2010年8月30日月曜日

ヒーロー辛勝、赤穂はKO勝ち


 30日後楽園ホールには強打が売り物の2人が登場。メインのS・フェザー級8回戦では、日本同級7位の阪東ヒーロー(フォーラム)が元ランカーの中真光石(沖縄ワールドリング)に2-1判定勝ち。セミのS・フライ級8回戦では、日本同級1位の赤穂亮(横浜光)がタイのノーランカー、コラートレック・オーベンジャマスに4回1分6秒KO勝ちを飾った。
 ヒーローの豪快なインファイトを楽しみにしていたファンには期待外れだったかもしれないが、沖縄から呼ばれた中真も前戦で世界ランカーに敗れるまでは日本ランカーの常連で、簡単に強打の餌食になりはしない。前戦でケガをしてこれが13カ月ぶりのリング。アマ出身らしくジャブを多用してヒーローの強打を空転させた。一方のヒーローはミスも多かったが終始プレッシャーをかけ続け、中真に攻撃面の余裕を与えなかった。ジャッジはいずれも1点差で、山田77-76、浦谷77-76で阪東の勝ち。福地は逆に77-76で中真の勝ちとするスプリット・デシジョンだった。
 セミは赤穂のワンマンショー。初回にいきなりタイ選手に右クロスを決めてダウンさせた後、大振りミスもあったが、ジャブと左フックで一方的に攻め立てた。4回の左のダブルを顔からわき腹に打ち込むと、コラートレック顔をゆがめて崩れ落ち、10カウントを聞いた。赤穂はこれで15勝9KO2分。
写真上はコラートレックに10カウントを聞かせた赤穂。同下はヒーロー㊨-中真の最終回の打ち合いから。

李、プーンサワット挑戦発表-10.2後楽園ホール

 日本フェザー級チャンピオン、李冽理(横浜光)のWBA世界S・バンタム級王座挑戦が30日都内で正式発表となった。
 王者プーンサワットは細野悟、木村章司を下してその実力は日本のファンにもおなじみの強豪。かつてWBA暫定バンタム級も制した2階級制覇王者で、41勝29KO1敗のレコードを持つ29歳。脂の乗り切った王者に1階級下げての挑戦となる李だが、「相手は文句なしのチャンピオン。最初は怖さもあったが、対策を練れば攻略できない相手ではない。石井トレーナーとともに辛い練習をして、少しずつ自信も付き始めた。試合を楽しみに感じてきている。アウトボクシングでポイントを取る自信がある。1階級下げるのも無謀ではない」ときっぱり言い切った。
  当日は同僚・三浦隆司が1位稲垣孝(フラッシュ赤羽)を挑戦者に保持する日本S・フェザー級王座の防衛戦も用意されている。試合は10月2日後楽園ホールで開催。G+が生中継する。

プロ-アマ雪解け? 首脳同士が歴史的握手


 アマチュアの実力者・山根明氏(70)の社団法人日本アマチュアボクシング連盟副会長就任を祝うパーティーが29日昼大阪市内のホテルで催された。この日は全国各地から関係者が集い、パーティーの参加者は2百人を超えた。アマチュア関係者はもとより、複数のプロジム会長や、また六車卓也、名城信男の新旧世界王者(プロ)の姿も。中でも注目は日本プロボクシング協会大橋秀行協会長(45)が北澤鈴春事務局長とともに駆けつけたこと。この種のアマチュアの会合に、プロの協会長が出席するのは近年極めて異例なことである。
 挨拶に立った大橋会長はこう語った。「アマ・プロ問わず、今のボクシング界が求められているのは、オリンピックの金メダリストです。このために、今こそアマとプロが協力し合う時です」。具体的に、プロが先鞭をつけたU-15からすでにインターハイ王者が輩出しており、アマチュアが始める「幼年ボクシング」にも協力する用意があること、そして互いに相乗効果を期待できる「アマ・プロの合同練習」を提唱した。
 これまでプロとアマチュアとの関係はとかくぎくしゃくしがちだったが、近年特に指導の現場から「プロとの関係を改善して、もっと協力し合うべきではないか」との声が強くあり、アマチュア界の「改革」を唱える山根氏の手腕に期待が高まっている。
 山根・大橋の首脳同士は、まだ具体的に話し合いを持ってはいないが、公の場でがっちりと握手を交わし(写真)、「アマ-プロ協力」を印象づけていた。

亀田和が世界ユース王座獲得 ドロー発表が2-1判定に変更

 亀田兄弟の三男・和毅(亀田)が28日(現地時間)メキシコのマサトランでWBC世界ユース・バンタム級タイトルマッチに出場。王者ステファン・ヤモイェ(ベルギー)に2-1判定勝ちを飾り、新王者となった。試合直後に発表された判定は三者三様のドローだったが、試合後「96-96」としたジャッジの採点が集計ミスで、「96-95」と訂正され、亀田の勝利になったという。
 これで和毅(19歳)は4本目のベルト獲得となり、戦績は16勝11KO負け知らず。

マイダナ、地元で苦闘防衛 WBA暫定S・ライト級

28日夜(現地時間)アルゼンチン・ブエノスアイレスのルナパークで行われたWBA世界S・ライト級暫定タイトルマッチは、地元の王者マルコス“チノ”マイダーナ(アルゼンチン)が元同級WBO王者デマーカス“チョプチョプ”コーリー(米)を12回判定で下し、防衛回数を3とした。
 充実のS・ライト級の一角マイダーナ(27歳)が36歳のベテラン相手に思わぬ苦戦に遭遇した。前半パワフルな右クロスなどで優位に立った王者だが、3回に発生したバッティングで右マブタをカット。コーリーの反撃を許したマイダーナは7回、ボディー打ちでダウンを奪うも、後半スタミナを消耗。調整に問題があったことを暗示させながら、自身2度目となる12ラウンドの戦いを強いられた。
 スコアは117-110が2者に115-112の3-0でマイダーナの勝ち。マイダーナは29勝27KO1敗。コーリーは37勝22KO14敗1分。

2010年8月29日日曜日

中岸再起戦TKO勝ち 日中戦は7-1-1で日本の圧勝

 29日午後金沢市の石川県産業展示館2号館で行われた「日中交流親善試合」9試合は、予想通り日本が7勝1敗1分と圧勝した。
 メインのフェザー級6回戦は、元日本ランカーの中岸風太(カシミ)が、段富斌(中国)を4回ボディーブローでダウンさせた後も一方的に攻め、5回1分40秒レフェリーストップによるTKO勝ち。11ヵ月ぶりの再起戦を飾った。
 セミのS・バンタム級8回戦は、アルゼンチン人のネストール・ウゴ(カシミ)が林国偉(中国)に最終回1分54秒TKO勝ち。もうひとつの8回戦(116ポンド契約)はフィリピン人のジョナサン・バァト(カシミ)が馬一鳴(中国)を初回開始早々左カウンターで倒し、この回1分2秒TKO勝ちした。
 結果的に数字は日本側の完勝だったが、といって中国側との間で大きなレベルの差があったというわけでもなさそう。「フィジカル面、テクニックは差がなく、ただ、中国選手たちはキャリアが浅いのでスタミナ面で劣っていた。よくいるヘナチョコの来日外人選手と比べればはるかによく戦った」とは、関係者の感想。

セグラ、カルデロンをKO 2冠統一


 プエルトリコのグアイナボで28日(現地時間)行われた注目のWBA&WBO世界L・フライ級統一戦は、WBA王者ジョバニ・セグラ(メキシコ)がWBO王者イバン・カルデロン(プエルトリコ)に8回1分28秒KO勝ちを収めた。
 勢いの差が勝敗をわけた。出だし、パンチを振り回すセグラのミスを誘ったカルデロンだが、かまわず前進してプレスをかけるメキシカンが徐々に優勢。4回、セグラがボディー連打で仕掛けると、WBO王者はロープを背負い四苦八苦。続く5回、コーナー近くに倒れたカルデロン(判定はスリップ)はストップ寸前に。ピンチを切り抜けたカルデロンは6、7回とフットワーク全開で乗り切ったが、8回再びセグラの執拗なボディー打ちに捕まり、コーナー付近にダウン。テンカウントが数えられた。
 リングサイドで応援したフェルナンド・モンティエル、テレビ解説のチキータ・ゴンサレスの祝福を受けたセグラ(25勝21KO1敗)は「予想はカルデロンだったけど、自分の勝利を信じていた人たちに感謝したい」と語った。=PHOTO/SUMIO YAMADA=

前王者シドレンコ、再起戦は大差判定

 前WBA世界バンタム級王者で来日経験もあるウラジミール・シドレンコ(ウクライナ)が28日キエフで1年3ヵ月ぶりとなる再起戦を行い、ムブワナ・マトゥムラ(ガーナ)に3-0判定勝ち。1階級下げてWBCのシルバータイトルをゲットした。
 シドレンコ(33)は王座を失った対アンセルモ・モレノ(パナマ)戦の連敗で一時引退していた。この日の再起戦、最初はマトゥムラの長身から放つジャブに苦戦したものの、中盤から終盤はほぼ自分のペースで攻め、フルマークもいる文句なしの勝利となった。22勝7KO2敗2分。シドレンコは一昨年大阪で池原信遂(大阪帝拳)の挑戦を判定で撃退している。

