが、コンビネーションの正確さと試合運びのうまさでソトに一日の長が。10回終盤ストップ寸前に追い込んだソトが、114-113が2者に115-112のスコアで勝利者コールを受けた。
※写真はシドレンコを倒しコーナーに向かうドネア=PHOTO/SUMIO YAMADA=

東農大がV6 全日本大学王座戦


 第64回全日本大学王座決定戦は5日、埼玉県和光市の和光市総合体育館で行われ、関東リーグ戦優勝の東京農業大学が関西リーグ戦優勝の関西大学を8―3で下し、通算6度目の大学日本一に輝いた。
 近年圧倒的な東高西低が続いていたが、今回は関大が大善戦。フライ級の宮本ら3人が勝った以外にも再三王者東農大を脅かし、内容的にも健闘が目立った。しかし東農大は先の全日本選手権で青木、成松、山田の3人の部員が優勝するなど実力者揃い。関大がミドル級で不戦敗だったため、L・ウェルター級で杉田が5勝目を上げた時点で東農大の優勝が決まった。
※写真はバンタム級戦で朝比奈(関大)をRSCに追い込む成松(東農大)

佐藤ヒヤリ…ダウンはね返しTKO勝ち

 東洋太平洋ミドル級チャンピオンの佐藤幸治(帝拳)が4日夜後楽園ホールでノンタイトル戦に出場し、メキシコの無名サロモン・ロドリゲスに5回37秒TKO勝ちを飾った。結果は予想通りだったが、それでも一度はダウンを取られての逆転勝ちで、フアンをハラハラさせたのは想定外。本人も渋い顔だった。
 4回、打ち合いでロドリゲスの右を受けて倒れカウントをとられた佐藤。ダメージはなく、続く5回には猛然と反撃。力強い連打から最後は右フックをたたきこむと、ロドリゲスたまらず前のめりにダウン。ここでマーチン・レフェリーがノーカウントで試合を止めた。「(ダウンは)パンチで倒れたんで、しようがない。ガードが甘かった」と反省した佐藤。この日のデキは「2割」と自己評価も低い。試合1週間後の11日には30歳の誕生日を迎えるが、「ボクシング始めて15年もリングに上がれて幸せ。これからも頑張ります」とマイクを手にファンに挨拶した。

女子ダブル世界戦調印式

 6日に挙行される女子世界戦2試合の予備検診、調印式が4日、後楽園ホール展示会場で行われた。
 WBA女子S・フライ級戦は王者天海ツナミ(山木)と挑戦者藤本りえ(協栄)のカード。もうひとつはWBC女子アトム級戦、王者小関桃(青木)に関西の秋田屋まさえ(ワイルドビート)が挑む一戦だ。
 調印後の会見では4選手にセールスポイントについて質問が飛び、WBA戦は「パンチがよく見えるのでかわして打つカウンター。もちろん打ち合っても負けない」とツナミが自信を見せれば、藤本も「中間距離でもくっついても戦える。あと気持ちでは絶対に負けない」と闘志満々のコメント。一方のWBC戦は「10ラウンドでも動きが落ちないこと。フルラウンド(のポイント)を取る」(小関)、「スピードで圧倒」(秋田屋)。対照的だがどちらも好試合が期待できそう。
 なお当日は男子のタイトル戦2試合(日本S・フライ級戦と日本&東洋太平洋ウェルター級戦)も同時に行われ“男女4大タイトルマッチ”となる。

2010年12月4日土曜日

米澤が2連覇達成 全日本社会人選手権



 12月1日から埼玉県和光市総合体育館で開催されていた第62回全日本社会人アマチュアボクシング選手権大会(兼第4回柴田杯)、最終日の4日には7階級の決勝戦が行われた。参加選手数がこれまでより少なく、56選手で行われたこの大会、昨年バンタム級で初優勝の元農大キャプテン、米澤諒治(東京)はフライ級に落として出場し、2連覇を遂げている。
 団体の成績は、自衛隊体育学校勢が活躍し2選手が優勝した地元埼玉が1位となり、初の柴田杯を獲得している。各級決勝の結果は下記の通り--。
LF 伏見公一(岡山・コクシン)ポイント 高橋基英(埼玉・ジュピター)
F  米澤諒治(東京・アイティビーエス)ポイント 山田恵介(埼玉・自衛隊体育学校)
B  寺岡功太郎(大分・津久見消防署)RSC2R 高橋英如(栃木・宮内庁御料牧場)
L  野村昭二(埼玉・自衛隊体育学校)ポイント 任成壎(東京・朝鮮大学職)
LW 田村勇人(広島・鳳凰)ポイント 保武裕希(神奈川・航空自衛隊)
W 佐藤龍士(埼玉・自衛隊体育学校)ポイント 杉野守(大分・陸上自衛隊別府駐屯地)
M  朴忠南(神奈川・大塚製薬)RSC3R 福田章央(北海道・室蘭工業高校)
※写真はウェルター級決勝、杉野(左)にポイント勝ちし優勝した佐藤

