2011年9月30日金曜日

亀海、相手変更にも動じず


 西岡-マルケス戦前座に出場するホープ亀海喜寛(帝拳)の対戦相手が変更となった。当初のヘスス・ソト・カラスが練習中のケガが理由で出場できず、代わりにエクトール・ムニョス(米)と亀海は対戦する。
 試合直前の変更となったが、亀海は落ち着いたもの。「自分が試合をキャンセルしてしまったことはありますが、初めて聞いた時には正直緊張しました。でも相手によってスタイルを変えることはありませんので」
 中量級で世界を狙うホープは「これもいい経験」と語り、29日の会見でも「ラスベガスで初の試合を最高の勝利で飾りたい」とコメントした。
 新たな対戦者ムニョス(33歳)は米国アルバカーキのボクサー。これまで19勝12KO6敗1分のオーソドックス・タイプだ。ここ2戦は連敗中だが、この日はメディアに向け落ち着いた表情で必勝を誓っていた。

西岡×マルケス、フェイス・オフ!


 10月1日に米国ラスベガスで行われるWBC世界S・バンタムタイトルマッチの会見が現地時間29日にあり、チャンピオン西岡利晃(帝拳)、挑戦者ラファエル・マルケス(メキシコ)の両雄がついに顔を合わせた。フェイス・オフでは笑顔でマルケスと向かい合った西岡は「僕はいつも笑顔ですから」とふだんと変わらない自然体の構えだ。「最高のコンディション。最高の試合をします。勝利を確信しています。サンキュー」と挨拶をし、日本のみならずメキシコ、トップランクのインタビューに応対していた。
 一方のマルケスは「ここ(S・バンタム級)が私の本来のクラス。アッと驚かせるよ」と強気のコメント。王座奪取とともに「兄弟で史上初の3階級制覇をしたい」と西岡戦後の野望を口にした。
 トップランク社のボブ・アラム氏がこの試合の勝者とノニト・ドネア(フィリピン)を戦わせたい意向を米メディアに明らかにするなど、西岡-マルケス戦への注目は高まっている。現地で出たオッズは5-1で西岡優位となっている。

アマ世界選手権 日本また勝った! 鈴木36秒RSC

 バクー市で開催中の2011AIBA世界選手権大会、競技4日目(29日)に登場したウェルター級鈴木康弘(自衛隊体育学校)は、M・カメラ(ザンビア)に初回36秒RSC勝ちの早業で2回戦進出を決めた。長身のサウスポーはアフリカ選手が出てくるところに左ストレートをカウンターしてダウンを奪い、ストップ勝ちしたもの。
 これで今大会日本代表は6戦5勝1敗と好調を維持している。今後ベスト16を決める試合でカザフスタンらの強豪と当たることになっており、これをクリアできるかどうかが五輪切符獲得に向けての大きなカギ。明日30日はL・ウェルター級で07年の同大会銅メダル獲得の川内将嗣(自衛隊体育学校)が登場し、ジェンキンス(ウェールズ)と対戦する。

2011年9月29日木曜日

清水、村田がRSC勝ち アマ世界選手権結果

 2011AIBA世界選手権大会(バクー市)は競技3日目の28日、日本の3選手が出場し、2人がRSC勝ち。依然として勢いは衰えていない。
 バンタム級の清水聡(自衛隊体育学校)はM・ラティフィ(アフガニスタン)に2回1分18秒RSC勝ち。初回にワンツーでダウンを奪った後も一方的にプレッシャーをかけ、2回2度のカウントを追加してストップに持ち込んだもの。
 ミドル級の村田諒太(東洋大学職員)も持ち前の強打を遺憾なく発揮してL・サンチェス(アルゼンチン)に2回RSC勝ち。初回から圧倒し、上下にパンチを打ち込んでこの回2度のカウントを聞かせた。このチャンスは終了ゴングに逃げられたが、続く2ラウンド、村田はなおも果敢に攻め、この試合3度目のカウントとなったところでストップがかかった。
 L・ヘビー級に出場した岡田良綱(日大)は、М・ブラウン(米)に1回RSCH負け。重量級は特に層の厚いことで定評あるアメリカの中でも特に有望視されているブラウンはさすがに強く、サウスポースタイルから左ストレートを直撃されると岡田尻もちをつく強烈ダウンで敗退となった。
 これで日本勢は世界選手権という大舞台で4選手が白星スタートを切り、好結果を期待させる。明日30日はウェルター級の鈴木康弘(自衛隊体育学校)が出場の予定だ。

2011年9月28日水曜日

英国遠征の宮城、ムンローに判定負け

 英国シェフィールドで24日(現地時間)行われたS・バンタム級10回戦で元日本ランカーの宮城竜太(大鵬)がWBC世界S・バンタム級位のレンドール・ムンロー(英)と対戦したが、大差判定負けを喫した。英国式にレフェリー1人のみによる採点は、98-92で宮城の判定負け。KO負けの予想もあった中で、最後まで戦っただけでも善戦か。
「前半手が出なかったのが惜しい。私の採点は4点差の負け。7回になってから宮城本来のボクシングをした。ムンローは、一発はなかった」とは同行した大鵬健文会長の感想。
 ムンロー(32)は昨年10月西岡に挑戦して撃退された後、復帰して2連勝。23勝9KO2敗。宮城(36)は21勝16KO6敗4分。プロボクサー定年まで1年を切ったこともあり、今後も海外で試合の機会を探すということだ。

溜田際どく生き残る 東日本新人王準決勝結果

 今年度の東日本新人王トーナメント(第68回)準決勝の第二日目は28日後楽園ホールでミニマム級からミドル級まで12試合が行われた。
 この日唯一引き分けに終わったのは全勝対決のフェザー級戦。これまで4勝3KOの溜田剛士(ヨネクラ)だったが、この日はジャブを多用する伊藤雅雪(伴流)にかわされ大苦戦。3回に右フックでダウンを奪いどうにか引き分けに持ち込み、新人王規定により勝者扱いとなった(記録はあくまで引き分け)。信州上田市の同郷の先輩西澤ヨシノリ(元東洋チャンピオン)が地元で開いたちびっ子ボクシング教室に参加したことが縁でヨネクラジム入りしたという溜田(18歳)。西澤の声援を浴びながら際どい試合を乗り切り、「今日は勉強させられました。次はしっかり結果を出します」と決勝戦の好ファイトを誓っていた。
 以下はこの日の東日本新人王準決勝戦の結果--。
Mm 多打魔炸獅(TI山形) KO1回 鈴木聡(横浜光)
LF 横手太一(ドリーム) TKO4回 藤井貴博(金子)
F  鈴木辰弥(山龍) 判定 橘博文(ウィン三迫)
SF 喜久里正平(帝拳) 判定 小関準(伴流)
B  尾島祥吾(川崎新田) 判定 村田智哉(KG大和)
SB 岩崎悠輝(新開) KO1回 源大輝(ワタナベ)
Fe 溜田剛士(ヨネクラ) 引き分け 伊藤雅雪(伴流)
   ※新人王規定により、溜田の勝者扱い
SFe 伊原健太(三迫) TKO3回 村田陽一(上滝)
L  下薗亮太(ワタナベ) 判定 本間愛登(帝拳)
SL 橋元納(金子) 判定 菅沼卓(川島)
W  森戸拓哉(ヨネクラ) TKO2回 坂口幹治(ピストン堀口)
M  佐々木左之介(ワタナベ) 判定 旭昇(ヨネクラ)

八重樫、山中が日本王座返上 岩佐が決定戦出場

 27日開かれた日本ボクシングコミッションの月例ランキング委員会で、日本ミニマム級王者八重樫東(大橋)と、同バンタム級王者山中慎介(帝拳)がそれぞれタイトルを返上したことが確認され、空位となった両王座の決定戦が決まった。八重樫は10月24日に世界挑戦が決まったため、山中も11月6日に世界挑戦者決定戦が決まっていることから日本タイトルを返上したもの。
 空位の王座決定戦は、ミニマム級は世界ランカー(WBC10位)の国重隆(ワタナベ)-日本1位三田村拓也(ワールドスポーツ)、バンタム級は日本1位に昇格した岩佐亮佑(セレス)-4位のゼロフィット・ジェロッピ端山(千里馬神戸)の間で行われる。両王座の決定戦は11月18日(日)後楽園ホールで、ダブル日本タイトルマッチとして行われることになった。主催は野口ジムと数ジムの共同で。

須佐も2回戦進出 アマ世界選手権大会

 アゼルバイジャンのバクー市で開催中の2011AIBA世界選手権大会の競技2日目(27日)、52kg級(フライ級)に出場した須佐勝明(自衛隊体育学校)は、A・ミカー(ガーナ)に23-10の文句なしのポイント勝ちを飾り、2回戦進出を決めた。
 ベテランの須佐はスタートから積極的に出てミカーにプレッシャーをかけ、この回早くも13-4で優勢に立った。2Rは6-4、3Rはやや手数が落ちたものの4-2と、毎回相手を上回り、前日の井上に続く日本選手の勝利となった。次は10月2日、ベスト16を狙ってK・ファサイ(英)と対戦の予定。相手は22歳ながら国際大会で何度も入賞の経験を持つ強豪という。
 なお大会3日目の28日には清水聡(バンタム級)、村田諒太(ミドル級)、岡田良綱(L・ヘビー級)の3選手が出場する。

帝拳の同門対決は尾川が制す 東日本新人王準決勝

 第68回東日本新人王トーナメントは27日後楽園ホールで準決勝第一日目が行われ、12階級の勝者が決勝進出を決めた(L・フライ級は佐藤の棄権により栗原の不戦勝)。それぞれが明日の2日目の勝者を相手に11月3日に同じ後楽園ホールのリングで決勝戦に臨む。
 この日注目はS・フェザー級で、帝拳ジムの2人の不敗選手による同門対決となったが、尾川堅一が濱名潤に3-0判定勝ちを飾り、ジム内のライバル対決を制した。試合結果は以下の通り(左端は階級)--。
Mm 安慶名健(横浜光) TKO3回 引地昭裕(ヨネクラ)
LF 栗原俊博(新日本木村) 不戦勝 佐藤共也(ネクサス)
F  青山功(セレス) 判定 道見和也(JB SPORTS)
SF 蔦野哲平(帝拳) 判定 中川健太(ロッキー)
B  中川とん虎(渡嘉敷) 判定 岡本ナオヤ(東拳)
SB 藤田敏明(マナベ) 判定 松尾実(M.T)
Fe 千波丈二(勝又) 判定 大場雄二(マナベ)
SFe 尾川堅一(帝拳) 判定 濱名潤(帝拳)
L  横山雄一(帝拳) KO2回 木村勇樹(極東)
SL 中澤将信(帝拳) TKO4回 宮本亮佑(渡嘉敷) 
W  藤中周作(金子) KO1回 坂本徳臣(シャイアン山本)
M  米澤重隆(青木) 判定 西田光(川崎新田)