今日金沢で日中親善試合 再起の中岸もやる気

 プロでは日本初となる「日中交流親善試合」が29日金沢市の石川県産業展示館2号館で催されるが、その前日計量が29日夕市内のホテルで行われた。日本では珍しいパーティー形式での「公開計量」として行われ、関係者、後援者ら200人以上が見守る中、出場9組の18選手全員が規定内の体重でパスした。
 中国から来日した9人のプロ選手は、アマの全中国選手権獲得者はおらず、プロキャリアも浅い選手ばかり。日本側(カシミジム所属の比国、アルゼンチン選手も含む)とどんな試合になるのか、関係者も興味深々だが、引率の劉剛プロモーターは「きっといい試合をお見せする」と約束していた。
 メインのフェザー級6回戦で段富斌(中国)相手に11ヵ月ぶりにリングに上がる中岸風太(カシミ)は、「久々の地元の試合なので、カッコいい試合をしたい。チャンスがあればKOを狙う」と積極発言。父を亡くして自暴自棄になり、一時は体重が75キロに膨張したが、17キロ減量してリングに戻る。地元のホープとして期待されたが、まだまだその期待に応えていない。「まだ22歳だし、もっともっと頑張れると思う」とやる気をアピールしていた。戦績は16勝8KO2敗1分。
 写真は計量を終えた後ポーズの要請に上半身裸になって対峙する段と中岸(左)。後方はその他の出場選手たち

2010年8月27日金曜日

女子世界選手権代表、合宿打ち上げ


 女子世界選手権大会(9月8~15日・バルバドス)に出場する日本代表4選手が21日から東京・北区のナショナル・トレーニングセンターで1週間の合宿練習を続けていたが、27日朝のランニングで打ち上げた。 
 今回の合宿練習、朝のランニングに続き午後の練習はスパーリングが主体。連日各4~6R、パートナーを交代しながらの激しい撃ち合いで、合宿終盤には顔にアザを残したままの選手もいた。「気力のない選手は(世界大会に)行かなくていいから!」と指導陣の厳しい檄を浴びながら、猛練習に耐えていた4選手。中には、思うように動けなかった選手が、練習後悔し泣きする場面も。「日本女子ボクシングの将来が懸かっている」(原千恵コーチ)という大舞台に向けて、着々と準備を整えていた。以下は代表4選手の抱負--。
48Kg級・池原久美子(正起屋)「2年前の中国の世界選手権は、雰囲気にのまれてしまった。でも相手(インドのコム)は金メダリストになったので、自分も世界に近いんだと信じて、自信つけて臨みます」
51Kg級・新本亜也(クリエイティブジャパン)「アジア選手権(銅獲得)では去年ベトナムで負けた相手にリベンジできた。世界でもメダルを獲りたい」
54Kg級・箕輪綾子(ウイングコーポレーション)「前回の中国は1回勝っただけなので、それ以上の成績を残したい。今回の合宿では(指導陣から)一番いわれけたけど、それだけ期待されているのだと思っています」
57Kg級・釘宮智子(平成国際大)「1試合でも勝てるように、頑張りたい」
 代表は荒木健監督、原千恵、梅下新介コーチらとともに9月5日バルバドスに向けて日本を発つ。写真は女子代表選手らの練習風景。下写真左から新本、釘宮、箕輪、池原の4代表

パッキアオ戦GO! マルガリート、テキサスでライセンス下りる 

 先週、米国テキサス州にライセンスを申請していたアントニオ・マルガリート(メキシコ、前世界ウェルター級王者)に26日(現地時間)無事、出場許可が下った。これで懸案だったマニー・パッキアオ戦が11月13日、ダラスのカウボーイ・スタジアムで挙行されることが決定的となった。
 昨年1月のモズリー戦の違法物混入バンテージ疑惑でサスペンドされたマルガリートだが、テキサス州は寛大だった。ライセンス発行を拒否したカリフォルニア州やネバダ州のような公聴会はなく、申請料20ドルを払い、同州ライセンス&法規局からあっさり許可が降りた。テキサス州は以前、やはり他州でサスペンドされたエドウィン・バレロ(故人)やイバンダー・ホリフィールドにライセンスを公布した前例がある。
 早くも来週火曜日31日からパッキアオ-マルガリート戦のキャンペーンツアーがスタートするといわれる。試合は空位のWBC世界S・ウェルター級王座決定戦として予定される。同時にアンダーカードに出場する選手も続々と名が挙がっている。

幸伸丸TKO勝ち


 26日後楽園ホールのメイン8回戦に登場した日本ウェルター級4位・斉藤幸伸丸(輪島功一S)はノーランカー加藤大輔(角海老宝石)に一方的な8回TKO勝ち。2度目のタイトル挑戦を熱望した。
 フェイントをかけながら飛び込み、パンチを放つ斉藤は2回、右でダウンをマーク。その後も体格の不利を補う機動力ボクシングで試合を優位に進めた。いきなりの右ストレート主体の攻撃で加藤を弱らせ、5回にはラッシュを敢行。迎えた最終回、左右フックでボディーを叩いたあとに右を直撃させると、ここで杉山主審がストップをかけた。タイムはこの回15秒。
 ウェルター級は中川大資(帝拳)が王座を返上し、9月に加藤壮次郎(協栄)-沼田康司(トクホン真闘)の間で空位のチャンピオン争奪戦が行われる。その後も1位井上庸(ヤマグチ土浦)の挑戦、カーニバル戦と続くため、しばらく斉藤の出番はなさそう。チャンスを求める斉藤には「ちょっと、(階級を)上げる気にもなってるんだよね」と選択肢をひろげるプランもあるようだ。「チャーリー。やりたいね」と不敵な笑みを見せていた。14勝8KO3敗1分。
 セミでは日本フェザー級4位の竹内佑典(JBS)が伊藤圭太(花形)に2-1判定勝ち。7回に伊藤がストップ後の加撃で減点されると、最終8回今度は竹内がラビットパンチでマイナス1点を食らうなど、荒れた内容だった。
 そのほかの8回戦は古家充(吉祥寺鉄拳8)が片桐秋彦(川崎新田)に判定勝ち、古川暁(ドリーム)が泉圭依知(18鴻巣)に判定勝ちした。

2010年8月26日木曜日

ケスラー眼疾 スーパー6離脱

 WBC世界S・ミドル級王者ミケル・ケスラー(デンマーク)が目を負傷。開催中のS・ミドル級トーナメント「スーパー6」から辞退することになった。彼のプロモーション会社ザウアーランドが発表したもので、ケスラーは9月25日、地元デンマークでアラン・グリーン(米)との防衛戦兼スーパー6戦を予定していた。
 試合に備えて調整中だったケスラーは、物が二重に見えるなどの症状が出、決断を下したもの。ちなみに彼のドクターは復帰まで9ヶ月かかると話す。ケスラーは完治後復帰を望んでおり、網膜はく離かどうかは明らかにされていない。
 トーナメントを主催する米国のショータイムは、ケスラーの代役を誰が務めるかまだ発表していない。一説にはテイラーに代わって新規参加したグリーンをカットして、残りの4人で覇権を争うという案も出ている。同時に10月2日に予定されるアルツール・アブラハム-カール・フロッチ戦が、空位となる見込みのWBC王座決定戦となる可能性がある。WBCはケスラーを「名誉チャンピオン」に据える計画だという。
 一方、同じ9月25日に予定されるアンドレ・ウォード-アンドレ・ディーレル戦は場所が定まっておらず、延期の話も出ている。
 

キューバが最多の金3個獲得 第1回ユース五輪決勝

 シンガポールで開催された第1回ユース五輪のボクシング競技決勝が25日行われ、11階級の金メダリストが誕生した。
 16~18歳限定の出場者は、48ヵ国66名(各級6名)。4月の世界ユース選手権大会の上位成績優秀者たちだったが、この大会のチャンピオンで今ユース五輪でも優勝できたのは、半分以下の5名にとどまっている。また、3階級の決勝は世界ユースと同じ顔合わせとなったが、同じ結果にならなかったのはL・フライ級だけ。バーネット(アイルランド)がアリサダ(アゼルバイジャン)をポイントで制し、リベンジを果たしている。
 アマチュアの世界2強といわれるロシアとキューバは明暗を分けた。決勝に一人も残らなかったロシアに対し、キューバはヘビー級ペロ、L・ヘビー級デュベルヘル、バンタム級ラミレスの3人が進出し、全員が金メダルを獲得し、久々にボクシング王国の存在感をアピールした。他には、金2つをゲットしたリトアニアの奮闘が印象強かった。アジア勢はバンタム級のタパ(インド)が唯一銀メダル獲得。
 なお、今大会のベスト・ボクサーには、S・ヘビー級優勝のヨカ(フランス)が選ばれている。 
◇各級決勝記録
LF級 ライアン・バーネット(アイルランド) 13-6 サルマン・アリサダ(アゼルバイジャン)
F級 エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ) RSC2回 DJ・マーキ(ナウル)
B級 ロベイジー・ラミレス(キューバ) 5-2 シバ・タパ(インド)
Fe級 アルチュール・ブリル(独) 11-4 エルビン・イサジェフ(アゼルバイジャン)
L級 エバルダス・ぺトラウスカス(リトアニア) 11-4 ブレット・マーサー(豪)
LW級 リカルダス・クンカイティス(リトアニア) 12-6 サムエル・サパタ(ベネズエラ)
W級 デビッド・L・ダコスタ(ブラジル) 7-3 アフマド・ママジャノフ(ウズベキスタン)
M級 ダミアン・フーバー(豪) 12-4 フアン・カルロス・カリージョ(コロンビア)
LH級 イロスバニ・デュベルヘル(キューバ) 12-4 ブラク・アクシン(トルコ)
H級 レニエル・ペロ(キューバ) RSCH1回 ファビオ・トゥルキ(伊)
SH級 トニ・ヨカ(仏) 8-5 ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)
 写真はバンタム級優勝のラミレス(キューバ)=PHOTO/AIBA=

