2009年7月31日金曜日

B級オープン戦の結果


 31日夜、後楽園ホールで行われたB級ボクサーのオープン戦結果は以下の通り(すべて5回戦、左が勝者)。=写真はウェルター級・山崎-山口戦から=
S・フライ級 山口桂太(八王子中屋)判定 小松絵(ワタナベ)
S・バンタム級 岡畑良治(セレス)判定 芝田もーと(八王子中屋)
S・バンタム級 山口卓也(レイS)KO1回 久保裕樹(横浜さくら)
S・バンタム級 和気慎吾(古口)TKO3回 太田ユージ(ヨネクラ)
S・バンタム級 安沢栄二(帝拳)判定 室田康平(ヨネクラ)
S・バンタム級 橋元隼人(ワールドS)判定 片桐秋彦(新田)
フェザー級 古川暁(ドリーム)判定 青山慶洋(角海老宝石)
S・ライト級 山崎佑樹(JBS)判定 山口航(新日本木村)
ウェルター級 森眞(赤城)TKO1回 森田保(コーエイ小田原)
ミドル級 平林隼人(横浜さくら)TKO1回 永山大輔(コーエイ小田原)

2009年7月29日水曜日

日本6位塩谷、ノーランクとドロー 黒田はTKO勝ち


 29日夜、後楽園ホールのメインに登場した塩谷悠(日本Sバンタム級6位=川島)は伊藤圭太(花形)と三者三様のドロー。塩谷は距離をキープし伊藤をさばくが、2回に相手の右でぐらつかされるなど不安定な試合運び。最後まで調子に乗れず、肩書きどおりの実力差を見せられなかった。スコアは78(塩谷)-75、76-77(伊藤)、77-77。ここ数戦続く不調に塩谷は「練習では意識してディフェンスをしているんですが、本番になるとそれが出ない…」と肩を落とした。
 セミでは日本L・フライ級8位の黒田雅之(新田)がタイ同級9位ワッチャラポン・ギャットプラパットに4回TKO勝ち。2回に2度倒した黒田は4回に右でダウンを追加。これも立ち上がったワッチャラポンをぐらつかせたところで主審のストップがかかった。またもうひとつの8回戦は永安潤之介(川島)が元日本ランカーの白石豊土(協栄)に判定勝ちした。
 そのほかの結果は以下の通り。
フェザー級6回戦  小泉雄大(川島)引き分け 荒井遼晴(角海老宝石)
*バンタム級4回戦 益田健太郎(新日本木村)TKO1回 山野辺健一(川島)
S・バンタム級4回戦 田代慎(川島)負傷判定・引き分け3回 竹内健人(小熊)
ウェルター級4回戦 有川稔男(川島)TKO1回 斉藤信(セレス)
バンタム級4回戦 横関孝洋(ウィン三迫)KO2回 北原浩二(セレス)
*印は東日本新人王予選

2009年7月28日火曜日

沼田無念……復帰戦で負傷TKO負け

 前日本ウェルター級チャンピオンの沼田康司(トクホン真闘)がまさかの敗北--28日後楽園ホールで行われた10回戦で、フィリピン同級1位のダン・ナサレノ(比)と対戦したが、打撃戦の末、4回1分58秒負傷TKO負けを喫した。
 2月に中川大資に王座を追われた沼田のこれが復帰第一戦。立ち上がりナサレノの休みない連打にさらされた沼田。右ストレートを直撃され、フラリとする場面も。その後徐々に反撃の構えをみせたが、ナサレノの手もなかなか止まらない。2回には古傷の左まゆをナサレノのパンチで破られ、流血。これが勝負を分ける一撃となった。その後も両者果敢に手を出し合う好ファイト。
 4回には沼田のボディーブローが利いて、ナサレノの動きが止まる。「左が効いて(相手が)頭からきた。あそこで対応できなかった僕が悪かった……」と悔やんだ沼田。この直後、福地主審はドクターのチェックをあおいだ上で、沼田の傷が試合続行は無理として、ナサレノのTKO勝ちをコールした。 勝者は19歳の新鋭。11勝7KO2敗。沼田は15勝10KO4敗1分。
 セミの8回戦として予定されていた十二村喜久(赤城)-庄司恭一郎(戸高秀樹)のウェルター級8回戦は、十二村の負傷による棄権のため中止に。代わってセミに繰り上がったフェザー級8回戦では、ベテランの土居コロニータ伸久(ヨネクラ)が久保田智之(JBスポーツ)に判定勝ち。最終回最後の反撃を試みた久保田に右をカウンターしてダウンを奪い、これがダメ押しとなり、大差がついた。スコアは78-72(2人)、78-73。

名城の次は1位カサレスと、9月30日大阪で

 WBA世界S・フライ級チャンピオン、名城信男(六島)の次期(2度目)防衛戦が9月30日、大阪府立体育会館で2位のウーゴ・カサレス(メキシコ)を相手に行われることが正式決定した。27日六島ジムが記者会見を開き発表した。WBAの指名防衛戦として行われる。
 カサレス(31)はWBO(世界ボクシング機構)の世界L・フライ級チャンピオンとして5度防衛の実績がある。イバン・カルデロンに王座を奪われ、再戦でも敗れた後、2階級アップしてS・フライ級に転向した。プロ12年目で、30勝22KO6敗1分と、名城(13勝8KO1敗)の2倍以上の戦績を誇るベテラン。オーソドックスだが、しきりに左右にスイッチする変則型という。
 名城(27)はカサレスについて「実績のある選手」と認めた上で、「打ち合いになると思う。KOで勝ちたい」と、抱負を語った。

2009年7月27日月曜日

元2階級世界王者フォレスト、強盗に射殺される


 訃報が続くボクシング界にまた悲劇が訪れた。ウェルター級、S・ウェルター級の前2階級制覇世界王者バーノン・フォレスト(米国)が現地時間25日午後11時頃、アトランタで強盗に遭い、射殺される事件が起こった。享年38歳。
 現地の報道によるとフォレストは愛車の最新モデル「ジャガー」を運転してガソリンスタンドに立ち寄ったところ、拳銃を持った2人組の強盗に襲われ、頭や脚に7、8発被弾し、死亡した。地元警察によると、フォレストも護身用の銃を所持していて銃撃戦となり、強盗の一人は重傷を負ったという。カーチェイスがあった模様だが、同乗していたガールフレンドと11歳になる義理の息子は事件の際はスタンド内の店にいて、現場には居合わせていなかった。
 フォレストは92年バルセロナ五輪米国代表からプロ入り。スタイリッシュなボクサーパンチャーで、02年、シェーン・モズリーに勝ってWBA世界ウェルター級王者に。07年、カルルス・バルドミールを下してWBC世界S・ウェルター級王者に就いた。以前から肩や肘の負傷でブランクをつくり、王座返上を余儀なくされていた。8月1日、正規王者セルヒオ・マルティネスに挑む予定もキャンセルせざるを得なかった。

ベテラン国重、新鋭石田らも勝つ 大阪府立体の前座戦

 井岡ー松本戦(26日)のセミとして行われたL・フライ級8回戦には、WBC同級7位で元世界戦挑戦者の国重講司(大阪帝拳)が登場。タイの新鋭ルンニルン・サクポトーンに3-0判定勝ちした。サウスポーの構えから再三得意の左ストレートを決めたが、18歳と若いルンニルンも果敢に手を出したため、国重もこれをさばくのに忙しく、倒すことはできず。
 国重はこれで20勝2KO3敗2分。ルンニンは2敗目(7勝2KO)。試合後国重本人の口から「日本はたぶんやってくれない。でも会長が東洋をやらしてくれると言ってくれているので……」と、新たな標的が披露された。
 この日は井岡ジムのホープが続々登場。S・バンタム級8回戦では、上谷雄太が佐々木佳浩(西日本ボクシング協会預り)と最後まで手を出し合う熱戦を制して3-0判定勝ち。不敗記録を9勝3KO1分に。バンタム級6回戦では、昨年度アマ国体チャンピオンの石田匠(井岡)が、森川真一郎(高砂)の強打に苦戦しながらも、井岡会長に似たジャブを主体のボクシングでアウトボックスし、小差3-0判定勝ち。「自分のボクシングができなかった」と反省しつつも、まだ17歳。プロ転向後3連勝(1KO)をマークして「めっちゃうれしいです!」。

アンティロンKO負け WBA暫定ライト級アコスタ王者に

 モーゼス-嶋田戦と同じ25日(現地時間)メキシコのナヤリー州テピックで行われたWBA世界ライト級暫定王座決定戦は、予想有利のWBC同級1位ウルバノ・アンティロン(メキシコ=米)がミゲール・アコスタ(ベネズエラ、WBA8位)に9回TKO負けを喫した。アフリカで正規王者モーゼスが嶋田雄大の挑戦を撃退した同じ日に同じ団体の同じ階級に暫定王者が誕生したことになる。
 初回、左フックなどクリーンヒットを奪ったアコスタが好調な立ち上がり。3回から得意のボディー打ちが決まり出したアンティロンがペースを握るかに思えたが、ベネズエラ人が出鼻に右を巧打して再び攻勢。それでもアンティロンが反撃して後半へ。9回、アンティロンが攻め込んだところへアコスタの右アッパーが襲撃。痛烈に倒れたアンティロンは起き上がったが、レフェリーは腕を交錯させた。タイムは1分47秒。
 初の世界戦を飾ったアコスタ(31歳)は26勝20KO3敗2分。日本のリングに上がったこともあるアンティロンはこれが初黒星(26勝19KO1敗)。
 同じリングではWBA世界L・フライ級王者ジョバニ・セグラ(メキシコ)がベテランのファニト・ルビラール(比国)に6回2分4秒TKO勝利で初防衛を果たしている。
 写真はアンティロンに左フックを浴びせるアコスタ=Photo/Sumio Yamada=

玉越フルマークの判定勝ち 神戸の8回戦


 26日午後神戸サンボーホールで行われた千里馬神戸ジム主催の千里馬スーパーファイト、メインのS・バンタム級8回戦は、日本同級3位玉越強平(千里馬)が廣田裕(竹原)に大差判定勝ちをマークした。
 日本王座挑戦を視野に入れる玉越は、格の違いを見せ付けるように、ジャブを突き、ワンツーをフォローして終始マイ・ペース。ダウンは奪えなかったものの、ジャッジ全員がフルマークとするワンサイド試合(80-72が2人、残りは80-73)。
 この日は他に8回戦が3つあり、セミのバンタム級戦は、千里馬神戸ジム期待のサウスポー帝里木下が竹本裕規(風間)を終盤7回にとらえ、この回1分25秒TKO勝ち。昨年4回戦でデビューしたホープは、これで7勝1KO不敗をマークした。また日本フェザー級4位の木原和正(ウォズ)が5回にノーランクの福原寛人(江見)の右強打を浴びダウンを喫し、その後も苦闘を強いられ、辛くも引き分けに持ち込むのがやっとだった。採点表はふたりが引き分け、1人が1点差で福原の勝ち。多数決で引き分けとなった。
 最初の8回戦では、岩下幸右(グリーンツダ)が高橋秀鎮(千里馬神戸)を初回に左フック・カウンターを決めると、高橋は腰くだけのダウン。立ち上がったもののジャブでフラつき、連打でストップとなった。
写真は木下(右)-竹本戦から