元王者嘉陽、ラウロに大差判定勝ち


 元日本&東洋太平洋L・フライ級チャンピオンの嘉陽宗嗣(白井具志堅)が半年ぶりにリングに上がり白星――26日夜後楽園ホールのメインカード10回戦で、比国ミニマム級3位のロケ・ラウロ(比)に大差判定勝ちを飾ったもの。
 これまでの戦績が「7勝1KO8敗1分」と負け越しのラウロ。数字だけなら嘉陽のKO勝利は時間の問題だが、これも「パッキアオ効果」か、今のフィリピン選手はしぶとく粘る選手が少なくない。この日のラウロも立ち上がりから荒々しい右ロングフックを振って嘉陽を脅かした。コーナー下の具志堅用高会長もハラハラ。それでも嘉陽は徐々にペースをつかみ、6回にはサウスポースタイルから右フックをカウンターすると、ラウロ吹っ飛ぶようにダウン。7回にも左ストレートを決めてラウロの腰が落ちるシーンがあったが、ついにKOに仕留めることはできなかった。
 スコア99―92(2人)、99―91と大差がついたが、嘉陽もまだ世界挑戦前の勢いは戻っていない。「もっと出入りを使ってやらないと……」と本人も内容的に満足していない。11月で29歳。「30歳までに日本か東洋をとってかたちをつけたい」というのが、今の嘉陽の望みだ。これで嘉陽は19勝9KO3敗3分。
※写真は終盤ラウロを右パンチで攻める嘉陽 

2011年9月27日火曜日

亀海ら帝拳の後輩3選手も出場 西岡のラスベガス防衛戦前座


 10月1日(日本時間2日)ラスベガスのMGMグランドで行われる西岡利晃-ラファエル・マルケスのWBC世界S・バンタム級タイトルマッチは、帝拳プロモーションがトップランク社と共同プロモートで手がけるが、この日のサポーティング・カードでは帝拳ジムの後輩3選手や帝拳と契約する世界王者も登場する--。
 セミ格は日本でもおなじみ“ロマゴン”ことローマン・ゴンサレス(ニカラグア)のWBA世界L・フライ級王座3度目の防衛戦。相手は、WBCフライ級9位にランクされているオマール・ソト(メキシコ)に決まった。ゴンサレスは帝拳プロの契約選手のひとり。デビュー以来の連勝記録も29(24KO)を数え、今度の試合で30の大台を狙う。ソトはこれが3度目の世界挑戦。
 帝拳ジムの3選手は、前日本S・ライト級チャンピオンで王座を返上してウェルター級に転向した亀海喜寛(18勝16KO不敗)がベテランのヘスス・ソト・カラス(メキシコ)との10回戦。本格的米国進出を計画している亀海にとっては、同国のファンや関係者の注目を集めたい重要な米デビュー戦となる。
 この他、日本S・ミドル級1位にランクされた重量級の不敗ホープ、三浦広光(7勝3KO)が、エクトル・エルナンデスとの8回戦。また、日本ミドル級1位のカルロス・リナレス(8勝7KO1敗)も急きょ試合が決定している(相手未定)。
※なお試合の模様は2日午前10時からWOWOWが生放送する(ノンスクランブルで無料放送)。

高校生井上好発進 世界選手権初戦勝つ


 アゼルバイジャンのバクーで開幕したアマチュアのAIBA世界選手権大会は26日競技第一日目に入り、日本選手のトップとしてL・フライ級の予選1回戦に出場した井上尚弥(相模原青陵高)が、D・ヒタリフン(インドネシア)に16-7でポイント勝ちし、2回戦進出を決めた。
 これが世界大会初陣の井上は3回に2度カウントを聞かせる文句なしの勝利。あと2勝してベスト8に入れば確実に五輪出場権を得る。次は10月3日に国際大会豊富なH・ダニエリャン(アルメニア)と対戦し、これに勝つとキューバ選手との対戦の可能性もある。
「今度の日本はクジ運がよくない」(日本チーム首脳)といわれ、他の階級でも強豪ひしめくトーナメントの山に置かれるケースが少なくないが、8人の日本代表の健闘を期待したい。
 明日27日には、フライ級で日本の第一人者・須佐勝明(自衛隊体育学校)が登場。20日の新鋭エミグディオ(メキシコ)と対戦する。

2011年9月26日月曜日

ピログ、祖国リングでKO防衛 WBOミドル級

 25日(現地時間)ロシアのクラスノダールで行われたWBO世界ミドル級タイトルマッチは、チャンピオンのドミトリー・ピログ(ロシア)が1位のゲンナジ・マーチロシャン(ロシア)を10ラウンドTKOに撃退し、昨年手に入れたタイトルの2度目の防衛に成功。10センチ以上身長の低い相手に対し、ピログは終始自分の距離を保って優勢裡に試合を進め、挑戦者はチャンピオンの強打の前に中に入れないまま。最後はマーチロシャン側が棄権を申し入れて試合は終わった。
 試合後ピログはミドル級最強王者といわれ現在WBCのダイヤモンド・ベルト保持者に格上げされているセルヒオ・マルティネス(亜)に統一戦を呼びかけた。ピログは19勝15KO負け知らず。

アルセ、エルナンデスも防衛 メキシコの世界戦

 24日はメキシコ各地で試合があり、このうち2つの世界タイトルマッチでは地元のチャンピオンがベルトを守っている。
 メヒカリのWBO世界J・フェザー級戦では、人気選手ホルヘ・アルセが同級15位のシンピェ・ノンガイ(南アフリカ)に4回2分1秒TKO勝ちし、5月ウィルフレド・バスケス・ジュニアを攻略して手に入れた王座の初防衛に成功した。ノンガイは2年前に世界S・フライ級王座決定戦でアルセに判定勝ちしているが、この日の再戦では勢いを取り戻したアルセにリベンジを許した。アルセはスタートから攻撃的に出てペースを握り、この回にダウンを与えた後もノンガイを圧倒。4回にバッティングで右目を切られたものの、お構いなしにノンガイに猛攻を加えた。ラモス主審はやや早めにストップをコールした。
 ベテランのアルセ(32)は58勝45KO6敗2分。ノンガイ(33)は16勝6KO2敗1分。
 一方メキシコシティで行われたWBC世界L・フライ級タイトルマッチでは、チャンピオンのアドリアン・エルナンデス(メキシコ)が同級7位のギデオン・ブセレジ(南アフリカ)を2回2分30秒KOで仕留めている。サウスポーの挑戦者から3度のダウンを奪う快勝だった。
 来日経験もあるエルナンデス(25)は、4月にケブ・バースから王座を手に入れこれが初防衛戦。22勝14KO2敗1分。ブセレジ(25)は12勝4KO3敗。

亀田大毅、メキシコで140秒KO勝ち WBAインター王座戦


 元WBA世界フライ級チャンピオンの亀田大毅(亀田)が初のメキシコ・リングでKO勝ち――24日(現地時間)キンタナロ―州コスメルのリングでラウル・イダルゴ(メキシコ)と対戦、初回にボディー・ブローを決めてあっさり倒したもの。タイムは2分20秒。試合はS・フライ級のWBAインター王座がかかっており、大毅は空位の王座についた。
 これで大毅(22)は体重苦からWBA世界フライ級王座を投げ出した後、3連続KO勝ち(22勝14KO2敗)。次は、年末の“亀田祭り”で世界挑戦の計画がある。ただし、候補に挙がっていたWBA世界S・フライ級の新王者清水智信(金子)との対戦は、清水が8月のカサレス戦で眼窩底骨折をしているため、これには間に合いそうもない。
 なおこの日のメインでは、元IBF世界フライ級王者カルロス・タマラ(コロンビア)がヘスス・ヒメネス(メキシコ)と対戦したが、10回を戦い引き分けに終わった。
※写真はイダルゴをボディー攻めで沈めた大毅 =PHOTO/SUMIO YAMADA=

強打マイダーナ、ハデな凱旋防衛 WBA世界S・ライト級暫定戦


 マイダーナ地元でV1――WBA世界S・ライト級暫定チャンピオン、マルコス・マイダーナ(亜)は23日(現地時間)アルゼンチン・ブエノスアイレスで地元ファンの前で初防衛戦に臨み、同級14位のペトロ・ペトロフ(ロシア)を派手に倒して4回KO勝ちした。
 8月予定のロバート・ゲレロ戦が相手のケガでキャンセルとなっていたマイダーナ。この日は定評のある強打にものを言わせてロシア人挑戦者を粉砕した。初回に倒した後、4回に2度のダウンを追加してフィニッシュしたもの。王座獲得後初の地元の試合とあって1、2回はカタくなったと認めたが、その後は「トレーニングしたことが出せた」とこれは試合後のコメント。
 これでチャンピオンは31勝28KO2敗、敗れたペトロフは29勝13KO3敗2分。
 マイダーナは7千の地元ファンに感謝を捧げるとともに、今後の構想としてWBCの王座決定戦で勝ったエリク・モラレスとのチャンピオン統一戦の意欲をあらわにした。モラレスとは4月にラスベガスの暫定王座決定戦で対戦し2-0判定勝ちしているが、試合後モラレスが判定に納得せず再戦を要求している。
※写真はV1に成功したチャンピオン、マイダーナ

ウォードが練習でケガ フロッチ戦は12月に延期に


 10月29日に米アトランティックシティで行われる予定だったS・ミドル級の「スーパー・シックス」トーナメントのファイナル、アンドレ・ウォード(米)-カール・フロッチ(英)のWBAタイトルマッチは、ウォードが練習中に負傷したため、延期になった。
 ウォードは先週20日に米カリフォルニア州オークランドのジムでスパーリング中に右目上に裂傷を負い、ダン・グーセン・プロモーターらが協議して早々と10月の試合のキャンセルを決めたもの。新たな試合日は調整中というが、12月10日説が浮上している。
※写真は試合に向けての宣伝記者会見から。左側の選手がウォード =PHOTO/SHOWTIME

2011年9月25日日曜日

五輪買収スキャンダル 7億円見返りに金メダル2個!?

