2011年2月28日月曜日

元王者坂田さんが稲城市議選にチャレンジ


 これはびっくり、1月に引退表明した元WBA世界フライ級王者・坂田健史さん(31)が、住まいのある東京都稲城市の市議会議員選挙に出馬する――27日午後地元後援会引退記念パーティーを前に記者会見を開き、4月に予定される選挙に立候補宣言したもの。無所属で出るという。=写真=
 坂田さんは広島出身だが、志江夫人の地元稲城市には6年以上住み続け、今はすっかり地元のヒーローとして受け入れられている。坂田さん自身はこれまで特に政治好きというわけではなかったが、「何度も挫折した自分を応援し続けてくれた稲城のみなさんに恩返しがしたい」という思いから、2月に入って立候補を決意したという。稲城市議会議員選挙は4月24日に投開票を予定している。
 ボクサーの政界進出といえば、現役選手ながらフィリピンの国会議員選挙に当選したマニー・パッキアオが有名だが、「それも少しはアタマにあったかもしれません」と坂田さんは正直だ。この日のパーティーでは、出席した約150名の後援者を前に挨拶した坂田さんは、何度も挫折を経験した時も暖かく見守ってくれた後援者に感謝を表し、時に胸を詰まらせてスピーチが止まるシーンもあった。

2011年2月27日日曜日

デマルコ、挑戦権&シルバー王座ゲット

 元WBC世界ライト級暫定王者で、エドウィン・バレロの最後の対戦者となったアントニオ・デマルコ(メキシコ、WBC1位)とシルバー王者レイジェス・サンチェス(メキシコ、WBC2位)が26日、米国ネブラスカ州で対戦した。
 前半はスタイリッシュなサウスポー、デマルコが左ストレート、右フックを巧打して断然優勢。初回、デマルコの左で左目を深くカットしたサンチェスは流血のハンディを負う。だが、メキシコシティ在住の西出健一氏がマネジャー&チーフトレーナーのサンチェスは5ラウンドを境に執拗に接近戦を挑んで反撃。突進して右を振るって攻め込み、デマルコを自由にさせない。ポイント差を拮抗させたサンチェスは、最後までデマルコとパンチ交換を展開し食い下がった。
 12ラウンドが終わり、競ったスコアが予想されたが、3ジャッジが下した採点は116-112、117-111、115-113のユナニマスでデマルコが支持された。
 ウンベルト・ソトへの挑戦権を得たデマルコは25勝18KO2敗1分。ホルへ・リナレスにも動向が気になるところだ。ベルトを失ったサンチェスは20勝11KO4敗1分。

ケブ・バアス、アギーレをストップ

 26日メキシコ・メリダで挙行されたWBC世界L・フライ級戦は、地元の王者ヒルベルト・ケブ・バアス(メキシコ)が、同国の元WBC世界ミニマム級王者ホセ・アントニオ・アギーレに9回開始TKO勝ちを収め、初防衛を果たした。
 ブランク、最近の戦績から挑戦者資格が問いただされたアギーレだが、やはり初回からケブ・バアスの連打を浴びて青息吐息。元王者は繰り出すパンチがスローで、試合はワンサイドの流れに。6回には王者の集中打で、ストップ寸前に陥る。それでもケブ・バアスが強引に畳み掛けないため、生き延びたが、8回終了時のインターバルで、両目尻をカットしたアギーレにドクターがストップをかけ、勝敗が決した。それまでのスコアもフルマークで王者が優勢だった。

リオス劇的ベルト奪取 WBAライト級

 WBA世界ライト級王者ミゲール・アコスタ(ベネズエラ)-1位ブランドン・リオス(米)のタイトル戦が26日ラスベガスで行われ、リオスが10回KO勝利で新チャンピオンに就いた。
 両者持ち味を存分に発揮した好ファイトだった。先手を握ったのは、この正規王座の初防衛戦となるアコスタ。リオスの出バナに左ジャブ、左右コンビネーションを浴びせ、4ラウンドまで悠々ポイントアウトする。リオスは5回から馬力に任せて挽回を図り、6回、ロープ際で倒す。それでも動きが衰えないアコスタは、挑戦者の打ち終わりにパンチを浴びせ、引く素振りを見せない。しかし執拗なボディー攻撃が功を奏し、リオスは8回に2度目のダウンを奪い、10ラウンド一気に襲い掛かると、抵抗していたベネズエラ人は自軍コーナー付近に沈み、タオルが入った。
 初タイトル挑戦でベルトを巻いたリオスは27勝20KO1分無敗。アコスタは28勝22KO4敗2分。このクラスのWBA“スーパーチャンピオン”にはフアン・マヌエル・マルケス(メキシコ)が君臨する。

重量級三浦、米でTKO勝ち

 26日、ラスベガスのパームカジノ&リゾートで行われたリオス-アコスタ戦前座には、帝拳ジム所属の重量級ホープ、三浦広光が出場。L・ヘビー級ノンタイトル戦でラミロ・ブエノJrに初回2分20秒TKO勝ちをおさめた。
 三浦は初回中盤に右ストレートをヒット。ぐらついたブエノを連打し、ストップしたもの。これで三浦は5戦全勝3KO。今回が3度目の米国遠征試合だった。

ダウン応酬 ミランダKOでV3

 メキシコのケレタロで26日行われたWBO世界フライ級タイトルマッチは王者フリオ・セサール“ピンゴ”ミランダ(メキシコ)が、挑戦者8位アーデン・ディアレ(フィリピン)を4回1分29秒KOで下し、3度目の防衛に成功した。
 初回、積極的に仕掛けるディアレの右を食らい、ミランダがダウン。波乱の幕開けとなったが、2回からファンの歓声をバックにミランダが連打で反撃に出る。ディアレの動きが止まり、3回からメキシカンがペースを掌握。4回、右から左で倒したミランダがまたも畳み掛けると、挑戦者はリング中央にしゃがみ込み、カウントアウトされた。
 ミランダは35勝28KO5敗1分。「初回のダウンは体が温まっていなかった。私はまだまだ学習すべきことがある」とコメントしている。

2011年2月26日土曜日

関西にもMVP制度新設 3ヵ月に一度選考

 西日本ボクシング協会(度紀嘉男会長)が3ヵ月に一度の「最優秀選手賞」を選び表彰することが決まり、26日記者発表された。
 東日本ボクシング協会にはすでに後楽園ホールの試合を対象にした「月間賞」があり、毎月MVP・敢闘(もしくは殊勲)・新鋭の三賞を選んでいるが、「選手たちの励みとなってほしい、少しでも関西のボクシングを盛り上げてもらいたい」(度紀会長)と、関西でもこの賞の新設に踏み切ったもの。25日の西日本協会理事会で正式に決定した。東日本と比べて関西地区は興行数も少ないため、毎月ではなく春夏秋冬の年4度のペースで選考し、表彰する。受賞選手には、金一封と商品券合わせて約10万円相当が贈られることになっている。
 選考対象は西日本ボクシング協会加盟53ジムの所属選手で、関西以外の試合で賞に値する活躍をした場合も選ばれる資格があるが、関西で行われる試合でも、西日本協会加盟ジム所属以外の選手は選考の対象外という。また、新チャンピオン誕生は選考の対象となるが、現役のチャンピオンが勝っても選ばれない。

新鋭ガルシアTKOで20連勝


 スーパー・ライト級の王者候補、WBCユース王者ダニー・ガルシア(WBC10位)が25日(現地時間)米カリフォルニア州サンディエゴに登場。ジョン・フィゲロア(プエルトリコ)とノンタイトル戦を行った。
 “スウィフト”(敏捷な)のニックネームを持つガルシアが出だしからコンビネーション、右フック、左ボディーを決め優勢。2回、左フックを叩き込むと、フィゲロアはグラついてロープへ後退。ガルシアが畳み掛けると、主審がストップをコールした。TKOタイムは52秒。フィラデルフィアが地元のガルシアは20勝14KO無敗。フィゲロアは7勝3KO9敗3分。※写真はストップ直前、フィゲロラを猛攻するガルシア=PHOTO/CATCH MIURA=
 セミのL・ヘビー級8回戦は無敗対決。マルコ・アントニオ・ペリバン(メキシコ)が、メイウェザー・チームにサポートされるディオン・サベージ(米)に初回33秒TKO勝ちするサプライズ。またアントニオ・マルガリートのいとこ、ハンフェド・マルティネス(メキシコ)がアレハンドロ・ソロリオ(米)に2-0判定勝ちで10勝8KO無敗。(三浦勝夫)

