2010年2月28日日曜日

マヨール、倒されて王座守る

 リングから担架で退場したロデル・マヨール(比)が初防衛に成功した。
 メキシコ・グアダラハラで27日(現地時間)行われたWBC世界L・フライ級タイトルマッチは波乱の幕切れ。3ラウンド、リング中央のパンチ交換中、1位挑戦者オマール・ニーニョ(メキシコ)がローブローを放ち、マヨールは痛がる仕種を見せる。ビック・ドラクリッジ主審(米、ネバダ州)が中断をかけようとしたところ、ニーニョの左フックがノーガードのマヨールを直撃。昏倒した王者はピクリとも動かない。KO勝ちを確信したようにニーニョと彼の陣営は歓喜したが、主審がブレイクをかけ、ニーニョの背中に手が触れていたのは事実。インスペクターのWBCスライマン会長子息マウリシオ氏は主審と協議した結果、「テクニカル・ドロー。ダイレクト・リマッチ」の裁定を下した。
 戴冠戦のエドガル・ソーサ戦ではTKO前のバッティングが論議を呼んだマヨール。今回もハプニングに遭遇したが、2回にはニーニョをダウン寸前に追い込んでいた。ニーニョはラスベガスでブライアン・ビロリアからベルトを奪うも、ドーピング検査でアウトになるなど、タイトル戦では何かとお騒がせだ。

2010年2月27日土曜日

黒田TKO勝ち 細川は敗れる

 26日後楽園ホールで行われたノンタイトル8回戦は、日本Lフライ級6位の黒田雅之(川崎新田)が佐藤靖明(西遠)に4回TKO勝ちした。
 黒田は佐藤のしつこいインファイトにてこずったが、距離をつぶされながらも引いて当てたり、細かいボディー打ちで対応。迎えた4回残り1分、右ストレートでのけぞらせた後の一気の連打で福地レフェリーのストップを呼び込んだ。タイムは2分52秒。
「先手で攻めて相手を下がらせて距離をつくることはできなかったけど、臨機応変に戦ったから、まあヨシとしましょう」とは新田渉世会長。次戦は4月にも予定される。16勝12KO3敗。
 またこの日の6回戦では日本ライト級ランカーの細川バレンタイン(宮田)がサウスポー島村国伸(ワタナベ)に2-1判定負け。細川はたくましい肉体からワイルドなパンチを振って出たが、島村も強気に打ち合う。逆に相手を押し込むと、2回に右フックからの左で細川をダウンさせた。細川は右で島村をのけぞらせるなど反撃したが、スタミナ不足も影響し、結果スプリット採点で黒星を喫した。

2010年2月26日金曜日

オルティス最終回KO勝ち


 25日(現地時間)ロサンゼルスの「クラブ・ノキア」で行われた10回戦で、WBA・S・ライト級3位ビクトル・オルティス(米)がエクトル・アラトーレ(米)に10回KO勝ちを収めた。
 リングサイドにプロモーターのオスカー・デラホーヤ、シュガー・レイ・レナード、大リーグの本塁打記録を持つバリー・ボンズ、人気俳優のマリオ・ロペスらが陣取る中、開始ゴングを聞いた試合。これがマイダーナ戦の敗北から2戦目となるオルティスが身長、リーチ差を生かしてアウトボクシングでリード。この試合まで16勝5KO8敗のアラトーレは、KO,TKO負けが1度もないタフガイ。固いガードで決定打を回避する。判定決着ムードが漂う中、最終10回、サウスポー、オルティスは渾身のラッシュ。なおも畳み掛けると、アルトーレはリング中央に大の字。立ち上がったが、ダメージが深く、主審がストップを宣告した。タイムは51秒。
 これで26勝21KO2敗1分となったオルティスに、デラホーヤ、シェリー・フィンケル・マネジャーはビッグマッチを画策するもようだ。(三浦勝夫)

リナレス、再起戦はロレンソと対戦

 サルガド戦のショッキングなKO負けから再起に向けて帝拳ジムで調整中の前WBA世界S・フェザー級王者ホルへ・リナレスの相手が決まった。母国ベネズエラで3月27日リング復帰を予定するリナレスは、元WBC世界S・フェザー級王者フランシスコ・ロレンソ(ドミニカ共和国)と対戦することになった。
 リナレスは当初、同級元IBF王者カルロス“ファモッソ”エルナンデス(米=エルサルバドル)を迎えるといわれたが、交渉が難航。ロレンソと元フェザー級王者ケビン・ケリー(米)が対戦者として浮上していた。ロレンソ(34勝15KO7敗)は現王者ウンベルト・ソト(メキシコ)に失格勝ち(レフェリーがソトがノックダウンを奪った後に加撃したと判断)して王者に認定されたが、再戦で無冠になった。38歳のベテラン右ファイター。
 リナレス-ロレンソ戦は当日のメイン“11回戦”で予定され、地域タイトルが冠されると思われる。また当日はアンセルモ・モレノ(パナマ、正規王者)-ネオマル・セルメーニョ(ベネズエラ、暫定王者)のWBA世界バンタム級“統一戦”も行われる。

2010年2月25日木曜日

亀田初防衛戦2月27日チケット先行予約開始

2階級制覇を成し遂げた亀田興毅が暫定王者ポンサクレックを迎えるWBC世界フライ級タイトルマッチ・王座統一戦の内容が確定。チケットは2月27日からチケットぴあで特別先行予約がスタートする。詳細は以下の通り-
■カード
WBC世界フライ級王座統一戦 正規王者・亀田興毅(亀田)対 暫定王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)
WBC世界ミニマム級タイトルマッチ 王者 オーレドン・シッサマーチャイ(タイ)対 世界同級3位 黒木健孝(ヤマグチ土浦)
WBC女子世界アトム級タイトルマッチ王者 小関桃(青木)対 世界ライトフライ級4位・申建主(韓国)
●日時/2010年3月27日(土)、午後3時30分開場、午後4時前座試合開始
●会場/有明コロシアム
●問い合わせ/タイトルマッチ事務局 電話050-5810-3481(月~金 AM11時~PM6時)
●チケット料金席/アリーナSRS 105,000円/アリーナRS 52,500円/アリーナS 31,500円/スタンドS 21,000円/スタンドA 10,500円/スタンドB 6,300円
●チケット発売/ぴあ特別先行2月27日(土)~3月1日(月)一般PG先行3月2日(火)~3月6日(土)一般発売3月7日(日)
※小学生以上はチケットが必要です。未就学児童は大人1人につき1人まで膝上無料。会場には駐車場がございませんのでお車でのご来場はご遠慮ください