 アマチュアボクシングでとんでもないスキャンダルが持ち上がっている。旧ソ連の一国アゼルバイジャンが来年のロンドン五輪で2人の選手の金メダルをゲットするのと引き換えに、900万ドル(約6億8千万円)を支払ったというのだ。これは英国の国営放送BBCが22日(現地時間)の番組「ナイトニュース」で明らかにしたもの。オリンピックがらみの買収スキャンダルであり、しかもアゼルバイジャンは25日から首都バクーで競技が始まる世界選手権大会のホスト国ということもあり、一層の関心を呼んでいる。
 BBCが「ナイトニュース」で伝えたのは、AIBA(国際アマチュアボクシング協会)が出資運営するプロ組織WSB(ワールドシリーズ・オブ・ボクシング)に対し、アゼルバイジャンが900万ドルを支払う見返りに、来年のロンドン五輪で同国選手に2つの金メダルが保証されたというもの。内部告発者の話と独自取材により、関係者のメールも入手しているという。BBCは番組中で1988年のソウル五輪で起きた歴史的スキャンダル――ロイ・ジョーンズが悲運のヒーローになった審判買収疑惑の映像を流しながらこの問題を報じている。
 BBCの衝撃的な報道に対して、AIBAの弁護士は「まったくの虚偽」と否定。同じくCK・ウー会長は「事実ではなく、こっけいな話だ」と反論しながらも、「独自に調査する」と約束。AIBAはすでに5人の委員からなる特別調査委員会を設立することを決めたといわれ、今後の展開が注目される。ことがことだけにIOC(国際オリンピック委員会)も強い関心を寄せており、ロゲ会長は「AIBAの調査を歓迎する」とコメントしている。
 なお、BBCの番組放送後AIBAは声明を発表し、問題とされる金について「アゼルバイジャンの投資家からWSBに対し、1千万ドルの融資がなされた」としている。決して金メダルの見返りではないというのだが、今後の調査で明らかになることが期待される。

2011年9月24日土曜日

井上、再起戦は負傷で初回ドロー


24日、前日本&OPBFウェルター級チャンピオン井上庸(ヤマグチ土浦)が茨城・つくばカピオで4月以来の再起戦に臨んだが、森眞(赤城)と初回バッティングによる負傷ドローに終わった。
井上は森をロープに詰めて右ストレート。さらに攻勢をかけたところで頭が当たり、井上の左眉が切れたもの。タイムは2分22秒。
セミ8回戦は、井上のジムメイト高橋竜也が元日本王者のベテラン菊井徹平(花形)と対戦したが、クリンチを駆使する菊井の戦法に巻き込まれて0−1のドローだった。

新旧新人王対決・角谷が地元松浦に判定勝ち 松本は判定負け 名古屋の試合結果

 24日愛知県の名古屋国際会議場イベントホールにて行われた日本S・フライ級5位にランクされる松浦克哉(松田)と昨年度全日本フライ級新人王 角谷淳志(金沢)のフライ級8回戦は、判定で角谷が勝利を収め、6月のウォーズ・カツマタ戦からの再起を果たした。
 試合は2回に右オーバーハンドでダウンを奪った角谷が優勢に進める。松浦は初メインの緊張からか、パンチに力みが見られ、前には出るがいつものような手数、ラッシュが出ない。最終回にも再び右でダウンを奪った角谷が勝利を決定づけ、日本ランキングへの復帰を濃厚とした。採点は79-73と78-72が二人。
 また6月に中国でABCOタイトルを獲得した松本章宏(カシミ)も登場。しかし川口裕(グリーンツダ)相手のS・バンタム級8回戦で判定負けを喫した。同門の中岸風太の欠場で急遽出場となった松本だが、初回、右のオーバーハンドからのラッシュでカウントを奪う。しかしその後はキャリアで上回る川口にペースを握られ、展開を変えられぬまま試合終了のゴングを聞いた。採点は78-74と77-75が2人。
 なおこの日は「西日本・中日本対抗戦」と銘打たれ、西日本の各ジムと中日本の各ジムの対抗戦という形にて行われた。対戦成績は大将戦を制した西日本が、5勝4敗で地元の中日本を下す結果となった。=S=

大毅あすインター王座戦 計量パス


 メキシコのコスメルで現地時間24日に行われるWBAインターナショナルS・フライ級王座決定戦に出場する元WBA世界フライ級王者・亀田大毅(亀田)が23日、計量を無事クリアーした。亀田の公式体重は52.10キロ。相手のラウル・イダルゴ(メキシコ)は52.14キロだった。
 海外初ファイト、メキシコシティまで一人旅だった大毅は、まずはホッとした表情。「ハカリが身近にないので不安だった。機内食も口にできなかった。相手の情報はまるでない。とにかく自分のボクシングをするだけ」とコメント。
 対するイダルゴは「カメダの映像を見た。左の使い方がうまく、威力もありそう。それに気をつけてベストを尽くしたい」と話している。
=PHOTO/SUMIO YAMADA=

亀海ら3選手もラスベガスに出発


 西岡利晃のラスベガス防衛戦(10月1日=日本時間2日)と同じリングで試合を予定している帝拳ジムの3選手が23日夕、成田から米国に向け出発した。亀海喜寛、三浦、カルロス・リナレスで、田中繊大トレーナーも同行している。
 現在6連続KO勝ちをマークしている亀海は、「カラス選手はタフでしぶとい相手。今回も倒して勝てれば一番いいが、まずは勝って次に繋げたい」と抱負を語っていた。
 総合格闘家から転向してラスベガスでデビューした三浦は、これが5度目の同地のリング登場。「MGMで試合ができたらいいなと考えていたので、(実現して)うれしい。いい試合をしてまた米国で試合ができるようになればいいと思います」と、こちらも次に繋がる試合を心掛けている。
※写真は成田から出発した選手たち、左から三浦、亀海、田中トレーナー、リナレス

2011年9月23日金曜日

マルケスがベルト奪回宣言 メキシコシティで最終調整

 10月1日ラスベガスで西岡利晃(帝拳)に挑む元バンタム級、S・バンタム級王者ラファエル・マルケス(メキシコ)が最終調整に入っている。メキシコからの情報でマルケスは毎朝約10キロのロードワーク、19日月曜日には6ラウンドのスパーリングを敢行。ダニエル・サラゴサ氏のコーチの下、スピードとコンビネーションブロー重視のメニューを実行しているという。
 メキシコシティ、コヨアカンのジムでトレーニングに励むマルケスは、今週土曜日に練習を打ち上げる予定。同日はサラゴサ氏の息子ルイス・アルベルト・サラゴサら2人のパートナーと8ラウンドのスパーを行う。「開始ゴングが鳴るやいなや、プレスをかけて行く。ニシオカの映像を研究しているけど、彼は私のパワーをコントロールすることはできないだろう。タイトルはメキシコへ戻る」と息巻く。
 ラスベガス入りは26日月曜日の予定。

亀田大毅初のメキシコのリング 24日イダルゴと対戦

 亀田兄弟の次男で元WBA世界フライ級王者の亀田大毅(亀田)が24日(日本時間25日)メキシコのリングに登場する。キンタナロー州コスメルで、ダリオ・イダルゴ(メキシコ)とのNABA(北米)S・フライ級王座決定戦(12回戦)。
 清水智信に挑戦の話も出ている大毅にとって、初の海外での試合。体重苦からフライ級王座を返上して以来2戦ともバンタム級超の体重で戦っているが、今回初めて115ポンド以下のS・フライ級で地域タイトルを狙う。大毅(22)の戦績は21勝13KO2敗、相手のイダルゴは13勝10KO3敗の選手。

多田も大差で6度目の防衛


女子ミニマム級タイトル戦はチャンピオン多田悦子(フュチュール)が挑戦者ノンマイ・ゴーキャットジム(タイ)に3-0判定勝ちし、現役最多タイ6度目の防衛を果たした。サウスポー多田が左ストレート、右フックを当ててポイントをピックアップ。ノンマイは打ち終わりを狙うが、多田のディフェンスを崩せない。試合は大きなヤマ場はなかったが、多田が安定したボクシングで98-92、100-90が2者のスコアで勝利した。多田は「もうちょっとナイスファイトをしたかったけど…。勝ったのはよかった」とコメント。「男女の分け隔てなく、ボクシングで盛り上げていきたい。生きているという思いを皆さんに持ってもらえれば」と使命感を抱くチャンピオンだ。

藤岡圧巻!KO防衛V1‏


女子世界トリプル戦で初防衛のリングに上がったWBC・M・フライ級チャンピオン藤岡奈穂子(竹原&畑山)は、指名挑戦者カニタ・ゴーキャットジム(タイ)を圧倒し、9回37秒レフェリーストップのTKOに下した。カニタには東洋王座の決定戦で苦闘を強いられたが、藤岡は戦前から「自分の成長に興味がある」と語り、その言葉を証明するかのようにトップコンテンダーを一蹴。ナジーム・ハメドにヒントを得たというトリッキーな動きからビッグパンチを連発。単発の強打を決めたかと思うと息もつかせぬ集中打とワンサイドゲーム。カニタはタフネスを頼みに最後まで追いすがったがダメージを重ねるだけだった。8回までのスコアは80-71.80-70.80-72。巧さからハデさへの変貌は小沢幸治トレーナーは「見て面白い試合で女子ボクシングを盛り上げたかった。自分への挑戦です」。初防衛にして貫禄十分の女王は「(女子サッカーの)なでしこのように取り上げられたい」と意欲を示している。

安藤、L・ミニマム初代王者に


新設されたWBA女子ライト・ミニマム級の初代王座決定戦は安藤麻理(フュチュール)がタイのアマラ・ゴーキャットジムに10回判定勝ち。新チャンピオンに輝いた。馬力たっぷりに出てくるアマラに対し、安藤は距離をとりながら右アッパー、左フックをヒット。押し込まれても打ち合いで好打し、終始試合を優勢にすすめた。スコア98-92、99-92、97-93で安藤がベルトを巻いた。アマチュア経験なしで初のチャンピオンとなった安藤は「うれしさを超えた感情です。生きてた中で一番うれしい」と涙。「多田先輩を追い越せるよう」と意欲満々だった。

ライカ、挑戦権獲得ならず‏


22日後楽園ホールで行なわれた女子の注目試合、WBC女子世界S・フェザー挑戦者決定戦は、5位の元王者ジェレナ・ムルドジェノビック(カナダ)が4位風神ライカ(竹原&畑山)を10回3-0判定に破った。ライカはロングレンジを得意とするムルドジェノビックに迫ったが、手数が少なく初回から右ストレート、左フックを浴びる。それでも3回、4回とボディーを攻めて立て直した。しかし中盤6回ライカは再び好打を許して鼻の横を切り裂かれた。その後はムルノジェノビックが距離を操りペースを堅持。ライカは8回に痛烈な右をもらうなどして敗退した。スコアはムルドジェノビックの96-94.98-92.97-93。雪辱と挑戦権ゲットに失敗したライカは「言葉がない。強さも感じなかったのに…。世界に辿り着くまであせることなく階段を昇りたい。遅いと言われるかもしれないが、自分のペースで」と再起の意向。

2011年9月22日木曜日

西岡いざラスベガスへ


 WBC世界S・バンタム級チャンピオンの西岡利晃(帝拳)が21日、成田空港から渡米。10月1日ラスベガスのV7戦(対ラファエル・マルケス)に向け、現地で最終調整に入る。
 上下ジャージ、スニーカーすべて赤色で統一し空港に現れた西岡。いよいよ決戦の地へと旅立つ心境を「ホント、ラスベガスのMGMで戦えるということは最高の気分」と語った。「(日本では)過去一番、集中して中身の濃い練習をしました。ここまで万全に仕上げられた。気を抜かずに、あと10日間調整して、最高の試合で勝ちます」
 台風15号の接近に伴い、飛行機の欠航も懸念されたが、「飛べば飛んだでいいし、飛ばなくても次の日また行けばいい。問題ない」と平然としたもの。それだけコンディショニングに自信があるに違いない。幸い、出発時間が2時間ほど遅れただけで、チャンピオンを乗せたANA便は飛び立った。