ブルゴス、痛烈TKOで再起

 昨年11月、日本で長谷川穂積とWBC世界フェザー級王座を争い、激闘の末、判定負けしたフアン・カルロス・ブルゴス(メキシコ、WBC4位)が25日(現地時間)米国オクラホマ州タルサのミリオンダラー・カジノに登場。ベテランのフランキー・アチュレタ(米)に2回TKO勝利を飾った。
 フェザー級リミット2ポンド・オーバーでリングに上がったブルゴスは偵察戦の初回が終わり、2ラウンド一気にスパート。左アッパーで豪快に倒すと、続けざまにワンツー、左フックで合計3度ダウンを奪い、決着をつけた。TKOタイムは2分33秒。
 チームを一新し、フアンマ・ロペスやガンボアにも食指を伸ばすブルゴス(23)は26勝19KO1敗。ジョニー・タピアやロッキー・フアレスなどと対戦したアチュレタ(35)は27勝14KO8敗1分。

中日本協会 石原新体制決まる

 中日本ボクシング協会は去る6日の総会で畑中清詞会長が昨年発覚した事務局長の横領事件等の不祥事の責任を取って辞任し、代わって石原康之氏(トコナメジム会長・53)が新会長に就任している。任期は畑中会長の残り任期の2年間。すでに新執行部の役員も次のように決まった。
会長 石原康之(トコナメ)
副会長 三津山立直(三津山)
相談役 石丸重信(北陸イシマル)・松田鉱二(松田)、平石五雄(平石)
事務局長 薬師寺保栄(薬師寺)
新人王運営委員長 二村浩司(HEIWA)
健康管理運営委員長 水野益富(尾張水野)
キッズ委員長 新美辰二(鈴鹿ニイミ)
会計 滝澤一(タキザワ) 
理事-石原康之、平石五雄、三津山立直、薬師寺保栄、新美辰二 (敬称略)

2011年2月23日水曜日

ロマゴン、チャンゴ・バルガスと防衛戦

 ニカラグアのシルビオ・コンラッド・プロモーターが発表したところでは、WBA世界L・フライ級チャンピオン、ローマン“チョコラティート”ゴンサレス(ニカラグア)がメキシコで防衛戦を行うことが決まった。相手はマヌエル”チャンゴ“バルガス(メキシコ)、期日は3月19日。場所と会場は後日発表される。
 日本でフランシスコ・ロサス(メキシコ)を2回KOで下し暫定王者に就いたゴンサレスは、今月初旬フアン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)がベルトを返上したため、正規チャンピオンに昇格している。今回が初防衛戦で、メキシコリング登場は3度目となる。
 バルガスは元WBOミニフライ級暫定王者。ウェイトを上げたノニト・ドネア挑戦試合、その後のWBO世界J・フライ級王座決定戦、最新のジョバニ・セグラ戦では結果が出せなかったが、アグレッシブなファイターで、ゴンサレスに苦戦を強いる可能性もある。
 なお、同日のメインにはフリオ・セサール・チャベスJrが出場予定。またアナ・マリア・トーレス-ジャッキー・ナバによるメキシコ女子最強決定戦などが組まれている。

2011年2月22日火曜日

速報後楽園 小池、コブラを下す

22日、後楽園ホールのメイン8回戦は、小池浩太(ワタナベ=日本S・ライト級6位)がコブラ諏訪(ピューマ渡久地)に5回TKO勝ち。序盤から激しい打ち合いとなった試合は小池が巧みかつ積極的なインファイトで支配。諏訪がタフネスを発揮して食い下がると小池はアウトボクシングに切り替え、諏訪の右目上を切り裂いてストップした。セミ8回戦は、渡邉卓也(青木)が日本S・フェザー級10位の谷弘樹(姫路木下)に3−0判定勝ちしてランク入りに前進した。もう一つの8回戦は、吉岡健一(国際)が和氣年邦(M.T)に8回負傷判定勝ちしている。

2011年2月21日月曜日

和毅、5個目のベルト獲得 NABF王座に


 土曜日19日、メキシコ・プエルトバジャルタでNABF(北米ボクシング連盟=WBC傘下)のバンタム級王座決定戦に出場したWBCバンタム級10位亀田和毅(亀田)がヘルマン・メラス(メキシコ)に判定勝ちを収めた。
 今回がキャリア初の12回戦となった和毅は、フルラウンド戦い抜いた。ダウンシーンはなかったものの、両者は12ラウンドにわたり、好ブローを応酬した。主催の「カネロ・プロモーション」によると、パンチのシャープさで勝る和毅が主に顔面へ、メラスはボディー攻撃が目立ったとのこと。中間距離の攻防で優位に立った和毅に対し、メラスはクリンチに逃げる場面も。4回から8回までを完璧に支配した和毅が119-110に119-109が2者と、大差の勝利を得た。
 和毅は18勝12KO無敗。S・バンタム級クラスで獲得したWBCユース・インター王座を含めると、FECARBOX、CABOFE、ユース(いずれもバンタム級)王座に続き、これで地域タイトルを5つ獲得したことになる。
※写真は5つ目のベルトを腰に巻きガッツポーズをとる亀田和毅

2011年2月20日日曜日

“フラッシュ”ドネア鮮烈2冠奪取!


 ニュースターの誕生だ――。ラスベガスのマンダレイベイ・ホテルで行われたWBC&WBO世界バンタム級統一タイトルマッチは、挑戦者ノニト“フィリピーノ・フラッシュ”ドネア(フィリピン)が、2冠王フェルナンド“コチュリート”モンティエル(メキシコ)に2ラウンド2分25秒TKO勝ちを飾り、フライ、S・フライ級に続き、3階級目のベルトを獲得した。
 初回からスピードで上回るドネアが優位に立つ。迎えた2ラウンド、パンチ交換でドネアの左フックがモンティエルを強襲。マットに叩きつけられたメキシカンは大の字に。脚をバタつかせ立ち上がろうとしてまた崩れる。辛うじて起き上がり、続行が許されたが、ダメージは深刻。追撃であえなくストップされた。
 アリーナを熱狂させたヒーローは「アメージング・ファイト。昨年12月、この試合が決まった時、私は2ラウンドでKO勝ちすると言ったけど、誰も信じなかった。でもそれをモチベーションにして戦った。これがすべての始まりだ」と胸を張った。
(三浦勝夫)
※写真は2回、左強打でモンティエルから強烈なダウンを奪うドネア=PHOTO/SUMIO YAMADA=

シュトゥルム、ヒットマン息子を撃退 V12 WBAミドル級

 19日ドイツのシュツットガルトで行われたWBA世界ミドル級タイトルマッチは、スーパー王者フェリックス・シュトゥルム(ドイツ)が同級12位ロナルド・ハーンズ(米)を7ラウンドTKOに撃退した。通算12度目、スーパー王者になってからは2度目の王座防衛に成功。
 挑戦者は伝説の王者トーマス・ヒットマン・ハーンズの息子。父もリングサイドで見守ったが、試合は3回を除いて終始シュトゥルムのペースで進み、7回に右強打でダメージを受けたハーンズに、主審のラウル・カイズ・ジュニアがストップを宣告した。シュトゥルムはこれでレコードを35勝15KO2敗1分とした。
 なおWBAミドル級には3人のチャンピオンがおり、シュトゥルムはスーパー王者。正規王者はゲナディ・ゴロフキン(カザフスタン)。

ザベックが3度目の防衛成功 スロバニアのIBFウェルター級戦

 IBF世界ウェルター級タイトルマッチが18日スロベニアのリュビリュアナで行われ、地元の王者ジャン・ザベック(スロベニア)が挑戦者同級15位のポール・デルガド(米)に5回KO勝ちして3度目の防衛に成功した。
 地元ファンの声援を背にしたザベックは、終始攻勢をとり、2回に2度のダウンを奪った後、5回にもデルガドを倒したところでレフェリー・ストップがかかった。
 ザベック(34)は一昨年南アフリカで王座を獲得。31勝18KO1敗。

2011年2月19日土曜日

小関の挑戦者決定-3.12WBCアトム級戦

3月12日に行われるWBC女子世界アトム級タイトルマッチ、チャンピオン小関桃(青木)の挑戦者が決定。交通事故で試合をキャンセルしたステファニー・ドッブス(アメリカ)に代わり、13位クリカノック・アイランドムエタイ(タイ)が挑戦する。ピンチヒッターで来日するのは、6勝(4KO)1分の無敗ホープ!豊富なムエタイキャリアに支えられた実力者だ。1984年1月21日生まれの27歳。右ボクサーファイター。

モンティエル×ドネア あす決戦!