井岡、タフな松本を2回で倒す プロ2連勝



 日本ボクシング界に新たなスター誕生を予感させるKO劇――元世界2階級王者、井岡弘樹さんの甥で関西の軽量級ホープ、井岡一翔(井岡)のプロ転向第2戦目(L・フライ級8回戦)が26日夜満員の大阪府立体育会館で行われ、井岡は日本ミニマム級7位、松本博志(角海老宝石)を2回右強打で沈め、2分59秒レフェリー・ストップによるTKO勝ちを飾った。
 現役の世界のKOキング、ローマン・ゴンサレスの連続KOをストップしたこともあるタフガイも、この日の井岡の強打には耐えられなかった。「サウスポーは得意」という通り、初回から井岡は低いガードで誘い、松本が出てくるところに右ストレート、アッパー、ワンツーと的確で多彩なブローを狙い打ち。この回はどうにか耐えた松本だったが、次の回は悪夢が待っていた。プレッシャーをかけて前に出て迫るが、井岡の強打をビシビシと浴びる。最後の右フックはガマンの限界を超えていた。前のめりにキャンバスに倒れ込み、ヨロヨロと立ち上がるも、福地主審はすぐストップをコールして井岡の手を上げた。
「どんなにタフでも、いいパンチが当たれば倒れると、自分を信じていた」と井岡。タイトル挑戦は「一日でも早く、できるなら次でもやりたい」と、言ってのけた。3戦目で日本王座獲得なら新記録だが、これは同僚の宮崎亮が先に嘉陽宗嗣(白井・具志堅スポーツ)に挑戦することが決まっており、宮崎が勝てば同門対決はできない。井岡弘樹会長は「世界ランカーと対戦させたい」と、強い相手を選ぶ意向だ。

2009年7月26日日曜日

嶋田、左太もものアクシデントに泣く

 ナミビア初の世界戦となったWBAライト級タイトルマッチ。現地時間25日夜、ウィントフック・カントリークラブ・リゾート&カジノで行われた一戦で、挑戦者13位嶋田雄大(ヨネクラ)は王者パウルス・モーゼス(ナミビア)に12回0-3判定負けした。嶋田には37歳11か月の日本最高齢チャンピオンと、17年3か月ぶりとなる海外奪取記録がかかっていたが、夢はかなわなかった。
 出だしの嶋田は“高速ヒットマン”相手にも左ジャブで差し勝つなどまずまずだった。だが2回、予期せぬアクシデントに見舞われる。スリップダウンした際に左太もも裏を負傷。じん帯が伸びきった状態で残りのラウンドを戦う羽目となった。にわかに動きが鈍くなった挑戦者はモーゼスの右を浴びるシーンも。9回あたりから意を決したかのように強引に出て、ボディーから顔面へと連打をかけたが、モーゼスもこれといった被弾をしない。結局嶋田は最終ゴングまでヒットマンを捕まえられなかった。
 嶋田は「これが運命。今日の結果は受け入れないと」と潔いコメントをしたが、何より悔やまれるのが左太ももの不運な負傷。試合中に痛みが引くことはなく、2回以降は片足で戦うような感覚だったという。「勝つことがすべてでしたが、力を出しきれていない。自分のボクシングのリズムをとれなかった。本当に悔しいですね。何しに来たのか」。一方でモーゼスとの差が採点ほど開きがないことも実感した様子で「モーゼスはもっと速いと思っていた。僕がこんな状態でも左がよく当たった。勝てると思います」ときっぱり。ひとりで歩くのもままならない状態ながらベテランは早々と続行宣言した。
=PHOTO/ATSUSHI SHIMA=

速報・嶋田の夢アフリカに散る……

25日(現地時間)ナミビアの首都ウィントフックで行われたWBA世界ライト級タイトルマッチで王者ポーラス・モーゼス(ナミビア)に挑戦した同級13位・嶋田雄大(ヨネクラ)は、12回を戦い抜いたものの、3ー0判定負け。37歳の日本人最高齢世界チャンピオンの誕生はならなかった。
「ナミフブ砂漠の戦い」と銘打って行われたこの一戦、ベテランの嶋田は得意のジャブで王者に対抗したものの、攻撃まで手が回らない。後半強引にボディーから攻めようとしたが、モーゼスにかわされた。互いにビッグパンチはなく、ダウンシーンもなし。試合は単調に終始した。スコアは119-109(2人)、118-110と大差になった。モーゼスは今年1月東京で小堀佑介(角海老宝石)から奪った王座の初防衛に成功。

2009年7月25日土曜日

嶋田60.05、モーゼス60.7! 明日ナミビアで世界戦


 WBA世界ライト級タイトル戦の計量が現地時間23日、ナミビアのウィンドフック・カントリークラブ・カジノ&リゾートで行われ、両選手が一発でクリアした。
 チャンピオン、パウルス・モーゼス(ナミビア)は60.7キロ、挑戦者の嶋田雄大(ヨネクラ)が60.05キロ。ともにリミットを下回ったが、これは電子体重計による計量だったことも影響した。嶋田は「(電子体重計の)可能性もあると聞いていたので、多めに落としました。ただしコンディショニングに影響はありません」とキッパリ。
 計量後は日本から持参したサムゲタンを採り、英気を養った。今回奪取なれば37歳11ヶ月の長寿記録が誕生するが「やればできるということを他競技の人にも伝えられれば。これはすてきなことだと思う」と静かに決意表明。兄の太造さんはじめ日本からは5人のサポーターが遠くアフリカ大陸に応援に駆けつけた。「あとは自分のボクシングをできれば」と嶋田。運命のゴングは明日午後11時——。

2009年7月24日金曜日

モーゼス挑戦迫る嶋田 ナミビアの世界戦は屋外リング


 現地時間21日にナミビア入りしたWBA世界ライト級13位・嶋田雄大(ヨネクラ)が25日の本番に向け順調にコンディションを整えている。22日に試合地ウインドフックのスポーツセンターで約50分間動いて練習を打ち上げた嶋田は体重もほぼリミットだという。38歳を目前に控えた年齢、遠くアフリカ大陸に遠征しての挑戦など不利条件にもめげずに徹底した自己管理。これには同行の米倉健司会長、柴田国明コーチも舌を巻くほどだ。
 一方の王者パウルス・モーゼス(ナミビア)。こちらは22日のフィジカルチェックで血圧が異常に高い数値を示した。直前まで練習していたためというが、初代大統領も観戦に訪れる初防衛戦にナミビアの国民的ヒーローも重圧を感じている!?
 なお今回の試合はホテル外の駐車場にリングを特設して行われることが判明。南半球のナミビアは現在冬で夜ともなるとかなり冷え込む。嶋田は寒さとも戦わねばならい。(写真は現地の試合ポスター)

2009年7月23日木曜日

静岡のファイター梶山、後楽園で3勝目

 23日の後楽園ホールのメインは121ポンド(54.8キロ)契約の8回戦。最近ここをホームリングとしつつある静岡のファイター梶山友揮(平石=S・バンタム級9位)は木下健志(横浜さくら)を開始からロープにつめてラッシュ。木下の右カウンターを度々もらうが怯むことなく前進を止めない。勝てばランク入りとなる木下もあきらめることがなく、試合は壮烈な打ち合いとなった。これを制したのは梶山のインファイト。体を振って相手をロープにつめる、シンプルだが自分のスタイルを崩すことなくやり切り、8ラウンドのほとんどをロープ際でファイトと徹底。77-75.78-76.79-75の判定で13勝目(5KO3敗2分)をマークした。梶山は後楽園ホールで3勝1敗。
 ランカー予備軍が激突したセミのS・バンタム級8回戦は、中盤ピンチに陥った渡邉卓也(青木)が持ち直して最終回に爆発。右ストレート、ワンツーで丸山有二(野口)にダメージを与えてすかさず連打でダウンさせ、TKO勝ちしている。
 フライ級6回戦には新人王の安西政人(ワールドスポーツ)が登場。意欲的に攻める阿知和賢(横浜光)と足を止めての打撃戦を展開。こちらもタフなファイトとなったが丁寧さ、正確さでまさる安西が好ファイトを制した。スコアは78-77.78-76.79-76。
 他の結果は次の通り(左が勝者)
6回戦
山本忍(石橋)判定 高橋隆介(JBスポーツ)
嶋津健人(野口)判定 太田光亮(大橋)
東日本新人王戦
三田村拓也(ワールドスポーツ)判定 保科芳和(横田)
加藤研二(野口)判定 金子達也(横浜光)
4回戦小
川裕揮(ワールドスポーツ)TKO4回 青山大樹(協栄)

2009年7月22日水曜日

宮崎、後楽園初登場を一撃KOで飾る

22日の後楽園ホールはハードファイトが続出。メイン8回戦では、大阪から後楽園初登場の宮崎亮(井岡=L・フライ級9位)が斎藤伸之介(白井・具志堅)に初回34秒TKO勝ちした。宮崎の放った右クロス一発で斎藤がダウンすると、ピクリとも動かない斎藤を案じた主審がカウントを中止。斎藤はタンカで退場した。
 日本王者・嘉陽挑戦を確定させた宮崎は「正直、ベルトを獲る自信はあります。スピードで勝負したら負ける気しません」とジム初のタイトル獲りに意欲満々だった。9勝5KO2分。
 セミ8回戦は、フィリピンからの輸入ボクサー、ブンブン東栄(一力)が昨年の新人王鬼ヶ島竜(三谷大和)を7回でストップ。亀田大毅戦はフィジカルで押されたが、L・フライのウェイトで持ち前の強さを発揮。鬼ヶ島気迫のアタックを受けて立ち、ロープ際でカウンターからダイナミックなブローを連発。試合は壮烈な打撃戦となったが、東栄は正確さ、数とも上回り、健闘の鬼ヶ島を突き放して世界ランカーの力を示した。
 鬼ヶ島のジムメイト、昨年の新人王MVPの斎藤司は池田善彦(グリーンツダ)とこちらも熱戦。斎藤はアウトボクシングからカウンターの策を取るも池田の前進を止められず。終盤切れのあるパンチでグラつかせ、7回レフェリーストップを呼び込んでいる。
 復帰した元フライ級ランカー、榎本信行(三迫)はペットエーク・シットゴーポンガーンピム(タイ)に2回KO勝ち。
 他の結果は次の通り(左が勝者)
6回戦
原之園隆太(大橋)判定小竹雅元(三迫)
4回戦
小野木協栄(協栄)TKO1回 前川秀樹(三谷大和)
角田貴佳(三迫)判定 西山慶彦(白井・具志堅)
星正見(三迫)判定 加藤義明(新日本木村)

チャベスの相手ナサレー選手死去

 メキシコから悲報――。先週土曜日18日、同国ハリスコ州プエルト・バジャルタでオマール・チャベス(メキシコ)と対戦し、4回TKO負けしたマルコ・アントニオ・ナサレー選手(メキシコ)が23歳の生涯を閉じた。戦績は6勝4KO4敗。
 試合後、担架に運ばれてリングを降りた同選手は最寄の病院で脳の腫れを除去する手術を受けた。一時、回復する兆しを見せたが、現地時間の昨日火曜日昼頃から容態が悪化。22日水曜日朝6時20分、脳機能が停止し、死亡した。
 伝説の男、フリオ・セサール・チャベスの二男オマールと対戦したナサレー選手は激しい闘志で善戦したが、4回集中打を食らい、ストップされた。レフェリーのメモ・アヨン氏(晩年のシュガー・レイ・ロビンソンに判定勝ち)が割って入るタイミングは遅くなかったが、コーナーで介抱を受けているうちに意識を失った。
 対戦者オマールと父チャベスは試合後、病院へ直行し、安否を気遣った。故郷クリアカンに戻ったオマールはプロモーターを通じて「我々は彼の回復を祈っていたが、とても悲しい。彼の家族と友人へ遺憾の意を述べたい」と声明を発している。

西岡&リナレスのダブル防衛戦 10月東京で


 帝拳ジム所属の世界チャンピオン・コンビが揃って防衛戦――WBC世界S・バンタム級王者・西岡利晃と、WBA世界S・フェザー級王者ホルヘ・リナレス出場のダブル世界タイトルマッチが10月10日、東京・代々木競技場第二体育館で行われると、この試合を放映するWOWOWが22日発表した。西岡にとっては3度目、リナレスは2度目となる防衛戦は、まだ対戦者が決まっておらず、正式決定を待って改めて記者会見がある。
 コアなボクシング・ファンに人気の高い2人が同じリングで世界戦に臨むのは今度が初めて。リナレスはこれまでの4度の世界戦をすべて海外で行っており、チャンピオンになって初めての日本リングとなる。
 2人のチャンピオンの直近の試合はいずれもメキシコで行われ、西岡(32)は5月に指名挑戦者ジョニー・ゴンサレスを強烈に逆転KOし、日本人世界王者として24年ぶりに海外で防衛に成功。一方リナレス(23)は6月ホサファト・ペレスをストップし、自身2階級目となるタイトルの初防衛に成功――と、それぞれ敵地で快勝して国際的に評価を高めている。
 WOWOWは両試合とも「エキサイトマッチ」で放映しており、今回は「WOW FES!エキサイトマッチスペシャル ダブル世界タイトルマッチ」として異例の国内中継を行うことになったもの。WOWOW開局以来の長寿番組で海外の世界タイトル戦を年間100試合以上放映する同局、「本場ラスベガスの雰囲気を生中継でお送りします」と張り切っている。