2010年8月23日月曜日

ロマゴン、9・3地元で前哨戦

 WBA世界ミニマム級王者ローマン“チョコラティート”ゴンサレス(ニカラグア)が9月3日マナグアでリングに登場する、とニカラグアのメディアが報じている。相手はヘスス“タイソン”リモネス(メキシコ)で、10回戦を予定。ゴンサレスは10月24日、日本で防衛戦か無冠戦を予定している。
 ゴンサレスが所属するプロモーション会社プロデサによると、リモネスの戦績は16勝9KO1敗1分(ボックスレックによると9勝4KO1敗1分)。今年4月、同国のランカー、オスカル・ブランケットの持つWBC米大陸フライ級王座に挑戦したが、TKO負けを喫した。
 同じリングでは9月24日、日本で亀海喜寛(帝拳)と対戦する元WBA世界ライト級王者ホセ・アルファロ(ニカラグア)も出場し、ホエル・フアレス(メキシコ)と10回戦を行う。

2010年8月22日日曜日

フック3度倒し圧勝 WBOクルーザー級V4

 WBO世界クルーザー級タイトルマッチは21日(現地時間)ドイツのエアフルトで行われ、王者マルコ・フック(独)が同級8位マット・ゴドフレイ(米)を一方的に攻めまくった末、5回TKO勝ちした。昨年8月に獲得した王座を早くも4度防衛。フックは2回に最初のダウンを奪った後も圧倒し、5回には相手をリング外に叩きだしたのを含め2度のダウンを追加。この回2分18秒レフェリーが凄惨な試合を中止した。
 セルビア出身の王者フック(25)はこれで30勝23KO1敗。“キャプテン”のニックネームを持つ。一方敗れたゴドフレイ(29)にとってはこれが2度目の敗北(20勝10KO)。

五輪金リゴンドウ、女子王者ナバら勝つ ティファナの試合

 21日(現地時間)メキシコ・ティファナで行われたカードに、オリンピックで2度金メダルを獲得したキューバ人、ギエルモ・リゴンドウ(WBA・S・バンタム級8位)が出場。ベテランのホセ・アンヘル・ベランサ(メキシコ)に7回開始TKO勝ちを飾った。
 これがプロ6戦目のサウスポー、リゴンドウは余裕の試合運び。4回に2度倒した後、無理をせず十分にスキルを見せつけ、タフなベランサを翻弄。6回終了後、顔面が鼻血で染まったメキシカンをリタイアさせた。リゴンドウは6勝5KO無敗。ベランサは33勝26KO19敗2分。
 同じリングの10回戦ではWBCフェザー級14位ジョクサン・エルナンデス(メキシコ)が初回、アイラ・テリー(米)を連打で追い込み、右クロスを炸裂させて2分32秒KO勝ち。エルナンデスは21勝14KO2敗。テリーは23勝14KO4敗1分。
 一方、地元のWBC女子S・バンタム級暫定王者ジャッキー・ナバ(メキシコ)は挑戦者ディアナ・ミランダ(コロンビア)を4回、ボディー打ちで2度倒して1分31秒TKO勝ち。試合後、親友で渦中の人アントニオ・マルガリートに肩車されたナバは22勝11KO3敗。ミランダは13勝8KO5敗。(三浦勝夫)
 写真はべランサを攻めるリゴンドウ㊨=PHOTO/CATCH MIURA=

丸元KO勝ち、闘将は散る 大阪2部興行夜の部


 21日、大阪市・住吉区民センターの2部興行、夜の部ではグリーンツダジム主催の「GTカーニバル」が行われた。
 メイン(8回戦)を張ったのは日本S・ウェルター級2位の丸元大成(グリーンツダ)。タイのラチャーン・ノンピタヤコムを2度倒した末に2回3分5秒KO勝ちした。力量差のある相手だったが「2本目のベルトにしか興味がありません」と丸元は意気軒昂。東洋太平洋ウェルター級に続く2階級制覇達成に執念を燃やしている。丸元(34歳)は28勝15KO9敗1分。
 またセミ8回戦でフィリピンのロメオ・ジャコサレムに挑んだ闘将青木誠(グリーンツダ)だったが、ジャコサレムの左リード、右ストレートを浴びて苦しい展開。持ち前の闘志でダウンこそ拒否したものの、4回に左アッパーで効かされると相手の連打にあらがえずストップ負けした。一気に東洋太平洋ランキング入りを狙った青木の冒険は失敗に終わった。

2010年8月21日土曜日

粉川-ペニャで東洋太平洋S・フライ級王座決定戦 10月28日

 内藤大助の宮田ジムの後輩に初のタイトル獲得のチャンス到来--世界挑戦の決まった河野公平(ワタナベ)が王座を返上したため空位となっている東洋太平洋S・フライ級王座の決定戦が、10月28日後楽園ホールで、1位ダニロ・ペニャ(比)と2位(WBC14位)粉川拓也(宮田)との間で行われることが決まり、主催の宮田ジムが20日発表した。
 粉川(25)はジムの先輩内藤大助が世界戦で苦戦した熊朝忠(中国)と対戦(昨年7月)、これに勝って世界ランク入りした宮田ジム期待の選手。16勝10KO1敗で11連勝をマークし勢いに乗っている。一方のペニャはフィリピン王者でプロキャリア8年間に31戦し22勝10KO7敗2分(BOXRECによる)。
 この日の前座の8回戦3組は宮田ジムの主力が支える。日本S・ライト級2位の伊藤和也はウドムシン・ポーティティマ(タイ)と、日本S・ライト級6位の細川バレンタインは鈴木哲也(ワールド日立)と対戦。また昨年度全日本級新人王の新藤寛之は中村尚平太(八王子中屋)との対戦。

「倒したかった…」前王者近藤再起戦飾る 


 前日本ライト級チャンピオン(現3位)近藤明広(日東)が21日後楽園ホールで鎧塚(よろいづか)真也(協栄)と対戦、KOこそ逸したものの8ラウンドを戦って大差の判定勝ちを飾った。4月に荒川仁人(八王子中屋)との接戦を落として王座を失っていたが、再起戦を勝利して「荒川さんとやって勝ちたい」と、日本タイトル奪還の野望をあらわにしていた。
 近藤はKO勝利を狙っていた。「もう1回日本チャンピオンになれるというところを見せたかった。そのためにはKOが一番」だったからだが、鎧塚もノーランクとはいえ、ガードを固めて距離を詰め、前王者を食ってやろうと隙あらば右を伸ばしてくる。外国の「かませ犬」と対戦するよりはるかに危険な相手だった。しかし近藤はていねいに鎧塚のパンチを外しながら左ストレートをピシリ、ピシリ。何度か飛び込みざまの左フック、いきなりの右ストレートを好打してポイントをリードした。6回は鎧塚の右がようやく届き、必死に追撃。しかし近藤は守勢に立ちながらも落ち着いて対処。次の7回、8回には右ストレートを強打して、一瞬鎧塚の動きが止まる場面も。しかし、フォローのブローが打てず、ダウンには至らなかった。スコアは80-73(福地)、79-74(飯田)、79-73(土屋)。
 セミの設楽賢太(日東)-豊川陽樹(戸髙秀樹)のS・フェザー級8回戦は、豊川がファイターの設楽をうまくアウトボックスしたが、結果は意外にも3審判とも引き分け。

マルケス負傷、フアンマ戦は延期に

 秋のビッグマッチの目玉と思われたフアン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ)-ラファエル・マルケス(メキシコ)のWBO世界フェザー級戦がマルケスのケガにより、延期されることになった。
 9月18日、ラスベガスのMGMグランドで予定された一戦だが、メキシコシティでトレーニング中だったマルケスが右拳の親指を痛め、練習を中止せざるを得なくなったもの。負傷はスパー中に発生したというものと、マルケスが自身の車のドアに手をはさんだ、という2説がある。
 マルケスの主治医によると、ジムワークが再開できるまで4週間必要とのこと。主催のトップランク社は来週、新たなスケジュールを発表したいとコメントしている。

大沢がWBC13位下す 大阪・住吉の昼興行


 21日、大阪市・住吉区民センターの「リアルスピリッツ」(真正ジム主催)でアップセット。メイン8回戦で大沢宏晋(OPBF・S・フェザー級13位=大星)がWBC世界フェザー級13位のアブラハム・ロドリゲス(メキシコ)に判定勝ちする殊勲をあげた。
 大沢はスピードに乗った左リードで序盤を優位に進めた。4ラウンドあたりからロドリゲスの左右フックの前に守勢に回ったが、終盤は体をつけて引かずにパンチを返し、試合終了のゴング。採点しづらい内容ながら77-76、77-75、77-77の2-0で大沢が支持された。ダウンシーンはなかった。リング上で涙を流し喜んだ大沢は18勝8KO3敗3分。敗れたロドリゲスは21勝9KO10敗3分となった。
 またセミで行われた伊波パブロ・カスティーヨ(真正)-伊藤康隆(中日)の8回戦は引き分け。

2010年8月20日金曜日

シンガポールで第1回ユース五輪開催中

 IOC(国際オリンピック委員会)初の試みとして注目の第1回ユース・オリンピック(26競技)が14日からシンガポールで開催中だが、ボクシング競技は明日21日スタート。出場の17~18歳限定11階級各6名ずつの計66選手はいずれも4月~5月にアゼルバイジャンで開催された世界ユース選手権大会で上位入賞し今大会の出場者に選ばれたエリートたちだ。9月から廃止されるフェザー級(57キロ級)も用意されている。日本からは残念ながら出場者なし。
 今回のボクシング競技には48ヵ国が参加して、3分3ラウンドのトーナメントで競う。キューバやロシア、アゼルバイジャン、ウズベキスタンらのアマ大国の選手たちが今回もメダルを狙って熾烈な戦いを繰り広げるものとみられる。世界ユースの決勝戦を戦ったライバルたちが再び決勝で相まみえるという階級がいくつも見られそうだ。
「ユースのロマチェンコ」の前評判が高いのは、L・ウェルター級の世界ユース王者、オレグ・ネクリュドフ(ウクライナ・17)。アジア選手では、07年の世界カデット、10年の世界ユースを制したライト級インドのビカス・クリシャンらが注目されている。決勝は25日。写真は世界ユースのライト級表彰から=PHOTO/AIBA=