 バンタム級最強は誰か? 注目のWBC&WBO世界バンタム級統一チャンピオン、フェルナンド・モンティエル(メキシコ)-挑戦者ノニト・ドネア(フィリピン)の軽量級ビッグマッチが19日、ラスベガスのマンダレイベイ・ホテルのイベントセンターでゴングを聞く。
 対決を前に18日、同会場で行われた計量で両者ともリミットの118ポンド(53.52キロ)を計測し、無事パスした。前日の賭け率は2.2-1という数字でドネアが有利。ちなみにモンティエルが長谷川と対戦した時、アメリカの賭け率は1.6-1で長谷川と出ていた。
 セミで行われるウェルター級12回戦はWBA3位マイク・ジョーンズ(米)が147ポンド、WBC9位ヘスス・ソト・カラス(メキシコ)が146ポンドだった。両者は昨年11月の再戦。ジョーンズが保持するNABA,NABO,WBC米大陸王座の3冠が争われる。

出田が高山下す 

 18日後楽園ホールのメインで行われたウェルター級8回戦は、日本11位の出田裕一(ヨネクラ)が同級3位高山樹延(角海老宝石)に2-1判定勝ち。連敗を3でストップし、再浮上をアピールした。
 序盤は高山が冷静なカウンターでポイントを挙げたが、徐々に出田の前進が効果を発揮。高山はロープを背負いながらのタフファイトを強いられた。出田は被弾も多く気になったが、それでも勝利への執念は衰えることなく右クロス、左右ボディーを打ち続けて8ラウンドを終了。77‐76が2者に75-78のスコアで勝利した。
 沼田、渡部、十二村とランカー相手に黒星が続いた出田だが久々の勝利に感激。「やはり自分は前に出るボクシングですね」といい、タイトル挑戦に目を向けていた。13勝7KO3敗。一方の高山はデビュー以来の連勝が12でストップ(5KO)。

和毅、試合地入り 19日北米タイトル戦

 今週土曜日19日、NABF(北米ボクシング連盟=WBC傘下)のバンタム級王座決定戦に出場するWBCバンタム級10位亀田和毅(亀田)が16日(現地時間)試合地のメキシコ・プエルトバジャルタに到着した。メキシコで“エル・メヒカニート”のニックネームで呼ばれる和毅は、ヘルマン・メラス(メキシコ)と王座を争う予定。
 これまでWBC傘下のFECARBOX、CABOFE、ユースといった地域タイトルをコレクションしてきた和毅が4つ目のベルト狩りを目指す。相手のメラスは29勝12KO17敗1分。勝率こそ悪いが、これまでジェリー・ペニャロサ、マルティン・カスティーリョ、クルス・カルバハル、ロベルト・レイバの元チャンピオンたちとグローブを交えた来た頑張り屋。48戦のキャリアを誇るものの、まだ24歳と若い。
 和毅の“現在値”を図る上で格好の相手かもしれないが、現地からのニュースで和毅は自信を表す。「ベルトをコレクションするのは楽しい。私の国ではタイトルをたくさん獲得するボクサーが好まれている。今年2011年の11月か12月ぐらいに世界タイトルに挑戦できればと思っている」
 その標的だが、同じ土曜日行われるモンティエル-ドネア戦の予想を聞かれた和毅は「私はモンティエルがドネアをノックアウトすると思う」と現王者を支持している。

2011年2月18日金曜日

速報後楽園—土屋30秒で9連続KO

8戦オールKOで昨年度全日本新人王、MVPを獲得した土屋修平が18日後楽園ホールの角海老ボクシングに登場。タイのペットウタイ・オーベンジャマッドを右アッパー一発、1回30秒で倒した。また土屋と同じく新人王を獲得したコーチ義人(S・バンタム級)もリングに上がり、サウスポー仲村健志(琉球)に3—0判定勝ち。

2011年2月17日木曜日

アマチュア連盟が新役員招集 各委員長決める

 社団法人日本アマチュアボクシング連盟は4月1日の新年度スタートを前に、16日大阪市内に新役員メンバーを招集して第1回準備委員会を開き、各委員会の委員長を選任した。以下は新役員名簿(任期2年)=敬称略=
 名誉会長 川島五郎
 会長   山根 明(ナショナルチーム監督)
 会長代行 河上博喜
 副会長  田中秀子
 副会長  森正耕太郎
 副会長  寺崎 誠(普及委員会委員長)
 専務理事 吉森照夫(アマチュア資格審査委員会委員長)
 常務理事 梅下 久(総務委員会委員長・審判委員会委員長代行)
 常務理事 佐藤征二(審判委員会委員長・総務委員会委員長代行)
 常務理事 荒木 健(事務局長・総務委員会委員長代行・審判委員会委員長代行)
 常務理事 梅下新介(強化委員会委員長代行)
 常務理事 樋山 茂(ジュニア強化委員会委員長)
 常務理事 原 千恵(女子委員会委員長)
 常務理事 片山昭三(スポーツ科学委員会委員長)
 常務理事 山口 壮(医事委員会委員長)
 理事   本 博国(強化委員会委員長副代行)
 理事   海藤 晃(ジュニア強化委員会副代行)
 理事   黒田 勲
 理事   小斉 忍
 理事   清水 正澄
 理事   矢口禮安(JOC評議員)
※ 各委員会のうち、強化委員会委員長のみは会長預かり

多田またもチャンピオン統一戦 4月17日大阪で



 女子のWBA世界ミニマム級王者・多田悦子(フュチュール)と同級暫定王者のイベス・サモラ(メキシコ)のチャンピオン統一戦(10回戦)が4月17日、大阪・よみうり文化ホールで行われることになり、17日主催のフュチュールジムから発表された。
 多田(29)は一昨年12月WBC・L・フライ級王者富樫直美との王者同士の対決で引き分け、4月暫定王者リア・ラムナリン(トリニダードトバゴ)と敵地で対戦してやはり引き分け。今度が5度目の防衛戦であると同時に、3度目のチャンピオン対決というハードさだ。相手のサモラ(22)は一昨年8月暫定王座につき、同タイトルをすでに2度防衛している。ということは、WBAには暫定王者が2人もいた? 
 両選手のレコードは、多田が7勝2KO2分、サモラは11勝4KO2敗。 ※写真は多田(上)とイベス

金井、ノーランカーにTKO敗 戎岡は負傷ドロー

 16日夜神戸市立中央体育館で行われた真正ジム主催の「リアルスピリッツ」興行、メインのライト級10回戦では、日本同級8位・金井アキノリ(真正)が、ノーランクの岩下幸右(グリーンツダ)に8回2分41秒負傷TKO負け。一時は連続KOで注目された強打者金井(27)も、この日は岩下に目をカットさせられ、昨年9月の東洋太平洋王座挑戦(三垣にTKO敗)に続く敗北。岩下(28)は12勝7KO10敗2分。金井は21勝20KO5敗。
 セミのフライ級8回戦も流血戦で、日本L・フライ級10位のベテラン、戎岡淳一(明石)と新垣克彦(アポロ)が3ラウンド途中まで戦ったところで、新垣の右目上カットで試合中止。傷が偶然のバッティングによるもので、かつ試合がまだ前半だったため、ルールにより「負傷引き分け」が宣告された。タイムはこの回1分43秒。

2011年2月16日水曜日

プロ-アマのトップが特別インタビュー登場     BB3月号で


 プロとアマのトップ同士が新たな協調関係を確認――社団法人日本アマチュアボクシング連盟の会長に就任した山根明氏と、日本プロボクシング協会の大橋秀行会長が16日発売のボクシング・ビート3月号「プロ・アマ関係は今後どうあるべきか」で、一緒にインタビューに応じている。
 この2人が昨年夏に「歴史的握手」を交わしたのがきっかけで、プロ・アマ関係はガラリと一変し、互いの交流が盛んになったが、この特別インタビューの中では、
「アマ・プロ手を組んで、お互いプラスになることをしなくては」(山根)
「彼らのアマ復帰を認めてもらえれば、アマチュアはもっと強くなると思うんです」(大橋)
 などと、率直に意見を述べ合い、それぞれ今後のプロ・アマ協力関係に何を期待するかを語っている。詳しくは3月号で--。(写真は特別インタビューに出席したアマの山根会長=右=とプロの大橋協会長)
 なおボクシング・ビート3月号は、井岡の世界獲得戦速報を掲載のため、明日16日発売に変更になっています。お近くの書店でお買い求めください。ない場合は、書店に注文するか、発売元の㈱フィットネススポーツ(☎03-5653-1322)までお問い合わせ願います。