2009年7月21日火曜日

東日本新人王戦準々決勝の結果-21日


21日の後楽園ホールは東日本新人王戦の準々決勝11組が行なわれた。
 注目の江藤光喜(白井・具志堅)は初回に右でダウンを奪ったがその後積極性を欠き、塩澤直紀(角海老)に逆転を許し、0-2の判定で敗退した。また第2試合で珍しいダブルノックダウンがあった=写真。試合は激しい打ち合いとなり、田村瑞樹(ドリーム)が松川真也(T&T)を2-1判定で制して勝ち上がった。 
 結果は以下の通り(左が勝者) 
ミニマム級
濱田健一郎(横浜さくら)判定 清水遊(新田)
田村瑞樹(ドリーム)判定 松川真也(T&T)
フライ級
塩澤直紀(角海老)判定 江藤光喜(白井・具志堅)
堀陽太(横浜光)判定 井上拓朗(ワタナベ)
時松友二(熊谷コサカ)判定 守屋和明(石川)
山見亮太(シャイアン山本)不戦 鈴木武蔵(帝拳)
S・フライ級
久保幸平(セレス)TKO4回 内藤憲二郎(斎田)
野崎雅光(八王子中屋)KO1回 石川貴章(角海老)
渡邉秀行(ワールド日立)TKO3回塩田将彦(ワタナベ)
濱田修士(小熊)判定 星野晃規(M.T)
鳥本大志(角海老)判定 留田浩二(ワタナベ)
S・ライト級
菊地祐輔(新日本仙台)判定 三国雄太(オーキッドカワイ)

パッキアオ-コット戦11月14日ラスベガスで!

 「パウンド・フォー・パウンド現役最強」の呼び声高い4階級世界チャンピオン、マニー・パッキアオ(フィリピン)と、S・ライト、ウェルターの2階級を制覇したミゲル・アンヘル・コット(プエルトリコ)が11月14日ラスベガスで対戦することに同意した--と、20日プロモーターのトップランク社が正式に発表した。
ともに積極果敢な戦法でファンを沸かす人気者同士。特に世界の注目を一身に集めるパッキアオ(30)は49勝37KO3敗2分、一方コット(28)は34勝27KO1敗といずれもハイ・アベレージの倒し屋だけに、激闘が展開されそう。試合はMGMホテル&カジノのグランド・ガーデンで挙行され、HBOがPPVで全米に生放送する予定。
 パッキアオの次期対戦者には、シェーン・モズリーも候補に挙がり、モズリー側は140ポンドまで下げると譲歩していたが、結局同じアラムと契約するコットに落ち着いたもの。早速両者は全米数ヵ所で記者会見を行う宣伝ツアーをスタートさせる。
 注目の契約ウェイトはこれから明らかにするとしているが、一部ではウェルター級を2ポンド下回る「145ポンド=」といわれている。パッキアオ側は143まで落とすよう要求していたが、結局は少しの譲歩をしたようだ。

黒木が1位相手に東洋防衛戦 9月26日地元つくば市で


 9日の無冠戦で白星を飾ったばかりの黒木健孝(ヤマグチ土浦)の次の試合が公表された。9月26日地元茨城県つくば市のつくばカピオで保持する東洋太平洋(OPBF)ミニマム級王座の2度目の防衛戦に臨む。1位ヘリ・アモル(インドネシア)を相手の指名防衛戦。主催のヤマグチ土浦ジムが21日明らかにした。
黒木(27)は21勝14KO3敗1分。WBC世界ミニマム級1位(WBAは2位)にランクされ世界挑戦の機会を待つ身。一方初来日となるアモルは24歳(試合時25歳)。ボックスレックによると、戦績は38戦25勝10KO9敗4分。この中には現WBO王者ドニー・ニエテスら強豪との対戦歴も少なくないが、注目は元WBC世界L・フライ級王者崔堯森(チェヨシム=韓国)の最後の相手になったこと。07年12月、韓国で対戦したアモルは最終回に崔を右でダウンさせ、試合は判定負けとなったが、勝者崔は試合後意識を失い、開頭手術を受けたものの試合8日後に死亡している。「これに勝ったら世界挑戦に進めるようにしたい」(岩本悟会長)という黒木にとっては、これまでにもまして大事な一戦となる。
 試合は同ジムが年に1度地元で主催している「ダイナミックヤングファイトボクシングINつくば」のメインカードとして行われる。セミの10回戦では、黒木の同僚で日本ウェルター級1位にランクされる井上庸が登場。相手はインドネシア選手になる模様だが、現時点では未定。

2009年7月20日月曜日

柴田タイトル前哨戦をKOで快勝


 20日、後楽園ホールのメイン8回戦に、野中悠樹(尼崎)の持つ日本&東洋S・ウェルター級王座挑戦が決まっている柴田明雄(ワタナベ=日本1位)が登場。サウスポー吉田真樹(新日本カスガ)に3回1分53秒TKO勝ちした。
 柴田はいきなり右ショートで先制すると、吉田の反撃をしっかりコントロール。2回にも右をビシビシ当て、3回回り込みながらの右で吉田をダウン。再開後右アッパーでぐらつかせると連打で畳み掛けてレフェリーストップを呼び込んだ。
 この日はワタナベジムのランカー陣がノーランカーの挑戦を受ける格好のカードが並びいずれも熱戦となった。セミ8回戦の梅津宏治(フェザー1位)は矢板貴行(全日本パブリック)が仕掛けるトリッキーな戦法に巻き込まれて乱戦に。双方バッティングで流血した結果、矢板の両目上の傷がひどく3回負傷引き分け。6回戦は、最強後楽園決勝戦を控える川村貢治(S・フェザー3位)が百田諭志(オザキ)の気迫を持て余して判定勝ち。山口憲一(バンタム11位)も若生然太(輪島)と熱戦を展開した末に2-1の判定勝ちだった。
 また笹崎ジムからワタナベジムに移籍、古巣に復帰した前フライ級王者吉田拳畤(フライ9位)が中釜兵武(白井・具志堅)と8回戦。吉田は初回カウンターでダウンを喫したが、実直に前進してボディーを攻めるシンプルなファイタースタイルを貫いて逆転。6回負傷判定ながら58-57.58-56.57-57の2-0で勝っている。
 4回戦の結果は次の通り(左が勝者)
田村友宏(イマオカ)KO2回 古川真次(厚木平野)
大橋実(三谷大和)判定 関野博之(湘南RYUJU)
橋爪優司(厚木平野)判定 山本修一(国際)

前王者ムニョスが再起

 スーパー・フライ級で2度WBA王者に君臨した日本にもおなじみアレクサンドル“エクスプロシーボ”ムニョス(ベネズエラ)が18日(現地時間)ベネズエラのラ・グアイラに登場。10回戦で同国のベルイロル・ティランに判定勝ちを収めた。
 これがクリスチャン・ミハレス(メキシコ)とのA-C統一戦に敗れて以来、14ヵ月ぶりのリングとなるムニョス。スタートからプレスをかけ続け、ティランはディフェンシブな戦法をとる。久々のKO勝利が期待されたムニョスだが、格下のティランは意外に守りがうまく、前王者の強打は空を切ることが多い。それでも最後までイニシアティブを保ち続け、98-93、99-91、98-92の3-0判定勝ち。
 3度目の世界王者を目指すムニョス(30)は33勝27KO3敗。地元紙は「ブランクの影響あり。ジムワークに専念すべきで、次回はもっと強敵と戦うべき」と評している。ティラン(24)は記録サイトによると、2勝7敗1分。両者ともウェイトは54キロだった。

西澤、豪州で地域王座戦出場も12回判定負け

 元東洋太平洋L・ヘビー&S・ミドル級王者西澤ヨシノリは18日オーストラリアニューサウスウェルズ州カンウォルのワイオング・ラグビー・クラブで行われた空位のWBO東洋クルーザー級王座決定戦に出場したが、ジョニー・ウォーカー(豪)にダウンを奪われ12回0-3判定で敗れた。スコアは118-111(2人)、111-109だった。
 西澤(43)は2007年1月の試合を最後に日本ボクシングコミッションから引退勧告が出て国内での試合を禁じられているが、その後はオーストラリア、韓国でリングに上がっている。今回は昨年11月の韓国戦以来のリング登場だった。30勝18KO19敗6分。
 なお今回はWBOの下部団体のタイトルと、やはりマイナー団体のUBCの2つのタイトルが懸けられていたが、いずれもJBCは加盟していない。

チャベス二男の相手が重体

 18日(現地時間)メキシコのプエルトバジャルタで行われたWBC・S・フライ級暫定王座決定戦のセミで、フリオ・セサール・チャベスの次男、オマール・チャベス(メキシコ)と対戦し、TKO負けした同国のマルコ・ナサレーが重体に陥っている。
 試合は昨年に続く再戦。6回戦で行われた一戦はリベンジに燃える地元のナサレーが気迫あふれるアタックを敢行し、激戦となった。初回ダウンを奪ったチャベスに、ナサレーは臆するところなく突進。チャベスは左目尻を腫らす。迎えた4回、パワーで上回るチャベスが畳み掛けると、ダメージを負ったナサレーはストップされた。
 終了後、5分ほどコーナーに座り介抱を受けていたナサレーだが、徐々に意識を失い昏倒。担架で退場し、入院した病院で脳の手術を受けた。担当医師は「緊迫した状態。向こう3日間が正念場」と話している。

モズリー、パッキアオ戦熱望


 マニー・パッキアオの次期対戦者から“降りた”と言われたシェーン・モズリー(米=WBA世界ウェルター級王者)が、再び名乗りを上げた。
 前回の交渉では報酬面で譲歩した、と伝えられたモズリー。ネックになったのは、パッキアオとのウェイト設定だと噂される。ウェルター級リミット(147ポンド)を主張したモズリーに対し、パッキアオ・サイドはスーパーライト級リミット(140ポンド)との間の体重を希望した。
 それが影響したのか、なんと今回モズリーは「私は140ポンドまで落とせる。パッキアオのベルトを狙う。アラム(パッキアオのプロモーター)とマニーが私を遠ざける理由がなくなる」と発言。まだ対戦に希望をつないでいることを明言した。
 パッキアオのベルトとはIBO・L・ウェルター級(S・ライト級)王座。ライト級王者(IBF)として無敵の強さを誇ったモズリーは、この140ポンドクラスを飛び越えてウェルター級を制し、S・ウェルター級まで進出した。ウェルター級でもきつい、とも見られるだけに減量は難関になりそうだが、「この挑戦はパウンド・フォー・パウンド最強の座を手にするため」と気丈に話す。

元プロレスラーがプロテスト合格


 関西地区のプロテストが19日、大阪市住吉区の六島ジムであり、大阪プロレスの元プロレスラー・ゼウス(仲里ATSUMI)が2度目の受検で合格した。1回2分30秒のスパーリング計2回の実技試験などを無難に終え朗報に接したゼウスは「メチャメチャうれしい」と笑顔。3月は右目の負傷、5月は受検したがスパーでカウンターをもらってスタンディング・カウントを聞かされるなど防御に難があり不合格と涙をのんだ。
「プロレスファンの期待も裏切ってここまできた。きのう、この前のテストでスパーリングした映像を見返して悔しかったのもあって眠れなかった」
 と真情を吐露。それだけに喜びもひとしおと言えた。8月23日に大阪市天王寺区である興行でエキジビジョンのスパーリングに出場予定。その後、プロデビュー戦を検討するという。「タイソンみたいに試合が始まってヨーイドンみたいなボクシングがしたかったけれどやっぱり技術あればこそと痛感した。目標は1戦1戦。がんがん行きますけどね」と最後ばかりはゼウス節を披露した。

