2013年8月31日土曜日

本サイト完全移行のお知らせ


 日頃より本サイト「Box-on」をご愛顧いただき誠にありがとうございます。かねてご報告していたように、本サイトは間もなく「BOXING NEWS」http://boxingnews.jp/に完全移行いたします。長々と引っ張ってしまいましたが、週明け9月2日(月)より本サイトは更新をいたしません。新サイトでは今まで以上に新鮮なボクシング情報をみなさまに提供する意気込みです。今後とも雑誌「ボクシングビート」及びニュースサイト「ボクシングニュース」をよろしくお願いいたします。
ボクシングビート編集部

ヘイに強力援軍 ワイルダーがパートナーに


 タイソン・ヒューリーとの英国ヘビー級頂上対決を9月28日に控えた元WBA世界ヘビー級王者デビッド・ヘイに強力援軍。米国期待のチャンピオン候補デオンタイ・ワイルダー(29勝29KO無敗)がスパーリングパートナーとしてヘイのロンドン・キャンプに合流した。
 
タッグを組んだヘイ(左)とワイルダー

 ワイルダーはプロ転向後、ウラジミール・クリチコ挑戦を控えたヘイのパートナーとして招へいされており、すでに旧知の仲。身長2メートルを超える巨漢ヒューリー対策には打ってつけの選手だと推測される。

 ヘイは「私はデオンタイのキャリアに注視している。前回スパーした時と比べ、彼の進歩、向上は著しい。彼のファイトを見るたびにベターなボクサーに変身している。彼は本物のワンパンチ・フィニッシャーだね」と絶賛。もう一人、昨年ウラジミールへ挑み判定負けしたマウリシュ・ワフ(ポーランド)もパートナーを務めている。Photo/BoxingScene.com

ドネアはダルチニアンと再起戦 11月9日内定


 米国の有料テレビHBOは、前WBO世界S・バンタム級チャンピオンで軽量級の複数階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)の復帰戦を11月9日にセットしたと発表。相手は同じく元複数階級制覇のビック・ダルチニアン(アルメニア=豪州)。ダルチニアンのマネジャー、フランク・エスピノサも肯定しており、会場は暫定ながら米テキサス州コーパスクリスティが候補に挙がっている。
 
6年前の対戦ではドネア(左)が衝撃的な勝利を飾った

 ドネアとダルチニアンは07年、当時IBF世界フライ級王者だったダルチニアンの王座をかけて対戦。下馬評を覆してドネアがセンセーショナルなKO勝ちを飾り、スターに台頭する足がかりをつかんだ。6年ぶりの再戦はフェザー級リミット126ポンド契約の12回戦。ダルチニアンも現在、主要団体のS・バンタム級上位にランクされ、両者はほぼ同じ条件で“フェザー級デビュー”を果たす。ドネアは前回のリゴンドウ戦で負った肩の負傷が完治。先週からトレーニングを開始している。

 同日のカードでチャベスJr×ブライアン・ベラ戦の延期の煽りを受けて日程が定まらなかったバネス・マルティロスヤン×デメトゥリアス・アンドラーデのWBO世界S・ウェルター級王座決定戦が挙行される見込み。しかし現在交渉中の有力カード、ローマン・マルティネス×マイキー・ガルシア戦が締結すれば、またも開催が流動的になるともいわれる。

ロマチェンコ、プロ2戦目世界獲り構想は変わらず


 アマチュア最強の称号とともにプロ入りするワシリ・ロマチェンコ(ウクライナ)のデビュー戦が10月12日ラスベガスのティモシー・ブラッドリー×フアン・マヌエル・マルケス戦のカードに正式にセットされた。相手も白羽の矢が立っていたジョナサン・オケンド(プエルトリコ)が抜擢され、WBOインターナショナル・フェザー級王座が争われる。

 ロマチェンコとサインを交わしたトップランク社は、ウクライナ人が支障なく勝利を飾れば、同じリングで行われるオルランド・サリド(メキシコ)×オルランド・クルス(プエルトリコ)のWBO世界フェザー級王座決定戦の勝者へ挑戦させると公約。来年初頭をメドに一気に勝負に出るプランを明かしている。

名城、WBA・S・フライ級暫定戦迫る

 