2011年2月14日月曜日

井岡×オーレードン戦も特報! ボクシングビート最新号は16日発売


 井岡7戦目奪取、下田見事な戴冠、内山防衛――11年のボクシング界は好試合で幕が開けました。ボクシングビート3月号は、11日の井岡×オーレードン戦を特報したため、16日(水)発売となります。カラー頁増、特別定価940円でお買い求めいただけます。
 巻頭リポートは井岡一翔×オーレードン戦。国内史上最短7戦目の世界挑戦でタイの王者オーレードンをKOした一戦を迫力の写真、記事で特報しています。また李冽理から3度のダウンを奪い快勝したニューヒーロー下田昭文が「飯田覚士の直撃トーク」に登場。世界戦舞台にかけた思い、会心の戴冠戦をあますところなく語ります。そのほか、高山がIBF戦に出場したのを機に、第3の団体IBFを特集。新旧の名王者たちを紹介しています。読みごたえたっぷりのボクシングビート3月号、ぜひ手にしてみてください。

復活!日韓新人王戦-4.30ソウルで開催


 1980年を最後に途絶えていた日韓新人王対抗戦が復活することになった。対抗戦復活は両国ボクシンク界が長く望んできたことだが、昨年大橋秀行会長らが訪韓したときから話が具体化。この10日にKBC(韓国ボクシングコミッション)の首脳が来日して日本側と協議した。
 14日の東日本ボクシング協会定例理事会の後、大橋会長から発表があった。
 対抗戦(韓国側は日韓新人王親善試合としている)の内容は--6階級、6回戦で実施。期日は4月30日、ソウル市開催--というもの。日本側新人王は昨年12月に決まっているが、韓国の新人王戦はこれから。2月23、24日に予選。3月12日に準決勝。決勝は3月26日となっている。韓国の実施クラスは8階級といい、そのうち6クラスが選抜されるが、日程がタイトなことからケガなども考慮しなければならず、開催日も動く可能性を残している。
 対抗戦復活を取りまとめた大橋会長は「スポーツの日韓戦は盛り上がる。また韓国ボクシングが盛り上がってくれないと……。ライバルは必要です。それに若いうちから海外で試合ができるのはいい経験になる。今回の話し合いで韓国ボクシング界が一丸となって盛り上げようとの熱意を感じた。代表が決まったら2週間の合宿を張るといっていますから」と大歓迎だ。

 写真は、前列左からハン・ボーヨン総顧問、キム・ジューファン会長、大橋会長、メージャー・リー顧問。後列左から新田渉世新人王委員長、北澤鈴春事務局長、ファン・ヒュンチュル理事

女子トリプル世界戦発表-WBCケアーズ イン ジャパン


 3月12日後楽園ホールで行われるWBC女子世界トリプルタイトルマッチの記者発表が14日都内で行われた。
 メインイベントに、昨年度女子MVP、L・フライ級王者樫直美(ワタナベ)がジェジース・ナガワ(フィリピン)を迎えて6度目の防衛戦。アトム級王者・小関桃(青木)も6度目の防衛戦。こちには指名挑戦者ドッブス(米)が交通事故に遭って試合が不可能となり、挑戦者を探しているところ。2つの防衛戦に、OPBF・M・フライ級王者・藤岡菜穂子(竹原&畑山)がアナベル・オルティス(メキシコ)に挑むM・フライ級戦の女子トリプルタイトル戦。ここにOPBF・L・フライ級王座決定戦(柴田直子-江畑佳代子)も加わった豪華興行となった。
 この大会は“WBC CARES in JAPAN”と銘打たれ、障害を持つ人とその介護者をリングサイドに招待するチャリティーマッチ。昨年11月、メキシコのWBC総会に行った王者・富樫が、老人と孤児の複合施設を慰問する社会貢献活動WBCケアーズに参加し、「これを日本でも」と提案して実現した。活動をバックアップするモノ・ウエルビーングの榊原正博代表は「介護される人、そして介護する皆さんは外に出る機会が少ない。ボクシングを見ることで元気を持ち帰ってもらえれば。これをWBCにも伝えたところ、ぜひやってほしいと言われた。大会のサブタイトルである“あなただからできること”を皆さんが今回の試合から持ち帰って欲しい」とそのテーマを語っている。
 大会は3月12日後楽園ホールで午前11時第一試合開始。チケットは2万円、1万円、6千円、4千円。後楽園ホール、チケットぴあ、青木ジム、ワタナベジム、ゲン・インターナショナルhttp://www.boxinggoods.jp/で発売中。
 

坂本、仁木に3-0判定勝ち 福岡の試合結果

 FUKUOKAジム主催の興行が13日福岡市九電記念体育館であり、メインのS・バンタム級8回戦は、一昨年の全日本バンタム級新人王で元日本ランカーの坂本英生(フジタ)がこれも元ランカーの仁木一嘉(FUKUOKA)に3-0判定勝ちした。明白な判定で、坂本は10勝2KO2分負けなし。仁木は26勝14KO4敗1分。
 セミのS・フライ級8回戦では、日本同級2位・大庭健司(FUKUOKA)がサンペット・ソーミーペット(タイ)に4回24秒KO勝ちした。3回に倒し、次の回早々左フックを脇腹に打ち込んで試合を終わらせた。これで大庭(29)はレコードを20勝(15KO)2分とし不敗を維持しているが、相手はほとんどがタイ選手。
 この日は他にも8回戦が3カードあり、バンタム級の橋本力(FUKUOKA)は大神淳二(フジタ)と倒し合いの末7回46秒TKO勝ち。1回にダウンさせたが、3回は逆に橋本がダウン。最後は橋本が7回に倒してストップ勝ち。日本S・ウェルター級8位・切間庸裕(折尾)はウドムシン・ノンピタカヨム(タイ)に2ラウンド1分30秒KO勝ち。S・バンタム級の松尾佳彦(YANAGIHARA)はコラ―トレック・オーベンジャマッド(タイ)に6回2分42秒TKO勝ち。

2011年2月13日日曜日

グティエレスTKOでV1 WBAミニマム級暫定

 ナルバエス-サレタ戦と同じ12日ブエノスアイレスのリングで行われたWBA世界ミニマム級暫定タイトルマッチは、王者サミー・グティエレス(メキシコ)が6回2分19秒TKO勝ちで挑戦者レナン・トロンコ(フィリピン)を下し、初防衛を果たした。
 初回、サウスポー、トロンコの左でグティエレスはもんどりうってダウン。しかし旺盛なファイティングスピリットを発揮するメキシカンが2回からペースを掌握。重厚な左右ボディーアタックを軸に挑戦者を休ませない。なおもプレスを強めたグティエレスが6回、猛攻を仕掛けると、ギエルモ・ペレス主審(パナマ)が割って入った。
 ブルファイターぶりとスタミナを誇示したグティエレスは27勝18KO5敗2分。善戦したトロンコは8勝5KO3敗

ナルバエス、大差でS・フライ級初防衛

 WBOフライ級王座を16度守った名王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)が、2階級目のベルト、WBO世界J・バンタム級(S・フライ級)王座の初防衛を果たした。ナルバエスは12日(現地時間)ブエノスアイレスで、挑戦者のWBC4位ビクトル・サレタ(メキシコ)を大差の3-0判定勝利を飾った。
 身長、リーチで大きく上回るサレタに対し、サウスポーのナルバエスはコンパクトな振りから的確なパンチをヒット。ディフェンス勘のよさでメキシカンの左右を巧妙にかわす王者が楽々ポイントアウト。ダメージ的には9回に左カウンターで一瞬グラつかせたにとどまったが、終盤も連打の雨を降らせて締めくくった。
 公式スコアは119-108、120-107が2者と大差でナルバエスの防衛を支持した。

パッキアオ×モズリー キャンペーンがスタート!