2010年2月24日水曜日

デラホーヤの「ファイト・ナイト・クラブ」にオルティス登場


 昨年からスタートしたオスカー・デラホーヤの地元ロサンゼルスでの興行「ファイト・ナイト・クラブ」。今年第1回目となる25日のカードの記者発表会が23日(現地時間)会場の「クラブ・ノキア」で行われた。
 新人発掘シリーズとして始まった昨年は6回戦、8回戦が中心だったが、25日の試合ではスーパー・ライト級ランカー、ビクトル・オルティス(米)が10回戦で、エクトル・アラトーレ(米)と対戦する。オルティスは昨年、マルコス・マイダーナ(アルゼンチン)とWBA暫定王座を争い、ダウン応酬の超激戦の末、TKO負け。その後、元トップランカー、アントニオ・ディアスをTKOで下し再起している。デラホーヤが自身の後継者と期待する選手で、「今年2010年、彼(オルティス)は世界チャンピオンになる!」とゴールデンボーイに言わしめている。
 当日はこの試合を含めて8試合が予定されている。(三浦勝夫)

サーシャ、凱旋2戦目は判定勝ち

 昨年12月に続き、故郷ロシアのリングに登場したアレクサンデル・バクティン(日本名サーシャ・バクティン)が2月22日、ロシア・イジェフスクでニック・オテーノ(ケニア)に12回判定勝利を収めた。
 初回終盤、右でダウンを奪ったサーシャが終始プレッシャーをかけてリード。スコアは2ジャッジが120-107、もう一人は120-108と大差でサーシャが支持された。試合は4選手で争われるWBC世界バンタム級挑戦者決定戦の初戦として挙行された、と報道されている。
 なお、12月の試合でサーシャの相手を務め、不幸にもリング禍に見舞われたルジマノフ選手(ウズベキスタン)だが、その後回復。リハビリに務めているという。

沼田TKO勝ち 方波見は荒井に判定負け


 23日夜、後楽園ホールで行われたウェルター級10回戦は前日本王者の沼田康司(トクホン真闘)が同級10位出田裕一(ヨネクラ)に8回1分41秒TKO勝ち。久しぶりの勝利を飾った。
 序盤の沼田は手数が少なく、これに乗じて出田がジャブ、ストレートでポイントを集めた。ベルトを失った中川戦を思い出させるような展開だったが、沼田は5回からプレスを強化。ショートカウンターをこつこつと決めて出田に鼻血を出させると、迎えた8回、ボディー攻めから上への左フックが爆発。効かされた出田も果敢に打ち合ったが、これが裏目と出て、再度左フックを直撃されてダウン。同時に福地主審が試合をストップした。
「全然ダメです」と反省の弁が出た沼田だが、今回は08年9月山口裕司戦以来の白星。「中川戦と違って相手を誘った。ナサレノ戦より後ろ加重で構えて戦った」と連敗で得た教訓を生かしてのカムバックだった。沼田は16勝11KO4敗1分。出田は初黒星(12勝7KO)。
 またメイン格で行われたライト級8回戦で波乱。日本S・ライト級3位まで上がったサウスポー、方波見吉隆(伴流)がノーランカー荒井遼晴(角海老宝石)に3-0判定負けを喫した。方波見は独特の“ハメド・スタイル”で荒井に強打を振るったが、荒井の右ストレートでのけぞらされるなど苦闘。6回にこれでダウンを奪われ、接戦を落とした。スコアは77-76が2者に77-75。
 もうひとつの8回戦は、ピューマ渡久地ジムの神谷優季が笠井康(高崎)に判定勝ちした。

スリル再び 湯場、渡部を5回TKO撃退


 スリリングな強打戦再び――3階級日本王獲得の湯場忠志(都城レオスポーツ=現日本S・ウェルター級4位)対日本ウェルター級6位・渡部あきのり(協栄)の2年越しのリマッチは22日夜後楽園ホールで行われ、再び激戦が展開された結果、5回1分5秒レフェリー・ストップによるTKO勝ちで湯場がライバルを返り討ちにした。
 90秒で終わった前回のような派手な倒し合いこそなかったものの、KOの機会が交互に訪れる白熱の攻防が続いた。渡部(旧牛若丸あきべぃ)は初回果敢に攻めて出た。湯場の強打にダウン(判定はスリップ)する場面もあったが、ひるまず、2回には左ストレートを、3回には右フックのカウンターを決めて湯場を一瞬窮地に立たせ、試合の主導権を握った。湯場は両目上をカットして流血を強いられる。
 形勢不利になりかけた湯場は4回をコーナーの指示に従って手控え、回復に当てた。これがうまく当たり、続く5回後半、一気に攻めて渡部にロープに詰めて連打。ここで少し早めのレフェリー・ストップがかかった。
 試合後敗者は「結果がすべて」と無念の涙をのみ、一方の勝者は喜びを満面にあらわしたが、渡部との再再戦については「3度目はないでしょう、やりたくありません」。湯場(33)は36勝27KO5敗2分、渡部(24)は19勝17KO4敗。

2010年2月23日火曜日

八巻裕一選手死亡 JBC設立後37例目


 19日夜後楽園ホールの試合でTKO負けした後意識不明に陥り、硬膜下血腫と診断され緊急手術を受けていた日本フライ級11位・八巻裕一選手(野口=26)は、22日帰らぬ人となった。日本のプロ選手の関係した試合における死亡事故は、1957年の日本ボクシングコミッション設立後37例目となる。
八巻選手は埼玉県出身。2003年10月にプロデビューし、これまで16戦7勝5KO9敗のレコードを残していた。八巻選手の葬儀の日取りは未定。実家のある埼玉県内で営まれる予定という。