嶋田がアフリカに向け出発 25日世界ライト級挑戦

 37歳11ヵ月の日本人最高齢世界チャンピオンを目指す嶋田雄大(ヨネクラ)が19日夕、成田空港からの便で試合地のアフリカ・ナミビアに向け出発した。25日(日本時間26日)同国の首都ウィントフックで行われるWBA世界ライト級タイトルマッチで王者ポーラス・モーゼスに挑む。米倉健司会長、柴田国明特別トレーナーが同行。南アフリカ・ヨハネスブルグ経由で20日現地入りする。
 嶋田らは16日にも出発予定だったが、主催者側からの航空券がなかなか届かず、出発が遅れていたもの。対戦相手をイライラさせるのも作戦のひとつかと疑いたくもなるが、嶋田は「平常心でいます」と大人の対応をしていた。

2009年7月19日日曜日

WBC・S・フライに暫定王者 ロハス勝つ

 メキシコのハリスコ州プエルトバジャルタで18日(現地時間)行われたWBC世界S・フライ級暫定王座決定戦は、3位のトマス・ロハス(メキシコ)が4位エベラルド・モラレス(メキシコ)に9回3分TKO勝ちし、新チャンピオンとなった。
ロハス(29)は31勝22KO11敗1分。最後に負けたのは2年前、アルセのボディーショットに沈められたもの。一方敗れたモラレス(31)は32勝22KO14敗。過去に亀田興毅に判定負け、ポンサクレックにTKO負け。

カーン、初の「世界」ゲット WBA世界S・ライト級戦


 「明日のスーパースター」の呼び声高いアミール・カーン(英)が初のタイトル獲得--。18日英国マンチェスターで行われたWBA世界S・ライト級タイトル戦は、地元期待の挑戦者カーンが王者アンドレアス・コテルニク(ウクライナ)に12回大差判定勝ちを飾り、新王座についた。コテルニクは3度目の防衛に失敗。
 五輪ライト級の銀メダリスト同士の対決は、後輩のカーン(2004年アテネ大会)が、先輩のコテルニク(00年シドニー大会)を若さと勢いで上回り、王座から引きずりおろした。カーンは終始距離を保ってアウトボクシングに徹し、ポイントを重ねた。スコアは120-108、118-111(2人)と一方的だった。
 05年に鳴り物入りでプロ転向したカン(22)は、昨年伏兵に惨敗を喫し挫折を経験したものの、これを見事乗り越え英国ボクシング界の新たなスーパースターに躍り出た。21勝15KO1敗。敗れたコテルニク(31)は、32勝13KO2敗1分。 写真はガードのかたいコテルニクに右を放つカーン=Photo/Sumio Yamada=

2009年7月18日土曜日

大番狂わせ!榎、日本4位李に敗れる

18日の後楽園ホールで大波乱。世界再挑戦に向けて再スタートを切ったWBAフェザー級8位榎洋之(角海老)が日本4位李冽理(横浜光)に判定負けした。
試合は榎がプレスをかけ、李が回り込む展開に終始した。しかし前に出るものの榎はジャブが少なく、李に心理的な圧迫感を与えられない。榎がつめる距離を李はフットワークでキープし、中盤から右を先制してきれいにポイントをピックアップした。榎は後半厳しいボディー攻めに、9回には李のマブタをパンチで切り裂いたが、李も踏張ってゴング。採点は97-94.97-93.95-97と割れたが李の手があがった。
まさかの敗戦を喫した榎は「負けていたと思わなかった。俺がおかしいのかなぁ」と敗戦が信じられない様子。「勝ちだと思って負けていたのは力がないということ」とも言いつつ「落ち着いて、ビデオ見て考えます」。榎は最後まで納得しかねていたが、ジャッジを支持する声が多かった。

2009年7月17日金曜日

ディブ-山口戦近くやり直し?

 2日オーストラリアで行われたWBOアジア・パシフィック・フェザー級タイトル戦(JBCは承認せず)で、山口賢一(元大阪帝拳)が地元の人気選手ビリー・ディブに初回TKO負けを喫したが、山口がスリップ気味のダウンをした直後にディブのパンチが決まり「山口の反則失格勝ちではないか」と論議を呼んでいた件で、勝者ディブ側が声明(13日)を発表し、再戦を提案している。
 これより先山口の豪州人トレーナーは反則打によるダウンにもかかわらず山口に休憩を与えず試合をストップした主審の過失を批判し、結果を「ノーコンテストに変更すべき」とコミッション、及びWBOに訴えを起こす構えを示していた。
「ユー・チューブ」で見られる映像でも、ダウンした山口のアゴに、背後からディブが左フックを直撃し、これが大きなダメージを与えたことが明らか。おかげで不運な敗者・山口は「亀田との第一戦のランダエタ状態」なのだという。
 ディブは自らがフェアであることを望み「彼(山口)が私の勝ちを認めないなら、もう1度対戦して、私がより強いボクサーであることを示したい」と主張している。
一方の山口も「(ストップの)判定は全然納得していない。再戦は望むところです」と、ディブ側のオファーを歓迎している。再戦は必至。
 山口(29)は2002年のデビュー後、ディブ戦まで15勝4KO1敗2分の好成績を残し、去る5月に大阪帝拳ジムから引退届けが提出されていた。

凉野がTKO勝ち


 16日の家住-山中戦前座8回戦に出場した凉野康太(五代)はOPBF・S・バンタム級11位のソニー・ゴンサレス(比)を3回TKOに下した=写真
 ゴンサレスのパンチをパリーしながらプレスをかける凉野が左ボディーで相手を効かせ、3回にワンツーからの連打でストップしたもの。凉野の戦績は16勝5KO10敗3分。
 また、もう2つの8回戦は笛木亮(ジャパンS)がガルロ・マガレに6回で、ズリカンナン(レイS)がレイモンド・セルモナに3回でそれぞれTKO負けした。ライト級6回戦は稲垣孝(F赤羽)が韓国の洪に2回TKO勝ち。
 そのほかの結果は以下の通り(左が勝者)。
S・ライト級4回戦 古河浩平(楠三好)判定 冨山晃生(F赤羽)
フライ級4回戦 友松公樹(F赤羽)TKO1回 八木一男(国分寺サイトー)

家住が倒し合い制し暫定王者

 16日夜、後楽園ホールで行われたOPBF・L・フライ級暫定王座決定戦は同級1位家住勝彦(レイS)が同級2位山中力(帝拳)に8回2分49秒TKO勝ち。ケガで休養中の和田峯幸生(筑豊)の代理王者となった。
 試合は壮絶な倒し合いとなった。初回まず、サウスポー山中の左で家住がダウン。今度は2回に家住が山中に右から左フックを返し倒し返す。家住は4回にも山中の左クロスでダウンを喫したが、5回以降は反撃。コンパクトな左フック、右ストレートでプレスし、山中は疲れも見受けられて攻撃するに至らない。迎えた8回、ロープを背負わした家住が連打したところで主審が試合をストップ。同時に倒れ込んだ山中はタンカで退場した。
 日本王者・嘉陽挑戦(TKO負け)に続くチャンスを実らせた家住はデビュー12年での初戴冠。戦績は26勝19KO7敗3分。

2009年7月16日木曜日

亀田興毅の暫定戦は消滅 サラド-コンセプシオンで決定戦

 毎年恒例のWBA「KOドラッグ」興行の発表会見が行われ、今年は本部国パナマのロベルト・デュラン体育館で9月5日、挙行される運びとなった。 メイン試合は地元のルイス・コンセプシオンとオマール・サラド(メキシコ)によるWBA世界フライ級暫定王座決定戦。当初、亀田興毅(亀田)とサラドが同タイトルを争う話があったが、これで亀田の出場はなくなったかたちだ。同じリングで、前WBO世界J・フェザー級王者ダニエル・ポンセ・デレオン(メキシコ)がロイネット・カバジェロ(パナマ)とWBAフェザー級挑戦者決定戦を行う。 また、チャリティー・エキジビションとしてヒルベルト・メンドサJr.WBA副会長がグローブを交える相手としてオスカー・デラホーヤ氏がノミネートされている。

S・ミドル級トーナメント 大物6人が集結

 米国のケーブルテレビ、ショータイムが主催するスーパー・ミドル級トーナメントが動き出した。今週初めニューヨークのマジソン・スクウェア・ガーデンで開催されたプレセンテーションには参加選手が集まり、その概要が明らかになった。
 ノミネートされた6人は、このクラスの世界王者カール・フロッチ(WBC)、ミケル・ケスレル(WBA)にIBFミドル級王座を返上して参戦するアルツール・アブラハム。元ミドル級統一王者ジャーメイン・テイラーに、アテネ五輪金メダリスト、アンドレ・ウォード。トップホープのアンドレ・ダーレルと豪華なメンバーが出揃う。
 1回戦のカードはフロッチ-ダーレル(フロッチの防衛戦)、アブラハム-テイラー、ケスレル-ウォード(ケスレルの防衛戦)。 主催者によると、初戦で負けても敗退するわけではなく、一人最低3試合戦うことになっている。勝ち点制で、判定勝ちが2、KO,TKO勝ちが3、ドローが1、負けは0。3試合の合計で上位4人が準決勝に進出する。同勝ち点になった場合は、延長戦が行われるもようだ。
 10月スタート予定のトーナメント、キャッチフレーズは「スーパー6」。ダン・グーセン、ルー・ディベラ、ゲイリー・ショウら5人のプロモーターが実現に協力。最近、総合格闘技の攻勢に押され気味のボクシング界。「ボクシングがまだやれるところを見せたい。このスポーツが窮地に陥っていることを誰も信じようとしない。でも我々はビジネスを発展させる努力をしなければならないんだ」とグーセン氏。陣容としてはIBF王者ルシアン・ブーテ、WBO王者カロリー・バルザイがいないのはやや寂しいが、低迷打開の起爆剤になってほしい、と業界は期待を寄せる。

10位森田が会田制す 後楽園ホールの試合結果


 15日後楽園ホールのメインは、日本S・フェザー級10位森田陽久(新日本仙台)と元ランカーの会田篤(ワタナベ)の8回戦。サウスポースタイルから大きなパンチを振り回す森田と、カウンター狙いで単発の会田のかみ合わない攻防に終始した結果、森田が小差の判定勝ちを飾った。
 森田(34)はこれで13勝4KO6敗2分。会田(31)は16勝10KO5敗2分。
 その他の試合結果は下記の通り。
8R(B) 古橋大輔(新田) TKO5回 北村ダビデ(E&Jカシアス)
8R(B) 将生潤(ワタナベ) 引分4回 和田吉史(協栄)
8R(SB)前之園啓史(石丸) 判定 高橋勇治(横浜光)
6R(LF)濱中優一(国際) KO3回 加藤和之(銚子)
4R(B)菱川諒(船橋ドラゴン) KO1回 三木務(M.T)
4R(SL)駒形忍(E&Jカシアス) TKO4回 小野一生(ワタナベ)
4R(Fe)有岡銀次(輪島功一スポーツ) TKO1回 蘭斗祐太(ワタナベ)
4R(SFe)小林亮太(船橋ドラゴン) 引き分け 小森康弘(新日本仙台)

2009年7月15日水曜日

ツニャカオ判定勝ち 14日神戸の前座


 14日神戸のアンダーカードには元WBC世界フライ級王者のマルコム・ツニャカオ(比)が登場。明石ジムの難波拓人に8回大差判定勝ちした。
 サウスポー・ツニャカオは開始からスピードたっぷりの左ストレート、右フックでリード。しかし難波も最後まで粘りダウンを拒否した。ツニャカオは現在OPBFバンタム級1位にランクされている。
 そのほかの試合結果は以下の通り(左が勝者)
54.5キロ6回戦 高野誠三(明石)KO2回 チャーンサック・シットサイトン(タイ)
57.5キロ4回戦 森脇一樹(真正)判定 谷口雄祐(クラトキ)
S・フライ級4回戦 河本幸也(大鵬)判定 森仁志(オール)
58.0キロ4回戦 濱田義規(姫路木下)KO1回 南亮輔(黒潮)