 5月7日、ラスベガスのMGMグランドで対戦するマニー・パッキアオ(フィリピン)-シェーン・モズリー(米)の両者が10日(現地時間)のロサンゼルスを皮切りに、キャンペーンツアーを展開している。
 初日のロサンゼルスはビバリーヒルズ・ホテルが会場。グレーのスーツ姿のモズリーに対し、パッキアオはブルース・リーを彷彿させるヘアースタイルに黒のシャツで登場。マイクを前にしたモズリーは「パンチングパワーが私にはある。そして“ファイター”をヒットする能力に私は優れているから、どのラウンドでもノックアウトに持ち込める。マニーは熱いハートを持ったファイターだから、試合は爆発的なものになる」とアピール。
 対するパッキアオは「彼の最近2試合は出来が悪かったというけど、私はそう思わない。彼はスピードがあり、パンチ力があり、ファイトできることを証明した。とても39歳には見えない。せいぜい32,33歳といったところだ」と敵をリスペクトしている。
 ツアーはサンフランシスコ、ワシントンDCなど全米5都市をサーキットすることになっている。

新王者井岡、一夜明け

 WBCミニマム級新チャンピオンの井岡一翔(井岡)が7戦目奪取から一夜明けた12日、ジムで会見を行った。
 王座を獲った夜は「すぐに寝れた」という井岡。「まだまだ強い選手と戦っていって強くなりたい」と抱負を語った。階級を上げて最終的に4階級制覇の野望を抱くが、現時点ではミニマム級王座の初防衛が陣営の規定路線。時期は6、7月を計画しているという。1週間ほど休んでから練習再開をするというチャンピオンは「友だちとご飯や買い物にいきたい」と21歳らしい希望を話していた。

2011年2月11日金曜日

井岡7戦目で世界つかむ オーレードンを5回TKO  WBCミニマム級戦


 関西リングに21歳の世界チャンピオンが誕生――11日夜神戸ワールド記念ホールで行われたWBC世界ミニマム級タイトルマッチは、挑戦者同級10位の井岡一翔(井岡が王者オーレードン・シッサマーチャイ(タイ)を5回1分7秒TKOに破り、プロ7戦目で世界タイトル奪取に成功。これで日本人世界チャンピオンの最短レコードを樹立した(これまでは辰吉丈一郎と名城信男の8戦目)。
 サウスポーのチャンピオンに対し積極的に出た井岡は、2回に左フックを顔面に打ち込んで先制のダウンを奪うと、その後も優勢裡に試合を進めた。4回終了時に発表された途中採点でも2-1と優勢だった井岡は続く5回、打ち合いで一瞬ガードが空いたチャンピオンの脇腹に左フックをめり込ませると、40戦不敗の王者はあえなく崩れ落ち、マクタビッシュ主審がストップを宣告し新チャンピオン井岡の手を上げた。
 1万超と発表された観衆は、ヒーロー誕生に大喜び。勝者は7戦目で奪取の記録について感想を聞かれると、「なるべく意識しないようにしていましたが、勝てば記録がついてくると思っていた。今は素直にうれしい」と、謙虚に喜びを語った。「僕だけの力やない、会長、お父さん、みんなのおかげです」と周囲に感謝しながらも、「4階級制覇、獲ります!」と口にした野望は大胆だった。
 一方敗者オーレードンは、「イオカは強かった。(KOパンチ)をみぞおちに受け、痛くて息が出来なかった」と振り返り勝者を称えた。「急な減量が祟った」(関係者)という説を肯定し、「これからも戦い続けるが、少し(階級を)上げたい。井岡と再戦したい気持ちはあるが、この階級では無理では……」とは、よほど減量がきつかったのか。
ボディーで倒れたのはぶざまではと問われると、「ハイ、悔しいです」と弱々しい笑いを浮かべて答えた。PHOTO/SUMIO YAMADA

2011年2月9日水曜日

オーレードンと井岡ともに体調は問題なし 

 11日のWBC世界ミニマム級タイトルマッチ(神戸ワールド記念ホール)の予備検診が9日、大阪市内で行われた。国内最速記録となるプロ7戦目での世界王座獲得を目指す挑戦者の同級10位・井岡一翔(21=井岡)と、王者オーレドン・シッサマーチャイ(25=タイ)ともに体調に問題なしとの診断。身体検査では身長、リーチともに井岡が上回る数値となった。
 井岡は体格差について「今まで気にしていないので」と関心を示さず。今回が7度目の防衛戦となるオーレドンも「一生懸命練習してきたので問題ない」と話した。
 以下は検診結果(オーレドン、井岡の順) 
▽身長 160・9センチ、165センチ 
▽首回り 38・5センチ、38センチ 
▽胸囲 85・5センチ、85センチ 
▽胸厚 20・5センチ、19センチ 
▽視力 右1・2左1・5、左右1・5 
▽リーチ 156センチ、163センチ 
▽ナックル 左右28・5センチ、右27・5センチ左28センチ 
▽血圧 120/78、122/74 
▽脈拍 ともに48(1分あたり) 
▽体温 34・6度、36・1度

2011年2月8日火曜日

井岡が公開練習


 辰吉丈一郎、名城信男の国内最速8戦目を上回れるか――。7戦目で世界初挑戦するWBC世界ミニマム級10位の井岡一翔(21=井岡)が王者オーレドン・シッサマーチャイ(25=タイ)との世界戦(神戸ワールド記念ホール)を控えた8日、大阪市内の所属ジムで練習を公開した。
 主戦場のライトフライ級から1階級落としての挑戦。まずは減量が大きな焦点の1つとなる。「体重を落とすのはしんどいが、想像以上ではない」と順調ぶりをアピールした。公開練習では2回のスパーリングも披露。体はよく動いていた。
 日本王座を獲得したとはいえ、まだプロ経験は6戦。王者は40戦無敗だ。「相手はキャリアがあるが、僕もいろんな経験を積んできた」と対抗。「焦らないことがポイント。精神面の勝負になる。お互い、つらくなってからが勝負でしょう」と、後半を試合のカギとにらんでいるようだ。

来日中のガンボアがスパー 井岡世界戦も観戦


 キューバの至宝といわれる、フェザー級のIBF&WBAスーパー王者ユリオルキス・ガンボア(29)が、現在来日してトレーニングを積んでいる。指導を受けるイスマエル・サラス・トレーナーが、井岡一翔の世界戦に合わせて来日しているため。ガンボアは3月26日に米ニュージャージー州でWBA世界スーパーフェザー級暫定王者ホルヘ・ソリス(メキシコ)との対戦が決まっている。
 8日は大阪市内の井岡ジムでスパーリングも行った。国内A級ボクサーと4ラウンド、迫力満点の手合わせ。弾むような動きで「サイクロン」のニックネーム通り、回転力ある連打を上下に打ち分けた。リングサイドで見つめた井岡、宮崎亮らも感心した様子で見つめていた。ガンボアは11日の井岡の世界戦も観戦予定。

2011年2月7日月曜日

暫定同士の対決 へレス“統一暫定王者”に

 これも最近の暫定王座濫発のツケか、同じタイトル認定団体、同じ階級の暫定王者同士が対決した珍しいカードが5日(現地時間)コロンビアのカルタへナで行われた。WBO世界J・フライ(L・フライ)級暫定タイトル統一戦で、ヘスス・へレス(コロンビア)とラモン・ガルシア(メキシコ)とも暫定王者。全般を通して攻撃的だったのはガルシアだったが、12回を戦い終えると、判定は2-1で地元のへレスの勝利を支持していた。
 これで勝者へレスは文句なしの(?)暫定チャンピオンとなった。なおこの階級のWBO正規王者はジョバニ・セグラ(メキシコ)である。

2011年2月6日日曜日

アマの新会長に山根氏 日連総会で決まる

 社団法人日本アマチュアボクシング連盟は6日、東京・渋谷の岸記念体育館で平成22年度臨時総会を開き、長期闘病中の川島五郎会長に代わって、山根明氏(71=写真=)を新会長に選出した。任期は2年。川島氏は名誉会長となり、新たに河上博喜氏が会長代行に就任した。
 山根氏は大阪出身。奈良県連事務局長からスタートし、関西(旧近畿)連盟会長、日本実業団連盟会長、日連副会長等を歴任。この他、1994年から02年にかけて8年間AIBA(国際アマチュアボクシング協会)実行委員、00年シドニー五輪ボクシング代表監督も務めている。
 山根新会長は「これまで(アマチュアボクシングには)改革が必要だと申し上げてきた。会長という要職に選ばれたので、これからも皆さんと協力して改革の道を歩んでいきたい」と、抱負を語った。なおこの日の総会では、平成22年度全日本ランキング、平成23年度事業計画を承認し、新規役員も決まっている。また、企業スポンサー名を用いた「冠大会」についても、日連のOKがあれば地方大会でも実施できることになったという。