2010年2月22日月曜日

長谷川&西岡ダブル防衛戦発表 4.30日本武道館

 長谷川&西岡4月にそろって世界戦――ダブル世界タイトル戦の発表会見が22日、東京・九段のホテルグランドパレスで行われた。長谷川穂積(真正)がWBO王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)を迎えるWBCバンタム級、西岡利晃(帝拳)が11位バルヴェグ・バンゴヤン(フィリピン)を迎えるWBC・S・バンタム級の両タイトルマッチに、粟生隆寛(帝拳)の世界前哨戦をくわえた豪華興行は4月30日(金)に日本武道館で開催される。
 日本ではWBO未公認のため、長谷川-モンティエル戦はWBCタイトルのみがかけられることになった。しかしWBOの現役チャンピオンを相手に事実上の統一戦に臨む長谷川自身「興味があるのはWBCとWBOのチャンピオンのどちらが強いのか、それだけです」と発言。「ウィラポンに挑戦した時みたいに熱い気持ちで練習できる」と腕ぶした。
 モンティエル(試合時31歳)はWBOフライ、J・バンタム、バンタムの3階級制覇王者として知られ、先日米国でチソ・モラレスを初回KOで仕留めてバンタム級王座V1に成功したばかり。40勝30KO2敗2分の好戦的な右ボクサーファイター。
 またダブルメインの西岡は今回が4度目の防衛戦。バンゴヤン(23歳)をチョイスしたのはチャンピオン自身らしく「若く勢いがある。サウスポーとの戦い方もうまい」と評した。しかし「頭の中はもう対戦相手のことしかない。さらに強くなった西岡利晃をお見せします」と早くも試合モード。昨年10月以来約半年ぶりのリングとなることにも「この次の試合ではなく、そのさらに先を見据えてトレーニングしているので関係がない」と話した。
 バンゴヤンは比国ダバオ・デル・スル州出身の右ボクサーファイター。ここまで15戦全勝7KOの戦績で、キレのいいパンチが主武器という。西岡の葛西裕一トレーナーは「映像を見るとサウスポーを左フックで倒していた。左構えの選手と戦うのがうまい」と警戒していた。ニックネームは“ザ・ダバオ・ヒットマン”というそうだ。
 世界王座返り咲きを狙う粟生はワイベル・ガルシア(パナマ)と前哨戦。バレロやリナレス、ユリオルキス・ガンボアらと戦った元世界挑戦者で、WBA中南米S・フェザー級タイトルを獲得した経験もある。S・フェザー級に転級して2階級制覇に打って出る粟生としては、大いにアピールしたい一戦だ。

2010年2月21日日曜日

ダウン応酬も……宮崎-滝澤負傷ドロー 日本Lフライ級戦

 宮崎すっきりしない初防衛――21日大阪市IMPホールで行われた日本L・フライ級タイトルマッチは王者宮崎亮(井岡)が1位挑戦者の滝澤卓(タキザワ)を迎えたが、4回負傷ドロー。滝澤が偶然のバッティングで負った右側頭部の出血が4回途中のドクターチェックで続行不可能と判断され、規定により引き分けとなった。宮崎は昨年10月嘉陽宗嗣から奪った王座の初防衛に成功。
 試合はいきなり宮崎が返しの左フックでダウンを奪う好スタート。滝澤もシャープなパンチで試合を立て直し、3回に打ち気にはやった宮崎を右ショートで倒し返していた。しかし滝澤はこの回に右目上、右側頭部を負傷しており、試合はこれからという時のストップとなった。「ホンマにすいません」と消化不良の結末を王者は悔しがり「俺はいつ、やってもいい」と再戦での決着を望んでいた。
 この日のセミでは高砂ジムのホープ、脇本雅行がかつての日本ランカー森島祐介(岐阜ヨコゼキ)に判定勝ち。サウスポー・スタンスから右アッパー、フック、左ストレートと粘る森島を打ちすえたもの。
 また新鋭同士の好カードと注目された橋詰知明(井岡)対山本隆寛(尼崎)戦は、橋詰の小差判定勝ち。ジャブとスピードが持ち味の橋詰は途中山本の強打に劣勢に立たされるシーンもあったが、終盤に距離を駆使した戦い方にチェンジし、ポイントを引き寄せた。約1年ぶりの再起戦を飾っている。もうひとつの6回戦は大堀晃司(井岡)が内田崇文(森岡)に判定勝ちした。

闘将青木がTKO勝ち


 21日大阪市IMPホールの2部興行、昼の部メイン10回戦では闘将青木誠(グリーンツダ)がインドネシアのディディ・パンザーと対戦。青木は左右ボディーで相手を嫌がらせ、時折反撃打を食いつつも5回にレフェリーストップを呼び込んだ。タイムはこの回1分41秒。=写真=
 セミには元日本ランカーの大沢宏晋(大星)がOPBF・S・フェザー級5位のエディ・コマロ(インドネシア)に8回判定勝ち。試合は大沢がヒット・アンド・アウェー戦法で終始リードした。途中強引に決めに出るシーンもあったがダウンを奪うことはできず、80-72が2者に79-75のスコアで勝利した。また、これも東洋ランカーのムハマド・アフリザル(インドネシア)にアタックした川口裕(グリーンツダ)は、打っては動きのボクシングでペースをつかみ6回終了TKO勝ちした。6回にヒッティングでカットしたアフリザルの右目上傷がインターバルで続行不可能と判断されたもの。なお、アフリザルとコマロは体重超過によりグローブハンデのペナルティを科せられていた。
 もうひとつの8回戦は永田浩司(ウォズ)が川合智(グリーンツダ)に2-1判定勝ちした。

ロハス、エスパダスに判定勝ち WBCフェザー級戦


 初防衛戦に臨んだWBC世界フェザー級王者エリオ・ロハス(ドミニカ共和国)が20日(現地時間)敵地メキシコ・メリダで、挑戦者3位グティ・エスパダスJr(メキシコ)に3-0判定勝ちを飾った。
 試合はスピードに勝るロハスが前半からペースを掌握。地元ファンの声援をバックに前進するエスパダスの出鼻にパンチを散らせてポイントを奪う。7回、反撃して満員で埋まった会場を沸かせたエスパダスだが、王者のスピードとスキルに追従できない。ダメージは与えられないものの、ロハスは終盤も余裕の試合運びを見せ、危なげなくポイントアウトした。
 粟生隆寛(帝拳)から奪った王座のV1に成功したロハス(27歳)は22勝13KO1敗。9年ぶりのベルト獲得に失敗した元王者エスパダス(35歳)は45勝28KO8敗。
 同じリングではWBCユースS・フライ級王者カルロス・クアドラス(メキシコ)が同国のオスワルド・ロドリゲスに5回2分12秒TKO勝ちで防衛。

セグラ、またも序盤で倒す WBA・L・フライ級戦

 メキシコのアカプルコで20日(現地時間)行われたWBA世界“正規”L・フライ級タイトルマッチは王者ジョバニ・セグラ(メキシコ)が挑戦者10位ワルテル・テージョ(パナマ)を3回TKOで破り、3度目の防衛を果たした。
 即決型のスラッガー、セグラは初回から左右を振り回して挑戦者に襲い掛かり、パナマ人は何度か棒立ちとなる。それでも勇敢に手を出すサウスポー、テージョだが、セグラのワイルドなパンチは圧巻。3回、メキシカンの連打が火を吹くと、パボン主審がたまらずストップをかけた。TKOタイムは1分56秒。
 セグラ(23勝19KO1敗1分)には同級WBO王者イバン・カルデロン(プエルトリコ)との統一戦が浮上している。テージョは14勝6KO4敗。
 同じリングではWBAライト級暫定王座決定戦のTKO負けからの再起戦となったウルバノ・アンティロン(米)がルイス・アルセロ(メキシコ)に3回負傷TKO勝利で復帰。またチャベス次男オマール・チャベス(メキシコ)が同国のエウヘニオ・ロペスに初回KO勝ち。