モラレスの試合キャンペーン 9・11復帰2戦目


 9月11日メキシコシティで復帰2戦目を行う元3階級制覇王者エリク・モラレス(メキシコ)がロサンゼルスに続き、ニューヨークでキャンペーンを展開。18日(現地時間)米国のサッカーリーグに所属するニューヨーク・レッドブルズのスタジアム、レッドブル・アリーナで著名サッカー選手の激励を受けた。
 その名はラファエル・マルケス。バンタム、S・バンタム級の元王者と同名だが、スペインの名門バルセロナで長年プレーし、今年のワールドカップではメキシコ代表の主将も務めた人気選手。今季からレッドブルに加入し、新たなキャリアを迎える。
 新プロモーター、ナチョ・ウイサル氏らと会見に出席したモラレスは「人はクレイジーだと言うけれど、私はまだヤングマンの気持ち。これまでの経験を生かして勝つ」と宣言。同時に「次の試合ではマルケスのディフェンスとティエリ・アンリの攻撃のような試合をお見せしたい」とレッドブルに加入したもう一人のスター選手を引き合いに出しリップサービスしていた。
 なお、モラレスの相手はウィリー・レイモンド(スコットランド人)に決まっている。写真はサイン入りグローブとサッカーTシャツを交換するモラレス㊧とマルケス

マルガリートのライセンス拒絶さる パッキアオ戦は?


 米国カリフォルニア州コミッションにライセンス再発行を懇願していた元世界ウェルター級王者アントニオ・マルガリート(メキシコ)が18日(現地時間)同コミッションで開かれた公聴会に出頭。しかしコミッショナー6人による投票の結果、5-1で交付を拒否された。
 公聴会は5時間に及んだ。マルガリートは弁護士を通じて、昨年1月のモズリー戦で発覚した違法物混入バンデージ疑惑によるサスペンドを解くべき説明を繰り返したが、願いは叶わなかった。州の裁判官は、マルガリートが5月メキシコで行った復帰戦の前、カリフォルニア州内でスパーリングを行ったことが災いした、という見解を述べている。ただし、マルガリートのサスペンド期間は今年2月で切れており、判決は事実にそぐわないという見方もある。
 マルガリートと彼の陣営は先月、ネバダ州コミッションにライセンス発行を進言したが、同コミッションは「カリフォルニア州コミッションの判決に従う」との判断を下していた。今回の決定で11月13日に予定されるパッキアオ-マルガリート戦のラスベガス開催は消滅した。
 ただしマルガリートのボブ・アラム・プロモーター、パッキアオの代理人であるマイケル・コンツ氏とも、テキサス州がマルガリートのライセンス発行に好意的だと語っており、ダラスのカウボーイ・スタジアムでの開催が現実味を帯びてきた。

リナレス、亀海、山中の相手決定 10.24国技館23日から先行予約

 西岡利晃-レンドール・ムンローのWBC世界S・バンタム級タイトル戦(10月24日)と同じ東京・両国国技館のリングに出場するWBA世界S・フェザー級1位ホルヘ・リナレスら帝拳ジムの3選手の相手が決まり、20日帝拳ジムから発表された。
「全員元世界王者か、世界ランカー」という基準で選ばれ、リナレス=上写真=は、古豪の元世界ライト級王者ヘスス・チャベス(メキシコ)と10回戦。同じく日本S・ライト級王者・亀海喜寛は、元WBA世界ライト級王者ホセ・アルファロ(ニカラグア)と、日本バンタム級王者・山中慎介は、WBA世界同級11位のホセ・シルベイラ(メキシコ)といずれも10回戦で対戦することになった。
 7月31日ラスベガスでロッキー・フアレスに快勝したばかりの元2階級世界王者リナレス(29勝18KO1敗)が再び名のある相手と対戦する。チャベス(44勝30KO7敗)は、S・フェザー、ライトの2階級で世界王座につき、「エル・マタドール(闘牛)」の異名をとる力強いファイター。メイウェザーら世界的強豪との対戦歴も豊富で、好対照の「闘牛士」リナレスとの噛み合いは抜群に違いない。亀海(16勝14KO)の相手アルファロ(23勝20KO6敗)は、2008年に小堀佑介(角海老宝石)と倒し合いの末王座を奪われたのに続く来日戦。最新の試合はエリク・モラレスと10回を戦い判定負け。世界を目ざす不敗ホープには最初の試金石となろう。亀海のワザが、ニカラグアの強打者に通じるか? 新王者山中(12勝8KO)と対戦するシルベイラ(11勝4KO2敗)は、5月にカナダで北米チャンピオンを獲得したばかり。6連続KOをマークして勢いに乗るサウスポーの強打が、世界レベルにも通用するか、これも興味深い。
 なお、当日はWBA世界ミニマム級王者ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)の出場も予定されているが、対戦相手、世界タイトル戦になるか無冠戦になるかも含めて、まだ確定していない。ゴンサレス(25勝21KO)は9月3日にマナグアで同僚アルファロともども試合を予定している。(外国選手の記録はBOXRECによる)
 試合のチケットはリングサイド3万円から2階指定席B5千円までの5種類。23日(月)からWOWOWで先行予約が開始される(予約受付は☎0570-02-9503)。一般予約は9月4日から、チケットぴあ、帝拳ジムで。問い合わせは帝拳ジム(☎03-3269-6667)

2010年8月16日月曜日

「ロシアのパッキアオ」売り込み ウサロフ帰国

「日本に住んで世界チャンピオンを目指したい--」WBO世界バンタム級7位にランクされるサヒーブ・ウサロフ(ロシア・23)が10日間の滞在中に日本王者らとスパーで手合わせし、12日夜、マッハ・シェールマット・マネジャー&トレーナー(44)とともに帰国した。
 ウサロフは豊富なアマ歴を持ち、プロ転向後は15勝6KO負けなし。サーシャ・バクティンが逃げるように帰国してしまった沖縄ワールドリングジムに「代わりに自分を使って!」と売り込みにやってきたものだ。滞在中、芹江匡晋、佐藤洋太、河野公平といった日本&東洋太平洋王者らと連日精力的にスパーを続けた。サーシャとは対照的な攻撃的なサウスポーで、「パッキアオ・スタイルでいい試合を見せる」とマッハ氏も売り込みに必死だった。結論はまだだが、沖縄ワールドリングジムの中真茂会長は「もうロシアはいいという気持ちだったが、(ウサロフは)まじめでハングリーな選手らしいので、できれば使ってみたい」と語っている。

金、大差の判定負け IBFライト級王座決定戦

 米テキサス州ラレドで14日(現地時間)行われたIBF世界ライト級王座決定戦は、IBF3位ミゲール・バスケス(メキシコ)が1位の金智訓(キム・ジ・ホン)に12回判定勝ちを収め、ベルトを手にした。
 今回が米国5戦目、11連続KO勝ち中の金に対し、同い年のバスケス(23歳)は昨年、アミール・カーンを倒した男プレスコットに勝って浮上したメキシカン。ファイター(金)-ボクサー(バスケス)という対照的なスタイルの対戦は、突進する金のパンチをかわし、右強打、左ジャブをヒットするバスケスがペースを掌握。バスケスはクリンチワークも巧妙で、金は強打を決められない。終盤も断続的なラッシュでコリアン・ファイターを追い詰めたバスケスが119-109,120-108,118-110と大差の勝利。昨年2月、当時の王者ネート・キャンベルが体重オーバーで剥奪されて以来、1年半ぶりに王座が埋まった。 バスケスは26勝12KO3敗。金は21勝18KO6敗。
 同じリングで行われたIBFフェザー級1位決定戦はミゲール・アンヘル“マイキー”ガルシア(米)がコーネリアス・ロック(米)から2度ダウンを奪い、11回1分9秒TKO勝ちを飾った。

ドウソン初黒星 パスカル負傷判定勝ち WBC・L・ヘビー級

 14日(現地時間)カナダのモントリオールで挙行されたWBC世界L・ヘビー級戦は王者ジャン・パスカル(カナダ)が暫定王者チャド・ドウソン(米)に11回負傷判定勝ちを飾り、3度目の防衛に成功した。(試合はドウソンが保持するマイナーベルトIBO王座との統一戦という形でも行われた)。
 ダウンシーンはなかったが、両者とも持ち味を発揮した好ファイトだった。距離が離れるとリーチで勝るレフティ、ドウソンがパンチを巧打するが、イン、アウトのメリハリをつけ、アウトボクシングで優位に立ったのは地元のパスカル。7,8回と右を見舞って、この階級最強の呼び声高いドウソンにダメージを与える。ここを乗り切ったドウソンは11回、畳み掛けてパスカルを追い込んだが、バッティングが発生し、右マブタからおびただしい出血。ドクターストップがかかり、11回を含む採点で優勢だったパスカルの手が上がった。スコアは108-101に106-103が2者の3-0でパスカル。
 敗れたドウソンは30戦目で初敗戦(29勝17KO1敗)。“カナダのロイ・ジョーンズ”ことパスカルは26勝16KO1敗。リングサイドで観戦したIBF世界S・ミドル級王者ルシアン・ブーテ(ルーマニア=カナダ)との一騎打ちが話題となっている。