亀田兄が3階級制覇狙う ムニョスとWBAバンタム級決定戦

 亀田兄弟の長兄興毅が12月26日さいたまスポーツアリーナで予定している試合は、空位のWBA世界バンタム級王座決定戦として行うことになり、亀田プロモーションが3日に発表した。相手は日本のリングに再三上がった元WBA世界S・フライ級王者のアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)。
 すでにL・フライ、フライで世界王座についている亀田は、今度勝てば日本人ボクサーとして最多記録の3階級制覇となる。この王座は、正規王者だったアンセルモ・モレノ(パナマ)がスーパーチャンピオンに格上げされることから、空位となるもの。ポンサクレックに敗れWBCフライ級王座を追われた後、WBCは亀田をフライ級3位にランクしているが、WBAでは最近までS・フライ級2位にランクされ、さらにバンタム級2位に抜擢され、決定戦に出場権利を得たという。
 ムニョスは過去日本選手と7戦全勝という日本人キラーぶりもみせているが、今年始めには一度引退声明を出し、その後カムバックしている。
 26日は弟の大毅がWBA世界フライ級王座防衛戦を予定しており、兄弟出場のダブル世界タイトル戦となる。この日は亀田3兄弟が初めて同じリングに上がる「亀田祭り」として予定されている。

多田、アマラ計量パス 明日WBA女子ミニマム級戦


 「3度目の正直」なるか。5日のWBA女子ミニマム級タイトルマッチ(大阪・ATCホール)に出場する同級王者・多田悦子(29=フュチュール)と、挑戦者アマラ・ゴーキャットジム(21=タイ)の前日計量が4日、大阪市内のホテルで行われた。両者ともリミット体重から100グラムアンダーの47・5キロで一発パスした=写真。
 多田は1年ぶりの国内での試合に臨む。「体調は問題ない。1ラウンド目からプレッシャーをかけていく」と序盤からの攻勢を宣言した。過去2戦はドロー防衛。今度こそ勝ってベルトを守りたい。昨年12月にWBC女子ライトフライ級王者の富樫直美(ワタナベ)との変則2冠戦に引き分け。今年4月の敵地トリニダード・トバゴでの暫定王者リア・ラムナリンとの統一戦も、フルラウンドを終えてのドロー判定だった。
 計量前には尊敬するWBC世界フェザー級王者の長谷川穂積(真正)から電話で激励されたといい、いっそう気合が入った様子だ。
 一方の挑戦者アマラは多田が09年8月の初防衛戦で下したヤニの双子の姉。こちらは身長で10センチ下回るため、インファイトでの王者攻略を宣言している。この日も落ち着いた表情を崩さず「減量は大丈夫。普通に練習ができたし、問題はなかった」と、こちらも好調をアピールした。

チャベスJr発熱でメインはドネア-シドレンコ 米アナハイムのカード


 今週土曜日4日(現地時間)米カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで挙行されるトップランク・プロモーションのカードが変更された。メインエベントで登場予定だったフリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ)がインフルエンザにかかり発熱。大事をとって出場を取り止めた。
 チャベスは当初、同胞のアルフォンソ・ゴメスと戦う予定だったが、ゴメスが眼疾を患いアウト。今度は自身が病気で辞退する羽目になった。
 興行はセミファイナル格だったノニト・ドネア(比)-ウラジミール・シドレンコ(ウクライナ)をメインに挙行される。ロバート・ガルシア(元IBF世界J・ライト級王者。マルガリートのトレーナー)の指導の下、試合に臨むドネアは「元チャンピオンのシドレンコはタフな男。ベストな状態で臨まないと勝てない」と気を引き締める。これに勝てば、来年2月、フェルナンド・モンティエルとのビッグマッチが実現する様相だ。
 一方、元WBA世界バンタム級王者シドレンコは王者時代の08年1月、日本で池原信逐を判定で下した選手。その後、現王者アンセルモ・モレノ(パナマ)に王座を追われ、再戦でも勝てなかった。
 同じリングではWBC世界ライト級王者ウンベルト・ソト(メキシコ)がパンチャー、ウルバノ・アンティロン(米)の挑戦を受ける。またロバート(トレーナー)の実弟ミゲール・アンヘル・ガルシア(米)がオリベール・ロンチー(カナダ)と10回戦を行う。