トラウト大差の勝利 WBA・S・ウェルター級戦

 メキシコ・グアダラハラで5日(現地時間)行われたWBA世界S・ウェルター級王座決定戦は、1位オースティン・トラウト(米)が暫定王者リゴベルト・アルバレス(メキシコ)を3-0判定で下し、ベルトを巻いた。
 サウスポー同士。しかしアウトボクサー、トラウトに対し、アルバレスはブルファイターとスタイルは対照的。スキルとスピードの差は明白で、右ジャブを丹念に突くトラウトが難なくペースを掌握。攻めの糸口がつかめず、手数が少ないアルバレスへ地元ファンも中盤からブーイングを浴びせる始末。徹底してアウトの距離で戦う米国人がカットを負ったアルバレスに連打を見舞って勝敗を決定づけた。スコアは3ジャッジとも119-108と大差でトラウトを支持した。
 トラウトは22勝13KO無敗。アルバレスは26勝19KO3敗。今のところ、トラウトは正規王座に就いたという説と暫定王座を獲得したという情報の2つがある。
 同じリングで行われたWBAミニマム級挑戦者決定戦は7位ヘスス・シルベストレ(メキシコ)が5位ヤデル・エスコバル(ニカラグア)に3回鮮やかなKO勝ちを飾っている。

レベコがフライ級に転向 ゴンサレス正規王者へ    WBA・L・フライ級

 WBA世界L・フライ級チャンピオンだったフアン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)がWBAに書状を送り、同タイトルの返上を申し出た。これにより、昨年10月東京で同級暫定タイトルを獲得したローマン“チョコラティート”ゴンサレス(ニカラグア=帝拳の契約選手)が正規チャンピオンへと昇格した。WBAが4日の公式サイトで明らかにしている。
 タイトルを返上したレベコは、フライ級に上げて、指名挑戦者の権利を得られるようWBAに対し要請している。暫定王者ジャンピエロ・ペレス(ベネズエラ)への挑戦を期待しているという。

名城世界奪還ならず ロハスに判定負け        WBC世界S・フライ級戦


 WBC世界S・フライ級タイトルマッチは5日夜大阪府立体育会館第一競技場で行われたが、王者トマス・ロハス(メキシコ)が挑戦者で前WBA王者の名城信男(六島)に3-0判定勝ちし、初防衛を果たした。
試合は名城が前に出てロハスがさばく、予想どおりの展開。序盤からロハスがうまい迎撃でポイントを稼ぎ、8回には偶然のバッティングで負傷しなかった名城がWBCルールにより減点される。終盤は集中力を欠いたロハスに迫りもしたが、結局名城は116-111、116-113、114-113のスコアで敗れ、WBCで世界返り咲きの夢を絶たれた。写真はロハス(左)と名城の相打ちシーン。

2011年2月5日土曜日

ツニャカオ、中広の挑戦撃退V3 OPBFバンタム級戦

 5日大阪の名城-ロハス戦セミで行われたOPBF(東洋太平洋)バンタム級タイトルマッチは、王者マルコム・ツニャカオ(真正)が挑戦者中広大悟(広島三栄)に6回TKO勝ち。3度目の防衛に成功した。 ツニャカオは得意のクイックな左でポイントをゲット。フルマークの内容で迎えた6回、開始早々のバッティングで中広は右目上を負傷する。出血が止まらず、3度目のドクターチェックかと思われたところで主審が試合をストップした。タイムは2分32秒。

今度は正規王座だ 五十嵐3回TKO勝ち        日本フライ級王座決定戦

 チャンピオンカーニバル、日本フライ級王座決定戦は5日夜後楽園ホールで行われ、WBC同級11位の五十嵐俊幸(帝拳)が日本1位の小林タカヤス(川島)を3回2分7秒TKOに下して新チャンピオンとなった。
 試合は期待通りのスピーディで緊迫した攻防。長身のサウスポー五十嵐は前半のバッティングを警戒して慎重にスタートした。小林も果敢に右を放ってペース奪回をはかるが、五十嵐は落ち着いて左ストレートをボディーに送る。3回半ばすぎ、五十嵐がそれまで温存していた顔面への左ストレートを鋭く踏み込んで打ち込むと、小林たまらず青コーナーに吹っ飛んだ。ここで五十嵐が追撃したところで、中村主審が両者の間に割って入り、レフェリー・ストップを宣告した。
 この王座は世界挑戦を計画する清水智信(金子)の返上で空位になっていたもの。五十嵐は2年前に暫定王座につきながら大学(東京農業大)の先輩清水との統一戦に敗れ挫折を経験。その後ラスベガス特訓を経験して成長を遂げ、ようやく正規王座を獲得した。
「仲のいい下田に先を越されてしまいましたが、自分も必ず世界チャンピオンになりたい」「防衛戦重ねて、急がずに確実に前に進んでいきたい」と喜びのコメント。リングの上で9ヵ月になる愛児・比呂ちゃんを抱いてチャンピオンを実感していた。
 最近の五十嵐は進境著しいものがあり、「年内にも世界に挑戦させたい」と帝拳ジム本田会長も前向き発言。 ※写真は3回のストップ直前のシーン

アルバレス-トラウト計量パス WBA・S・ウェルター級戦

 明日5日(現地時間)メキシコ・グアダラハラのアレナ・コリセオ・デ・グアダラハラで挙行されるWBA世界S・ウェルター級“正規王座”決定戦の計量が同地で行われ、暫定王者リゴベルト・アルバレス(メキシコ=写真左)、1位オースティン・トラウド(米=WBA1位)ともリミットの154ポンド(69.85キロ)でクリアーした。
 昨年、石田順裕(金沢)を2-1判定で破り戴冠したアルバレスは試合地が地元グアダラハラになり、自信を深めている。また豊富なアマチュア歴を誇るトラウトは、アウェー戦にも動じた姿は見られない。勝者にはトップアマからプロでも世界王者を目指すエリスランディ・ララ(キューバ)との防衛戦が義務付けられている。

名城、ロハスともに計量合格 

 5日ゴングのWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ(大阪府立体育会館)の前日計量が4日、大阪・心斎橋の繁華街、アメリカ村で一般公開される形式で行われた。会場はビル2階のスタジオ。外部に面した側の大型スクリーンが開き、出場2選手の計量の模様が公開された。熱心なファンや、通りすがりの一般客も含めて約300人が見守る中で行われた。
 計量は両者ともリミットの52・1キロで一発パス。前WBA同級王者で挑戦者の同級7位・名城信男(29=六島)は「計量が終わった時の開放感は何にも替え難い。絶対KOで勝つんで応援よろしくお願いします」と宣言。昨年5月の前回世界戦も家電量販店での公開計量だったが、当時を上回る拍手を浴びた。「それなりに人も集まってくれたし、よかった。減量は順調だった。後はリングで暴れるだけ」と、3度目の世界王座獲得へ強い意気込みを語った。
 一方、初防衛戦となる王者トマス・ロハス(30=メキシコ)は「計量を通過できて満足。ベルトはメキシコに持ち帰る」と、こちらも勝利宣言。公開計量は初体験だったといい「びっくりしたし、興奮した。少し寒かったけど、我慢できたよ。自分のスタイルである、距離を取りながら戦うつもり」と、アウトボクシングを基本戦略にする考えを披露した。
 また世界戦の前座で争われる東洋太平洋バンタム級タイトルマッチの計量も同時に行われ、王者マルコム・ツニャカオ(真正)、挑戦者の前日本スーパーフライ級王者・中広大悟(広島三栄)ともに、リミットから200グラムアンダーの53・3キロで通過した。