2010年8月15日日曜日

奥村ら西部日本新人王に 福岡の試合

 15日福岡市の九電記念体育館のメインの8回戦では、日本S・バンタム級12位の蔦谷貴法(博多協栄)が奈須辰之(関)に3-0判定勝ちを飾った。地元のホープはこれで7勝4KO1敗。
 同じリングで西部日本(九州&中国地区)新人王決勝戦4組(すべて4回戦)が行われ、奥村健太らが優勝した。新人王結果は下記の通り。
F級  奥村健太(本田フィットネス) TKO4回 藤本誠之(FUKUOKA)
SB級 仲村健志(琉球) 2-1判定 大村慎吾(広拳)
FE級 知念翔太(沖縄ワールドリング) TKO4回 中尾正茂(三松スポーツ)
SL級 高橋甲(ビッグアーム) 引き分け 平山和幸(琉球)*高橋の勝者扱い
 西部日本新人王は残り2組の決勝が9月20日大分・中津体育館で予定されている。

モレノ、セルメーニョを2-1撃退 ゴロフキン初回戴冠



 パナマシティの「ロベルト・デュラン・アリーナ」で14日(現地時間)行われた恒例のWBA「KOドラッグ」シリーズでのメインカード、WBA世界バンタム級因縁の再戰は、王者アンセルモ・モレノ(パナマ)が前暫定王者ネオマール・セルメーニョ(ベネズエラ)を2-1の判定で破り、タイトルを防衛した。オフィシャル・スコアは117-112、115-113、113-115。両者が3月ベネズエラで行った統一チャンピオン戰は接戦の末やはりスプリット・デシジョンでモレノが勝っていたが、WBAは再戰を命じていた。
 同じリングで行われた空位のWBA世界ミドル級王座決定戰は、不敗のトップ・コンテンダー、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)が13位ミルトン・ヌネス(コロンビア)を初回わずか58秒でKOし、新チャンピオンとなった。
 この王座はフェリックス・シュトルム(ドイツ)がスーパー王者に格上げになったため空位になっていた。ゴロフキン(28)は19勝16KO。元アマ世界王者で、2004年アテネ五輪銀メダリスト。現IBF世界S・ミドル級王者のルシアン・ブテ(ルーマニア)をKOしたことがある。
 この日のサポーティング・カードで注目のWBA世界フライ級暫定王者ルイス・コンセプシオン(パナマ)がウィルフレド・バルデス(コロンビア)に初回KO勝ちし、戦績を21勝16KO1敗としている。亀田大毅-坂田健史戦の勝者との統一戦に照準を合わせているはずだが、一方で前王者デンガオセーン(タイ)を相手に10月暫定王座の防衛戦を行う予定という情報もある。
  写真上は58秒でミドル級新王者となったゴロフキン、下は宿敵セルメーニョに右のブローを浴びせるモレノ=PHOTOS/SUMIO YAMADA=

強いフィリピン! ニエテス敵地防衛V4

 14日(現地時間)メキシコのシナロア州グアサベで行われたWBO世界ミニマム級タイトル戦は、王者ドニー・ニエテス(比)が地元の挑戦者(11位)マリオ・ロドリゲスと12回を戦い、3-0判定勝ちをおさめた。4度目のタイトル防衛に成功。スコアは、119-109、118-110、116-112。
 ニエテス(28)は27勝15KO1敗3分。5度の世界戦は2007年の王座獲得戦を含め1戦を除きすべて敵地での試合。

2010年8月14日土曜日

最優秀にライト級徳永 西日本新人王決勝戦

 14日大阪府立体育館第二競技場にて西日本新人王決勝が行われ、各階級の新人王が決定した。
MM級  伊藤秀平(真正) 判定 松本直樹(大阪帝拳)
      40-37、39-37×2
LF級  村井貴裕(守口東郷) TKO2R2分57秒 内海秀樹(倉敷守安)
F級   角谷淳志(金沢) 判定 別所航平(興和)
      50-45×3
SF級  横山集(明石) 判定 木原涼太(Gツダ)
      39-37、39-38×2
B級  大村起論(ハラダ) 判定 西口優太(森岡)
      48-45、49-44、50-44
SB級  西口直輝(森岡) 引分 高田小次郎(六島)
      ※西口の勝者扱い 48-47(西口)、48-48×2
FE級  岡島広和(オール) KO2R2分8秒 吉村拓記(ハラダ)
SFE級 藤木孝史(新日本大阪) TKO2R1分 柳瀬達也(エディタウンゼント)
L級   徳永幸大(ウォズ) KO2R1分46秒 堀井翔(オール)
SL級  岡本和泰(奈良) 判定 楯野祥之(大鵬)
      40-36、39-37、40-37
W級  向真一郎(SFマキ) TKO4R2分14秒 竹中省吾(千里馬神戸)
M級  井上博登(高砂) KO2R2分24秒 朝原寛(倉敷守安)
 なおMVPはライト級の徳永幸大(ウォズ)、技能賞はフライ級角谷淳志(金沢)、敢闘賞はS・バンタム級西口直輝(森岡)がそれぞれ受賞。勝者は先週決まった中日本の新人王と、9月19日に同会場にて対抗戦を行う。

2010年8月12日木曜日

菊地、世界挑戦発表-9.13アナベルと


 OPBF・L・フライ級王者の菊地奈々子が9月13日後楽園ホールでWBCミニ・フライ級王者アナベル・オルティス(メキシコ)に挑戦することが12日発表された。
 菊地(白井・具志堅=現WBC同級6位)はJBC公認以前の05年11月タイでノンマイ・ソーシリポンを7回TKOに破って空位のこの王座を獲得。タイでV1も成功させ、世界王座の海外奪取、海外防衛を果たした女子界のパイオニアだ。
07年5月に米カリフォルニアでカリーナ・モレノ(米)に王座を明け渡した。「この試合は完敗。モレノさんは女子ナンバーワンだと憧れさえ感じた相手」と菊地。再戦を願ってモレノとトレーニングをしたこともあったという。そのモレノから王座を奪ったのがこのアナベルとあって、「モレノさんが負けたというのが信じられなかった。その相手に挑む、これも何かの運命だと思う」と菊地。
 アナベル(24歳)はアマ127勝52KO・RSC3敗、プロ12勝4KO1敗のレコードを持つ右のボクサーファイター。2児の母でもある。ビデオを見た菊地は「アウトボクシングがうまく、接近してもボディー打ちなど突進力もある。反応がよく、普通に打ってはまず当たらない」と高い評価を与えている。しかし「そういう選手と戦えるのはワクワクする。勝つのには手ごわい相手ですが、終始アグレッシッブに攻め、タイルトを何が何でも獲る。人生をかけて戦います」
 野木丈司トレーナーは「5月の防衛戦後、日を置かずにフィジカルトレーニングを開始して、ずっと臨戦態勢でやってきた。準備は問題ない。菊地は本物志向だからこのチャンピオンと戦う事を望んだのでしょう。一流の王者、相当難しい試合になることは覚悟していますが、菊地もしっかり成長しています」と語っている。王座返り咲きとモレノの敵討ちに打って出る菊地は12勝5KO3敗1分。
 この試合は具志堅ジムが主宰するザ・カンムリワシファイトvol36のメインイベント。セミでは同僚の山口直子がエディ・スミス(豪)を迎えてOPBF・S・フライ級王座の防衛戦を行う。 第一試合は午後6時スタートで、チケットは2万円、1万円、5千円、3千円。問い合わせは白井・具志堅ジム(03-5377-5535))

元王者サラリーマン、山田に敗れる

 11日夜、後楽園ホールのメイン8回戦に出場した元日本S・フライ級チャンピオンのサラリーマン徹平(現同級11位=花形)は神戸・真正ジムの山田卓哉に3-0判定負けを喫した。
 出だしから山田のアグレッシブな攻撃が目立った。ヘッドバッティングの注意を受けながらも、右クロスを何度と決めて元王者にロープを背負わせる。試合の1ヵ月前に首を痛め、ほとんど実戦練習をできなかったというサラリーマンだが、得意の左リードもピリッとせず防戦一方。終盤はダッキングと左フックで抵抗したものの、元気な山田の勢いをそぐことはできず。80-73、80-74、78-74の大差で山田の勝利が支持された。
「(山田は)ガンガン来る、ハートの強さも分かっていたので……」と敗者は負けを受け入れていた。24勝4KO9敗。一方、アウェーで殊勲の勝利をあげた山田は「ラストチャンスやと思ってやりました」。初のランキング入りを濃厚とし、駆け付けた応援団と喜びを爆発させた。11勝3KO4敗3分。
 そのほかの8回戦は、飯田将成(コパン星野)が和田直樹(花形)に1回TKO勝ち、宮森卓也(18古河)は藤井龍二(角海老宝石)に判定勝ち。また女子6回戦ではWBC女子アトム級15位の花形冴美(花形)がフィリピンのジュジース・ナガワに判定負けした。

アジア大会代表選考試合31日に

 今年11月に中国・広州で開催される第16回アジア大会に派遣されるボクシング競技の日本代表(男子)は今月31日夕、東京・西原のナショナル・トレーニングセンターで選考試合6組を予定している。日連がこの種の大規模大会を直前に選考試合を行って決めるのは異例で、アジア大会では16年前の広島のアジア大会以来という。
 当日は下記の6階級6試合が予定されており、フェザー級が廃止になるため、北京五輪同級代表の清水聡はバンタム級に下げ、同僚の須佐はバンタムからフライ級に下げて選考試合に臨む。男子の代表は3人枠で、31日の試合後選考委員会を開き、3階級の代表を決定する。狭き門になりそうだ。
LF 林田太郎(駒沢大学)×嶋田亨(拓殖大学)
F  須佐勝明(自衛隊体育学校)×三須寛幸(拓殖大学)
B  清水聡(自衛隊体育学校)×成松大介(東京農業大学)
L  佐藤一喜(自衛隊体育学校)×戸田健樹(日本大学)
LW 川内将嗣(自衛隊体育学校)×吉野修一郎(東京農業大学)
M  村田諒太(東洋大学職員)×藤田孝洋(東京農業大学)