14日後楽園ホールアンダーカード結果

14日後楽園ホールのアンダーカード結果は次の通り(左が勝者)
6回戦/佐々木悟(ヨネクラ)判定 スパイス松下(セレス)
4回戦/清水大樹(横浜光)判定 岡田拓也(とよはし櫻)
佐々木洵樹(帝拳)判定 川下直人(角海老)
木村昇一郎(三迫)判定 小泉誠(北澤)
横山雄一(帝拳)KO1回 間山誉逸(ネクサス)
中野晃志(角海老)TKO2回 小澤高広(レパード玉熊)
西田拓真(ワタナベ)判定 小池峻太(オーキッドカワイ)

粟生落城……ロハスに判定負け WBC世界フェザー級戦


 粟生初防衛ならず--。14日夜超満員の後楽園ホールで行われたWBC世界フェザー級タイトルマッチ12回戦で、チャンピオンの粟生隆寛(帝拳)は1位挑戦者エリオ・ロハス(ドミニカ共和国)に3-0判定負けを喫し、王座を明け渡した。
 「最強の挑戦者」の前評判はダテではなかった。元アマのトップ選手ロハスは立ち上がりから敏捷な動きに乗せてスピード豊な左右を繰り出した。サウスポーの粟生に対し、ジャブ、上下に打ち分ける右を多用してぺースに乗り、ポイントを蓄えていく。WBCの規則で4回と8回の終了時に公開された途中採点でも、ロハスは優勢を保った。
 一方、相手の速い動きに思うように手の出なかったチャンピオンも、後半やや強引に出て、7、9回には左を強打してあわや逆転のチャンスをつかみかけた。しかしいずれもロハスが必死にクリンチ、ホールドに逃れると、粟生はそれ以上決定打を決める機会をつかめず、ズルズルと12回を終了。公式スコアは118-110、116-113、117-111と明白にロハスの勝利を告げていた。
 試合後ロハスは「スピードの勝利」と自讃し、4ヵ月の短命王者に終わった粟生は「相手が上だった。うまかった」と潔く敗北を認めた。ロハスが「再戦の要望があれば、いつでも応じる。また日本にきたい」と語ったと聞かされると、「もちろん、やりたい。でも、それには僕がもっと強くなる必要があると思う」。無冠となった25歳は未だ発展途上。この敗北をバネに、さらなる成長を誓っていた。
 新王者ロハス(26)は、これで21勝13KO1敗。粟生はこれが2度目の敗北だった(17勝8KO1分)。

2009年7月14日火曜日

高山、ロマゴン攻略ならず

 高山の健闘及ばず――14日の神戸で新井田から王座を奪ったローマン・ゴンサレス(ニカラグア)に挑んだ高山勝成(真正)だったが、12回フルに戦って0-3判定負け。3度目の世界王座獲得はならなかった。
 高山は持ち前の運動量と多彩な攻め口で強打の王者と堂々わたり合った。しかしゴンサレスのパンチも単に振り回すものではなく、高山の動く先々をとらえる。中盤は高山の左ボディーで失速する場面もあったゴンサレスだが、最後まで弱気なところを見せずパンチの応酬に応じた。終盤は高山がダウン寸前に追い込まれるシーンも何度かあった。ダウンシーンはなくスコアはジャッジ3氏とも118-110。見ごたえのある内容ながらポイント差ははっきりしていた。

長谷川早い!! またも初回TKO防衛 V9


 14日、神戸ワールド記念ホールで行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチは、チャンピオン長谷川穂積(真正)が4位挑戦者のネストール・ロチャ(米)を初回わずか148秒でストップ。9度目の防衛に成功した。
 またも圧巻の初回決着だ。開始から右ジャブでじっくりとプレッシャーをかけた長谷川は左ストレートから返しの右フックで最初のダウンを奪うと、再開後の連打でまたもロチャをキャンバスへ送る。ここも立ち上がった挑戦者だがダメージが残っており主審にストップされた。
 一発もパンチを食わずに勝利した長谷川は、これで4試合続けてのKO防衛。しかも、ここ2戦の相手は3分間と持っていないのだからあきれる強さだ。

ボクシングビートいよいよ明日発売

 旧「ワールド」編集部である(株)MACC出版が、これまでIRONMANやFight&Lifeを発行してきた(株)フィットネススポーツとタッグを組み、新ボクシング月刊誌「BOXING BEAT」を制作。7月15日いよいよ発売となります。
 ご好評を頂いておりました試合レポート、連載コラムはもちろんのこと、インタビューを始めとする充実の企画内容で毎月お送りいたします。
 そんな「BOXING BEAT」第1号の目玉企画は、現在のパウンド・フォー・パウンドの呼び声高いマニー・パッキアオ特集! すでに4階級を制覇しているフィリピンの国民的英雄は、どこまで階級の差を超えられるでしょうか!?
 今後も月刊ペースで発売されます「BOXING BEAT」を何卒宜しくお願い致します!
<制作>株式会社MACC出版〒113-0023東京都文京区向丘2-37-3-4FTEL.03-5834-0830 / FAX.03-5834-0829
<発行>株式会社フィットネススポーツ〒136-0076東京都江東区南砂3-3-6 共同砂町ビル1FTEL.03-5653-1322/ FAX.03-5653-1321

BOXING BEAT第1号 
CONTENTS
アイアンマン8月号増刊「BOXING BEAT」8月号表紙
  マニー・パッキアオPHOTO/STEVE MARCUS
●今月のビッグ・ショット Shot of The Month 61,000人が観たヘビー級
●王者リナレス、くせ者ペレスをV1KO 酷暑のアウェー防衛戦でも実力発揮 6/13WBA世界S・フェザー級タイトル戦
●アクション
Interview 西岡利晃「より強いヤツと、ワクワクする試合がしたい」 5/23WBC世界S・バンタム級タイトル戦
●《COVER STORY》 現代のアームストロング" マニー・パッキアオはどこまで「階級の壁」を超えられるか
●クリチコ兄弟、ヘビー級独占まであと一歩 ウラジミール圧勝 チェガエフ、コーナー立たず 6/20IBF&WBO世界ヘビー級タイトル戦
●殿堂
●BIOFILE マークのバイオファイル カール・フロッチ 「カントリー音楽にのめり込んでいるよ」
●誌上博物館 Collection 高山―ムーア第2戦ポスター 約半世紀前、粟生の先輩が挑んだ 世界フェザー級の壁の厚かったこと!


●暫定王者はいらない! 世界初公開「暫定チャンピオン名鑑」
●ニカラグアの英雄 アレクシス・アルゲリョ死す
●PREVIEW 7・25/WBA世界ライト級タイトル戦 嶋田雄大、ナミビアで世界再挑戦 "高速ヒットマン"モーゼスと激突
●世界のトップニュース


●WBO世界J・フェザー級タイトル戦 旋風児ファンマ圧勝、ロンチを9Rでストップ
●MSGのダブルタイトル戦 コット、カルデロンとも勝つ
●WBA世界S・ライト級暫定王座決定戦 マイダナ、ホープ潰して戴冠
●IBF世界ミドル級タイトル戦 アブラハムV10、S・ミドル級進出も

●日本S・フェザー級タイトル戦 三浦新王者、矢代との激闘制す
●OPBFウェルター級タイトル戦 佐々木、負傷判定でV3
●OPBF・S・バンタム級タイトル戦 ロリー、大橋の突進力に屈す
●番狂わせのヒーロー 大橋弘政 「9.9―0.1で不利だと思っていました」
●OPBF&日本バンタム級タイトル戦 サーシャ、挑戦者を5度ダウンの圧勝 大差判定Vの大場、反省しまくる
●S・フライ級戦 坂田、S・フライ級試運転、全に判定勝ち
●OPBFライト級タイトル戦 王者の底力、長嶋逆転サバイバル
●日本S・バンタム級タイトル戦 木村、強さ増すベテランだ
●日本ミニマム級王座決定戦 八重樫、生き残った
●OPBF・S・ウェルター級タイトル戦 野中、リベンジ&2冠

●小堀佑介、引退 男の仕事をやり切った
●WBA女子世界ライト級タイトル戦 ライカ、7年越しのリベンジ失敗
●OPBF女子L・フライ級王座決定戦 菊地が初代チャンピオンに就く
●内外トピックス
●コメント&ジャーナル
●PROGRAM観戦ガイド
●BOX TVチャンネル ●注目カード・選手の予想
●浜田剛史の世界のトップ選手ウォッチ

●戦乱のフライ級特集 内藤、上海に上陸せず
●久高、獲り損なった!―WBA戦
●フライ級誰が強い? それでも内藤!? それとも亀田!?

●国内リングサイド・ニュース
●チャンピオン日誌

●わがボクシング・フレンド?リックはこう見る

●NEW FACE 小林タカヤス
●MY GYM MY STYLE ワタナベジム

●海外ボクシングの周辺 ジョー小泉
●海外リング
●国内試合結果
●ランキング(WBA、WBC、IBF、WBO、東洋太平洋、日本)
●PRESS SEAT記者席から 佐藤彰生

●飯田覚士の直撃トーク 
ゲスト 兵藤ゆきさん(タレント)「ボクシングで子供のスキルアップ!」

●Close-up 亀海喜寛 「拳」も「口」も自信あり!?

●野木丈司トレーナーの カラダ資本主義 第1回

●PEOPLE 冨山浩之介、オケロ・ピーター、谷川軍三さん
●KOトーク 尾崎恵一
●キャンバスの匂い 藤島大
●あのボクサーは今、元気ですか!? 今里光男
●チャンピオンの無名時代 渡嘉敷勝男会長

●定期購読のお知らせ

●《アマチュア・コーナー》 第62回関東大学リーグ戦
●近畿大学ボクシング部廃部
●アマの名選手シリーズ 毛利 勲(福岡大学OB)

2009年7月13日月曜日

新鋭福本ランカー初戦で快勝

三谷ジムのS・フライ級10位福本雄基がランカーとしての初戦を快勝した。
 福本は2月白石豊土(協栄)を破ってランク入り。ランカー初戦となった13日後楽園ホールの三迫ジム一門会興行でメインに登場した。キューピー金沢(青木)との8回戦は、両者初回から右ストレートを軸に小気味いい打ち合いを展開。五分の打ち合いをほどなく抜け出したのは福本。ハイテンポな連打を上下に打ち分けてぐいぐい前進する。後退を余儀なくされた金沢は右クロスの威力を殺された。金沢とて手数が出ていたが、ハイテンポを刻む福本のラッシュ力にペースを譲り、5回には左目を腫れ上がらせてドクターチェックを仰いだ。ここで福本が心憎いばかりのゲームメイクを見せる。チャンスだったがアウトボクシングに切り替えジャブ、右ストレートを多用。「あせっていって逆転の一発を食わないように試合を落ち着かせた」と福本。会長の指示だというがきっちりやれるあたりに成長の跡が伺える。そして迎えた翌6回ロングレンジから立て続けに右でヒットを奪ってストップした。福本(23歳)は9勝2KO2敗。

輪島ジュニア大千、新人王戦敗退

13日後楽園ホールのアンダーカード、東日本新人王ウェルター級戦に元世界王者・輪島功一氏子息・輪島大千(輪島S)が登場したが、4回TKOで敗退した。
 輪島は初回左フックであわやダウンのピンチに陥ったが回復して逆襲。試合は壮烈な打撃戦となり、輪島は逆転KOもというほどに挽回した。しかし宮崎辰也(マナベ)も気迫満点。死力を尽くすタフファイトはラウンド終了間際、宮崎が一瞬の隙をついてパワフルな一撃から一気のラッシュ。グロッギーになった輪島をコーナーで乱打してストップを呼び込んだ。タイムは4回2分46秒。 
他の試合結果は次の通り(左が勝者)
4回戦/高桑和剛(輪島S)判定 黒田武士(全日本パブリック)
吉浦航(F・I)判定 橘博文(ウィン三迫)
福田勇輝(ワンツーS)判定 小林慶行(三谷S)
小関準(ランド)TKO2回 石川幹也(三迫)
土屋修平(角海老)KO1回上野雄大(ウィン三迫)
イベリコ ユン(F・I)TKO1回 神藤宏晃(三迫)
岩井大(三谷S)不戦 鈴木義行(マナベ)=新人王戦
6回戦/加藤健太(三谷S)判定 塩野翼(角海老)
平山悦久(ワンツーS)判定 大宮久志(国際)