 元WBA世界S・フライ級王者の名城信男(六島)が9月3日、タイ・ナコンラチャシマで同暫定王座決定戦を争う。対戦相手は元WBA世界フライ級王者デンカオセーン・クラティンデーンジム(タイ)。名城は28日に現地入り。順調に調整は進んでいるという。写真は29日にバンコクで行われた予備検診でのツーショット。

エルナンデス×角谷 あすWBC世界L・フライ級戦


 メキシコシティで明日31日(日本時間1日)予定されるWBC世界L・フライ級タイトルマッチの計量が30日行われ、王者アドリアン・エルナンデス(メキシコ)、挑戦者14位の角谷淳志(金沢)ともリミットアンダーでクリアした。
 
角谷(左)のチャレンジは明日ゴング

 リミット108ポンドに近い107.8ポンド(48.9キロ)を計測したエルナンデスに対し、角谷はミニマム級に近い105.6ポンド(47.9キロ)と軽量だった。

 試合は同地のフアン・デ・バレラ体育館で行われ、前座カードでWBA女子バンタム級戦などが組まれている。プロモーターはジョニー・ゴンサレスらを擁するプロモシオネス・デル・プエブラ。Photo/BoxingScene.com

三浦、母校に偉業をたたえる記念碑


 WBC世界S・フェザー級チャンピオンの三浦隆司(帝拳)の功績をたたえる石碑が、母校の秋田県立金足農業高校に建立され、30日に同校で除幕式が行われた。
 
記念碑を前に笑顔の三浦

 除幕式には、現地時間17日に敵地で指名挑戦者セルヒオ・トンプソン(メキシコ)を下し、現在は秋田に帰省中のチャンピオンも出席した。三浦は帝拳ジムを通して以下のコメントを発表した。

「今、秋田に帰省中で、英気を養っているところですが、母校の金足農業で記念石碑を建てて頂き、その除幕式を本日30日に行いました。こんなに素晴らしい石碑を建てて頂いてとてもありがたい事で、誇りに思います!これからもこの誇りを持って頑張っていきます!」=写真提供・帝拳ジム=

2013年8月30日金曜日

8.30後楽園ホール結果

 
あっけないエンディング

◇53kg8回戦
船井龍一(ワタナベ)[1回48秒KO]ナラク・シットチャーンシン(タイ)
 初回、日本S・フライ級2位の船井が右ストレートをボディに打ち込むと、長身のナラクがうずくまった。テンカウントがむなしくコールされた。船井は19勝13KO6敗。19歳のナラクは8勝2KO7敗1分。
 
岩井(右)は右ストレートが冴えた

◇S・フェザー級8回戦
岩井大(三迫)[3-0(78-74×2、80-73)]増田靖之(石神井S)
 元ランカーの岩井は初回に右ストレートでダウンを奪ったが、ここでフィニッシュとはならなず。その後は多彩なパンチで試合を優位に進めたが、決定打がなく増田に最後まで粘られた。岩井は12勝5KO3敗1分。増田は7勝1KO5敗。

ラウンドアップ

 
岩橋は金星ならず
■日本ミニマム級2位の岩橋裕馬(森岡)が30日、タイでWBC同級1位のワンヒン・ミナヨーティン(タイ)と対戦し0-3の判定負け。スコアは108-120が2者、109-119が1者。

■9月3日にサンメッセ香川で亀田大毅(亀田)とIBF世界S・フライ級王座決定戦を争うロドリゴ・ゲレーロ(メキシコ)はウイニング本社を訪問。愛用の同社製品を買いそろえた。

■WBA世界バンタム級王者の亀田興毅(亀田)がブログで第2子の誕生を報告。長男に続いて男の子。

チャベスJr×ベラ 記者発表


 前WBC世界ミドル級王者フリオ・セサール・チャベスJr(メキシコ)×WBO同級1位ブライアン・ベラ(米)のプレゼンテーションが29日(日本時間30日)ロサンゼルスのホテルで開催され、両雄が抱負を語った。当初このカードは9月7日ロサンゼルスのステープルズ・センターで予定されたが、チャベスがスパーリングで負傷。試合は3週間後の同月28日に延期され、会場もロス近郊カーソンのスタッブハブ・センターへ変更された。会見でのコメントは次のとおり。
 