2010年8月10日火曜日

新旧変則対決芹江が福島倒す 日本S・バンタム級戦


 ダブル日本タイトル戦の最初に行われたS・バンタム級戦は、王者芹江匡晋(伴流)と元日本&東洋太平洋王者(現日本11位)福島学(花形)の新旧変則ボクサー対決。結果は、今が旬の王者が勢いの差を見せつけ、福島を圧倒。7回終了後挑戦者コーナーが棄権を申し出て試合終了した。芹江は終始試合を支配した。4回に右ストレートを直撃してダウンを奪い、7回にも右を中心に再三直撃弾を浴びせて福島をダウン寸前に陥れていた。ベテラン福島も精一杯抵抗したものの、勢いの差はいかんともしがたく、芹江にタイミングのいいブローを決められ、顔を腫らした。
「やっとチャンピオンを実感できました」と試合後の芹江(27)。2度目の防衛戦でようやくチャンピオンらしい力と技を見せつけた一戦だった。一方引退覚悟で王座奪還戦に臨んだ福島(36)だったが、結果は芹江の引立役に回ってしまった。試合後引退を表明した。
写真は4ラウンドのダウンシーン。

清水、芹江ともTKO防衛 ダブルタイトル戦

 9日後楽園ホールで行われたダブル日本タイトル戦はいずれもチャンピオンがTKO勝ちを飾り、王座防衛に成功した。フライ級は王者清水智信(金子)が同級7位、キューピー金沢(青木)のしつこいインファイトを外しながらジャブ、右ストレート、ボディーにも多彩なブローでアウトボクシングし、時に被弾もしたが真正面から打ち合いに応じるなど力強さも見せた。
 金沢もよくガードして清水のパンチをブロックしたが、次第にポイントもダメージも積み重なり、6回32秒立ったままレフェリー・ストップされた。勝った清水は4度目の王座防衛。3度目の世界挑戦を目ざす清水はWBA、WBCどちらも視野に入れているというが、フライ級は亀田兄弟、坂田、内藤など日本人選手がらみの試合が続き、出番待ちの清水(29)は「来年がチャンスだと思っています」ときっぱり。写真は挑戦者金沢を迎え打つ清水。

2010年8月8日日曜日

U-15全国大会熱戦 後楽園ホール

 第3回U-15ボクシング全国大会が8日東京・後楽園ホールで開催され、小学生の部16組、中学生の部26組の計42組が行われた(うち中学1試合は不戦、他に体重オーバーで失格となったものの2組はオープン戦扱いの「ワン・マッチ」として試合は実施された)。
 大会主催は「U-15実行委員会」。実質運営は日本ボクシングコミッションと日本プロボクシング協会--とプロが主体だが、ルール等はほぼアマチュア・スタイルでの進行。「礼儀とルールの遵守」が重視され、主審が減点をとる場面もしばしば。失格で勝敗が決まる試合も2試合。また、試合を中断して、使用不可の飾りのついたトランクス、シューズを着用した選手がリングを降りて着、着替えをして試合再開というケースもあった。
 この日の会場には高校のボクシング部監督など、多くのアマチュア関係者も熱心に視察していた。4時間を超す熱戦を終えた後、小学生・中学生の部の優秀選手賞各3人ずつを選んで閉会した。
 優秀選手・小学生の部――松本圭佑(神奈川・5年)、関拳児(福岡・6年)、渡来美響(神奈川・6年)、
 優秀選手・中学生の部――岩田翔吉(東京・3年)、横田一磨(兵庫・3年)、山本輝(福岡・3年)
 ベストマナー賞は英洸貴(石川・小6年)ほか2名。

クラウド老雄下す スピンクスTKO敗



 7日(現地時間)米セントルイスで、アレキサンダー-コテルニク戦と同じリングで行われたIBF世界L・ヘビー級タイトルマッチは王者タボリス・クラウド(米)が、41歳の元王者グレン・ジョンソン(米=ジャマイカ)に3-0判定勝利を収め、初防衛に成功した。
 2回、攻勢をかけたジョンソンに対し、5回、クラウドがダーメージングブローを浴びせ追い詰める。その後また拮抗したが、クラウドは終盤、タフなジョンソンを畳み掛けて終了。スコアは3者一致の116-112でクラウドの手が上がった。
 クラウド(28歳)は21勝18KO無敗。ジョンソンは50勝34KO14敗2分。
 同リングのIBF世界J・ミドル級タイトルマッチは挑戦者2位コーネリアス・バンドリッジ(米)が地元の王者コーリー・スピンクス(米)に5回1分28秒TKO勝ちでベルト獲得。
 写真上は、地元のスピンクスを倒したバンドリッジ、下はジョンソンに右ストレートを浴びせるクロウド=PHOTOS/SUMIO YAMADA=

アレキサンダー苦戦 コテルニクに判定勝ち


 WBC&IBF世界S・ライト級王者デボン・アレキサンダー(米)が7日(現地時間)地元セントルイスで、前同級WBA王者アンドレイ・コテルニク(ウクライナ)を迎え、防衛戦を行った。
 ダウンシーンはなし。前半、アウトボクシングで優位に立ったアレキサンダーに、コテルニクは4回あたりからコツコツとパンチをコネクトして挽回をはかる。手数でアレキサンダー、的確さでコテルニクという展開はその後も続き、王者は右マブタをカット。2度のドクターチェックでOKが出たアレキサンダーが遠目からパンチをヒットするのに対し、ウクライナ人は最後まで勝負への執念を見せ、右を何度も決めた。
 公式スコアは3者一致の116-112でアレキサンダーが支持された。
 WBO王者ブラッドリーへ統一戦を呼びかけたアレキサンダーは21勝13KO無敗。米国初ファイト、善戦のコテルニクは31勝13KO4敗1分。
 写真はコテルニクに左フックで攻めるアレキサンダー=PHOTO/SUMIO YAMADA=

2010年8月7日土曜日

下田、不満の負傷判定防衛 OPBFバンタム級戦


 7日夜後楽園ホールで行われた東洋太平洋(OPBF)S・バンタム級タイトルマッチ12回戦は、新王者下田昭文(帝拳)と1位挑戦者孫昌鉉(韓国)の間で好試合になりかけた5回34秒、下田の左側頭部のカットが深くなりストップ。3-0の負傷判定勝ちで下田が初防衛に成功した。 
 スピードが売り物のサウスポー下田に対し、13戦不敗の好選手孫もいきなりの右を狙ってキビキビした攻防が展開された。下田は孫の左フックを浴びる場面もあったが、ボディーに左を集めてポイントを上げ、いいペースを保っていた。しかし4回に偶然のバッティングがあり、下田は左側頭部を大きくカット。孫もまた左目上をカットして両者出血した。試合は一時中断され、ドクターが入念にチェック。次の5回早々、ぺリグリノ主審(比)はコミッションドクターの勧告を容れて試合をストップ。負傷判定ルールが適用され、5回を含む3人のオフィシャルの途中採点はペルグリノ、金在勲(韓)がいずれも49-47、熊崎広大(日)も49-46と全員一致で下田の勝ちを支持していた。 
 初防衛に成功した下田は「久々の後楽園ホールだったんで、KOで勝ちたかった。もっと修行しなくては……」と不満そう。本田明彦会長がフォローして「(下田は)前半から取っているし、悪くなかった。後は、来年中に世界やりたいと言っているから、それまでにどれだけキャリアを積むかだね」と、下田の悲観的なコメントを修正した。

中川がベルト返上 沼田-加藤で日本ウェルター級王座決定戦

 7日後楽園ホールで予定されていた日本ウェルター級タイトルマッチは、チャンピオンの中川大資(帝拳)が練習中にわき腹を痛めたためキャンセルとなっていたが、中川は2日付でタイトルを返上。空位となった王座の決定戦は、中川と対戦する予定だった前王者(現4位)沼田康司(トクホン真闘)と、同級2位の加藤壮二郎(協栄)の間で9月22日後楽園ホール行われることに急きょ決まった。
 勝者は3ヵ月以内に1位の井上庸(ヤマグチ土浦)相手の防衛戦を義務づけられている。

最優秀・柘植、技能・松本、敢闘・田中 中日本新人王決勝


 中日本地区の新人王が決まった――7日、愛知県名古屋市公会堂で中日本新人王決定戦9試合が行われ、各級で熱戦が繰り広げられた(ライト、S・ライト級は不戦、ミドル級は参加者なしだった)。結果は下記の通り。 
MM級 北原和馬(畑中) KO1R2分11秒 大前博史(中日) 
LF級 菖蒲晋也(松田) 判定 杉原良雄(駿河)
     (40-37、40-36、40-36) 
F級  岡本匡史(畑中) TKO3R1分10秒 村瀬恭兵(岐阜ヨコゼキ) 
SF級 田中裕士(畑中) 引き分け 赤瀬優介(浜松堀内)
     (40-37、39-39、38-38) 
B級  柘植雄季(駿河) TKO5R2分25秒 佐藤成吾(松田) 
SB級 松本章宏(カシミ) 負傷判定4R1分16秒 三村達志(岐阜ヨコゼキ)
     (40-37、40-36、40-36) 
Fe級 村松翼(駿河) 判定 神谷庸宏(大一スペースK)
     (39-37×2、38-38) 
SFe級 藤澤光祐(大一スペースK) 判定 福地翔太(トコナメ)
      (50-46、49-46、48-48) 
L級  田村将道(三河) 不戦勝 白川亮(トヤマ) 
SL級 内山篤(松田) 不戦勝 石崎洋(トヤマ) 
W級  堀隆弘(HEIWA) KO1R1分42秒 滝本裕大(薬師寺 ) 
S・フライ級で引き分けとした2ジャッジはいずれも田中の勝者扱いとしていた。 なお試合後、MVP・柘植雄季、技能賞・松本章宏、敢闘賞・田中裕士の三賞が選ばれた。勝者及び勝者扱いの各新人王=写真=9月19日、大阪府立体育会館第二競技場で西日本新人王との対抗戦に臨む。