ガッティ死亡事件、夫人に嫌疑かかる

 激闘男、元2階級制覇王者アルトゥロ・ガッティ氏(享年37歳)がブラジルで死亡した事件で、現地の警察は夫人のアマンダ・ロドリゲスさん(23歳)を殺害容疑で身柄を拘束した。
 現地時間11日午前、ブラジル東部のリゾート地で遺体で発見されたガッティ氏。通報者である夫人に疑いがかけられた。一つは死亡推定時刻から10時間近く経過してアマンダさんが行動をとったこと。また目撃者の証言から、死亡現場となった宿泊先のホテルの部屋で前日夜、2人が口論していたことが報告されている。ガッティ氏の頭と首に外傷があったことも確認されている。夫人は取り調べに対して否認している。
 ガッティ氏の友人で、同じブラジル人のアマンダさんを知る元世界王者アセリーノ・フレイタス氏は「何かの原因で2人は別れるかもしれなかった」と現地テレビで話している。 なお、1歳になる2人の息子は無事だった。

計量後の食事は粟生「うどん」ロハス「パスタ」

 明日後楽園ホールで行われるWBC世界フェザー級タイトルマッチの公式計量が13日午後にあり、チャンピオンの粟生隆寛、挑戦者エリオ・ロハスともにリミット内でパスした。
 粟生がフェザー級リミット一杯の57.1キロだったのに対し、ロハスは軽目の56.4キロ。挑戦者の1ポンド半アンダーという低すぎる体重は報道陣の関心を呼んだが、当の本人は「日本にきて6日間練習したら、自然にこうなった」とケロリ。「早く試合のときを迎えたい」と挑戦者が言えば、粟生は「調整は普段通り。見てくれる方に勇気と感動を与える試合をした」と、最後の決意表明。
 計量後のすべてのボクサーの一番の楽しみは食事だが、ロハスは「まずスープを飲み、それからパスタをとるよ」。一方粟生はその場で健康ドリンク剤でのどを潤した後、「うどんを食べに行きます」といって会場を後にした。

長谷川とロチャ、ゴンサレスと高山計量パス


 明日に迫った長谷川-ロチャ戦、ゴンサレス-高山戦の計量が13日、神戸ポートピアホテルで行われ、4選手全員がパスした。
 WBCバンタム級戦はチャンピオン長谷川穂積(真正)、4位ネストール・ロチャ(米)ともに53.3キロ。今回12キロの減量をしたという長谷川は「ケガなく試合を迎えられる。KOは特に意識していません」とV8王者の風格を漂わせた。
 一方WBAミニマム級戦はチャンピオン、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)が47.2キロ、挑戦者高山勝成(真正)が47.5キロ。世界王座返り咲きのかかる高山は「ゴンサレスは意外と小さいイメージ」と気負いなく、勝利に自信をうかがわせた。
 今回は長谷川、高山がそろって世界戦リングに立つとあって、チケットはほぼ売り切れ状態。山下正人会長によると、当日券を残す程度だという。また明日のゴンサレス-高山戦リングでは先日亡くなった“ニカラグアの貴公子”アレクシス・アルゲリョ氏を追悼するテンカウントが行われる。

明日神戸と東京結んでトリプル世界戦

 大阪の長谷川穂積(WBCバンタム級)、高山勝成(WBAミニマム級)出場のダブル戦、東京の粟生隆寛(WBCフェザー級)出場の世界戦を日本テレビの中継で結んだ「トリプル世界タイトルマッチ」が明日14日に迫っている。 神戸では12日、WBC世界バンタム級王座を争う王者・長谷川穂積(真正)と挑戦者ネストール・ロチャ(米国)、WBA世界ミニマム級王座を争う王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)と挑戦者・高山勝成(真正)らが出席した調印式が行われた。調印式後、グローブチェックを済ませそれぞれ日本製8㌉の使用を確認した。 記者会見では長谷川が「ここまで順調にこれた。どのような試合展開になっても勝者でいられるように調整した。高山選手と真正ジムとして同時世界王者を実現させたい。自分がしっかり勝ってバトンをつなぎたい」と決意表明。全国中継される日本テレビの番組制作上、出番は長谷川が先だった。高山は「すべての状況に対応できるよう、調整を積んできた。真正ジムにきたのは三度世界王座に就くため。勝つのは自分です」と力強く言い切った。 調印式後、体重がリミットに達していた高山は帰宅して静養したが長谷川はジムで軽めに動き、53・5㌔のバンタム級リミットに落とした。「バンタム級でやり続ける限りはいつもこんな感じ。でも疲れが抜けていい感じ。これだけ食ってないのに動けたら…」と満足げ。13日午後3時から始まる計量を心待ちにしていた。
=写真は勢ぞろいした左からロチャ、長谷川、ゴンサレス、高山の世界戦出場選手たち=

ちょっと先読みBOXINGBEAT創刊号-15日発売


2009年8月号BOXING BEAT
アイアンマン8月号増刊
表紙  マニー・パッキアオ
■COVER STORY“現代のアームストロング”
マニー・パッキアオはどこまで「階級の壁」を超えられるか
REPORT
■6/13WBA世界S・フェザー級タイトル戦
王者リナレス、くせ者ペレスをKO
酷暑のアウェー防衛戦でも実力発揮
■INTERVIEW=写真
西岡利晃
「より強いヤツと、ワクワクする試合がしたい」
■HEAVY-WEIGHT BATTLE
6/20IBF&WBO世界ヘビー級タイトル戦
クリチコ兄弟、ヘビー級独占まであと一歩
ウラジミール圧勝チャガエフ、コーナー立たず
■PREVIEW
7・25/WBA世界ライト級タイトル戦
嶋田雄大、ナミビアで世界再挑戦
“高速ヒットマン”モーゼスと激突
特集1■暫定王者はいらない!
世界初公開「暫定チャンピオン名鑑」
特集2■戦乱のフライ級-内藤中国に上陸せず
内藤の力は落ちているのか…熊戦の疑問と今後
本当は誰が強い?-それでも内藤!? それとも亀田!?
■クローズアップ
亀海喜寛
■追悼グラフ
ニカラグアの英雄アレクシス・アルゲリョ死す
■対談飯田覚士の直撃トーク
ゲスト・兵藤ゆきさん(タレント)
「ボクシングで子供のスキルアップ!」
《好評連載》
■浜田剛史の世界のトップ選手ウォッチ
■わがボクシング・フレンド~リック吉村はこう見る
■野木丈司トレーナーのカラダ資本主義
■ジョー小泉の海外ボクシングの周辺

2009年7月12日日曜日

激闘男ガッティ、ブラジルに死す


 アルゲリョに続いてまたしても元チャンピオンの訃報である。「激闘男」として特別な存在だった元2階級世界チャンピオン、アルトゥーロ・ガッティ氏が11日、ブラジル・サンパウロのホテルの部屋で、死体となって発見された。享年37歳。
 ガッティ氏はモントリオール生まれのカナダ人だが、1991年のプロ・デビューから2年前の最終戦まで49戦(40勝31KO9敗)のほとんどを米国内で戦っている。強気の喧嘩戦法でIBF・J・ライト級(95年)、WBC・S・ライト級(04年)と2度世界王座につき、デラホーヤ、メイウェザーのビッグネームとも対戦した。しかし、その名を最も有名にしたのは、なんといってもノンタイトルのミッキー・ワードとの3連戦。終始手を出し合い、全米テレビのファンの目を釘づけにした(ガッティ氏の2勝1敗)。
報道によると、ブラジル人の夫人と子供を連れて市内の高級リゾートビーチに滞在していたと。外傷は見られないともいうが、警察で詳しく調べているが、現時点で事件性の有無も含め、死因は不明。

アダメクTKO防衛 IBFクルーザー級戦

 米ニュージャージー州ニューアークで11日(現地時間)行われたIBF世界クルーザー級タイトルマッチは、王者トマシュ・アダメク(ポーランド)が同級15位ボビー・ガン(米)を終始圧倒。ガンも気力で頑張ったもののダメージを重ね、4回終了後のインターバルでレフェリーがドクターの勧告を容れてストップをコールした。公式タイムは4回3分ジャスト。
 勝ったアダメク(32)はこれで2度目の防衛に成功。38勝26KO1敗(対チャド・ドウソン戦)。ガン(35)は21勝18KO4敗1分。

不敗ツビックが戴冠 WBC暫定ミドル級


 ドイツのシュトゥルム-ゲボル戦と同じリングで挙行されたWBC世界ミドル級暫定王座決定戦は、2位セバスチャン・ツビック(ドイツ)が1位ドメニコ・スパーダ(イタリア)と終始接戦の末、僅差3-0判定勝ちで暫定ベルトを獲得した。3ジャッジとも115-114の1点差。新王者はデビュー以来の連勝記録を27(10KO)に伸ばしている。なお正規王者はケリー・パブリック(米)。
 写真は新ベルトを手にマウリシオ・スライマンWBC事務局長から勝利コールを受ける勝者ツビックと右はズネック・トレーナー=Photo/Sumio Yamada=

シュトゥルム際どくV7 WBAミドル級


 WBA世界ミドル級王者フェリックス・シュトゥルム(ドイツ)がまたまた防衛――4月に佐藤幸治を撃退して3ヵ月とたたない11日(現地時間)、ドイツのニュールブルクリンクで7度目の防衛戦に臨み、欧州王者のコーレン・ゲボル(アルメニア)に3-0判定勝ちを記録した。
 シュトゥルムはサウスポーのファイター、ゲボルの強いプレッシャーを持ち前の堅いディフェンスでかわしたが、前半は手数が少なくやや苦戦。しかし6回以降は左右アッパー、左フックを多用して優勢裡に試合を進めた。3ジャッジの採点は、2人が115-113と接戦だったが、残る1人は117-111と明白な差でシュトゥルムの勝利を支持していた。
 試合会場は有名なF1レースが開催されるニュールブルクリンクの自動車レース場に併設されたアリーナ。この日F1レースのトライアルも行われている。
 写真はゲボルに右アッパーを突き上げるシュトゥルム=Photo/Sumio Yamada=

高山、連敗脱す 名古屋の試合結果

 12日、愛知県刈谷市産業振興センターあいおいホールにて行われた松田・HEIWA・三河ジム主催「GET THE VICTORY 9」のメインイベントは、昨年度中日本新人王MVP 高山慎司(松田)の再々起戦。フェザー級6回戦。中日本新人王獲得後、福岡での西部日本との対抗戦で初黒星。更に昨年12月の再起戦では07年度の中日本新人王 花木章年(大一スペースK)の左アッパーに痛烈なKO負けと2連敗中の高山だが、これが初6回戦の前川攻嗣(三河)に5R2分50秒TKO勝ちを飾った。
 高山はよく見て、前に出て来る前川にスピーディーな連打を返す。高山のパンチはよく当たり、両者のスキルの差は歴然としているが、高山は試合を終わらす為に強く踏み込まない。余りに慎重な戦い方は前戦のKO負けの影響も思わせるが、終始同じ展開の中、圧倒的な力量差にレフェリーが割って入った。
その他の試合結果は下記の通り(左側が勝者)。
中日本新人王準決勝S・バンタム級加藤誠(三津山) 判定 朝岡靖史(タキザワ)
フライ級浅井克洋(岡崎) KO1R1分55秒 小マタ喜仁(東海)
ミニマム級河野竜一(松田) 負傷引分2R2分38秒 大西翔士(緑) ※河野の勝者扱い
L・フライ級南祐介(HEIWA) 引分 山下修平(緑) ※南の勝者扱い
フェザー級古川雅也(緑) TKO3R2分34秒 八汐順生(大一スペースK)
ライト級下田博章(タキザワ) 負傷判定4R1分37秒 外山哲平(HEIWA)
以下オープン戦
中里祐也(鈴鹿ニイミ) TKO2R53秒 佐々木章人(緑)
阪下優友(とよはし櫻) KO2R51秒 山根裕史(コパン星野)
岩田裕司(中日) TKO1R2分12秒 大澤宗弘(大一スペースK)
三村達志(岐阜ヨコゼキ) 判定 マックスタケル(とよはし櫻)
山本泰弘(タキザワ) TKO4R1分44秒 酒井健太(岡崎)
武田吉雄(中日) 判定 塚原信一(HEIWA)