2010年12月3日金曜日

宮森、韓国王者に2-1判定勝ち

 3日、後楽園ホールのメイン10回戦で、18古河ジムのホープ宮森卓也が韓国S・フライ級王者鄭眞綺を下した。
 序盤、宮森は軽快なフットワークで左へ回り込み、右アッパー、右ストレートさらに左ボディーブローで迎撃。鄭の前進に対して素早い攻防の切り替えで着実にポイントを奪った。しかし鄭のプレッシャーは衰えることを知らず、豊富なスタミナを武器にぐいぐい宮森に迫る。ラウンドを重ねると宮森がつかまるシーンが増え形勢逆転。宮森は鄭の気迫と前進にさらされながらもていねいな対応を見せていたが、終盤は乱戦に巻き込まれて右を幾度となく打ち抜かれてフラフラ。最終回、宮森はステップを切り替えて前進したが鄭の圧力を押し戻すまでにはいかずにゴングを聞いた。序盤は宮森、後半は鄭とペースがはっきり別れた試合の裁定は96-94、96-95、95-97で宮森の勝ち。鄭は5回バッティングで減点されたのが響いた。東洋ランク入りを確実(鄭はS・フライ級2位)にして宮森は11勝3敗1分。体力面の強化でさらに伸びそう。
 セミは大塚隆次(18鴻巣)がペッチグナーン・ソーナタピニョ(タイ)に2回KO勝ち。他の8回戦は、小澤剛(18鴻巣)が河井純一郎(ピストン堀口)に、泉圭依知(18鴻巣)が藤沢一成(レパード玉熊)に判定勝ち。

2010年12月2日木曜日

目玉は山中×岩佐 チャンピオンカーニバル発表



 全階級の日本チャンピオンがそれぞれ最強挑戦者と対戦――第32回チャンピオンカーニバルの記者発表が2日午後後楽園飯店で開かれ、出席したチャンピオン、挑戦者がメディアの前で対戦相手とにらみ合い、それぞれ必勝宣言をした。
 今季一番の注目カードはバンタム級の不敗対決。7連続KOをマークする新王者山中慎介(帝拳)に、アマ3冠王からプロ転向後8連勝をマークし、最強後楽園トーナメントを制して挑戦権を獲得した岩佐亮佑(セレス)が挑む。以前スパーで手合わせしたこともあるという両選手、「最強の挑戦者なので、必ず勝って、世界を目指したい」と山中が言えば、挑む岩佐も「絶対に勝ちに行く」と強気だ。写真はこの日の記者会見に顔を揃えたチャンピオン勢(上)と挑戦者勢(下)
 12月に試合を控えた選手もいて現時点で確定していないカードもあるが、チャンピオンカーニバル全13階級のカードは下記の通り――。
◇ミニマム級(4月2日)
C八重樫東(大橋)×田中教仁(ドリーム)
◇L・フライ級(未定)
C井岡一翔(井岡)×家住勝彦(レイスポーツ) 注①
◇ フライ級(2月5日)決定戦
五十嵐俊幸(帝拳)×小林タカヤス(川島)
◇ S・フライ級(未定)
C佐藤洋太(協栄)×福本雄基(三谷大和スポーツ)×河野公平(ワタナベ)注②
◇バンタム級(3月5日)
山中慎介(帝拳)×岩佐亮佑(セレス)
◇S・バンタム級
C芹江匤晋(伴流)×瀬藤幹人(協栄) 注③
◇フェザー級(2月3日)
細野悟(大橋)×木原和正(ウォズ)
◇S・フェザー級(1月10日)
C三浦隆司(横浜光)×福原力也(ワタナベ)
◇ライト級(1月8日)
C荒川仁人(八王子中屋)×中森宏(平中BS)
◇S・ライト級(2月5日)
C亀海喜寛(帝拳)×長瀬慎弥(フラッシュ赤羽)
◇ウェルター級
C加藤壮次郎(協栄)×井上庸(ヤマグチ土浦)×渡部あきのり(協栄) 注④
◇S・ウェルター級(1月8日)
Cチャーリー太田(八王子中屋)×丸元大成(グリーンツダ)
◇ミドル級(2月14日)
C渕上誠(八王子中屋)×氏家福太朗(新日本木村)
注①井岡は世界挑戦を交渉中で、これがまとまれば日本王座は返上し、家住が決定戦に出場。すぐにまとまらなければ、防衛戦を行う。
注②佐藤は12月6日に福本戦を予定しており、この勝者が河野の挑戦を受ける。
注③芹江は足のケガを抱えており、回復が長引けば、王座返上か暫定王座戦も。
注④王者加藤は12月6日に井上庸の挑戦を受ける。勝てば同門の渡部との対戦はなく、加藤が東洋太平洋王座に挑戦し、返上する日本王座の決定戦に渡部が出場することになるという。井上が加藤に勝てば、当然渡部は井上に挑戦する。