2011年9月21日水曜日

バクーの世界選手権へ 日本選手団出発

 25日からアゼルバイジャンのバクーで開催される「2011AIBA世界選手権大会」に向け、8名の出場選手ら日本チームが20日夜関西空港から出発した。
 アマチュアの実力世界一を争うとともに、来年のロンドン五輪の出場権もかかる重要大会。今回は127ヵ国から計685選手がエントリーしており、このうちロシアやキューバ、米国、中国など21ヵ国が全10階級に代表を送っている。25日に開会式の後、翌26日から競技開始。10月8日の決勝まで長丁場にわたってトーナメントが行われる。
 これに参加する日本選手はLF級井上尚弥(相模原青陵高)、F級須佐勝明(自体校)、B級清水聡(自体校)、L級中山翔太(日大)、LW級川内将嗣(自体校)、W級鈴木康弘(自体校)、M級村田諒太(東洋大職)、LH級岡田良綱(日大)の8名。いずれも選考試合で選ばれたベスト・メンバーだ。これに、山根明日連会長ら9名の役員が同行している。世界の壁は厚いが、最近国際大会で勝率をアップして勢いに乗る日本選手がどこまで戦えるか? 07年のシカゴ大会で銅メダルを獲得した川内や、最近の国際大会で戦果を上げている須佐、村田らベテランはもちろん、高校生の井上ら初の世界大会出場組にも期待したい。

8選手計量パス-明日女子トリプル世界&指名挑戦者決定戦






 本番を明日に控えた女子トリプル世界&指名挑戦者決定戦の調印式と計量が21日午後1時から行われ、出場する8選手が計量をクリアした。問題らしい問題はなかったが、WBC・S・フェザー級白い挑戦者決定戦に出ジェレナ・ムルドジェノビックがこれまで使っていた8オンスグローブの使用を主張したが、選手の健康を考慮した新ルールと説明され、10オンスのグローブを了承。またカニタ・ゴーキアットジムは2度目の計量でパスしている。

ウェイト、検診結果とオフィシャルはそれぞれ以下の通り
WBC女子世界S・フェザー級指名挑戦者決定戦
     4位風神ライカ   5位ジェレナ・ムルドジェノビック
ウェイト 58.9キロ      58.3キロ
体温   36.6度       37.0度
脈拍   58         50
血圧   121/81       109/68

審判=レフェリー/福地勇治(日本) ジャッジ/ウィリアム・ブードフー(カナダ)、中村勝彦(日本)、フランク・ハドレー(豪)


WBC女子世界M・フライ級タイトルマッチ
      王者藤岡奈穂子  1位カニタ・ゴーキアットジム
ウェイト 47.6キロ      47.6キロ
体温   36.3度       37.7度
脈拍   63         61
血圧   130/86       118/66

審判=レフェリー/中村勝彦(日本) ジャッジ/ウィリアム・ブードフー(カナダ)、ノパラット・スリチャロン(タイ)、フランク・ハドレー(豪)


WBA女子世界L・ミニマム級王座決定戦
     安藤麻里      アマラ・ゴーキアットジム
ウェイト 46.0キロ      46.0キロ
体温   37.1度       36.7度
脈拍   55         73
血圧   111/65       110/75

審判=レフェリー/ファーリン・マーシュ(ニュージーランド) ジャッジ/チャラーム・ブラヤドサブ(タイ)、マイケル・リー(韓国)、杉山利夫(日本)


WBA女子世界ミニマム級タイトルマッチ
     王者多田悦子    挑戦者ノンムアイ・ゴーキアットジム
ウェイト 47.2キロ      47.3キロ
体温   36.3度       36.5度
脈拍   55         54
血圧   132/80       1116/65

審判=レフェリー/マイケル・リー(韓国)ジャッジ/チャラーム・プラヤドサブ(タイ)、ファーリン・マーシュ(ニュージーランド)、浅尾和信(日本)

ジョニー災難! 新車など盗まれる

 今月15日、米エルパソでロジャー・ムタグワをストップして2度目の防衛に成功したばかりのWBC世界フェザー級チャンピオン、ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)がとんだ災難に遭った。17日土曜日、夫人と3人の子供たちを連れてパーティーのため外出中、メキシコシティの自宅に泥棒が入り、根こそぎ貴重品が盗まれてしまった。
 特にすごいのはガレージに入れてあった2012年型ジープ・コンパスが無くなっていたこと。そのほかコンピュータ、テレビ、宝石が盗まれ、バンタム級チャンピオン時代のベルト(WBO)も無くなっていた。
「家具以外は全部盗まれてしまった。失望している。我々の身が安全だったのがせめてもの救いだ」とゴンサレス。それにしても、なんという手口。被害額は5万ドル(約400万円)に達するという。

リナレスが比国キャンプへ出発

 10月15日、アントニオ・デマルコ(メキシコ)とのWBC世界ライト級王座決定戦に臨む“エル・ニーニョ・デ・オロ”ホルヘ・リナレス(帝拳)が18日(現地時間)ロサンゼルスからフィリピン・キャンプへ出発した。
 ロサンゼルスのワイルドカード・ジムでトレーニング中だったリナレスは、師匠フレディ・ローチ・トレーナーに同行し、コロラド州コロラド・スプリングスで行われた米国オリンピック・チームの合宿に参加。一段と技に磨きをかけた。出発前日の17日にはロスのステープルズ・センターで行われたアルバレス-ゴメス戦を観戦。「3週間、フィリピンでみっちり鍛えて来ます」と強調。ローチ氏の指導の下、マニー・パッキアオとの手合わせが予定され、またとないデマルコ対策の機会となりそうだ。

名トレーナー、ジョージ・ベントン氏死去

 アメリカを代表する著名トレーナーの一人で殿堂入りを果たしているジョージ・ベントン氏が19日朝(現地時間)地元フィラデルフィアのセント・ジョセフ病院で死去した。78歳だった。
 ベントン氏は長年にわたり、メインエベンツ(プロモーション)とデュバ・ファミリーと関係を保ち、イベンダー・ホリフィールド、パーネル・ウィテカー、メルドリック・テイラー、ロッキー・ロックリッジ、ジョニー・バンファスといった世界チャンピオンを育てた。特にクルーザー級統一チャンピオンだったホリフィールドが、東京でタイソンを倒したバスター・ダグラスを3回KOしてヘビー級王者に就いた一戦が同氏の名声を高めたといわれる。
 また現役時代はミドル級ボクサーとして活躍。ジョーイ・ジラルディーリョ、フレディ・リトルといった選手とも対戦し、61勝36KO13敗1分のレコードを残している。1970年に引退を決意したのは、別の人間を狙った銃弾を浴び負傷したためといわれる。
 2001年、国際ボクシング名誉の殿堂入り、同じく2007年に世界ボクシング殿堂入りを果たしている。死因は肺炎が悪化したと報じられる。

2011年9月20日火曜日

小島元JBC事務局長 死去していた


 財団法人日本ボクシングコミッションの元事務局長、小島茂氏が先月(8月)26日に病死していたことが20日分かった。享年80歳。
 小島氏は神奈川県出身。法律家を志し、明治大学法学部を卒業すると、政治家片山哲(元首相)の秘書を10年勤めた後、1964年にJBC事務局入り。菊池弘泰事務局長(当時)のもとで堅実な実務家ぶりを発揮し、72年に第3代事務局長に就任。06年に健康上の都合により引退するまで4代のコミッショナーに仕え、ボクシングの健全運営に尽力した。80年には全プロボクサーにCTスキャンの義務付け、78年にはコミッションの財団法人化と大きな仕事を手がけた。またWBAの副会長を務めるなど、国際的にもWBA、WBCに強いパイプを築き、日本ボクシング界のステイタスを上げるのに大いに貢献。スーパーバイザーとして何度も世界タイトル戦に立ち会った。
 小島氏の死後、故人の意思で葬儀は近親者により滞りなくすませたことが関係者に報告されている。
 写真は1991年9月、WBCから贈られた功労賞を手にする小島氏(JBC事務局にて)

西岡「必ず勝って帰ってきます」 日本最終調整

 ラスベガスでラファエル・マルケス相手に防衛戦を行うWBC世界S・バンタム級王者西岡利晃が20日、帝拳ジムで国内最終調整を行った。
 元東洋王者・松田直樹とのスパーリングでは軽快な動きで4ラウンドを消化。柔らかいボディーワークを使って得意の左ストレートをビシビシと決めた。相手を務めた松田も「上がりのこの時期でこんなに切れてるなんて」と驚きの表情だった。
 試合まで10日あまりとなったが、順調な調整ぶりをうかがわせたチャンピオン。練習を終えてジムを出る際にはジムメイト全員から激励の拍手で送り出され、「必ず勝って帰ってきます」と力強い言葉を残した。西岡は明日日本を発ち、ラスベガスへと向かう。

中-西部日本新人王対抗戦 名古屋の結果

 19日、愛知県名古屋市公会堂にて、中日本-西部日本新人王対抗戦が行われた。各階級の結果は以下の通り。
◇ミニマム級(4回戦)
北原和馬(畑中) 判定 平井雅樹(宮崎W)
採点:40-36、40-36、39-37
◇L・フライ級(4回戦)
菖蒲晋也(松田) 判定 荘田直紀(冷研鶴崎)
採点:39-38、39-38、38-39
◇フライ級(4回戦)
阪下優友(とよはし櫻) 判定 大木一真(宮崎W)
採点:40-37、40-37、40-36
◇S・フライ級(4回戦)
奥村健太(本田F) 判定 西脇寿晴(KOZO)
採点:39-38、39-38、39-37
◇バンタム級(4回戦)
外山春樹(FUKUOKA) 引分 深蔵和希(HEIWA)
採点:38-36、37-38、37-37=外山の勝者扱い
◇S・バンタム級(5回戦)
小澤有毅(筑豊) 判定 川端一法(平石)
採点:48-47、48-47、48-48
◇フェザー級(5回戦)
中尾正茂(三松S) KO2R2分1秒 鈴木亮(鈴鹿ニイミ)
◇ライト級(4回戦)
岩田裕司(中日) 判定 今里拓未(鹿児島)
採点:39-36、39-36、40-36
◇S・ライト級(4回戦)
蒔田貴弘(駿河) 判定 宮城伶次(島袋)
採点:39-37、39-38、40-37
◇ウェルター級(4回戦)
堀隆弘(HEIWA) 判定 谷口信太郎(ビッグA)
採点:39-38、39-38、39-38
◇ミドル級(4回戦)
寺西渓(大一スペースK) TKO2R終了 黒木雄大(本田F)
この日の勝者たちはきたる10月29日大阪メルパルク大阪で西日本新人王と対戦し、西軍代表の座を争うことになっている。

「無問題(モーマンタイ)」V6へ女王・多田豪語


 6度目の防衛戦を後楽園ホールで行うWBA女子世界ミニマム級王者・多田悦子(フュチュール)は予備検診の会見から絶好調。デビュー以来の後楽園ホール登場に「関東でも知ってもらいたい。そのほうが話が早い」と聖地でのアピールに自信たっぷり。「相手は背か高いと想定して練習していたが、思ったより小さかった。でもモーマンタイです」と切り出し、「ボクシングはスピードとタイミング。技術的なボクシングを見せたい。そして、こういう世相ですから、ボクシングを見て、生きていることを実感して欲しい。そういうボクシングをと思って練習してきました。拳の骨折が確実に治ったので、狙いはしないがパンチ力のアップを試したい」とKOシーンの可能性をほのめかした。