ミランダ、初回KOで暫定王者 IBFフライ級

 11日(現地時間)メキシコのトゥストラ・グティエーレスで行われたメキシカン同士によるIBF世界フライ級暫定王座決定戦は、8位フリオ・セサール・ミランダが5位エリク・チャベスにワンラウンドKO勝ちし、暫定チャンピオンになった。
 ミランダ(29)は4月にタイでWBCの暫定王座決定戦に出場し、ポンサクレックに判定負けしたばかりだった。29勝22KO4敗1分。
なお同じリングで行われたIBF世界フェザー級タイトルマッチは、王者クリストバル・クルスがホルヘ・ソリス(いずれもメキシコ)に12回3-0判定勝ちを飾り、2度目の防衛に成功。あわせて、6年前にロサンゼルスで喫した判定負けの借りを返している。

キングコング、ダルチニヤン撃退

 両者合わせて48KOという軽量級注目の一戦は、11日(現地時間)米フロリダ州サンライズで行われ、王者ジョセフ“キングコング”アグベコ(ガーナ)が、S・フライ級の3団体統一王者ビック・ダルチニヤン(アルメニア)と予想通りの激闘を展開。ダルチニヤンは7回に一瞬アグベコをダウンさせたものの、チャンピオンの力強い攻撃は最後まで衰えず。結局僅差の3-0判定でアグベコがタイトルを守った。
 人気者を食って脚光を浴びたアグベコ(29)は、27勝22KO1敗(対シドレンコ戦)。一方の敗者ダルチニヤンはこれが2敗目(32勝26KO1分)。勝ってドネアとの再戦に向かう計画は白紙になった。

粟生×ロハス調印式


 WBC世界フェザー級戦の調印式が12日、東京・九段のホテルグランドパレスで行われた。
 今回初めて世界王者としてリングに上がる粟生隆寛(帝拳)は「チャンピオンになって多少は変わると思っていたけどそうでもない。ロハスに勝ってチャンピオンだと言える」としっかりとした口調で話した。
 神戸の長谷川穂積との“ダブル防衛戦”については「長谷川さんよりいい試合をして盛り上げたいとは思うけれど、いい試合ではなく勝つことが目標」と初防衛達成に意欲的。「国にタイトルを持って帰る」というロハスとツーショット会見で互いに笑顔を見せるなど、さわやかな印象を残した。

2009年7月11日土曜日

神戸のダブル戦 予備検診結果

 11日神戸ポートピアホテルで行われたダブル世界タイトル戦出場4選手の予備検診の計測データは下記の通り。
◇WBC世界バンタム級タイトル戦比較◇
長谷川穂積  項目  ロチャ
1㍍68・5    身長  1㍍69・2
35・5㌢     首回り 37・0㌢
84・0㌢      胸囲 82・9㌢
20・0㌢    胸厚 19・0㌢
右1・2、左1・0 視力 右1・0、左0・9
1㍍69・0 リーチ 1㍍68・5
右27・0㌢、左27・2㌢ ナックル 右27・0㌢、左27・0㌢
113/79    血圧 120/80
50/分     脈拍 51/分
36・1度     体温 35・6度

◇WBA世界ミニマム級タイトル戦比較◇
ゴンサレス   項目   高山勝成
1㍍59・0     身長 1㍍58・5
34・0㌢      首回り 32・2㌢
80・5㌢      胸囲 85・0㌢
17・0㌢      胸厚 19・0㌢
右2・0、左2・0 視力 右1・2、左1・2
1㍍62・0    リーチ 1㍍58・0
右25・0㌢、左25・0㌢ ナックル 右24・0㌢、左24・0㌢
107/71     血圧 123/74
56/分      脈拍 57/分35・8度     体温 36・9度

長谷川×ロチャ、ゴンサレス×高山ご対面 予備検診


 ダブル世界戦の予備検診があり、長谷川穂積とネストール・ロチャ、ローマン・ゴンサレスと高山勝成の4者が11日、神戸市のホテルでそれぞれ初対面した。 リーチが1㍍88.5あった前回挑戦者マリンガと違いロチャは自身と似た体型。長谷川は「印象は特にない。ほとんど一緒」と表現する言葉を見つけるのに苦労した。ただ、「グッドファイト」と声をかけると「サンキュー」と即応した人柄に好感を抱き「さわやかな青年。ナイスガイ。コンディションも良さそうだしいい試合になる」と笑顔で話した。長谷川が9度目防衛戦へ向け作成した「オレの仕事は敵をぶっ飛ばすことだ」と英語で書いたTシャツ。ロチャは気づかなかったというが「彼もナイスガイに違いない。長谷川選手の研究は済ませてきたので作戦を考え直すと言うことはない」とにこやかに話した。 またゴンサレスは高山から会うなり「結婚おめでとう」と祝福を受けた。9日の公開練習で高山戦後に挙式予定と明かしたゴンサレスの報道を高山が新聞で見ていた。「こういう人物と試合ができることで美しい試合になる」とゴンサレス。高山も「ゴンサレスはもう少し大きくて、とげとげしい雰囲気なのかなと思っていた。いいヤツそうでした」と穏やかな口調で話した。ただ、報道陣から2年前、WBA世界ミニマム級王座統一戦で接戦を演じた新井田豊と高山のどちらが強そうかと聞かれたゴンサレスが「新井田」と答えた話を聞いた高山は「試合で答えは分かります」と闘志をかいま見せた。=写真は検診の後揃ってポーズをとる長谷川と挑戦者ロチャ=

拓大18年ぶりの優勝 関東大学リーグ戦

第63回関東大学リーグ戦は11日、後楽園ホールで1部リーグ最終週が行われ、拓殖大学が18年ぶりの優勝を決めた。2位以下は駒澤大、東京農業大、日本大、法政大の順。今季は東洋大が不祥事で出場せず5校対抗によるリーグ戦だった。
 この日、拓大は2勝1敗で並ぶ日大と対戦。これに6-3で勝利した。法大に7-2で勝った駒大も同じく3勝1敗だが、拓大が勝ち点差で上回り平成3年以来となる優勝を飾った。
 また2部リーグは日本体育大が制した。

粟生とロハス、ともに問題なし WBCフェザー級戦予備検診

 WBCフェザー級戦の予備検診が11日、後楽園ホール展示会場で行われた。チャンピオン粟生隆寛(帝拳)と1位挑戦者エリオ・ロハス(ドミニカ共和国)の体格がほぼ同じと判明。リーチ差にしてもロハスが3.5センチ長い程度だった。
 ともにリラックスした様子で、笑顔交じりの会見となった。「(ロハスは)意外に細い」と印象を語った粟生だが、自身は胸囲がアップするなど「見た目にも変わったと思う」(粟生)。田中繊大トレーナーが「(後楽園ホールで開催中の)大学リーグ戦を観にいこうとしていた」というほど、チャンピオンの調整は順調のようだ。
 一方のロハスは「我々はリングの外ではリスペクトしあえる」と話すように、こちらもにこやかな表情。粟生について「普通」とした。
 検診結果は以下の通り。両選手特に問題なしと診断された。
粟生          ロハス
168.5センチ 身長 169.5センチ
38.0センチ 頚周 38.5センチ
97.5センチ 胸囲 97.5センチ
22.0センチ 胸厚 22.0センチ
右1.5左1.5 視力 右1.5左1.5
174.5センチ リーチ 178.0センチ
115/77   血圧 123/81
65     脈拍 51
36.1   体温 36.6

37歳嶋田が25日に世界挑戦 ナミビアで最高齢記録狙う


 WBA世界ライト級王者ポーラス・モーゼス(ナミビア)が今月25日に地元ウィントフックで予定している初防衛戦の相手に、同級13位の嶋田雄大(ヨネクラ)が指名された。嶋田は17日にもナミビアに向け出発する。
 モーゼスは今年1月東京で小堀佑介(角海老宝石)から奪った王座の初防衛戦。一方の嶋田は、昨年8月エドウィン・バレロ(ベネズエラ)に続く2度目の挑戦。敵地挑戦の厳しい条件はあるが、37歳11ヵ月の嶋田が勝てば、日本人選手の最高齢世界チャンピオンの新記録が誕生する(現在は越本隆志の35歳)。
 嶋田は10日ヨネクラジムで米倉健司会長、柴田国明トレーナーと一緒に記者会見に臨み、「昨年に続き世界戦が決まったことに感謝します。どこでやっても同じリング、命がけで戦います」と、やる気をアピール。先週長野・蓼科でトレーニング・キャンプを行い、走りこみと精神統一に務めたという。
 米倉会長は「必ず嶋田が勝つと確信している」と言い、現役時3度世界チャンピオンとなり、うち2度を敵地で獲得した柴田さんは「厳しい試合になると思うが、嶋田の経験を買いたい。“嶋田流”でやってもらいたい、いい意味で開き直りを期待しています」と語り、今回も特別トレーナーとして嶋田のサポート役に徹する。
嶋田は自らの年齢について、プラスに考えている。「キャリアとともに強くなっていると感じるからやっている。ひとつひとつキャリア積んでやればできるということを証明したい。最高齢で奪取することを意識しています」と、大人のボクサーらしいコメント。
モーゼス(31)は24勝17KO負けなし。嶋田は23勝16KO4敗1分。

2009年7月10日金曜日

新ボクシング専門誌誕生!BOXING BEAT



アマゾンでご購入

あの“ワールド”編集部制作
7月15日創刊!

毎月15日発売
定価920円(本体876円)

《編集長あいさつ》

まず先の「ボクシング・ワールド」休刊に際し、皆様にご迷惑をお掛けしたこと、深くお詫び申し上げます。そしてこの度、新たな版元である(株)フィットネススポーツ社をはじめ多くの皆様のご協力を得て、再スタートを切る運びとなりました。新雑誌は従来通り(株)MACC出版が担当し、『BOXING BEAT(ボクシング・ビート)』という誌名で、ここに創刊いたします。今後はより斬新なアイデアを誌面に盛り込み、なおかつ「ワールド」時代に好評だったスタイルはそのまま継続するなど、文字通り激動するボクシング界をリードする専門誌を目指していく所存です。ボクシングファン並びに、読者の方々には、引き続き変わらぬご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます。

株式会社MACC出版
『BOXING BEAT』編集長 前田衷

《編集部》
株式会社MACC出版
東京都文京区向丘2-37-3-4F
TEL.03-5834-0830

《発行元》
株式会社フィットネススポーツ
東京都江東区南砂3-3-6 共同砂町ビル
TEL.03-5653-1322

山口賢、ディブに初回KO負け

 オーストラリア、シドニーで9日、地元の世界ランカー、ビリー”ザ・キッド“ディブ(豪州=IBFフェザー級12位)と対戦した元日本バンタム級7位山口賢一(フリー)は1回2分59秒TKO負けを喫した。
 論議を呼ぶ結末だった。
 早々とダウンを奪った山口に対して、世界挑戦経験者ディブはクリンチ、ホールドで凌ぐ。山口がディブをリフトする場面もあり、主審の注意を受ける。迎えた初回終了間際、ディブの左から右オーバーハンドで、山口はロープ際にダウン。そこへディブは左アッパーを見舞う。明らかな反則打だったが、主審はカウントを開始。最後の一撃でダメージを被った山口は脚が震え、ストップされた。
 裁定に不満の山口は主審に抗議、リング上では両者のセコンド陣が小競り合いを繰り返す事態に。山口側が早めにリングを降りたため、大事には至らなかったが、後味の悪さが残った。
 この試合でWBOアジア太平洋フェザー級暫定王者に就いたディブ(23勝12KO1敗)は「何が起こったかわからなかった。あのパンチは自然に出たもの」と弁明。少なくとも主審は山口に休息タイムを与えるべきだった。
 山口は15勝4KO2敗2分。