久々の試合となうチャベスJrと対戦相手のベラ

チャベスJr「カムバックにとてもエキサイトしています。これは夢のようです。カムバックのことをずっと考えてきて、やっと現実となりました。この試合は私のキャリアの第2部の開始となります。とてもモチベーションが強いです。自分がパウンド・フォー・パウンド・ナンバーワンになりたい意志をこの試合で皆さんにお見せします」

ベラ「私たちはWBOチャンピオンのピーター・クイリンに挑戦する予定だったのですが、この一戦になびきました。彼はビッグネームですから。もうこのファイトへ向けて3度もキャンプを張ったので、集中力をキープしています。スキル向上が現時点のキャンプのテーマ。ウォー(激闘)の準備をしています。我々は2人ともアグレッシブで、チンが強靭。私は勝利を信じています」

ボブ・アラム(プロモーター)「誰もがフリオのボクシング能力、パンチング・パワー、スタミナに疑問を持っていないと思う。それに彼はファイティングスピリットが旺盛。一部でリング外の品行が批判され、その噂が広まるけど、私はフリオがこのファイトで新しい1ページをめくってくれると信じている。私たちは彼がボクシングのグレートファイターになれると思っている」

 試合はS・ミドル級契約の12回戦。チャベスはミドル級に戻るオプションもある。プロモーターはアラム氏のトップランク、チャベスのザンファー・プロモーション、ベラを擁するバンナー・プロモーションの共同興行。Photo/BoxingScene.com

WBO最新ランキング 冨山がランクイン

 
冨山浩之介
WBOの最新ランキングが明らかになった。日本勢ではバンタム級で前王者パウルス・アンブンダ(ナミビア)を下した亀田和毅(亀田)が新王者として初めてランキングされた。亀田はWBOの選ぶ月間最優秀王者にも選ばれた。また同じバンタム級で冨山浩之介(ワタナベ)が15位にランクイン。S・フェザー級の金子大樹(横浜光)は15位から9位に大きく順位を上げた。

 王座交代はバンタム級とL・ヘビー級。L・ヘビー級は、前王者ネイザン・クレバーリー(英)をTKOで下したセルゲイ・コバレフ(ロシア)が新王者となった。日本勢に大きな変動はなかったが、ウェルター級の亀海喜寛(帝拳)、ライト級の荒川仁人(八王子中屋)、S・フェザー級の玉越強平(千里馬神戸)はランキングから外れた。

メイウェザー公開練習「拳が完全ならKO狙う」


 5階級制覇のスーパースター、フロイド“マネー”メイウェザーが28日(日本時間29日)ラスベガスの「メイウェザー・ボクシング・クラブ」でメディアに練習を公開した。
 

 すでに予備計量でも判明したように、ウェイトが、この試合の契約体重152ポンドを下回る150~149ポンドだというメイウェザーは、詰め掛けたメディアを前に入念なミット打ち、ヘビーサンドバッグ打ち、スピードボール打ち、ロープスキップ、腹筋、ストレッチとメニューを消化。時間無制限のインタビュー、ファンとの写真撮影に応じるなどサービス精神も発揮し、メディアデーを終えた。

 インタビューで話題がカネロの若さとパワー、サイズに及ぶと「これはウェイトの問題ではない。スキルの勝負だ。スキルが札束をもたらす。試合が待ち切れない。ヤングガイ(カネロ)を相手に、どれだけ私のスキルが競争力があるか試したい。私はまだまだハングリーだ」とコメント。
 

 そして「今回のトレーニングは2005年以来、ベストの一つ。前回のロバート・ゲレロ戦でもノックアウトをねらったけど、拳を痛めて実現しなかった。だから私自身でも出来は不満だった。今回、拳を痛めることがなければ、KO勝ちを目指して戦う」と宣言。もしノックアウトできれば、物議をかもした11年9月のビクター・オルティス戦以来2年ぶりとなる。Photos/SHOWTIME

鈴木ら7選手の派遣決定 アマ世界選手権代表選考試合


 アマチュアボクシング、2013AIBA世界選手権大会の日本代表を決める選考試合が29日午後東京・北区のナショナル・トレーニング・センターで行われた。試合後ただちに日本ボクシング連盟役員による選考委員会が開かれ、ロンドン五輪代表の鈴木康弘(自衛隊体育学校)ら7名の代表を世界選手権大会(10月11~27日・アルマトイ)に派遣することが決まった。鈴木以外の6選手はこの大会初出場となる。
 