2010年8月6日金曜日

河野のWBC王座決定戦発表-内山とダブル戦に

 調整に手間取っていた河野公平のWBC・S・フライ級王座決定戦出場が正式に決まり、今日発表会見が行なわれた。ビック・ダルチニアン(豪)が名誉チャンピオンへと繰り上がり、空位となった王座を河野と2位トーマス・ロハス(メキシコ)が争う。
 名城戦以来2年ぶりのチャンスを得た河野は、「勝って、いままでの苦しみがこの日のためだったと思えるよう全力を尽くします」と時に涙で言葉を詰まらせながら語った。 プロモーターの渡辺均会長が河野に新しいニックネームをプレゼント。“リトル・ブルドーザー”という名前に河野も「僕にぴったり」と笑顔。この日は河野をサポートしてきた父・豊藏さんも姿を見せ、「公平の一番のポイントはモチベーション。本番に強い。自分の実力のほどはわかっているだろうが、ここまできたらやるしかない。突き抜けて欲しい」とエールを送った。
 これで9月20日さいたまスーパーアリーナの主要カードが決定。内山-ムクリスのWBA・S・フェザー級戦とダブル世界タイトルマッチがメイン。福原力也-グレク・イーディ(豪)のOPBF・S・フェザー級王座決定戦と三垣龍次-金井アキノリの同ライト級戦を加えてタイトルマッチが4試合となった。またフライ級ランカー金城智哉の相手は当初予定のモハメド・ラクマン(インドネシア)からWBO10位のアンキー・アンコタ(インドネシア)に変わった。こちらは6回戦。大阪帝拳ジムからワタナベジムに移籍した國重隆(L・フライ級7位)は沼田慶一(E&Jカシアス)と6回戦。
 チケットは5万円、4万円、3万円、2万円、1万円、6千円。発売日等の問い合わせはワタナベジムまで03-5449-3278
※写真は父とファイティングポーズの河野

2010年8月4日水曜日

エディ賞受賞竹本トレーナー逝く

 元グリーンツダジムのトレーナーとして井岡弘樹や山口圭司らの世界王者誕生に貢献した竹本吾一さんが亡くなっていた。2日兵庫県尼崎市の自宅で死去していたのを、自宅を訪れた親戚に発見された。62歳だった。
 竹本さんは宮崎県小林市出身。東京の田辺ジムでプロ生活を送った後、大阪・天下茶屋にグリーンツダジムがオープンすると、津田博明会長(故人)から請われてトレーナーに就任。赤井英和はじめ、井岡、山口、徳山昌守らを指導。草野球の監督をしていたことから、いつか「竹本監督」の愛称で呼ばれるようになった。愛情のこもった指導で、選手たちから慕われ、96年には優れたトレーナーに与えられる「エディ・タウンゼント賞」を受賞している。近年は指導現場から離れ、すい臓がんで闘病生活を続けていた。
 葬儀は明日5日に近親者のみで行い、同日夕刻5時頃から尼崎市内の居酒屋「竹林亭」(七松町3-1-26)で偲ぶ会を開く。

団体は青森工業が初優勝 沖縄インターハイ終了

 沖縄県豊見城高校体育館で熱戦が展開された全国高校総体ボクシング競技は3日最終日を迎え、8階級のインターハイ王者が誕生した。昨年に続き連覇達成はL・フライ級の野邊と、バンタムからライト級に上げた藤田弟の2人だけ。藤田兄は前年フェザー級からバンタムに落として今大会に臨んだが、昨年準優勝の中澤が8-5で接戦を制し、藤田兄弟の連覇を阻止した。松本、高橋、西條はいずれも春の選抜に続いての2冠制覇。
 なお、団体では重量級が活躍した青森工業高校(20点)が初優勝。以下2位興国高校(19点)、3位南京都高校(18点)、4位倉敷高校(17点)、5位作新学院高校(16点)の順だった。
 各級決勝記録は下記の通り。
P  安納佑樹(栃木・作新学院) ポイント 中嶋一輝(奈良・奈良朱雀定)
LF 野邊優作(兵庫・西宮香風) ポイント 内山雄平(愛知・享栄)
F  松本 亮(神奈川・横浜) 棄権2回 矢野 亮(広島・広陵)
B  中澤 奨(大阪・興国) ポイント 藤田大和(岡山・倉敷)
L  藤田健児(岡山・倉敷)ポイント 井上浩樹(神奈川・相模原青陵)
LW 高橋拓磨(京都・南京都) ポイント 斉藤一貴(東京・駿台)
W  西條貴陽(群馬・太田東)ポイント 三浦 隼(青森・青森工業)
M  荒内俊樹(青森・青森工業) 棄権2回 宮本考朗(愛知・愛知産大三河)
=写真は青森工業高校の初優勝を決めたミドル級決勝戦で宮本に棄権勝ちした荒内俊樹

44歳西澤、豪州で判定負け マイナー団体王座戦

 44歳の元東洋太平洋S・ミドル&・L・ヘビー級王者、西澤ヨシノリが31日オーストラリア・サウスウェルズ・カンウォルのワイオン・ラグビーリーグ・クラブで、地元のピーター・ブレナン(豪)とクルーザー級で対戦したが、12回3-0判定で敗れた。採点は120-109、120-108、116-112だった。
 日本ではコミッションから引退勧告を出され、3年半前を最後にリングに上がっていない西岡だが、その後は韓国、オーストラリアなど、年齢制限の緩いコミッションを頼りに試合を続けている。これで直近の試合で3連敗。なおこの試合はWBF(世界ボクシング基金)、WPBF(世界プロボクシング連盟)、UBC(ユニバーサル・ボクシング評議会)とマイナー3団体のクルーザー級王座が懸けられていた(WBFのみインター王座)。
 西澤に勝って一気に3王座を手に入れたブレナン(30歳)、レコードはこれで6勝1KO14敗(8KO)4分となった(戦績はボックスレックによる)。

2010年8月3日火曜日

7月のMVPは佐々木に 同僚亀海は敢闘賞

 東日本ボクシング協会選定の7月の月間賞が決まった。最優秀選手賞は、20日の東洋太平洋S・ライト級タイトルマッチで王者ランディ・スイコ(比)との激闘を制し、ダウンを奪って判定勝ちし東洋太平洋2階級制覇を果たした佐々木基樹(帝拳・34)が選ばれた。月間MVPはこれが3度目の受賞となる。
 同じリングで行われた日本S・ライト級タイトルマッチで挑戦者塩谷智行(レパード玉熊)の挑戦を4回TKOで撃退し初防衛に成功した王者亀海喜寛(帝拳)は敢闘賞を受賞。また新鋭賞には、13日のオープン8回戦で、元日本ランカーの石垣栄(平仲BS)を判定で破り日本S・ライト級10位に上がった菊地祐輔(新日本仙台)が選ばれた。
佐々木らの表彰式は8月7日後楽園ホールのリング上で予定されている。

バンタムは藤田大-中澤が激突へ インターハイ準決勝結果

沖縄全国高校総体(インターハイ)準決勝の全試合結果は下記の通り(左端は階級)。
P  安納佑樹(栃木・作新学院) ポイント 下岡詢平(福井・羽水)
P  中嶋一輝(奈良・奈良朱雀) ポイント 橋詰将義(大阪・興国)
LF 内山雄平(愛知・享栄) ポイント 本間佳佑(新潟・巻総合)
LF 野邊優作(兵庫・西宮香風) ポイント 吉房克曜(富山・星槎国際)
F  松本 亮(神奈川・横浜) ポイント 高野裕基(岩手・水沢工)
F  矢野 亮(広島・広島広陵) ポイント 山村隆博(熊本・九州学院)
B  藤田大和(岡山・倉敷) ポイント 石渡通浩(千葉・習志野)
B  中澤 奨(大阪・興国) ポイント 江口 礼(栃木・作新学院)
L  藤田健児(岡山・倉敷) ポイント 伊藤未来也(東京・駿台学園)
L  井上浩樹(神奈川・相模原青陵) ポイント 渡邊義友(栃木・白鷗大足利)
LW 斎藤一貴(東京・駿台学園) ポイント 永田 颯(富山・上市)
LW 高橋拓磨(京都・南京都) RSC1回 酉井喬之(福岡・豊国学園)
W  西條貴陽(群馬・太田東) ポイント 荒蒔浩太(茨城・大子清流)
W  三浦 隼(青森・青森工) RSC2回 澤江将樹(熊本・九州学院)
M  宮本考朗(愛知・愛知産大三河) ポイント 林赳史(北海道・札幌工)
M  荒内俊樹(青森・青森工) KO3回 山元祥多(京都・南京都)