2010年2月20日土曜日

ホールでリング禍 八巻選手緊急手術


 19日後楽園ホールで行われた試合のセミファイナルの8回戦に出場し最終回TKO負けを喫した日本フライ級11位・八巻裕一選手(野口・26)が、試合後意識不明に陥っている。
 八巻選手は、この試合で初回と6回にダウンを喫したが、果敢に手を出して相手の日本L・フライ級8位・大内淳雅選手(角海老宝石)を脅かす場面もあった。しかし最後は大内選手の攻撃を受けてロープにつまったところで、レフェリーがストップをコール。試合後自力でリングを降りたものの、医務室で検診を受けている際に体調が急変。都内の病院に搬送された八巻選手は、急性硬膜下血腫と診断され、緊急手術を受けた。JBCによると20日現在「経過観察中」で、予断を許さない状態という。
 八巻選手は埼玉県出身。2003年にプロ・デビューし、16戦して7勝5KO9敗のレコードを残している。

坂田初回TKOで“世界前哨戦”クリア

 亀田大毅への挑戦をアピール--20日夜後楽園ホールのメインカードで、元WBA世界フライ級王者、坂田健史(協栄)がインドネシア同級王者エリック・ディアス・シレガーに初回右を決めて2度倒し、あっさりTKO勝ち。「世界前哨戦」と銘打たれた10回戦を164秒でクリアし、「もう一度世界チャンピオンベルトを巻くことしか考えていない、ぜひ亀田(大毅)君に挑戦したい、やりましょう」と、改めて宣言した。
 亀田×坂田戦はWBAの指名戦として行われるというのが坂田側の見解だが、現時点で亀田側はこれに同意を示していない。

山口殊勲の新王者 女子東洋S・フライ級戦

 藤本負けた!――20日夜後楽園ホールで行われた女子東洋太平洋S・フライ級タイトル戦は、王者藤本りえ(協栄)と挑戦者1位・山口直子(白井具志堅スポーツ)の間で激しい打撃戦が展開された結果、山口が終盤の8回1分秒レフェリー・ストップによるTKO勝ちを飾り、新チャンピオンとなった。 
 試合ひと月前に挑戦者に指名された山口は、JBCが女子ボクシングを公認する前(2004年)に藤本と対戦して勝っている。この相性のよさもあるのか、初回から正確で鋭いジャブをびしびしと決め、チャンピオンを後手に回らせた。4回に藤本のワンツーを浴びて強烈なダウンを奪われたが、すぐに反撃の構えを見せ、7回終了時の公開採点では逆転し、3ジャッジがいずれも2点差で優勢だった。
終盤に入っても山口のスタミナは衰えない。8回に連打を爆発させ、右ストレートが決まり藤本の体が大きくよろけたところで、レフェリーがストップした。殊勲の山口(31)は初のベルト獲得。JBC記録では6勝全KO1敗。初防衛に失敗した藤本(26)は4勝2KO2敗。

「鈴木対決」は王者に凱歌 日本ミドル級戦


 20日、大阪市の大阪韓国人会館で行われた日本ミドル級タイトルマッチは王者鈴木哲也(進光)が1位挑戦者の鈴木典史(ピストン堀口)に3-0判定勝ちし、2度目の防衛に成功した。 強打の挑戦者に対しサウスポー王者が右リードを生かしたボクシングでポイントを積み重ねた。カウンター・パンチャーの鈴木典はなかなか攻め込めず、試合終盤になって強引に出たが、劣勢をひっくり返すだけのパンチを当てられず。冷静な鈴木哲のスタイルが冴え、98-92、98-93、97-93と快勝した。ダウンシーンはなかった。鈴木哲は佐藤幸治に東洋太平洋王座を奪われて以来の再起戦を飾った。

2010年2月19日金曜日

殿村、ダウン喫すも3-0判定勝ち

 19日夜後楽園ホールで行われた「角海老ボクシング」。メインのS・フライ級8回戦は、日本級6位・殿村雅史(角海老宝石)が、ノーランクの山口桂太(八王子中屋)にダウンを奪われるなど手こずらされたものの、小差の3-0判定勝ちを飾った。
 サウスポー殿村は4回まで優勢に試合を進めたが、5回山口の右ロング・フックを直撃されて仰向けにダウン。しかし、山口の拙攻にも助けられてこのピンチを脱出するや、次の6回には左を的確に決めてペースを戻し、以降も食い下がる山口につけ入るスキを与えずに試合を終えた。スコアは77-75、77-74、78-75でいずれも殿村の勝ち。
 セミのフライ級8回戦では、日本L・フライ級8位・大内淳雅(角海老宝石)が同フライ級11位・八巻裕一(野口)から2度のダウンを奪い、最終8回2分44秒、連打したところでレフェリーがストップし、TKO勝ちを飾った。
 この他の結果は下記の通り。
◇ 8回戦
SL 麻生興一(角海老宝石) TKO4回 森下裕己(協栄)
Fe 丸山有二(野口) 判定 久永志則(角海老宝石)
SF キューピー金澤(青木) 判定 藤井龍二(角海老宝石)
SFe 阿部展大(角海老宝石) 負傷引分5回 三谷拓也(セレス)
◇6回戦
Fe 青山慶洋(角海老宝石) 判定 石田隆次(国分寺サイトー)

2010年2月18日木曜日

ゲレロがベルト返上 IBF・J・ライト級

 IBF世界J・ライト級チャンピオン、ロバート“ザ・ゴースト”ゲレロ(米)がベルトを返上した。ゲレロ(26歳)は3月27日に予定されたWBOライト級暫定王者マイケル・カツィディス(豪州)挑戦に向けて調整中だったが、白血病を患う妻キャシーさんの看病に専念するため、決断を下したもの。
 愛妻家で知られるゲレロは「私のチームとともに努力して獲得した世界タイトルを返上するのは、ものすごく残念だけど、今は私の人生を妻に捧げたい。我々は人生の難局と対面しているのは疑いないことだから」とメディアに心境を打ち明けている。
 キャシーさんは2007年に白血病と診断され、その後、回復の兆しを見せ、骨髄移植や化学治療を受けていた。しかし最近、容態が芳しくなく、現在スタンフォード大学病院に入院している。
 元IBF世界フェザー級王者でもあるゲレロは、同タイトルも転級するため返上していた。

2010年2月15日月曜日

5.19ボクシングの日-東協会イベント開催へ

 東日本ボクシング協会は2月15日都内で定例理事会を開き、白井義男氏が日本に始めて世界タイトルをもたらした5月19日をボクシングの日とし、後楽園ホールで記念イベントを開催することを決定した。同協会は同時に世界チャンピオン会も設立し、この日のイベントで旗揚げすることとした。
 当日のイベントはまだアイディア段階だが、後楽園ホールを会場にし、現、元世界チャンピオンのトークショー、殿堂の要素を取り入れた記念グッズの展示、世界チャンピオンによるボクシング教室等を企画中。公式試合を用意するプランも進行させている。当日の会場は無料開放とし「ボクシングを身近に感じて欲しい」と協会幹部。
 ボクシングの日実行委員長のセレス小林氏は「とにかく一般のファンに楽しんでいただきたいというのがコンセプト。ファン参加のパーティも行って、普段接することのないチャンピオンらと交流してもらいたい」と語った。企画の正式発表が待たれる。

ボクシング・ビート3月号本日発売!