検診の主な数値は以下の通り
    多田     ノンムアイ
身長 161.0   158.2センチ
胸囲  80.5   75.5
リーチ 165.0  163.5
視力 1.5/1.5 1.5/1.2(左/右)
血圧 128/83  113/70
脈拍 48      60
体温 36.5    36.7

「世界初挑戦、楽しみ」L・ミニマム級安藤


 新設されたWBA女子世界L・ミニマム級王座を狙う安藤麻里(フュチュール)は世界初挑戦だが、「楽しみです。勝つ自信あります。(アマラに勝っている)多田さんからインサイドからのパンチ、アッパーが当たるとアドバイスされました。相手は出てくる選手ですが、自分はアウトボクシング、インファイトどちらでも戦える。押し負けることはありません」ときっぱり。王座を争うアマラ・ゴーキアット側は「タイの予想では、カニタ、ノンムアイが五分。アマラは6-4で有利と言われています」と明かしているから最軽量級は激しい戦いになりそうだ。

検診の主な数値は以下の通り
    安藤     アマラ
身長 154.5   150.5センチ
胸囲  80.5   76.0
リーチ 158.0  153.0
視力 2.0/2.0 2.0/1.5(左/右)
血圧 116/72  113/70
脈拍 49      57
体温 36.7    36.7

「自分の成長に興味」藤岡初防衛へ


 予備検診に臨んだWBC女子世界M・フライ級王者の藤岡奈穂子(竹原&畑山)は検診で血圧が高めに出たことについて「走ってきたこともあるが、ここに来るといつも血圧が上がるのでしょうがないかな」と笑い、「対戦者が皆かわいくてファッションも負けているのでもう少しドレスアップしないといけないかな」い余裕のコメント。1年前のOPBF王座決定戦で苦闘したカニタ・ゴーキアットジム(1位=指名挑戦者)との再戦に関しては「前回は自分も全然足りなかった。しかしあの試合があったから今の自分があると思う。(カニタは)その後5連勝してボクシングがうまくなっている。だから逆にやりやすくなるのかな。初防衛は難しいといわれるが、1つの試合として考えている。初防衛うんぬんよりも、自分の成長に興味がある」と自信と誇りを隠さなかった。

検診の主な数値は以下の通り
    藤岡     カニタ
身長 158.0   160.0センチ
胸囲  86.5   77.5
リーチ 162.0  163.5
視力 1.2/1.5 2.0/2.0(左/右)
血圧 141/84  106/62
脈拍 65      46
体温 36.9    37.1

「壁を乗り越える」ライカ予備検診


 9月22日、後楽園ホールで行われる女子トリプル世界戦&挑戦者決定戦の予備検診が20日後楽園ホールで行われた。
 WBC女子世界S・フェザー級挑戦者決定戦に出場する4位風神ライカ(竹原&畑山)は「(身長差6センチ弱について)背が高いなと思ったがいつもこのくらいの相手と戦っている。食べながら動いて減量し、体重は問題ない。挑戦者決定戦だが、自分は常に世界戦のつもりで、1戦1戦すべてを賭けて戦ってきた。今回もそれは変わらない。自分にとって大きな壁だが、これを乗り越えて世界に行きたい」と語った。
 一方5位ジェレナ・ムルドジェノビック(カナダ)は07年4月以来ライカと顔をあわせ(ムルドジェノビックの判定勝ち)「杞憂はちょっとあっただけ。新たな印象は試合で感じることだと思う」と語り、「2週間前に正王者決定戦が行われてフリーダ・ウォールベルグ(スウェーデン)が勝ったが、私はこのライカとの一戦に集中している」とライカとの再戦に意欲を示した。

検診の主な数値は以下の通り
    ライカ   ムルドジェノビック
身長 162.5  168.2センチ
胸囲  87.0   90.0
リーチ 166    173.5
視力 1.2/0.9 2.0/1.5(左/右)
血圧 132/72  115/69
脈拍 62      48
体温 36.6    36.7

チャーリー思わぬ苦闘防衛 米軍座間基地の試合

 OPBF(東洋太平洋)と日本のスーパー・ウェルター級タイトルを併せ持つチャーリー太田(八王子中屋)の両タイトルをかけた12回戦が18日神奈川県座間市の米軍キャンプ内体育館で行われた。元米軍属として横須賀基地に勤務経験もある太田は、挑戦者OPBF同級7位(日本同級2位)十二村喜久(角海老宝石)を3-0判定で下し、OPBFは6度、日本のそれは5度の防衛を果たした。
 試合は十二村が4ラウンドに右ストレートでダウンを奪えば、太田が10ラウンドに右フックでお返しするという波乱の展開だったが、結果は3ジャッジが揃って太田の勝ちを支持した。
 楽勝を予想されたチャーリーだったが、思わぬ苦戦は元同僚の前で気負いすぎたか、それとも相手を過小評価したためか。

2011年9月19日月曜日

トリプル女子世界戦、タイ3人娘が公開練習-「問題ない。ベルトを持ち帰る」


9月22日後楽園ホールで行われるトリプル女子世界戦の挑戦者、ゴーキアット軍団(タイ)の3人が19日午後、竹原&畑山ジムで練習を公開し会見を行った。
 安藤麻里と新設されるWBA・L・ミニマム級に出場するアムラー、藤岡奈穂子のWBC・M・フライ級に出場するカニターとも来日経験があり、富樫直美と王座統一戦経験のあるノンムアイもリラックスした様子。口々に「自信はある。問題ない」と語り、シャドーのみの練習を披露した。特にアマラーは関して「多田に挑んで敗れているが、あのときはたくさん食べて増量した。今回の102ポント級ができたこは幸運だ。アマラーのためのクラス。絶好調だ」と、かつてタイピングソフト特打ちのCMで日本のテレビに登場したことのあるステップ・トレーナーが自信を隠さなかった。
※写真は左から元WBC暫定王者ノンムアイ、アマラー、藤岡とOPBF王座決定戦以来再戦となるカニター

小森がMVP アマ全日本社会人選手権


 15日から札幌市の北区体育館で行われていた第63回全日本社会人アマチュアボクシング選手権大会は18日決勝を迎え、7階級で今年のチャンピオンが誕生した。今回が5度目となる柴田杯(団体優勝県に与えられる)は23-20で埼玉を振り切った地元北海道が3年ぶり通算3度目の優勝を果たして獲得した。
 また三賞は最優秀選手賞が地元の小森宣博、技能賞・川上裕介、敢闘賞・藤谷崇広の各選手に贈られた。以下は各級決勝記録。
LF 小森宣博(北海道・石屋製菓)ポイント 西尾亮輔(東京・コサカBG)
F  藤谷崇広(愛知・トヨタ自動車)ポイント 岡本裕(三重・員弁中学)
B  田中勇人(埼玉・自体校)ポイント 樋口隼人(三重・東芝)
L  俵光晴(埼玉・自体校)失格3R 井谷勇治(兵庫・日本テクニカル)
LW 石井直人(山口・門司FBG)ポイント 永田大士(埼玉・自体校)
W  川上裕介(熊本・北熊本自衛隊)RSC2R 青陽昭彦(広島・グロービー)
M  朴善暉(大阪・グリーンフーズ)ポイント 福田章央(北海道・室蘭工業高職)
※写真はミドル級決勝で福田に右ストレートを決める朴(右)

2011年9月18日日曜日

メイウェザーのKO勝ちめぐり騒然

 フロイド・メイウェザー(米)が4回KO勝ちでビクトル・オルティス(米)を下し、無敗を守るとともにWBC世界ウェルター級王座を獲得したが、結末をめぐり大きな論議を巻き起こした。
 17日(現地時間)ラスベガスのMGMグランドで行われた同タイトル戦は挑戦者メイウェザーがスタートからタイミングのいい右カウンターを決めるも、ディフェンディング・チャンピオンのオルティスが激しい闘志で突進。無敵メイウェザーをロープへ追い込み奮戦する。迎えた4回、やや優勢だったメイウェザーにオルティスが猛ラッシュをかけ、会場が沸く。しかしエキサイトしたオルティスは頭突きを見舞い、ジョー・コルテス主審から減点1。再開後、ハグしてエクスキューズしようとしたオルティスに、メイウェザー怒りの?ワンツーが炸裂。もんどり打って倒れたオルティスはダメージが深く、カウントアウトされた。KOタイムは2分59秒。
 メイウェザーのパンチはスポーツマンシップに反するものと取れるが、「常に自身をプロテクトせよ」という試合前の主審の注意からすると、反論できないものがある。オルティスと彼の陣営から強い抗議はなかったものの、観衆のブーイングは収まらなかった。
 試合後のリングでHBOの名物コメンテーター、ラリー・マーチャントのインタビューを受けたメイウェザーは激しいやり取りを繰り広げていた。(三浦勝夫)

カネロ強打さく裂 ゴメスを中盤ストップ


 ロサンゼルスのステープルズ・センターで17日行われたWBC世界S・ウェルター級タイトルマッチは王者サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)が挑戦者アルフォンソ・ゴメス(メキシコ=米)に6回KO勝利で2度目の防衛に成功した。
 初回終了間際、左ショートでダウンを奪ったアルバレスがその後も断続的に左右パワーパンチを決めて優勢。これが2度目の世界挑戦のゴメスも懸命にリターンして食い下がるが、決定打を回避するのが精一杯。迎えた6ラウンド、アルバレスの右アッパーを食らったゴメスは半ば失神してバックステップを踏む。アルバレスの追撃は鋭く、左右連打で滅多打ち。ロープを背負ったゴメスをレフェリーが救ったタイムは2分36秒。
 アルバレスは38勝28KO1分。ゴメスは23勝12KO5敗2分。(三浦勝夫)
=PHOTO/SUMIO YAMADA=

モラレス4階級制覇 カノをTKO

 エリク“テリーブレ”モラレス(メキシコ、35歳)がS・バンタム、フェザー、S・フェザー級に続き4つ目のベルトを巻いた。17日ラスベガスのMGMグランドで行われたWBC世界S・ライト級王座決定戦でモラレスはパブロ・セサール・カノ(メキシコ)に10回終了TKO勝ち。
 序盤、若いカノ(21歳)がスピードと身長差を生かし、左右コンビネーションを決めるなど優勢に立つ。しかし4回の攻防でカノは左目をカット。これを境に元3階級制覇王者が攻勢に転じ、展開は拮抗する。カノのカットは徐々に広がり、モラレスの右がコンスタントにヒット。カノも右ストレートでモラレスの左マブタをカットさせるが、9回、モラレスのアタックで右目もカットし顔面は凄惨。10回、劣勢のカノはドクターチェックで続行が許可されたものの、ラウンド終了インターバルでセコンドが棄権を要請した。
 10ラウンドまでのスコアカードは96-94、95-95、97-93と2-0でモラレスが優勢だった。この王座はティモシー・ブラッドリー(米)が防衛戦の予定が立たず、はく奪されたため(その後名誉王者に変更)挙行されたもの。(三浦勝夫)