ロマゴン「アルゲリョさんに勝利を捧ぐ」


 2度目の防衛戦に臨むWBA世界ミニマム級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)が9日、神戸市のジムで練習を公開し、スパーリングは行わなかったがミット打ちなどを披露した。
 指名挑戦者に迎える高山勝成の印象について「動きがあってパンチのいい選手。ただ、ボクシングスタイルは彼なりのものであってわたしも今回自分のトレーニングをしてきた。いい結果を残したい」と落ち着いた口調で語った。
 ニカラグアでは12歳から3階級を制した元世界王者アレクシス・アルゲリョさんの指導を仰いだ。その母国の英雄は今月1日、拳銃自殺。葬儀に出席してから来日したゴンサレスはその思い出として「おまえは必ず世界王者になれる。そして規律正しく生活し、謙虚さを失わなければ周囲は大事に扱ってくれると教えてくれた。彼はボクシングを授けてくれただけではなく父のような存在だった」と懐かしんだ。だからこそ「今回の勝利はアルゲリョさんにささげたい」と力を込める。
 防衛戦後はニカラグアでブティックを営む23歳の女性と挙式予定。「日本に来たがっていたが店があるので仕方ない。日本にはわたしの仕事をしに来たので」と笑顔。リングを離れた記者会見でもプロフェッショナルに徹し、30分以上にわたった質疑応答にもいやがるそぶりもなく応じていた。

黒木フルマークも内容に不満


 9日の後楽園ホールはヤマグチ土浦ジム主宰のダブルメイン8回戦。
まず登場のOPBFミニマム級王者・黒木健孝はベルトをかけずに日本5位大内淳雅(角海老宝石)と対戦した。「いい選手なので初回からガンガンいった」という黒木はスタートから飛ばす。課題のポジションチェンジを頻繁に行い、手数多く攻め立てフルマーク(大内は72、73、74)の判定勝ちを収めたが、大内にダメージを与えるまでにはいかず。後半は疲労から運動量が落ち、右アッパー、右フックをもらうシーンもあり、世界1位の貫禄を示すまではいかなかった。 
  もう一つのメインはウェルター級1位井上庸と2位加藤壮次郎(協栄)の、いわば挑戦者決定戦。パワーでまさる井上だったが、もみ合いから打ってくる加藤の術中にはまる。2回、バッティングで井上が前頭部をカット。ラウンド終盤には加藤も左マブタを切って流血の1戦となった。 井上は勝負を急いで前進を強め、パワーで突破をはかる。試合は乱戦模様となり、加藤のショートブローが目立った。
 ズルズルいきそうな雰囲気だった6回、井上が返しの左フックをクリーンヒットして形勢挽回。そして迎えた7回、加藤の傷が広がり、ドクターストップに。負傷判定の結果は、67-66(井上)、67-67、68-68の1-0でドローとなった。
 ジムのツートップが演じた煮え切らない内容に岩本会長は落胆気味だったが、「相手がいることだから思うようにいかないのは分かっているが、対応できるように練習してきたはずだった…。しかし黒木は世界、井上は日本王座挑戦へ仕切り直しできるから、修正して本番に臨みたい」と気を取り直していた。
 前座の結果は次の通り--左が勝者
8回戦/小口雅之(草加有沢)TKO7回 工藤貢(ファイティング原田)
6回戦/高橋竜也(ヤマグチ土浦)TKO4回 坂光輝(松田)
4回戦/渡部諭(M.T)KO2回苦瓜一斉(ヤマグチ土浦)
      海老澤宏太(ヤマグチ土浦)TKO2回 那須野真也(角海老宝石)

2009年7月9日木曜日

粟生が公開スパー 西岡、リナレスに続くぞ

 14日の初防衛戦が近づく世界フェザー級チャンピオン、粟生隆寛(帝拳)が8日午後帝拳ジムで公開練習に臨み、同僚の日本王者松田直樹を相手に2ラウンドのスパーリングを披露した。挑戦者側スタッフが見守る中、もっぱら松田に攻撃させてディフェンスに重きを置く、軽目のスパーだった。
 相手の1位エリオ・ロハスは元アマチュアのトップ選手だっただけに「基本のしっかりした、正攻法の攻撃型。粟生とかみ合うと思う」と浜田剛史・帝拳ジム代表。粟生も「伸びてくる右には気をつけたい。1位に勝って、チャンピオンであることを証明したい」と意気込む。
 5月、6月と帝拳ジムの同僚世界王者王者、西岡利晃とホルヘ・リナレスがメキシコで立て続けに好ファイトを演じ防衛に成功しているだけに、刺激にならないはずがない。「置いてきぼりを食うのはいや」。派手なKO宣言はないものの、「僕の手が挙がっていることしかイメージできない」という表現で、自信を示した。体重は「練習を終えて(リミットまで)1キロちょい。順調です」とのことだ。

2009年7月8日水曜日

長谷川への刺客ロチャ、ツニャカオとスパー


 WBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(真正)に挑む同級4位ネストール・ロチャ(米国)が8日、神戸市のジムで公開練習を行い2回のスパーリングを披露した。
 ロチャは世界初挑戦。それがいきなり4試合連続KO防衛がかかる安定王者とあってか「長谷川は世界1のサウスポーにして頭脳派。今までで一番タフな試合になるが、わたしも今までで一番激しいトレーニングを積んできた。少し怖さもあるが興奮してきている」と慎重な口ぶりに意気込みをのぞかせた。
 ロチャのトレーナーは畑山隆則を支えたルディ・エルナンデス氏。その弟で元WBA、WBC世界スーパーフェザー級王者ヘナロさんは横紋筋肉腫で自宅療養中だ。ロサンゼルスのジムではスパーリングで手合わせもしたというロチャは「出発前に彼が幸運を祈ってくれた。彼がよくなることを信じている」と長谷川を破っての海外奪取で朗報を届ける決意。
 スパーは真正ジムに長期滞在し14日は長谷川の前座で出場する元WBC世界フライ級王者マルコム・ツニャカオ(フィリピン)が相手。2回の攻防は顔見せ的にスタートしたが次第に激しい撃ち合いへと発展。「ロチャは接近戦がすばらしく右はアッパーもフックも強い。でもアウトボクシングされたときの戦い方はもっと強化しないといけないのではないか」。ツニャカオはロチャ攻略法を指摘し、長谷川の防衛成功を予言した。

長谷川「勝ちにこだわる」公開練習


 9度目の防衛戦に臨むWBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(真正)が7日、神戸市のジムで公開練習を行った。
 トレーナーでもある山下正人会長と2回のスパーリング。2回スパーすれば必ずKO防衛してきたゲン担ぎから360秒にわたって軽快な動きを披露した。「やるだけやったんであとは体重だけ。プロとしてベストな状態で臨めるよう心掛けてやってきた。KOで勝てれば一番だがそれにこだわらず、12回すべてをとって勝ちたい」と4試合連続KO防衛への色気を封印した。
 この日は七夕。小学校に入った長男・大翔くんが短冊に書いた願い事が長谷川の防衛だったエピソードを自ら明かし、減量苦のピークに笑顔を作った。そして「ただの9回目の防衛戦。いつも初防衛戦の気持ちでやってる。勝ちにこだわってやってきたい」と意気込みを語った。
 視察したロチャ陣営のルディ・エルナンデストレーナーの父ホセさんは「さすがにいいチャンピオンだ。偉大な王者に挑戦できることは喜びだがロチャも発展途上。相手が強くてもやってみなけりゃ分からない。問題は年齢」と現在28歳でまだベテランとも言えない長谷川の衰えを予言。18歳のプロデビュー時から見守るロチャの番狂わせを期待した。

2009年7月7日火曜日

粉川、熊を判定に破る

 7日後楽園ホールで行われた注目の10回戦。5月内藤大助をダウンさせる大健闘を見せた熊朝忠(中国)と、内藤の後輩、粉川拓也の対戦は、粉川が明白な3-0判定勝ちを収めた。
 強引に飛びこくんで来る熊と強気に対抗した。フットワークで巧みに距離をコントロールし、時には接近戦で距離をつぶして熊の攻め手を封じる。3回には熊の押し込みを許したところから廻り込んでの右フック。これで世界15位の腰を落とさせあわやダウンというシーンも見せた。
 その後も粉川は安定した試合運びで、打ち終わりを狙って急襲してくる熊をしっかり迎撃した。唯一のピンチは7回左フックをもらってフラリとしたが、続くラッシュもしっかりしたディフェンスで後続打を許さず。終盤は双方疲労からスピードは落ちたが、攻防の引き出しの多い粉川は熊のパワフルだが単調なアタックを封じるとともに、攻めどころはしっかり攻め切って、文句ない判定96-94、98-93、99-93で13勝目(7KO1敗)をマークした。
「組まれた試合をやるだけですが、名のある日本人選手とやってみたい。世界もチャンスがあればやりたいけれど、まずはみんなに認められる世界ランカーになりたいです」と粉川。
 8回戦には日本ランカーが登場。ライト級11位の細川バレンタイン(宮田)は長崎大之(F・I)からダウンを奪って判定勝ち。吉田真(宮田)はウェルター級4位レブ・サンティリャンを2度ダウンさせて4回KO勝ち。吉田はプレスを掛けるサウスポー、サンティリャンに右カウンター、リターンで迎撃し、3回に左フックのカウンターでダウンを奪うと、翌4回連打でダウンを奪ってフィニッシュした。
 ノンタイトル戦となった水谷智佳(宮田)と楊瑩(中国)の6回戦は水谷が初回101秒でTKO勝ち。開始からラフに攻め込む楊瑩に対し冷静にパンチをヒットして圧勝している。
他の結果は以下の通り--左が勝者
6回戦/小川利希(宮田)判定 寶創(F・I)
6回戦/田部井要(宮田)判定 中野敬太(KG大和)
4回戦/大久保充(宮田)TKO4回 李文揚(中国)

楊オーバーウェイト-OPBF女子戦ノンタイトルに

 今日7日、後楽園ホールで粉川拓也(宮田)-熊朝忠(中国)と同じリングで行われるはずだったOPBF女子S・フェザー級初代王座決定戦は、2位水谷智佳(宮田)と対戦する予定の4位楊瑩(中国)がオーバーウェイトで計量をパスすることができず、ノンタイトル6回戦に変更となった。リミット58・9キロに対して楊は61・7キロ。

モレノ、2-1判定で前王者撃退 WBAバンタム級戦

 WBA世界バンタム級王者アンセルモ・モレノ(パナマ)は4日(日本時間5日)フランスので元WBA世界S・バンタム級王者モンシプール(仏)の挑戦を受け、接戦の末2-1判定で勝ち、4度目の王座防衛に成功した。スコアは、2ジャッジが116-113、116-112でモレノ、残る1人が115-113でモンシプールの勝ちとしていた。
 昨年暮れに2年9ヵ月ぶりにカムバックしたモンシプール(34)は、今回1階級下げての挑戦だったが、惜しくも王座復帰(2階級制覇)はならなかった。

粟生の刺客ロハスも到着 トリプル戦


 14日の東京・神戸を結ぶトリプル世界戦二元中継で粟生隆寛のWBC世界フェザー級王座に挑戦する同級1位・エリオ”キッド”ロハス(ドミニカ共和国)が6日夜予定より遅れてアントニオ・ビネオ・マネジャーら一行6人とともに成田空港に到着した。 キャンプ先の米国オハイオ州クリーブランドからの長旅だったが、疲れた様子もなく、「きっちり練習してきたので、コンディションは超最高。粟生はサウスポーの好選手。スピードを重視して練習してきた。人生すべてを賭けて戦う」と、意気込みを語った。これまでのスパーは100ラウンド近く消化してきたという。