2010年8月2日月曜日

英国で「WBC王者の夜」 西岡に年間最高KO賞



 イギリス訪問中のWBC世界S・バンタム級王者西岡利晃(帝拳)が、次期挑戦者(1位)レンドール・ムンロー(英国)と初のご対面――同僚の粟生隆寛(前WBC世界フェザー級王者)とともにロンドン経由でカーディフ入りした西岡は31日、市内のカーディフ・インターナショナル・アリーナで催された「WBCチャンピオンの夜」と題したパーティの会場で、つかの間遭遇したムンローと顔が触れるほどの近距離でポーズをとった。両者は10月24日東京・両国国技館で対戦が決まっており、その「前哨戦」で静かな闘志をぶつけ合ったもの。
 この日は会場に新旧70人を超すチャンピオンが集い、この中には日本にもお馴染みの勇利アルバチャコフさんの他、ロベルト・デュラン、カルロス・サラテ、アルフォンソ・サモラといったリング史上のグレートの姿があった。
 WBCはこのパーティの席上、昨年(2009年)の優秀選手の表彰式を催し、西岡には「年間最高KO賞」が贈られた。対象となったのは、もちろん逆転KO勝ちしたジョニー・ゴンサレス戦。「クリチコなんかと一緒に賞をもらえて光栄です」と西岡は晴れ舞台で満足そうに語った。この日の他の表彰は、ヘビー級のビタリ・クリチコ(ウクライナ)、ミドル級のセルヒオ・マルチネス(亜)が最優秀ボクサーに、最高試合は意外にも昨年5月イタリアで行われたジャコッべ・フラゴメッニ-クリストフ・ウロダルチェクのクルーザー級タイトル戦が選ばれた。女子の最優秀選手は、7月に王座を追われたばかりだが昨年3度防衛したフェザー級王者イナ・メンツァー(独)に贈られた。
 写真上は次期挑戦者ムンローと初めて顔を合わせた西岡。同下はヘビー級王者クリチコらとともにWBCから表彰された西岡(右端)。=PHOTOS/TEIKEN PROMOTION=

強豪対決、野邊が井上尚を6-3で制す 沖縄インターハイ準々決勝

 1日全国高校総体(インターハイ)のボクシング競技は4日目を迎え、沖縄県豊見城市の豊見城高校体育館で8階級の準々決勝32試合が行われた。
 注目のL・フライ級は、昨年度の優勝者同士が激突。モスキート級から1階級上げた井上尚弥(神奈川・相模原青陵)がこの階級で2連覇を狙う野邊(のべ)優作(兵庫・西宮香風)と接戦を展開した。1、2ラウンドとやや野邊が押し気味。井上は野邊の堅いガードを崩せない。3ラウンドに盛り返したが、失点を挽回できず、野邊が6-3のポイントで強敵を制した。実力者同士の一戦は期待通りの好試合だった。
バンタム級藤田大和(岡山・倉敷)は佐々木健介(岩手・水沢第一)を2回で、ライト級藤田健児(岡山・倉敷)は家入誠輝(宮崎・日章)を初回でそれぞれRSC勝ちし、兄弟連覇にまた一歩近づいた。明日の準決勝で関東の強豪・伊藤未来也(東京・駿台学園)と対戦する。

2010年8月1日日曜日

ズビック、サルティソンとも判定防衛 ドイツのダブル世界戦

 31日ドイツのハンブルクでダブル世界タイトル戦が行われ、いずれもドイツの王者がタイトルを守っている。
 WBC世界ミドル級暫定王者セバスチャン・ズビック(ドイツ)は、同級14位ホルヘ・エイランド(亜)をテクニックで圧倒し3-0判定勝ち。1年前に獲得した暫定王座の3度目の防衛に成功した。スコアは117-111(2人)、116-111と大差がついた。ズビック(28)はこれで30勝10KOと不敗記録をのばした。正規王者セルヒオ・マルチネスとの統一戦を望んでいるが、まだ実現の具体的動きはない。
 同じくWBA世界S・ミドル級王者ディミトリ・サルティソン(ドイツ)は、同級5位のサウスポー、コーレン・ゲボル(アルメニア)の挑戦を激闘の末3-0判定に退け、昨年11月の決定戦で獲得した王座の初防衛を果たしている。これで27勝17KO1敗。ゲボルは3度目の世界挑戦も失敗(31勝10KO5敗)。

マルケス2冠守る ディアスを返り討ち


 WBA&WBO世界ライト級王者フアン・マヌエル・マルケス(メキシコ)-元世界ライト級3冠王者フアン・ディアス(米)の一戦が31日(現地時間)ラスベガスで行われ、マルケスが大差の判定勝ちを収め、2冠を守った。
 昨年の対決はマルケスの痛烈なKO勝ちに終わったが、今回ダウンシーンはなし。前半から両者持ち味を発揮したテンポの速い試合になった。その中でスキルとパワーで勝るマルケスが展開を支配。5,6ラウンドには終了間際にディアスにダメージを与えて断然優勢。しかしディアスはそこで踏ん張り、応戦。マルケスは左目を大きく腫らす。終盤、両者はパンチ交換で会場を沸かせ終了。公式スコアは116-112,118-110、117-111でメキシカンが支持された。
 マルケスは「難しい試合だった。ディアスはテクニックよりもハートで勝負するタイプ。ファンのためにパッキアオとの第3戦を実現させたい」とコメントしている。(三浦勝夫)
写真はディアスに右ストレートを決めるマルケス=PHOTO/SUMIO YAMADA=

仲村11連続KO 加治木をストップし現役最長


 1日に大阪・IMPホールで2部興行が開催され、1部のメーンでは日本スーパーフェザー級4位の仲村正男(22=仲里ATSUMI)がノンタイトル10回戦(59・5キロ契約)に登場。06年全日本フェザー級新人王の加治木了太(22=大鵬)を8回58秒TKOで下し、デビュー戦からの連続KO勝利を11に伸ばした。
 スピードで勝る仲村は開始から左ジャブをヒットさせて主導権を握った。3回には加治木の左目上をパンチでカット。4回にはバッティングで自身も左目じりから流血したが勢いは衰えず、ロープに詰めて連打を繰り返す。最後はタオル投入と当時にレフェリーからストップがかかった。
 現役では最長記録となる連続KOについて仲村は「KOを狙うと自分のボクシングが壊れるので意識していない。これまでの最長ラウンドは4回だったが、8回やっても体力に問題はなかった。上を狙うには、今の自分ではまだスキが多い。近道せず、遠回りで目指したい」。試合後は大阪・興国高で1学年下の井岡一翔らに祝福され、笑顔を見せていた。仲里会長によれば、ライト級も含めて日本か東洋太平洋王座に次戦で挑戦させたいという。
 また同興行では8回戦も3試合行われた。元日本フェザー級2位の宮城竜太(大鵬)は、山本直(守口東郷)に重いパンチを決めて3回2分11秒TKO勝ち。スーパーライト級の竹中聡(大鵬)は村澤光(尼崎)に2―0判定勝ち。採点は76―76、78―76、78―77。フライ級の中澤翔(大鵬)は鈴木遼(真正)に3―0の判定勝ちだった。

ピログ、一撃でホープ沈める WBOミドル級

 リナレス-フアレス戦などと一緒に行われたWBO世界ミドル級王座決定戦は意外な結末。戴冠を予想された“ゴールデンチャイルド”ダニエル・ジェイコブス(米、1位)がディミトリ・ピログ(ロシア、2位)に5回57秒KO負けを喫した。
 2回、右でジェイコブスの腰を落としたピログ。3,4ラウンドとジェイコブスがコンビネーションでリードしたが、5回、ロシア人の右クロスが命中。仰向けに倒れたジェイコブスはピクリとも動かず、主審はカウント中に試合を止めた。
 殊勲のピログは17勝14KO無敗。初黒星のジェイコブスは20勝17KO1敗。(三浦勝夫)

元王者リナレス、ベガスで大差の勝利


 ラスベガスのマンダレイベイ・ホテルで31日、ロッキー・フアレス(米)と再起2試合目を戦った元フェザー級、S・フェザー級2階級制覇王者ホルへ・リナレス(帝拳)は、巧妙なアウトボクシングを見せ大差の判定勝ちを飾った。リナレスは空位だったWBAフェデラティン・ライト級王座を獲得した。
 リナレスはシャープな左ジャブ、アッパーを軸に攻撃を組み立て、5回終了間際には左アッパーでフアレスからダウンを奪った。その後も快調なフットワークに乗せてアウトボクシングを披露。9、10ラウンドとフアレスの反撃打をもらう場面があったが、ダメージはなく、そのまま逃げ切った。スコアは99-90が2人に97-90の3-0でリナレスの勝ち。
 リングサイドで観戦した本田明彦・帝拳ジム会長は「フアレスは非常にタフな選手。ジャブを突いて距離を保ち、手堅い勝ちをねらった。きょうのリナレスはガードもよく、合格点だった」と話している。(三浦勝夫)
 なお試合の模様はこの日のメインカード、フアン・マヌエル・マルケス-フアン・ディアスの世界ライト級戦とともに明日2日夜8時からのWOWOWエキサイトマッチで放映される。

井上、藤田兄弟ら順当勝ち 沖縄インターハイ3日目

 沖縄県豊見城市の豊見城高校体育館で開催されている全国高校総体(インターハイ)第64回全国高校選手権は31日大会3日目を迎え、3回戦64試合が行われた。
 注目の前年度モスキート級(今年からピン級)優勝・井上尚弥(相模原青陵)は1階級上げL・フライ級で勝ち進み、同級前年度優勝の野邊優作(西宮香風)と1日の準々決勝で対戦することになった。岡山の藤田兄弟は、ライト級の弟健児(倉敷)、バンタム級の兄大和(倉敷)とも順当に勝ち進み、兄弟同時2連覇に接近中。
 春の高校選抜で全試合RSCもしくは棄権勝ちで優勝したフライ級強打者松本亮(横浜)は今大会も強打にものをいわせているが、3日目はRSCならず、相手の反則で失格勝ちとなった。L・ウェルター級高橋拓磨(南京都)、ウェルター級西條貴陽(太田東)の選抜優勝組も予想通り勝ち進んでいる。
 地元沖縄勢は、開催県の特権で全階級に出場したが、残念ながら残るはミドル級ジュリアン・ジョンソン(宮古総合実業)ただ1人になってしまった。1日はピン級からミドル級まで全8階級の準々決勝が行われる。