休暇王者ロハスが再起

 日本で粟生隆寛(帝拳)から王座を奪った元WBC世界フェザー級チャンピオンで、現在休暇王者扱いのエリオ・ロハス(ドミニカ共和国)が17ヶ月ぶりにリングに登場。17日(現地時間)地元のサンフランシスコ・デ・マコリスでアルトゥロ・ゴメス(メキシコ)に8回TKO勝ちを収めた。
 開始ゴングとともに今回が3度目のドミニカでのファイトとなるゴメスが果敢に打ち合いを挑む。ロハスもこれに応じ、試合は熱を帯びるが、ドミニカンは随所にカウンターを決めてリード。スキルで勝るロハスはサイドステップを使い、ゴメスのアタックを封じる。それでも勇敢に前進するメキシカンだが、7回にはガス欠の様相に。8回、出血も見えるゴメスを追い込むと、主審がストップをかけた。
 ロハスは23勝14KO1敗。「ブランクの影響はなかった。エリオ・ロハスは依然としてハングリーで、以前よりベターなボクサーになっている」とコメント。ゴメスは18勝8KO18敗5分。

藤岡必勝態勢 女子トリプル戦

 女子トリプル戦に出場する藤岡奈穂子、風神ライカ(ともに竹原慎二&畑山隆則)が17日、練習を公開。22日の試合に向けて順調な調整ぶりを印象づけた。
 WBC女子ミニ・フライ級王座の初防衛に臨む藤岡は筋トレ、サプリメント補給でパワーアップを図っており、その成果を披露したい考え。「王者になって自信がでてきた」と藤岡を評する竹原慎二会長は「7回までに倒します」と愛弟子のKO防衛を予言。当の藤岡は「流れの中でKOできれば…」と控えめに答えた。コンビを組む小沢トレーナーと2ラウンドのスパーを行い、時にスイッチしながらフック、ストレートで飛び込む元気のいい動きを見せていた。
 またWBC女子S・フェザー級挑戦者決定戦に出場するライカは「これに勝って世界戦をやりたい」と意欲満々。「チャベスのような戦い方をしたい」とメキシコの伝説を目標に掲げている。
 なお同じリングで世界戦に出場する多田悦子、安藤麻里(ともにフュチュール)はすでに16日に公開練習を行っている。

2011年9月16日金曜日

ジョニゴン、ムタグワ一蹴 WBCフェザー級戦


 15日(現地時間)米テキサス州エルパソで行われたWBC世界フェザー級タイトルマッチは王者ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)が挑戦者ロジャー・ムタグワ(タンザニア)を2回2分15秒TKOで下し、長谷川穂積(真正)から奪ったベルトの2度目の防衛を果たした。
 初回、積極的に仕掛けたムタグワに、ゴンサレスはロングレンジから左ボディー、左右を返し優位に立つ。自信をつかんだゴンサレスは2回、一気に畳みかけムタグワをロープへ送る。右でヨロけた挑戦者になおも襲い掛かり、ムタグワはグラつきコーナーへ。そこへ王者が追撃したところで主審が割って入った。
 30歳の誕生日を自身の勝利で祝ったジョニゴンは50勝目(44KO7敗)。3度目の世界チャレンジに失敗したムタグワは26勝19KO15敗2分。
=PHOTO/SUMIO YAMADA=

前王者ミランダ、TKOで再起


 前WBO世界フライ級王者フリオ・セサール“ピンゴ”ミランダ(メキシコ)が15日(現地時間)メキシコ・ロサリートに登場。7月、“ハワイアン・パンチ”ブライアン・ビロリア(米)に敗れて以来の再起戦を飾った。
 初回、偵察戦からボディー連打を繰り出すミランダに対し、相手のサウスポー、ルイス・カルロス・レオン(コロンビア)はコンビネーションをリターンして応戦。2回にプレスを強めたミランダはまたもボディーを執拗に叩く。ラウンド終了にこぎ着けたレオンだったが、3回開始のゴングに応じることができなかった。
 3回開始TKO勝ちのミランダは36勝29KO6敗1分。この日ダブルメインで登場する予定だった前L・フライ級統一王者ジョバニ・セグラ(メキシコ)との対決が噂される。レオンは13勝11KO5敗。
 セミファイナルではIBFバンタム級14位フェリペ・オロクタ(メキシコ)がデイビス・ペレス(コロンビア)に5回23秒KO勝ち。(三浦勝夫)

2011年9月15日木曜日

表紙は清水! BB10月号発売


「ボクシング・ビート」10月号は本日(15日)発売。今号の巻頭カラー頁では「王者西岡、いざラスベガスへ」と題して、10月1日(日本時間2日)に米国ラスベガスのMGMグランドホテルで行われるWBC世界S・バンタム級王者西岡利晃の7度目の防衛戦、挑戦者で元2階級世界王者のメキシカン、ラファエル・マルケス相手のタイトル戦を展望。おなじみ飯田覚士さんが帝拳ジムで練習中の西岡を尋ね、直撃インタビューを試みているほか、西岡ボクシングの近年の変化・成長ぶりを浜田剛史、矢尾板貞雄の両氏が分析している。
 試合リポートでは、新王者清水智信の誕生と、亀田興毅が苦闘防衛に成功したダブル世界タイトル戦を筆頭に内外の主要試合を掲載。新チャンピオン清水については、関係者の証言によりその素顔に迫り、ジム創立45年目で初の世界王者を生んだ金子ジムのスタッフや沿革も紹介して、清水が世界王座についたバックグランドを紹介している。
 インタビュー特集「彼らの胸の内」では、初防衛に成功した井岡一翔はじめ、世界も視野に入ってきた山中慎介、五十嵐俊幸、八重樫東、細野悟、佐藤洋太、宮崎亮のホープ&ベテランたちを直撃。またキックから転向した土屋修平はじめ、最近異種格闘技界からの転向組が台頭しつつあることから、まとめて特集を組んでいる。
 アマチュアページも充実。全国高校総体等リポートのほか、アマチュア復帰した赤井英和さんのインタビューも。
 ボクシング・ビート10月号はお近くの書店でお求めください。株式会社フィットネススポーツ発行、定価920円(本体876円)。書店にない場合は、書店に注文するか、発行元のフィットネススポーツ販売部(☎03-)までお問い合わせください。このページ右の10月号をクリックして、アマゾンで注文することもできます。

小國がガスカ挑戦 11.3神戸で

 OPBF・S・バンタム級15位小國以載(VADY)の初タイトル戦が決まった。11月3日、神戸サンボーホールで同級王者ロリ・ガスカ(比)に挑戦する。
 小國(23歳)は神戸一高、芦屋大(中退)を経てプロ入り。アマ通算58勝28KO・RSC14敗を記録したオーソドックス・タイプ。プロ入り後は6勝2KO無敗のレコードで、今回7戦目でのタイトル挑戦となる。
 チャンピオンのガスカは大橋弘政から王座を奪ったばかりで、小國戦が初防衛戦。高嶋穣会長によると、試合まで特にキャンプは行わず、ゼロフィット・ジェロッピ瑞山(千里馬神戸)や上谷雄太(井岡)ら関西の選手とスパーで調整していくという。
 またVADYジムは9月からジムを移転し営業している。新しい住所は以下のとおり。
■住所 神戸市長田区日吉町4丁目1-6丸寿ビル1F(JR新長田駅徒歩5分)
■電話 078-643-0777
■FAX 078-643-0222

2011年9月14日水曜日

ジムでの事故にも見舞金 西日本協会

 プロボクサーの試合中の事故については、日本プロボクシング協会が独自の“保険金制度”を定めて対応しているが、これをジムの一般会員も含めた練習中の事故にも対応しようと、西日本ボクシング協会(度紀嘉男会長)が「協会見舞金制度」を全国にさきがけてスタートさせている。
 年間2千円を、同協会加盟ジム(56ジム)を通じて支払うと、もしジムでの練習中に死亡事故や重篤事故が起きた場合、協会から事故の程度に応じて見舞金が支払われる。死亡の場合は、当事者150万円と、ジム・オーナーに100万円。入院の場合は1日5千円(1ヵ月限度)が支払われる。
 プロ選手の試合やスパーでの事故では協会独自の見舞金制度が適用されているが、ライセンスを持たない一般のジム練習生がスパーリング等で事故に遭った場合はこれまで適用されなかった。西日本協会の新見舞金制度は、これを補おうというもの。「ジムの安心のためにこの制度を作りました」というのは度紀嘉男・アポロジム会長(60歳)だ。被害に遭った練習生だけでなくジム・オーナーにも支払うのは、度紀会長が過去に自らのジムで実際に事故が起き、苦い経験をしたことを踏まえてのことという。事故は起きないにこしたことはないが、「万一の時のために、どうしてもやりたかった」と同会長。

2011年9月13日火曜日

米軍座間基地でチャーリーが防衛戦 観戦はTシャツ購入で


 OPBF(東洋太平洋)と日本のS・ウェルター級ダブルタイトルホルダー、チャーリー太田(八王子中屋)が18日神奈川県座間市の在日米軍座間基地内で、日本2位(OPBF9位)の十二村喜久(角海老宝石)相手に2本のベルトを懸けてタイトルマッチ12回戦を行う。前座試合ではフライ級ウォーズ勝又(勝又)-板垣幸司(広島三栄)、フェザー級関本純太(勝又)-ディアネバー・オルカレス(豪)の8回戦を含め6試合が用意されている。18日は基地が一般開放される日にあたり、試合は基地内のヤノ・フィットネス・センターで、午後1時会場、1時半開始。右写真は試合ポスター。
 主催の勝又プロモーションによると、このイベントは東日本大震災に際し「トモダチ作戦」を展開して支援してくれた在日米軍に感謝をあらわす趣旨で企画され、元米軍人で横須賀基地勤務歴のあるチャーリーがメインカードを務めることになったもの。他に日本ライト級22度防衛の記録保持者でやはり日本で勤務歴のあるリック吉村さんもスパーリングのレフェリー役として登場する。
米軍基地内の試合のため、通常のプロ試合のようなチケット発売はないが、主催者はこの試合の記念Tシャツ3千円を販売し、購入者に1点につき1枚の観戦券に相当する整理券を配っている(事前に電話で申し込むことになっている)。問い合わせは勝又プロ(☎03-5694-0236-)へ。

コブラ初回KO

13日夜後楽園ホールのメイン8回戦は、コブラ諏訪(ピューマ渡久地)が大崎展幸(吉祥寺鉄拳8)から初回3度ダウンを奪ってKO勝ち。10勝9KO9敗1分と勝ち越しを決めた。
返しの左フックで最初のダウンをマークしたコブラは、またも左フックで倒すとラッシュでフィニッシュした。タイムは2分3秒。
前座の6回戦結果は池ノ内ワタル(福田)が宮本真幸(トクホン真闘)に2−1判定勝ち。川奈充(青木)が黒田秀樹(福田)に6回TKO勝ち。

2011年9月12日月曜日

ガンボア負傷判定勝ち フェザー級卒業!?