代表に決まった右から藤田、青木、斉藤、鈴木、柏崎、成松、濱崎

 この日はL・フライ級からミドル級まで7階級でトップ選手同士が対戦。勝敗こそつけなかったものの、ヘッドギアなしの新ルールに則って行われ、ジャッジの採点(未公表)も選考委員会の参考データとされた。選考会が終わると、その場に全選手を招き入れ、梅下新介・日連強化委員会委員長代行より代表の名前が発表された。以下はこの日の対戦カード。左が代表に決まった選手名で、右はその対戦者。
 
フライ級戦で林田に左を決める青木(左)

LF級 柏崎刀翔(自衛隊体育学校)-寺地拳四朗(関西大学) 
F級  青木貞頼(東京農業大学)-林田翔太(駒澤大学)
B級  藤田健児(拓殖大学)-橋垣柊人(東京農業大学)
L級  成松大介(自衛隊体育学校)-大宮孝彦(自衛隊体育学校)
LW級 斉藤一貴(東京農大)-井上浩樹(拓殖大学)
W級  鈴木康弘(自衛隊体育学校)-佐藤龍士(自衛隊体育学校)
M級  濱崎良太(自衛隊体育学校)-高橋諒(拓殖大学)

2013年8月29日木曜日

大毅VSゲレーロ予備検診


サングラス着用で登場した大毅

 9月3日サンメッセ香川で行われるIBF世界S・フライ級王座決定戦の予備検診が29日、後楽園ホールで行われた。

 亀田大毅(亀田)とロドリゴ・ゲレーロ(メキシコ)、両選手は数値の上で大差がなかった。リーチでゲレーロが5センチ上回ってはいたが「いつも相手のほうが長いし、ふだんからあまり考えていない。30センチ差やったら別やけど」と大毅が言えば、ゲレーロも「ちょっとぐらい長くても関係ありません」と気にとめていない。

 話題は懸念される大毅の減量に集中。リミットまであと4キロと明かした大毅は、「グラム数を量って、サラダなんかをちょこちょこと摂ります」と静かに語った。一方のゲレーロは残り2キロといい、笑顔も多く見せるなどより元気だった。「亀田の3兄弟王者の記録はもう達成しましたが、同時王者は実現しません。自分が勝つからです」と自信をアピールしていた。
順調そうなゲレーロ

 検診の主な結果は以下のとおり。
    大毅           ゲレーロ
身長  167.5センチ 168センチ
頸周  36センチ   34.5センチ
胸囲  85センチ   81センチ
視力  左1.5右1.0  左1.5右0.9
リーチ 164センチ  169センチ
血圧  133/79   120/82
脈拍  68      54

カネロがビッグベアで公開練習


 決戦まで3週間弱となったメガファイト、フロイド・メイウェザー戦を前にWBC&WBA世界S・ウェルター級王者サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)が27日(日本時間28日)キャンプ地の米カリフォルニア州ビッグベアで練習を公開。ロサンゼルス地域のテレビクルー、新聞記者、カメラマン、オンラインメディアなど100人を超える報道陣が集まり盛況だった。
 
ビッグベアに大量の報道陣が集結

 場所はここ数試合カネロがトレーニングを敢行しているシェーン・モズリーの別荘兼ジム。主人モズリーも顔を出し、カネロのプロモーター、オスカー・デラホーヤ氏も出席。愛弟子カネロの宣伝に余念がなかった。
 

 スパーリングをのぞき、一通りメニューをこなしたカネロはそのクールさ、落ち着きが印象的だった。WBCの予備計量でメイウェザーと体重差があったカネロだが、ウェイトは順調に落ちているという。翌日メイウェザーも彼の牙城ラスベガスのメイウェザー・ボクシング・クラブで練習を公開する。Photos/GBP

ブラッドリー×マティセーがスパーでガチンコ勝負


 お互いにビッグマッチを控えた2人がスパーリングで対戦し話題となっている。9月14日ラスベガスMGMグランドでダニー・ガルシア(米)に挑むルーカス・マティセー(アルゼンチン)と10月12日同じラスベガスのトーマス&マック・センターでフアン・マヌエル・マルケス(メキシコ)の挑戦を受けるWBO世界ウェルター級王者ティモシー・ブラッドリー(米)の2人だ。
 