2011年2月3日木曜日

細野V1、最強挑戦者撃退 日本フェザー級戦

 バズーカ砲不発も明白な判定勝ち――。3日後楽園ホールで行われたチャンピオンカーニバル、日本フェザー級タイトルマッチは、強打の王者・細野悟(大橋)が1位挑戦者・木原和正(ウォズ)の守り重視の試合運びに手を焼くかされたものの、3-0判定勝ちで、昨年11月に獲得したベルトの初防衛に成功した。
 4回、両者右を相打ち。次の一瞬、木原がはじけ飛ぶようによろめく。試合を象徴するようなシーンだった。力勝負では非力な木原は対抗できない。その後も木原は試合巧者ぶりを発揮したものの、細野の決定打から逃れるのが精一杯。終盤9回にはホールディングの反則をとられて1点減点。結局、ダウンシーンはなかったものの、3ジャッジのスコアが98-92(中村、福地)、97-93(杉山)と文句なしの判定で細野の勝利を支持していた。
 この日の前座6回戦では、12月の全日本新人王決定戦でミニフライ級に優勝した原隆二(大橋)が登場。タイのニュークリア・ソータナピニョーの抵抗に遭いながらも4回に左フックで倒した直後、猛攻でレフェリー・ストップ勝ちに持ち込んだ。

名城「熱い試合を見せる」 ロハス戦調印

 パワーの名城か、テクニックのロハスか。WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ(大阪府立体育会館)を5日に控え、3日には両陣営による調印式とルールミーティングが大阪市内のホテルで行われた。
 前WBA王者で挑戦者の同級7位・名城信男(29=六島)は、赤い鎧(よろい)に身を包んだ大阪城甲冑(かっちゅう)隊の面々を引き連れて調印式会場に〝殴り込み〟。「体調はいい。必ずWBCのベルトを手にしたい。前半から積極的に行く。真田幸村にあやかって、熱い試合を見せたい」と意気込んだ。前日2日の予備検診では胸囲で12・5センチ上回り、パンチ力を十分に生かしたい。
 一方の王者トマス・ロハス(30=メキシコ)は名城の風変わりな登場に驚いた表情を見せながらも「ショーの一環だからね」とすぐに冷静さを取り戻した。昨年9月の王座決定戦で河野公平に判定勝ちして戴冠。今回が初防衛戦となる。長身の技巧派サウスポーだ。「日本に王者として戻ってこられて満足している。今から試合でもいいくらい、体調はいい。できればKOしたい」とこちらも自信満々だった。
 4日の前日計量は大阪・心斎橋のアメリカ村で、一般公開の形で行われる。

亀田大、4.2沖縄で無冠戦

 亀田家二男で前WBAフライ級王者、大毅の次戦が4月2日(土)、沖縄県立武道館で行われることになった。3日、走り込み練習をしている栃木県のロイヤルメドウゴルフ倶楽部で発表された。対戦相手はしぼり込みの段階で、試合はノンタイトル戦として行われる。
 減量苦からWBAベルトを返上した大毅は階級を上げ、S・フライ級1位にランクされている。今回は同級での試運転となる。「1位も15位もかわりはない。とりあえず一戦一戦勝っていきたい」と大毅はゼロからのスタートを強調した。
 当日は地元沖縄のジムからも選手が出場の予定。「地方の選手は試合のチャンスが少ないらしいから、俺らが行くことで地元の選手も出られたら」と、亀田プロ社長でもある兄・興毅は説明した。昨年末にWBAバンタム級王座に就いた興毅の次戦は未定という。

亀海が急病でダウン 5日の防衛戦中止し王座返上

 5日夜後楽園ホールで予定されていたダブル日本タイトル戦は、1試合のみ挙行--。日本S・ライト級タイトルマッチは、王者亀海喜寛(帝拳)がインフルエンザA型感染症にかかりドクター・ストップがかかったため、同級1位長瀬慎弥(フラッシュ赤羽)との試合は急きょ取り止めとなった。チャンピオンカーニバルの注目カードの1つがなくなったのは残念だが、不敗の亀海もインフルエンザには勝てなかったか? なお5日はこのカードのみがキャンセルとなるが、五十嵐俊幸(帝拳)-田中タカヤス(川島)の日本フライ級王座決定戦他は予定通り行われる。
 帝拳ジムは「フアン、関係者にお詫びする」として、亀海の王座返上を申し出ており、これにより後日長瀬と上位ランカーとによる空位の王座決定戦が行われる。「長瀬は元旦も休み返上で練習して絶好調だっただけに残念だが、病気では仕方がない。長瀬の決定戦は3月中にはやりたい」と川島勝・フラッシュ赤羽ジム会長。2位の伊藤和也(宮田)が対戦に名乗りを上げているという。3月22日後楽園ホールが有力。

粉川が3月世界前哨戦 元王者マチャドと対戦

 世界挑戦を見据えてOPBFスーパー・フライ級王座を返上した粉川拓也(宮田・WBA同級12位)=写真=が元世界王者を相手に「世界前哨戦」を行う。3月7日後楽園ホールで、元IBF世界同級チャンピオンのフェリックス・マチャド(ベネズエラ)と10回戦で対戦することになったもの。
 粉川(25)は宮田ジムで「ポスト内藤大助」として期待されるホープ。17勝10KO1敗。一方マチャド(38)は、25勝12KO13敗1分の記録を持つサウスポー。2000年から03年にかけIBF世界王座に君臨したが、最近は負けが込んでおり往時の勢いはない。それでも老獪なボクシングで粉川を苦しめることになるか、それとも12連勝中の粉川が若さとパワーで圧倒して新旧交代を印象づけるか。
 セミでは日本S・ライト級5位の細川バレンタイン(宮田)が、大沼弘宜(協栄)相手に8回戦を予定している。

岩渕辛勝-2日の後楽園ホール

 2月2日後楽園ホールのメイン8回戦は、日本S・ライト級7位岩渕真也(草加有澤)が小竹雅元(三迫)に3-0判定勝ち。しかしポイント77-76(2人)、78-75が示すような接戦だった。
 サウスポー同士の1戦。試合は小竹が積極的に先手を取ってリードした。岩渕はボディーへの強打で対抗するものの打ち終わりに小竹のパンチを許して苦しい展開。苦境の岩渕を救ったのは持ち前のパワー。終盤に入ると好調に飛ばしていた小竹の動きに陰りが差し、岩渕の強打が目立つ。結局岩渕がパワーでポイントを引っくり返す格好でランカーの意地を示した。「相手に技術があったので単発になってしまった。後半効いて相手の手数が減って接戦を抜け出せた。練習はしたけれど、サウスポーに対する苦手意識が払拭できていませんでした」という岩渕は15勝12KO3敗。惜敗の小竹は6勝2KO5敗。
 アンダーカード8回戦は横山大輔(ワールドS)がダオチャイ・シッスーイ(タイ)に4回KO勝ち。池原繁尊(横浜光)はユーチ・ウアサムパン(タイ)に4回KO勝ちして昨年6月の東洋挑戦敗退から再起した。

2011年2月2日水曜日

長谷川、西岡、粟生出場の豪華トリプル世界戦    4月8日東京で実現


 長谷川、西岡、粟生の3人の世界チャンピオンがラテンの強豪を迎える豪華な「WBCトリプル世界タイトル戦」が4月8日東京・両国国技館で実現することに決まり、2日都内で3王者が出席して開かれた記者会見で正式に発表された。これまでトリプル世界戦は日本でも何度か実現しているが、3カードとも日本人世界王者というのは今回が初めて。カードは以下の通り――。
 ◇WBC世界フェザー級タイトルマッチ
C長谷川穂積(真正)-①ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)
 ◇WBC世界S・バンタム級タイトルマッチ
C西岡利晃(帝拳)-⑥マウリシオ・ムニョス(アルゼンチン)
 ◇WBC世界S・フェザー級タイトルマッチ
C粟生隆寛(帝拳)-③ウンベルト・グチェレス(メキシコ)
 帝拳と真正プロモーション主催、日本テレビ系列で放映の「ワールドプレミアムボクシング13」として挙行される。このうち昨年11月名古屋のダブル世界戦で2階級目の王座についた長谷川と粟生はいずれもWBCから義務づけられている指名防衛戦。西岡はこれが6度目の防衛戦となる。当初はIBF王者スティーブ・モリター(カナダ)とのチャンピオン統一戦が計画されていたが、交渉がまとまらなかったため、選択試合をはさむ。
記者会見に出席した3王者はそれぞれ次のように抱負を語っている。最初に登場する予定の粟生は、「僕がこけたら会場がさめてしまうので、いい試合をして西岡さん、長谷川さんに繋げたい」。昨年MVPを受賞した西岡は「長谷川君、粟生に刺激されている。ボクシング本来の素晴らしい試合、感動できる試合を3人で見せたい」。そして長谷川は「試合が日本開催になってホッとしている。西岡さん、粟生がKO勝ちするなら、自分もKO勝ちしたい」
※写真はグリーンのWBCベルトとともに勢ぞろいした3王者。決意を記した色紙には、「新生」(長谷川)、「究める!」(西岡)、「初防衛」(粟生)と書かれていた