 キューバのスター、ユリオルキス・ガンボアが10日(現地時間)米アトランティックシティのボードウォーク・ホールのリングに上がり、元WBO世界J・フェザー級王者ダニエル・ポンセ・デレオン(メキシコ=WBOフェザー級2位)を8回1分24秒、負傷判定で下した。
 計量でフェザー級リミット1ポンド超の127ポンドだったガンボアは、2回から上下にコンビネーションを浴びせ、サウスポーのデレオンをコントロール。前回のソリス戦のような豪快なKO劇を期待されたガンボアだが、逆にそれに逆らうようにアウトボクシングに執心。強打者デレオン(同じく127ポンド)の繰り出す左をことごとくかわしポイントを蓄積。8回、偶然のバッティングでメキシカンは額をカット。出血が止まらず、ドクターがストップをかけた。スコアカードは80-72が2者に79-73でガンボア。
 前WBA-IBF世界フェザー級王者ガンボアは「きょうは3,4ラウンドやるより重要な経験となった。126ポンド(フェザー級)ではすべてをやり遂げ、証明すべきものがない。上の階級で世界のベストボクサーと対戦したい。そう、マニー・パッキアオとやりたい」と語っている。

モラレスの相手はカノ WBC・S・ライト級王座決定戦


 17日ラスベガスで挙行されるフロイド・メイウェザー-ビクトル・オルティス戦のリングで、3階級制覇王者エリク・モラレス(メキシコ)と対戦する予定だったルーカス・マティセー(アルゼンチン)が病気を理由に出場を辞退。モラレスの相手、ピンチヒッター選びに奔走した主催のGBPはパブロ・セサール・カノ(メキシコ=WBC・S・ライト級12位)を抜擢。この試合は当初と同じくWBC世界S・ライト級王座決定戦として行われることになった。
 WBC傘下のNABFタイトルを獲得したこともあるカノは21歳の新鋭。GBPと契約しており、これまで22勝17KO1分と無敗を誇る。WBCもホセ・スライマン会長直々、タイトル戦の承認を与えている。「カノ以外にランカー陣で代役はいない」(同会長)。確かに同日はホルト-ガルシアが対戦し、ホセシート・ロペスがラスベガスで戦う。
 カノのトレーナー、ルディ・ペレスはモラレスの宿敵だったマルコ・アントニオ・バレラのトレーナー。その意味でも興味深い顔合わせだ。

八重樫2度目の世界挑戦 10.24WBAポンサワンに


 WBA世界ミニマム級3位・八重樫東(大橋)の2度目の世界挑戦が10月24日(月)、後楽園ホールで行われることに決まった。八重樫はWBA同級チャンピオン、ポンサワン・ポープラムック(タイ)に挑戦する。12日、大橋ジムで発表会見が行われた。=写真=
 岩手県出身の八重樫(28歳)は拓大を経て大橋ジム入り。デビュー5戦目でOPBF王座に就くなど順調に出世し、07年6月には7戦目で当時のWBC王者イーグル京和に挑戦。これは12回判定負けしたが、その後09年日本タイトルを獲得し、この王座を3度防衛して今度のチャンスを手にした。戦績は14勝7KO2敗。
 これが初防衛戦の王者ポンサワン(33歳)は今年7月に5度目の挑戦を実らせてラクマンに判定勝ちし、WBA王座を奪取したベテラン。23勝16KO3敗1分のうち、3敗1分はすべて世界戦で喫したものだ。映像を見た八重樫によると「コリアン・ファイターのような力強さ、スタミナのある選手」という。
 イーグル戦以来約4年5ヵ月ぶりの世界挑戦に、八重樫は「メンタル面で大きく成長したと思う。世界チャンピオンに必ずなりたい」とやる気満々。ベルト奪取を誓っていた。
 なお試合はテレビ東京系列でゴールデンタイム全国生中継される。

アマ台北市カップ、日本は藤田ら6選手が優勝 

 第1回台北市カップ国際トーナメントは8日から10日まで台湾の台北市でフィリピン、韓国、ベトナムなど9ヵ国が参加して開催された。日本はこの大会に男女合わせて10選手が出場し、男子では6名が優勝し、女子は2名が優勝と好成績を残して11日帰国した。
 決勝に8人が残った男子は、LF級野邊優作(拓大)、B級中澤奨(東農大)、L級藤田健児(倉敷高)、W級皆川直樹(日大)の4人が優勝。F級田中一樹(龍大)とLW級吉野修一郎(東農大)はいずれも1ポイント差で優勝を逃し銀メダルに終わった。
 女子はF級新本亜也(クリエィティブジャパン)、釘宮智子(平国大)の日本ナンバーワン・コンビが出場し、新本は決勝で台北選手に、釘宮は比国選手にそれぞれ文句ないポイント勝ちをおさめ優勝。釘宮は女子の最優秀ボクサーに選ばれている。
 台北市が主催したこの大会、日本は特に男子は若手を中心にメンバーを構成し、他の出場国も地元以外は最強メンバーとはいえなかったが、それでも、この種の国際大会にこれだけの人数が参加し、しかも優勝できたのは貴重な経験だったに違いない。
 なお日本から多数のメディア(主にテレビのワイドショー)が取材に訪れ現地の関係者をビックリさせたが、お目当てはタレントの山崎静代(梅津ジム)。ミドル級にエントリーし、初の公式試合デビューを迎えたからだった。山崎は大会初日(8日)ミドル級に出場したが、地元台湾の薛春秋に22-44で大差のポイント負け。「1回はRSC負けするのではないかとヒヤヒヤさせたが、その後立ち直り反撃していた。相手も台湾の五輪候補だけに強かった」と、日連関係者の感想だった。

クリチコ兄、アダメクをTKO WBCヘビー級戦


 クリチコ王国は揺るぎなし。ポーランドのブロツワフで4万2千人のファンを集めて10日(現地時間)挙行されたWBC世界ヘビー級タイトルマッチは、王者ビタリ・クリチコ(ウクライナ)が挑戦者1位トマシュ・アダメク(ポーランド)を10回2分20秒TKO。2度目の政権のV7を果たした。
 初回、右でアダメクをダウン寸前に追い込んだクリチコが体格を生かしたストロング・ジャブを突いてリード。やはり体格差は明白で、アダメクは飛び上がるような体勢でパンチを繰り出す。それでも地元の大声援をバックに挑戦者は4回、5回と左フックで反撃。しかし6回、クリチコの強打を浴びてロープまで飛ばされ、主審のカウントが入る。7回にはクリチコも鼻血に悩まされるが、ジャブでコントロールすると、8,9回は攻勢をかけてポーランド人を追い込む。そして10回、クリチコの左右がアダメクを捕え、脚がフラついたところで主審が「それまで」と判断し、腕を交錯させた。
 弟ウラジミールとヘビー級王座を独占するクリチコは43勝40KO2敗。元L・ヘビー級&クルーザー級王者アダメクは44勝28KO2敗。
※写真はアダメクに長い左リードを放つ王じゃクリチコ =PHOTO/SUMIO YAMADA=

サルガド世界王座復活 メンデスに3-0判定勝ち

 元WBA世界S・ファザー級王者フアン・カルロス・サルガド(メキシコ)が2年ぶりに世界チャンピオンに返り咲いた。サルガドは10日(現地時間)メキシコ・グアダラハラでアルヘニス・メンデス(ドミニカ共和国、IBF1位)を12ラウンド、3-0判定で下し、空位のIBF世界J・ライト級王座を獲得した。
 コーナーに今年殿堂入りした名将ナチョ・ベリスタイン・トレーナーが陣取ったサルガドは出だしからボディー打ちを中心とした連打を浴びせペースを握る。メンデスもリターンするが、手数の差は歴然。5回、ドミニカ人はヒジ打ちで減点1。試合は7回までメキシカンが一方的にリードする。しかし8ラウンドを境に、それまで眠っていたメンデスが目を覚まし、スピーディーなパンチを決め大反撃。11回終了間際スリップダウンしたサルガドは青息吐息。最終12回、連打を食らったサルガドは抱きついて倒れ、カウントが入る。残り30秒、内山戦のフィナーレのような状況になったが、メンデスには内山ほどのパワーはなく終了ゴング。スコアは114-112が2者に115-110でサラゴサの手が上がった。
 涙を流して抗議したメンデスだったが、判定は妥当。しかしジキルとハイド氏のようなパフォーマンスだったサルガドはハートとスタミナの強化が課題に思える。なお、勝者はベリスタイン氏にとり、23人目の世界王者となった。

2011年9月7日水曜日

元プロの米田、知念両氏のアマ復帰認める


 日本アマチュアボクシング連盟(山根明会長)は6日、大阪市内で開いたアマチュア資格審査委員会で、プロ経験者の米田了(元大体大浪商高、大体大・38=写真=)、知念健次(元沖縄水産高・48)両氏のアマチュア資格回復を認めることを決めた。今年4月日連の規約改定により、プロ経験者のアマチュア資格が条件付きで認められるようになって以来、先月の赤井英和氏に続く2、3例目のアマ資格回復となる。
 岐阜の中京高校の指導者、石原英康氏(元プロの東洋S・フライ級王者・36)も、近く書類が整い次第アマチュア復帰が認められる方向という。

2011年9月6日火曜日

ベルト、IBFで復活 ザベックに負傷TKO勝ち

 前WBC世界ウェルター級チャンピオン、アンドレ・ベルト(米)が3日(現地時間)米ミシシッピ州ビロクシーに登場。IBF同級王者ヤン・ザベック(スロベニア)を5回終了TKOで下し、5ヶ月弱で王座に返り咲いた。
 カリフォルニアで行ったキャンプでは貧血症に陥ったとも噂されたベルトだが、全くその気配は感じられず、豪快な右アッパーを主武器にスロベニア人王者を圧倒。3回にカットを負ったザベックも懸命にリターンしたが、5回、右を食らい一瞬ヒザを揺らす。結局このラウンド、王者の右マブタのカットが悪化。インターバルでストップがかかった。
 メイウェザー-オルティス戦の勝者との対決を望むベルトは28勝22KO1敗。ザベックは31勝18KO2敗。

2011年9月5日月曜日

8月のMVPはチャーリー 敢闘・村中、新鋭・三浦


 東日本ボクシング協会は5日、8月の月間賞を発表し、8日後楽園ホールの東洋太平洋&日本S・ウェルター級タイトルマッチで、前王者で1位の柴田明雄(ワタナベ)を6回KOで撃退したチャンピオン、チャーリー太田(八王子中屋)=写真=を最優秀選手賞(MVP)に選んだことを明らかにした。同時に敢闘賞には、27日の日本フライ級ランカー対決で同級9位・佐藤洋輝(ワタナベ)に8回判定勝ちした5位・村中優(フラッシュ赤羽)が、新鋭賞には6日のS・ミドル級8回戦で、松本晋太郎(ヨネクラ)に判定勝ちした日本1位の三浦広光(帝拳)がそれぞれ選ばれた。
 チャーリーは5月の湯場忠志戦に続く同賞受賞。きたる18日には米軍座間基地内で同級2位の十二村喜久(角海老宝石)相手の防衛戦が予定されているが、現在米国カリフォルニア州に滞在し、同級の世界王者カネロ・アルバレス(メキシコ)のスパーリング・パートナーを務めている。10日に帰国予定。
 各受賞選手の表彰式は、10月4日(火)、後楽園ホールのリング上でとり行われる。