 ボクシング・ビート3月号が本日15日発売されます。
今月号は表紙のように新ヒーロー、内山高志の大特集です。飯田覚士さんとの対談、関係者の証言と写真で綴る「拳の履歴書」、KOダイナマイト包囲網-内山のベルトを狙う男たち、ジム設立35年目に世界王者を育てたワタナベジム渡辺均会長成功の秘訣など。締め切り直前の亀田大毅の世界フライ級王座奪取もあります。
 4月のダブル世界防衛戦を予定する長谷川穂積、西岡利晃両チャンピオンに同時質問15問。バレロが27連続KOをマークしたWBC世界ライト級王座統一戦は迫力カラーグラフでお楽しみください。
 幕が開いたチャンピオンカーニバルは、初戦の特報とともに、「過去のカーニバル名勝負ベスト12」を選び、高橋直人×マーク堀越戦他懐かしの名場面をお届けしています。
 この他、企画物では、亀田興毅&大毅の日本初の兄弟世界王者誕生のタイミングで、「ザ・記録」と題して、これから更新が期待される記録をまとめてご紹介。また、韓国初のボクシング殿堂入りを果たした張正九氏のインタビューとともに、最近不振にあえぐ韓国ボクシング界を特集しています。他にも新企画、好評連載も盛りだくさんです。
 ボクシング・ビートは昨年8月号より、旧ボクシング・ワールド&ワールド・ボクシングと同じスタッフで株式会社MACC出版が編集し、株式会社フィットネススポーツ社が発行しています。毎月15日発売予定。定価920円。書店にない場合、注文すればすぐ取り寄せてくれます。また年間購読も受付中です。問い合わせは☎03-5653-1322

ドネア、モンティエルとも圧勝

 13日(現地時間)ラスベガスのヒルトン・ホテルで行われたフィリピン人選手を中心にした複数タイトル戦で、WBA世界S・フライ級暫定王者ノニト・ドネア(比)が挑戦者マヌエル“チャンゴ”バルガス(メキシコ)に3回1分33秒KO勝ちで防衛。両者の体格差は歴然。出だしからスピードとパワーで圧倒したドネアが3回、鮮やかな左アッパーを見舞うとバルガスは大の字。カウントアウトされた。
 同じくWBO世界バンタム級戦は王者フェルナンド“コチュリート”モンティエル(メキシコ)が挑戦者シソ・モラレス(比)を初回左ボディーで撃沈する磐石の強さ。KOタイムは2分6秒。既報のようにモンティエルは日本で長谷川穂積と対戦する話が浮上している。
 一方、古豪対決となったWBO世界バンタム級暫定王座決定戦は、このタイトルの元保持者ジェリー・ペニャロサ(比)が中盤から終盤にかけて腰の入ったパンチを元WBA世界フライ級王者エリック・モレルに決めてリードしたかに見えたが、公式スコアは2-1(115-113.113-115,116-112)でモレルを支持。モレルは2階級制覇。ペニャロサはまたしても不運に泣いた。
 もう一つのWBOフェザー級挑戦者決定戦はバーナベ・コンセプシオン(比)がダウンを奪い、マリオ・サンティアゴ(プエルトリコ)に3-0判定勝ち。
写真は挑戦者モラレスを一撃で沈めたWBOバンタム級王者モンティエル=PHOTO/SUMIO YAMADA=


 

岡田、米国デビュー戦はドロー

 13日(現地時間)ラスベガスのヒルトン・ホテルで行われた興行の4回戦に出場した元M・Tジム所属のフライ級選手岡田隆志はブルーノ・エスカランテ(比)とドローに終わった。
 1,2回は甲乙つけがたい内容。軽量級らしいスピーディな展開は3,4回に攻勢をかけた岡田有利にも見えたが、スコアは39-37.37-39,38-38と三者三様のドロー。 元アマチュア王者の岡田は1勝KO1分。ロサンゼルスのルディ・エルナンデス氏の下、トレーニング中。エスカランテはデビュー戦だった。

2010年2月12日金曜日

3.27有明・亀田-ポンサクレック戦 黒木-オーレードン、小関-シン戦とトリプルで

 かねてから噂に上っていた亀田興毅-ポンサクレック・ウォンジョンカムのWBCフライ級統一戦の発表会見が12日、後楽園飯店で行われた。MGプロモーションが主催する今度の試合は3月27日(土)に有明コロシアムで、黒木健孝(ヤマグチ土浦)が王者オーレードン・シットサマーチャイ(タイ)に挑むWBCミニマム級戦、そして王者小関桃(青木)が韓国のシン・グンジュを挑戦者に迎えるWBC女子アトム級戦とあわせ、“WBCトリプル・タイトルマッチ”として行われる――と発表された。
 この日の会見には亀田、黒木、小関の日本人選手3人が出席(=写真)。暫定王者ポンサクレックと雌雄を決することが決まった正規チャンピオンの亀田は「(元所属の)グリーンツダ時代に一度、17歳の時にタイでもスパーをした。その後、ポンサクレックはずっと世界チャンピオンでいて、俺はポンサクレックに勝って世界チャンピオンになるつもりだった。ポンサクレックは一度負けたけど、また暫定王者になって、こうやって統一戦をできる。やっぱりどこかで戦うようになってたのかな」と、元V17王者との因縁を披歴し、「ポンサクレックに勝って真のチャンピオンになる」と力強く言った。さらに「KO狙います。8~10ラウンドで仕留めたい」とKO宣言も飛び出し、「(内藤戦とは)また別の作戦がある。ボクシングはゲームですから」と話した。
 続いて世界初挑戦の決まった黒木は「めちゃくちゃ嬉しい」と素直に喜んだ後「チャンピオンは強いですけど、世界を獲らないと(岩本悟)会長に恩返しできない」と必勝コメント。「安定してテクニックもあるみたいなので、それをゴチャゴチャにしていこうと思う」(黒木)。王者オーレードンは07年11月にイーグル京和に判定勝ちして奪った王座をここまで4度防衛中のサウスポー。黒木戦が初の来日、タイを出て戦うのも初めてだ。
 また女子王者の小関は「いつ決まってもいいようにやってきた」と早くも臨戦態勢。V3戦に続き大会場での防衛戦となるが「(大観衆の中で)少しでも『女子もやるな』と思ってくれる人が増えれば。その積み重ねでやっていければいい」と女子ボクシングのパイオニアとしての自覚ものぞかせた。
 当日は午後4時に第1試合開始予定。チケットは3月上旬からチケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、CNプレイガイドの各プレイガイドで発売予定。券種はアリーナ席SRS10万5千円、アリーナ席RS5万2千5百円、アリーナ席S3万1千5百円、スタンドS席2万1千円、スタンドA席1万5百円、スタンドB席6千3百円。