亀田興-パーラの決定戦に疑問符 WBAバンタム級

 ウェブサイトの「ファイトニュースFightnews.com」が伝えるところによると、WBAの世界バンタム級2位にランクされた亀田興毅(亀田)が12月に予定しているWBA同級王座決定戦出場の相手に、現在3位にランクされる元WBA世界フライ級王者ロレンソ・パーラ(ベネズエラ)が予定されている。ところが30日に公開で行われた試合25日前の予備計量でパーラが129.82ポンドとリミットを11.82ポンド(約5キロ)もオーバーする体重を計測。規則で許容される範囲を超えているため、WBAはこのまま出場を認めるかどうか決断を迫られている。
 亀田興毅はこの試合で日本人ボクサー未踏の「世界3階級制覇」を狙う計画だが、一方で、パーラの代わりに同じベネズエラ人の元WBA世界S・フライ級王者アレクサンドル・ムニョス(31)の名前も上がっている。過去に2度世界の頂点に立ち、セレス小林、名城信男、本田秀伸らに勝っているムニョスは、2月に引退声明を出していたが、10月に13ヵ月ぶりとなる再起戦で勝ち、現在はWBAの世界5位に入っている。

2010年12月1日水曜日

11.27マルケス&ベルト戦リポート


 37歳のフアン・マヌエル・マルケス(メキシコ)がまたもスリリングなファイトを制してトップシーンに生き残った。11月27日(現地時間)ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたライト級12回戦で、WBA“スーパー”&WBO正規世界ライト級チャンピオン、マルケスが同級WBO暫定チャンピオン、マイケル・カツィディス(オーストラリア)に9回2分14秒TKO勝ちを収めた。
 右を浴びせるなど序盤2回をリードしたマルケスに対し、3回、カツィディスの左フックが急襲。マルケスはロープサイドへ飛ばされる。だがノックダウンを喫して強いのはパッキアオ戦、バレラ戦などで実証済みのマルケス。インファイトのコンビネーション・パンチで優位に立ち、カツィディスは右目が腫れ出す。迎えた9回、右でダメージを与えたマルケスが渾身のラッシュ。ベイレス主審のストップを呼び込んだ。
 8ラウンド終了時のジャッジペーパーでも4〜1ポイント優勢だったマルケスは「彼は凄い耐久力と勇敢さを発揮した。今年の最高ファイトになるかもしれない」とコメント。一方、7歳若い敗者は「彼は私よりストロングだった。フアン・マヌエルは素晴らしい仕事をした」と勝者を称えた。
 同じリングのWBC世界ウェルター級戦は王者アンドレ・ベルト(米)が初回2分7秒TKOで挑戦者フレディ・エルナンデス(メキシコ)を撃退し、5度目の防衛。左フック、右ストレートのコンビで倒すと、エルナンデスは起き上がったものの、脚が不安定でストップされた。
 「モズリー、コット、もちろんパッキアオ。私はパッキアオにとってもっとも相応しい対戦相手ではないだろうか」とベルトは快勝に自画自賛していた。
=PHOTO/SUMIO YAMADA=

30日後楽園の結果

 30日夜後楽園ホールの「DANGAN]は8回戦が5試合。メインで行われた竹内祐典(JBS)-安田和芳(ナックルS)戦は日本フェザー級5位の竹内がノーランカー安田に2‐0判定負けする波乱。竹内は3回に安田の右フックでぐらつかされて連打でカウントを数えられると、その後挽回をはかってプレッシャーをかけて出たが安田のカウンター戦法に苦戦した。
 S・フェザー級戦は日本ランカーの杉崎由夜(角海老宝石)が長濱慎吾(セレス)のボディーからの攻撃に手を焼きつつも、スピードに乗った左でポイントをピックアップ。3‐0判定勝ちを収めた。
 もうひとつのフェザー級戦はこちらも日本ランカーが敗退。7位矢板貴行(全日本P)が7勝8敗の古家充(吉祥寺鉄拳8)をロープに詰めながらも多く被弾し、2-1のスプリット判定で敗れた。
 53キロ契約で行われた奈須勇樹(角海老宝石)-キューピー金沢(青木)戦は、奈須のボディー攻めにキューピーも引かない打撃戦。しかし5回に奈須が頭部をバッティングで負傷し、この傷が続行不可能と判断された。そこまでの採点で上回った奈須の勝利。
 また蔦谷貴法(博多協栄)―橋元隼人(ワールドS)戦は橋元の判定勝ちだった。