2011年9月4日日曜日

岡田意外な苦闘V2 涼野善戦 日本S・フェザー級戦


  日本S・フェザー級タイトルマッチは3日、後楽園ホールで行われ、チャンピオンの岡田誠一(大橋)が、挑戦者日本同級5位凉野康太(五代)を判定で下して2度目の防衛を遂げた。
 試合は立ち上がりから果敢に攻める挑戦者に対し、チャンピオンは脇腹への左フック、顔面への右アッパーの強打を多用して応戦。中盤にペースを掴んだ。しかし「途中で失速すると思った」(岡田)という涼野が予想外に奮闘。鼻血と初回に岡田のパンチで切られた左目の出血に悩まされながらも最後まで手を出し続け、終盤8、9回も再三岡田をロープに詰めて優勢だった。
 結局判定勝負となり、3ジャッジの採点は96-95(浦谷)、97-94(福地)、98-93(杉山)と3-0でチャンピオンの手が上がった。「気持ちがタフだった」と敗者を称えた岡田。アマ(東京農大)出身のチャンピオンが、13年目で初挑戦の生え抜きのプロ、涼野に思わぬ苦戦をさせられた内容だった。
※写真は4ラウンド、ロープ際で右フックを涼野の顔面に決めるチャンピオン岡田

長谷川も飛び入り 粟生の成田キャンプ打ち上げ


 11月に2度目の防衛戦が決まっているWBC世界S・フェザー級王者粟生隆寛(帝拳)が3日、千葉県成田市内で行っていたキャンプ・トレーニングを打ち上げた。次の試合に向けて2回目となるキャンプで、8月28日から山中慎介や五十嵐俊幸ら帝拳ジムの同僚らと走り込み中心のトレーニングを続けていた。粟生の次期防衛戦は11月6日東京・国立代々木競技場第2体育館で同級9位デビス・ボスキエロ(イタリア)の挑戦を受ける。
 30日には神戸から前世界2階級王者の長谷川穂積(真正)が飛び入り参加。僅か3日間だったが、盟友のキャンプ合流に「いい刺激になります」と歓迎していた。
 長谷川は再起宣言こそ出したものの、まだ具体的な試合予定は立っていない。「年内にもやりたい。いきなり世界は無理でしょうから、世界ランカー級と……」と、再起戦がノンタイトル戦になることを示唆した。
 このキャンプには、粟生の帝拳ジムの同僚4人が同行。11月6日に粟生と同じリングで「世界挑戦者決定戦」が決まっているバンタム級山中とフライ級五十嵐、横浜光ジムから移籍した元日本S・フェザー級王者三浦隆司と、S・ライト級の外園隼人。今回もが付き添い、成田ゴルフクラブのコースを毎日午前と午後の2回で計30キロ超を走り、付き添いのスポーツ・トレーナー中村正彦さんの指導のもとに体幹トレーニングに取り組んでいた。
 ※写真は成田キャンプでの左から長谷川、五十嵐、粟生、山中、三浦、外園。
 なお三浦は10月18日に後楽園ホールで移籍第一戦(相手未定)が予定されている。

2011年9月2日金曜日

ベテラン國重、田中を制す

2日の後楽園ホールは軽量級注目の1戦。チャンピオンカーニバルで八重樫東に敗れて以来の再起を賭けたWBAミニマム級12位田中教仁(ドリーム)だったが、世界戦経験もある國重隆(ワタナベ=L・フライ級10位)に1−2の判定負けを喫した。
序盤からバッティングが多発。田中はこれでひるんだ國重に右フックを決めてリードした。しかし中盤から國重が徹底したアウトボクシングにシフトすると田中は距離を失ってミスブローを繰り返し、國重のリード、カウンターにポイントをもっていかれた。スコアは國重の77−76.77−76.76−77。
バンタム級2位につけタイトル挑戦も視野に入っていた臼井欽士郎(横浜光)は元ランカーの中嶋孝文(ドリーム)のボディー攻めから打ち合いに巻き込まれ、ファンを熱狂させる打激戦を演じたが、75−78.75−78.74−78のスコアで敗退した。
他の8回戦は、フェザー級2位上野則之(RK)か山崎武人(本多)に77−76.77−75.78−76で判定勝ち。S・バンタム級3位前之園啓史(石丸)が青木幸治(角海老宝石)のボディーを攻めて4回TKO勝ち。元ランカーの熊野和義(宮田)が坂本大輔(角海老宝石)を2−1判定に下した。6回戦は蓮沼テツヤ(角海老宝石)がていねいなジャブで林和希(八王子中屋)の強打を封じた。

いよいよ決勝-最強後楽園記者発表


 来年度のチャンピオンカーニバルでの日本タイトル挑戦権を賭けたトーナメント“最強後楽園”。10月15日のファイナルを前に出場選手が集っての記者発表が後楽園飯店で行われた。
 4回目を迎える今年はL・フライ級及びスーパーが付くクラスの5階級で実施。カードは次の通り
L・フライ級
田口 良一(ワタナベ)1位
木村  悠(帝拳)3位

S・フライ級
翁長 吾央(大橋)2位
帝里 木下(千里馬神戸)6位

S・バンタム級
塩谷  悠(川島)1位
石本 康隆(帝拳)4位

S・フェザー級
金子 大樹(横浜光)2位
松崎 博保(協栄)7位

S・ライト級
岩渕 真也(草加有澤)3位
麻生 興一(角海老宝石)4位

試合は8回戦。第一開始は午後6時。会場はもちろん後楽園ホール。
 チケットは1万2千円、1万円、7千円、3千円で9月3日から日本プロボクシング協会、後楽園ホールのほかローソンチケット、チケットぴあ、CNプレイガイドで発売。
 また最強後楽園のミニ・フラッグが付いたプレミアムシート(限定40席=1万2千円)は日本プロボクシング協会で発売。こちらは先着順の電話申し込み(03-3812-7447=日本プロボクシング協会)

2011年9月1日木曜日

ゲール、地元でV1 IBFミドル級戦

 31日、オーストラリア・タスマニア島のホバートで行われたIBF世界ミドル級タイトルマッチは王者ダニエル・ゲール(豪州)が挑戦者エロモーゼル・アルバート(ナイジェリア)を3-0判定で下し、初防衛を果たした。
 オフィシャルスコアは116-112、117-111、119-109でゲール。12ラウンドにわたり、ゲールがアウトボクシングを披露しポイントアウトした。アルバートは勇敢に対処し、いくつかのラウンド、コンスタントなプレスをかけたが、ゲールの動きの量とテクニックの前に局面を打開することができなかった。
 ゲールは26勝15KO1敗。アルバートは24勝12KO5敗1分。

ドネア―ナルバエスはMSGで アラム氏が明言

 米国、フィリピン・メディアが報じるニュースで、トップランク社のボブ・アラム・プロモーターがWBC&WBO世界バンタム級王者ノニト・ドネア(比)の復帰戦が10月22日、ニューヨークで挙行されると公言したという。相手は既報のように、WBO世界J・バンタム級王者オマール・ナルバレス(アルゼンチン)。ナルバレスを相手に2つのベルトの防衛戦に臨む。
 ドネアは当初、同日ロサンゼルス近郊カーソン市にあるホームデポ・センターに登場する予定だったが、アラム氏によると1週間前にライバルのGBPがロサンゼルスでホプキンス-ドウソン戦を開催することからニューヨークへ会場を移すことになるという。場所は殿堂マジソン・スクエア・ガーデン。メインアリーナではなく、”シアター“が使用される。

清水、眼か底骨折負っていた


 昨夜日本武道館でウーゴ・カサレスを下してWBA世界S・フライ級新王者となった清水智信が金子ジムで一夜明け会見。「まだ実感はないが強いカサレスに勝てたことがうれしい。僕一人の戦いではなかった。みんながいたから勝てたと思う」と謝意を表した新王者は「ボクシングを13年やってきた証が欲しかった。それは達成したので周りのために戦っていきたい」と語った。
 清水は昨夜、激闘のダメージから病院に直行し、そのまま入院。点滴を受けるなどしてし、病院から会見にやってきた。また清水は、右目瓶か底骨折を負っていたことも明らかになった。金子トレーナーは「医者からは、怪我は軽度であり手術をせずに保存療法でいいと言われている。初防衛戦は、週単位で経過をみて、一ヵ月後にメドが立つと思う。年内の試合も可能性はあるが、清水の健康を第一に考えたい」としている。
 特別コーチの元世界王者・洪秀煥氏(写真右)も応援に駆けつけ会見に出席した。

亀田V2 ダウン奪うも苦闘判定勝ち WBA・バンタム級


 会心にはほど遠いデキ――31日日本武道館のダブル世界タイトルマッチのメインカードとして行われたWBA世界バンタム級戦は、王者亀田興毅(亀田)が挑戦者(8位)のデビッド・デラモラ(メキシコ)を微差の3-0判定に退け、2度目のベルト防衛を果たした。
 3回に左フックを決めてデラモラを派手にダウンさせた時点で亀田のKO勝ちは時間の問題かと思えたが、その後回復したデラモラが積極的に手を出し続けると、守り中心の試合運びとなり、手数がめっきり少なくなった。デラモラの攻撃で左眼上をカットして、より慎重になったようだった。所どころで左ストレートを決めたものの、それ以上にデラモラを追い詰められず、3回のダウン以外はこれといった見せ場のない試合に終始した。
 スコアは114-113、115-112、115-113と、いずれも亀田の勝ちだったが、1人は1点差としたように際どい判定。デラモラの攻勢よりも亀田の的確さにポイントが付いたが、12ラウンド中8ラウンドはジャッジの採点が割れたように、微妙な試合ではあった。観客を満足させることができなかったことをわきまえた亀田はГ30点のデキ。もっともっと練習しなければ」と殊勝に語っていた。

清水三度目の正直で世界奪取 WBA・S・フライ級



 31日日本武道館のダブル世界タイトルマッチで最初に行われたWBA世界スーパー・フライ級戦は、挑戦者7位の清水智信(金子)が王者ウーゴ・カサレス(メキシコ)を2-1判定に破り、世界挑戦3度目で念願の新チャンピオンとなった。
 この日の清水は、立ち上がり快調にジャブをヒットさせてペースに乗り、スピードを生かした攻防でポイントを集めた。王者カサレスはサウスポーでスタートし途中何度も右構えにスイッチし挑戦者を幻惑しようとしたが、この試みはさほど効果的ではない。老獪さも発揮できず、清水は世界挑戦2度失敗の経験も生かして優勢に試合を進めた。中盤距離が詰まり追い上げたカサレスのペースになりかけたが、清水も内藤に逆転負けした時のようなガス欠もなく、終盤もしっかり応戦していた。
 ジャッジのスコアは115-113(2人)、114-115と割れたが、清水は文字通り3度目の正直で世界の王座をものにした。「自分なりに努力はしました。やっと念願が叶った」と金子ジム初の世界チャンピオンは喜びをストレートに語っていた。
 試合後敗者は「判定には驚いた」と不満をあらわしたが、この日はミスが多く名城、久高を制した時とは別人のデキ。体重増も伝えられたが、調整がうまくいかなかったのか。
※写真上は中盤、カサレスに右ストレートを打ち込む清水。下はベルトを巻いた新王者