ドネアの相手変更。バルガスと対戦

 13日ラスベガスで行われるフィリピン人ボクサーをメインにした興行「ピノイ・パワー3」に出場するWBA世界S・フライ級暫定王者ノニト・ドネア(比)の挑戦者がスイッチされた。当初ドネアは10位ヘルソン・ゲレロ(メキシコ)を迎える予定だったが、ゲレロが眼検査で異常が見つかりアウト。急きょ、マヌエル”チャンゴ“バルガス(メキシコ)が抜擢された。バルガスはWBO世界ミニフライ級前暫定王者。強敵ドネア相手に3階級越えは、少々きついかもしれないが、本来はフライ級の選手だ。
 同日はメイン格でエリック・モレル(米)-ジェリー・ペニャロサ(比)によるWBO世界バンタム級暫定王座決定戦、マリオ・サンティアゴ(プエルトリコ)-バーナベ・コンセプシオン(比)によるWBO世界フェザー級挑戦者決定戦などが行われる。ちなみにモレル-ペニャロサ戦は正規王座戦のモンティエル-モラレスと同じ興行で挙行される。暫定決定戦が正規戦を差し置いて、メイン扱いとなる。

WBO王者モンティエル、長谷川へ挑戦表明


 今週土曜日13日、ラスベガスのヒルトン・ホテルでチソ・モラレス(比国)と防衛戦を行うWBO世界バンタム級王者フェルナンド“コチュリート”モンティエル(メキシコ)が、10日(現地時間)開催された試合会見の席で、同級WBC王者長谷川穂積(真正)へ挑戦する可能性があることを明かした。
 席上モンティエルは、「土曜日のモラレス戦に集中しているが、次の野望も見据えている。それはWBC王者、日本のホズミ・ハセガワとできるだけ早く戦いたいこと」と発言。そして「これはビッグマッチになる。すごいファイトになる。WBCのベルトをぜひ獲得したい」と続けた。
 モンティエル(30歳)によると、期日も4月中旬、日本挙行の線で交渉が進行しているという。
 モンティエル(39勝29KO2敗2分)は元WBOフライ級、同J・バンタム級王者。J・バンタム級王座は通算8度防衛の安定王者。同バンタム級暫定王者から正規チャンピオンに昇格した。左右スイッチ型のボクサー・パンチャー。

アポロ会長が新協会長に 西日本協会選挙


 西日本ボクシング協会の総会が11日大阪市内で開かれ、協会長選挙が行われた結果、度紀嘉男氏(アポロジム会長)が決選投票で前会長の大鵬健文氏(大鵬ジム会長)を破り、当選。新会長に就いた。
 度紀氏(59歳)は昭和40年代に「アポロ嘉男」のリング名で活躍。世界挑戦を3度経験し、東洋J・ライト級王者として3度防衛するなど、当時の関西リングの数少ないスター選手だった。引退後にアポロジムを設立した。
 西日本協会は役員の逮捕事件も起こるなど内部の紛争からトラブル続き。「このままではボクシングがダメになる」と危機感を抱いて初めて会長選挙に立候補していた。4月1日付で任期は3年。

2010年2月10日水曜日

バレロが王座返上!WBCは休暇王者扱いに

 先週土曜日6日、アントニオ・デマルコ(メキシコ)を9回TKOで破り、王座防衛に成功したWBC世界ライト級王者エドウィン・バレロ(ベネズエラ)がWBCに対してベルトを返上した。デマルコ戦直後、今後スーパー・ライト級進出の願望があることを打ち明けたバレロは、即行動を起こしたことになる。
 これを受けてWBCはバレロをライト級休暇チャンピオンとして認定した。スライマン会長は「バレロがデマルコ戦で被った額の傷で、思い通りに防衛戦が履行できなくなるため」と語っているが、実際はバレロが自らの意志で返上したという見解が妥当だ。同時に「いつライト級にUターンしてもOK」という親心がスライマン氏には感じられる。
 体重アップは念願のパッキアオ戦実現の第一歩、布石だと見られる。次戦の相手としてフアン・ディアス(米)の名前が聞かれる。

2010年2月9日火曜日

清水世界ランカー対決に完勝でv3

8日後楽園ホールで開催のチャンピオン・カーニバル第3戦、日本フライ級タイトルマッチは王者・清水智信(金子)がWBA12位の小林タカヤス(川島)を7回ストップして3度目の防衛に成功した。
試合開始直後、打ち気満々の両者が踏み込んでバッティング。清水がダウンしてしまう。両者ともアタマ切って出血してテクニカルドローの事態も予想された。幸い再開された2回清水が痛烈な右カウンターで小林からダウンとる。これまでになく攻撃的な清水はジャブ、右カウンターを繰りだしてリードを重ね、7回連打したところでレフェリーが試合を止めた。清水は亀田兄弟への挑戦意志を示している。敗れた小林も最後まであきらめずに健闘。インサイドに飛び込むチャンスを狙ったが、狙って手数がでなかった。
S・ランカー対決となったセミ8回戦は、7位杉田純一郎(ヨネクラ)が好戦的な福本雄基(三谷=10位)と打ち合いを演じたが、カウンターで新鋭をコントロールし78‐74.79-74.80-74のスコアで制している。もう一組は、加藤健太(三谷)が鎧塚真也(協栄)に2回TKO勝ち。

2010年2月8日月曜日

ソリス兄がラモスをKO WBA・S・フェザー級暫定戦

 内山高志(ワタナベ)が正規王者に君臨するWBA世界S・フェザー級で暫定王者が入れ替わった。
 6日(現地時間)メキシコ・メリダで挙行された同タイトルマッチは挑戦者のホルへ“コラディート”ソリス(メキシコ)が初防衛戦に臨んだリカル・ラモス(コロンビア)を7回2分59秒KOで下し、ベルトを手にした。
 試合はダウン応酬戦。3回に倒したラモスに対し、6回倒し返したソリス(30歳)は続く7回、左ボディーを見舞い、コロンビア人にフルカウントを聞かせた。
 新王者は前IBF世界J・フライ級王者ウリセス“アーチー”ソリスの2歳年長の兄。38勝28KO2敗2分。ラモスは22勝15KO3敗。