2011年2月1日火曜日

内山&下田、勝利から一夜明け


 ダブル世界戦で勝利を飾った内山高志(ワタナベ)、下田昭文(帝拳)の一夜明け会見が1日、テレビ東京で行われた。
 三浦をTKOに下しWBA・S・フェザー級王座3度目の防衛に成功した内山は、右拳を2ラウンドに痛めていたが、これは骨折ではなく脱臼だったという。もっとも回復に要する時間は骨折と同じ程度で、次期防衛戦までは少し間隔が空くことになる。拳負傷のトラブルにめげず勝利を飾ったことに「ホッとしている」と内山。試合内容には不満もあるが、「決まった試合をクリアしていく。名のある相手とやってみたい」と今後について語った。
 李からWBA・S・バンタム級王座を奪った新チャンピオン、下田は14針縫った右目の傷を隠すためにサングラスを着用。昨夜は実家で食事を摂ったりして一睡もしていない。「まだ特別な実感はわきません」と落ち着いて感想を述べた。初防衛戦はまだ白紙の状態だが、下田は「できれば、挑戦し続けられるような防衛戦がいい」。将来的に複数階級制覇の野望もあるという。

史上初の女子トリプル世界タイトル戦実現 3月

 日本では史上初となる女子のトリプル世界タイトルマッチが3月12日後楽園ホールで行われることがほぼ決まった。
 いずれもWBC(世界ボクシング評議会)公認のタイトル戦(10回戦)で、
① L・フライ級王者・富樫直美(ワタナベ)vs.ジュシース・ナガワ(比)
② アトム級王者・小関桃(青木)vs.ステファニー・ドッブス(米)
③ ミニ・フライ級王者・アナベル・オルティス(メキシコ)vs.藤岡奈穂子(竹原&畑山)
 昨年度女子の部の年間最優秀選手賞を受賞した富樫(35)は、これが6度目の防衛戦。小関(28)も6度目の防衛戦。一方ミニ・フライ級戦では、昨年初来日で菊地奈々子を相手に世界の技巧を披露したオルティスに対し、OPBF王者藤岡(35)が挑む。
 またこの日はOPBF東洋太平洋L・フライ級王座決定戦が同級2位柴田直子(ワールドスポーツ)-江畑佳代子(ワタナベ)の間で行われる他、前座試合も含め全カードが女子ボクシング。主催は「WBC CARES IN JAPAN」実行委員会。
 豪華な世界戦3試合を後楽園ホールで、一日で挙行するとは、少しもったいない気もするが、キャパ約2千人の会場でトリプル世界戦ができるというのは、女子ボクシング人気の現状を物語っているともいえる。「女子ボクシングの将来が懸かっている興行」と、仕掛け人の林隆治マッチメーカーは意気込んでいる。

アマ 梅下日大監督ら3氏がAIBA委員に就任

 アマチュアの世界組織AIBA(国際アマチュアボクシング協会)傘下の委員会に日本から以下の3人が委員として選ばれている。
 コーチ委員会=梅下新介(日本大学ボクシング部監督)
 女子委員会=原千恵(関西連盟女子委員長)
 ユース委員会=寺崎誠(日連常務理事、東京都連会長)
 AIBA傘下の委員会には、最新のWSB(ワールドシリーズ)を含めて8つがある。過去にAIBAの実行委員には山根明氏ら数人が選ばれたことがあるものの、傘下の委員会委員に今回のように一挙に3人も選ばれたのは初めて。これまでAIBAとのパイプが細っていたため、世界の動向が読みにくかったり、情報の伝達が遅れるなどという不利益があったが、こうしたマイナスが一気に解消されるものと期待される。3人は前後して1月中旬にスイス・ローザンヌのAIBA本部で開かれた新役員の就任式と各委員会に出席し、新委員としてのスタートを切っている。
 コーチ委員会(日連の強化委員会に相当する)の委員に選ばれた梅下氏は「大役を仰せつかったという思いです。自分も勉強したいし、またできる限りAIBAの動きを日本に伝えたい」と抱負を語っている。

下田世界王座獲得 李を3度倒して快勝 S・バンタム級


 帝拳ジムに西岡、粟生に続く現役3人目の世界チャンピオンが誕生した。31日夜東京・有明コロシアムで行われたWBAダブル世界タイトル戦の第一試合、S・バンタム級戦は、同級6位の下田昭文(帝拳)が王者李冽理(横浜光)と倒し合いの末、大差の3-0判定勝ちを飾り、初挑戦のチャンスをものにして新チャンピオンとなった。
 波乱の幕開けは3回。挑戦者の踏み込み鋭く振った左ロングフックがアゴを痛撃し、李は両足はね上げてキャンバスに落ちる。これで勝負ありかと思われたほど強烈なダウンだった。しかし、李は立ち上がり、この回終了間際には逆に右フックを浴びて下田がダウン。
 この時点では勝敗の行方は混沌としていたが、この日の下田は李の変則ボクシングをものともせず、その後もスピードで圧倒した。速い動きに乗せて踏み込み鋭く放つ左ストレートがビシビシ決まり、李を後手に回らせる。5回には飛び込んでくる李に絵に描いたような左ストレートをカウンターしてダウンを奪い、8回にも左フックで李にカウントを聞かせた。
 快調に飛ばした下田はその後も動きが落ちず、李にペースを与えることなく12回の長丁場を乗り切った。勝敗は判定を聞くまでもなく明らか。事実スコアも島川威とビニー・マーチンが118-109、原田武夫も115-111で新チャンピオン誕生を支持していた。
 新チャンピオンは、「本田会長から“魂を込めて戦え”と言われ、弱い気持ちを出さずに戦いました。(勝因は)自分自身に勝ったからだと思います」と晴れ晴れとした表情で語った。
※写真は5回、下田が李からこの試合2度目のダウンを奪った場面

内山ダウン挽回 三浦にTKO勝ちでV3


 初の大ピンチにも内山の王座揺るがず--31日夜東京・有明コロシアムで行われたダブル世界タイトルマッチのメインカードに登場したWBAS・フェザー級王者内山高志(ワタナベ)は、同級4位・三浦隆司(横浜光)の強打にダウンを喫しヒヤリとさせたが、その後も落ち着いて試合を運んだ。善戦の三浦も徐々に右目が腫れふさがり、8回終了後視力を失ったとして棄権を申し入れ、内山のTKO勝ちとなった。これで内山は王座獲得戦と3度の防衛戦をすべてKO勝利でこなし、デビュー以来の不敗記録を17戦全勝14KOと伸ばした。
 3回、左ストレートを直撃されキャンバスに横転したのはチャンピオンだった。3度目の防衛戦で初めて迎えたピンチ。だが内山はこれに少しも動揺することなく、立ち上がるとその後も冷静にジャブを的確に突いてポイントを上げた。これが三浦の右目を腫れふさがらせ、棄権勝ちに繋がった。8回までのスコアは、原田武夫と浅尾和信両ジャッジが78-73、ラファエル・ラモス(米)が77-74といずれも内山がリードしていた。
 それでも試合後内山はスカッとしたKOではないため「プロでもっとも苦戦した試合」と素直に相手の強さを認め、「帰ってビデオを見直し、チェックします」と反省も忘れない。一方敗れた三浦は「ダウンさせた時も勝てるとは思わなかった。内山さんはうまかった」とチャンピオンの強さに脱帽していた。
※写真は最後の回となった8ラウンド、内山の左フックが三浦の腫れた顔を襲う

岡田が念願の初王座 福原下し日本S・フェザー級王座獲得

 31日・東京・有明コロシアムのダブル世界タイトル戦の前座として行われた日本S・フェザー級王座決定戦は1位の岡田誠一(大橋)が5位福原力也(ワタナベ)に2-1の判定勝ちで新チャンピオンとなった。このタイトルは、内山挑戦の決まった三浦隆司が返上したため空位となっていたもの。
 試合は前に出る岡田を福原がかわし打つ展開。右アッパーもうまく合わせて前半をリードした福原だが、中盤以降は岡田が左ボディーでしぶとく挽回した。予想どおりポイントは接近しており、スコアはすべて96-95。2人のジャッジが岡田を支持していた。ダウンシーンはなかった。新王者はアマプロ通じて初のタイトル奪取。「ようやく日本一になりました」と喜びのコメントを語った。