ツナミ大差判定でV1-WBA女子戦

2月7日、デンガオセーン-亀田戦のリングで行われたWBA女子世界S・フライ級タイトルマッチは、チャンピオンの天海ツナミ(山木)が9位シャニー・マーティン(イギリス)を大差判定に下して初防衛に成功した。
 タイトル獲得から1年ぶりの試合となったツナミだが、ブランクの影響など感じさせないアグレッシブなファイトぶり。巧みなインファイトでマーティンを追いまくり、100-90が2人に99-91と圧倒して防衛を果たしている。
他の結果(左が勝者)
8回戦
長井祐太(勝又)判定2-1丹羽賢史(グリーンツダ)
ホセ・ロドリゲス(メキシコ)判定2-1中澤翔(大鵬)
6回戦
堀川謙一(SFマキ)判定松下泰士(ヨシヤマ)
ハメド・アリ・カツマタ(勝又)引き分け 谷弘樹(姫路木下)

2010年2月7日日曜日

速報・日本初の兄弟世界王者誕生 亀田大毅が判定勝ち


 日本初の兄弟世界チャンピオン誕生――7日夜、神戸ワールド記念ホールで行われたWBA世界フライ級タイトルマッチは、11位挑戦者の亀田大毅(亀田)が王者デンガオセーン・カオウィチット(タイ)とのダイレクト・リターンマッチに明白な判定勝ちを収め、新チャンピオンとなった。ダウンシーンはなく116-110が2者に114-112の3-0。WBC王者の兄・興毅に続く大毅の戴冠で、亀田家は日本初の兄弟世界チャンピオンの記録を樹立。またWBC、WBAのフライ級王座を兄弟で独占することにもなった。
 昨年10月以来4ヵ月ぶりの直接再戦は、大毅がステップを刻みつつ右ストレートなどでポイントをピックアップ。デンガオセーンは前回と同じく右ボディーをヒットしてきたが、終盤の失速も初戦同様で、6回と11回にはホールディングでそれぞれ減点1を食らうなどいいところなし。大毅は9回に打ち合いを演じて優勢の印象を強めると、10回には両腕を上げて勝利をアピールする余裕もあった。
 試合後のリングで勝者は号泣。「2年間本当にご迷惑をおかけしました。頑張ってきてよかったと思います。ありがとうございました」と話した。

バレロ、27連続KOで王座統一 WBCライト級

 バレロがプロデビュー以来の連続KOを27に伸ばした。6日(現地時間)メキシコのモンテレイで行われたWBC世界ライト級タイトルマッチは王者エドウィン・バレロ(ベネズエラ)が暫定王者アントニオ・デマルコ(メキシコ)に9回終了TKO勝ちで2度目の防衛を果たした。
 サウスポー同士。2回、パンチ交換の最中にデマルコのヒジが当たり、バレロは額からおびただしい出血。ドクターチェックで続行が許されたが、以後顔面を鮮血に染めてのファイトとなった。この日のバレロは一発強打よりもコンビネーションでポイントをあげるアウトボクシングを披露。それでも左ストレートをデマルコに炸裂させ、4,7回とロープへ追い込む。長身のデマルコは会場の声援をバックに反撃するが、手数も的中率でもバレロの優勢は明らか。9回、王者が攻勢をかけると、インターバルでデマルコのセコンドが棄権を申し入れ、試合が終わった。
 27勝全KO無敗のバレロ(28歳)は「私はまだまだ強くなる。ここにスペクタクルな選手がいることを忘れないで」と米国リング復帰の気持ちをアピール。敗れたデマルコ(24歳)は「彼と戦えて幸せだった。偉大なチャンピオン」と勝者を称えた。
 写真はデマルコ(右)に右強打を決めるバレロ=PHOTO/SUMIO YAMADA=

バレロTKOで王座統一 WBCライト級

 バレロがプロデビュー以来の連続KOを27に伸ばした。
 6日(現地時間)メキシコのモンテレイで行われたWBC世界ライト級タイトルマッチは王者エドウィン・バレロ(ベネズエラ)が暫定王者アントニオ・デマルコ(メキシコ)に9回終了TKO勝ちで2度目の防衛を果たした。
 サウスポー同士。2回、パンチ交換の最中にデマルコのヒジが当たり、バレロは額からおびただしい出血。ドクターチェックで続行が許されたが、以後顔面を鮮血に染めてのファイトとなった。この日のバレロは一発強打よりもコンビネーションでポイントをあげるアウトボクシングを披露。それでも左ストレートをデマルコに炸裂させ、4,7回とロープへ追い込む。長身のデマルコは会場の声援をバックに反撃するが、手数も的中率でもバレロの優勢は明らか。9回、王者が攻勢をかけると、インターバルでデマルコのセコンドが棄権を申し入れ、試合が終わった。
 27勝全KO無敗のバレロ(28歳)は「私はまだまだ強くなる。ここにスペクタクルな選手がいることを忘れない」と米国リング復帰の気持ちをアピール。敗れたデマルコ(24歳)は「彼と戦えて幸せだった。偉大なチャンピオン」と勝者を称えた。

ツニャカオ王座復活 サーシャ返上の東洋バンタム級戦


 ツニャカオ、東洋王座に返り咲き――6日午後韓国の閔慶(ムンギョン)で行われた東洋太平洋バンタム級王座決定戦に出場した同級1位マルコム・ツニャカオ(真正)は、同2位蔡昇錫(韓国)に12回判定勝ちで2年1ヵ月ぶりにタイトルを奪回した。キャリア豊富なツニャカオはダウンこそ奪えなかったものの、2回には右フックでぐらつかせその後も優勢裡に試合を運んだ。敵地とあってスコアは2―1だった。
 このタイトルはロシアに帰国したサーシャ・バクティンの返上により空位になっていたもの。フィリピンのベテラン、ツニャカオ(31)は、長谷川のスパーリング・パートナーを務めたのが縁で、真正ジムに移籍がなり、王座復帰となった。24勝(14KO)2敗3分。
 写真は蔡を攻めるツニャカオ=PHOTO/BOXINGNEWS-KOREA=

三浦×岡田死闘 2-1判定で王座移動せず


 6日夜後楽園ホールで行われたダブル日本タイトル戦のメインカード、日本S・フェザー級戦は、王者三浦隆司(横浜光)と1位岡田誠一(大橋)の間で熱戦が展開されたが、チャンピオンが2-1判定で勝ち、2度目の防衛に成功した。 強打者同士が熱戦を展開。前半でポイントを上げた三浦が、後半追い上げた岡田の追い上げに苦しい戦いを強いられ、終盤へ。8回、三浦はローブローで減点をとられ、9回には挑戦者の左フックに三浦のマウスピースが吹っ飛びあわやの場面も。しかしここは終了ゴングに救われた三浦が最終回も打ち合いを挑んで死闘をしのぎ切った。

空位の日本フェザー級王座は李がゲット


 6日ダブルタイトル戦の第1試合は、松田直樹が東洋挑戦するため返上し空位となっていた日本フェザー級王座の決定戦。世界ランカー(WBC14位)の李冽理(横浜光)が、日本1位高山和徳(ドラゴン船橋)に小差の3-0判定勝ちで、新チャンピオンとなった。似たようなタイプでかみ合わず、互いにミス・ブローの多い試合だった。

2010年2月6日土曜日

デンガオセーン50.2㌔!大毅は50.8㌔でパス


 リマッチを明日に控えたWBA世界フライ級王者デンガオセーン・カオウィットと挑戦者11位亀田大毅が計量に臨み、ともに一回でパスした。が、驚かされたのはチャンピオンのウェイト。減量苦も伝えられていたにもかかわらず、なんと50.2㌔という超軽めでだった。「なれていない日本の冬の気候を懸念して、軽めに調整した。リミット、ぎりぎりでミスしたら困るから」というのが理由だが、それにしても軽い。しかし王者は意に介さず、「今夜と明日の昼は焼肉だ」と余裕たっぷり。「亀田三兄弟を全員倒します」とリップサービスまで飛び出した。
 一方の大毅も好調そのもの。減量の疲れなど微塵も見せず「やることやったから、あとはリングで力を出すだけ。デンガオセーン対策? 対策立てるレベルの相手じゃない」と切って捨てたが「クリンチはタイでやってくれ」と前回苦しめられた王者のクリンチワークには一言。ルールミーティングでも陣営がこの点をアピールしている。
 また同時に行われるWBA女子世界S・フライ級タイトルマッチも、チャンピオン天海ツナミ、挑戦者シャニー・マーティンとも51.7㌔で計量を通過している。 明日のオフィシャルは次の通り
フライ級戦
レフェリー/ラーセン・オウムガー(オランダ)ジャッジ/スタンリー・クリストドーロー(南ア)、パスカレ・プロコピオ(カナダ)、グレン・フェルドマン(米)
女子S・フライ戦
レフェリー/ファーリン・マーシュ(ニュージーランド)ジャッジ/スタンリー・クリストドーロー(南ア)、パスカレ・プロコピオ(カナダ)、グレン・フェルドマン(米)
立会人はレンソ・バグナリオル(ニカラグア)
写真は調印式後の両者。前回の手を強く握られた王者は握手を拒否した
 

元高校4冠の原、初回KOデビュー


 5日夜、横浜文化体育館で行われた「フェニックスバトル」(大橋ジム主催)で、アマ高校4冠からプロ入りした原隆二(19歳)がデビュー戦に臨み、初回2分41秒KO勝ちした。原は静岡・飛龍高校卒業後一度は競馬の騎手を目ざしてその道に進んだものの、ボクシングへの思いを断ち切りがたく、昨年12月に大橋ジム入りしていた。
 48キロ契約4回戦のリングに上がった原はタイのウィタヤ・シットサイトンから左フックで2度のダウンを奪い試合を終わらせた。打って出たところに相手の軽いパンチをもらうシーンもあったが、これは「焦りすぎた」とプロ初リングの緊張感ゆえ。まずは無難にデビュー戦を飾り、フェニックスバトル恒例の4回戦を対象にした「富久信介杯」も受賞した。プロ初の“タイトル”もゲットし「世界チャンピオンになりたい」と声を弾ませていた。
 この日のメイン8回戦ではヨネクラジムから移籍した小澤大将(全日本パブリック)が望月義将(大橋)を右で倒し、初回2分32秒TKO勝ちした。

2010年2月5日金曜日

天海KO宣言 女子世界戦予備検診


 WBA女子世界S・フライ級戦(7日・神戸ワールド記念ホール)の予備検診が4日、東京都豊島区の大同病院で行われた。
 王者・天海ツナミ(山木)は今回が昨年タイトルを獲って以来1年ぶりの試合。それでも「欠点の見直しをし、攻撃の馬力でアップができた。5、6ラウンドに必ず倒す」と初防衛戦のプレッシャーを感じさせないKO宣言が飛び出した。挑戦者のシャニー・マーティン(英国)の印象については「きれいなボクシングをする。威圧感はない」。山木会長も「KOしないと印象がよくない。必ず倒す。判定はない」と強気だった。
 一方のマーティン。こちらも実は08年11月以来1年以上試合をしていない。その理由として「スイッチしたりするのでやりづらく、試合のオファーが来なかった」と自ら明かした。スタイルは「距離をとってボクシングをするが、インファイトも得意」だという。
 なお今回の一戦はデンガオセーン対亀田大毅のWBAフライ級戦と同じリングで行われる。
 天海-マーティンの主な検診結果は以下の通り。
     天海        マーティン
身長  159.0センチ   164.2センチ
視力  右0.9左1.2    右1.5左1.5
リーチ 159.0センチ   169センチ
脈拍  67          60

2010年2月4日木曜日

三垣が月間MVP

 東日本ボクシング協会は恒例の月間賞を発表。最優秀選手には、16日の東洋太平洋ライト級タイトル戦で長嶋建吾を破り新王座についた三垣龍次(M.T)を選んだ。近藤明広に苦杯を喫して日本王座を追われ、東洋で復活した三垣は、これが2度目の同賞獲得。
 また敢闘賞には、同じく16日のS・フライ級8回戦で東洋太平洋10位のマルピン・タンポス(比)に判定勝ちした岩佐亮佑(セレス)を選んだ。新鋭賞は該当者なしだった。
 この月間賞は、毎月後楽園ホールで行われる試合の中から、メディアの担当記者の投票を基に、月間賞選考委員会(川島郭志委員長)が選考している。

2010年2月2日火曜日

3月世界挑戦 黒木、前哨戦飾る

 WBC世界ミニマム級3位(WBA1位)にランクされる黒木健孝(ヤマグチ土浦)が、世界挑戦に向け最終調整--1日後楽園ホールで世界前哨戦(8回戦)のリングに上がり、日本L・フライ級4位・須田拓弥(沼田)に6回1分20秒負傷TKO勝ちを飾った。
 サウスポーの黒木は、ダウンを奪うことはできなかったが、変幻自在の動きから力強い左ストレート、右アッパーを多用してポイントリード。須田は偶然のバッティングで両目上をカットして血まみれとなり、再三ドクター・チェックを受けた。このため、浦谷主審が試合をストップした時には、負傷判定かと受け止められたが、黒木の攻撃のダメージによるストップと判断してのTKOと説明された。
 黒木は3月下旬にWBC王者オーレイドン(タイ)に挑戦することが内定している。