共闘したブラッドリー(右)とマティセー

 スパーは26日からブラッドリーのホーム、カリフォルニア州インディオで実現。大一番を前に大物同士が実戦さながらのパンチ交換を披露した。地元紙の取材に対しブラッドリーは「どうしてこの時期あえてビッグパンチャーを迎えたかって? ボクシングは頭脳戦だからマルケス戦へ向けて恐怖に打ち勝つ意味がある。きょう、随分彼(マティセー)のいいパンチをもらったけど、私は何ともなかった。効いたりグラついたりすることがなかった。私はクレージーじゃない。いや少しおかしいかな(笑い)」

 同時にスピードを身上とするガルシアとの対決を前に、マティセーにとってもブラッドリーとの手合わせは非常に有効だった。強打で名を轟かすマティセーだが、「我我は12ラウンド戦う準備をしている」と強調する。どちらに恩恵があるかは試合を見てのお楽しみ? Photo/BoxingScene.com

宮崎の挑戦者シルベストレがKO宣言


 9月11日大阪でWBA世界ミニマム級チャンピオン宮崎亮(井岡)に挑戦する1位で暫定王者のヘスス“ネグリート”シルベストレ(メキシコ)がメキシコ市郊外、海抜3000メートルでの走り込みキャンプを敢行。今後地元グアダラハラに戻り、ジムワーク中心の練習に入る。
 
宮崎攻略に自信をみせるシルベストレ

 所属のカネロ・プロモーションからの情報で、シルベストレ(23)は「最高のスタミナトレーニングができた。ミヤザキにただ勝つだけではなく、彼をホームでノックアウトする自信がわいている」と語っている。そして「あとはリングに上がって自分の力を試すだけ。ミニマム級最強は誰かを証明したい」と意気込む。

 シルベストレの強みは結果は出せなかったものの、アウェーのフィリピンやタイで善戦した経験。彼が言うようにコンディションが整えば手ごわい相手に思える。

ガンボアがメキシコに帰化? 三浦へ挑戦希望


 エルナンデス×角谷戦の会見場でサプライズ。キューバ人スター、ユリオスキス・ガンボアの姿が壇上にあったからだ。同じカードに出場するわけではないが、先日、三浦隆司(帝拳)に挑戦したセルヒオ・トンプソンらを傘下に入れるカンクンのプロモーター、ぺぺ・ゴメスと同席。同プロモーターと契約し、今後メキシコを中心にキャリアを進める方針をにおわせた。
 
三浦を指名したガンボア。左はゴメス氏。
 
一時騒動が持ち上がったものの、元のサヤ(トップランク)に復縁したガンボアとGBP社と関係が深いぺぺ・ゴメス。「アメリカにいてもキャリアが思うように進行しない。偉大な同胞、ホセ・ナポレスやウルティミニオ“シュガー”ラモスを見習い、メキシコ人になる可能性もある」とガンボア(31)。すでにカンクンでトレーニングを開始しているという。そして現在WBAライト級暫定王者の肩書きを持つガンボアだが、再びS・フェザー級に落とし、WBCチャンピオン三浦へ挑戦したい意志を明かした。これに対しゴメス・プロモーターも「ミウラを一度呼んでいるから、再招へいも問題ない。何でも可能だ」と強調する。

 しかしトップランクとの確執、共同プロモーター、50セントとの関係などガンボアがすんなりメキシコでリングで上がれるかは疑問。また一騒動ありそうな雰囲気が漂う。

エルナンデス×角谷フェイスオフ


 今週土曜日31日(日本時間9月1日)メキシコシティで予定されるWBC世界L・フライ級タイトルマッチの記者会見が27日(日本時間28日)同地で開催され、チャンピオンのアドリアン“コンフェソール”エルナンデス(メキシコ)、挑戦者12位角谷淳志(金沢)が抱負を口にした。会見にはWBCホセ・スライマン会長、プロモーター「パンチ・スポーツ」のセルヒオ・コルテス、スポンサー関係者が出席。両選手のコメントは次のとおり。
 
引き締まった表情の角谷(左)と王者エルナンデス

エルナンデス「私は対戦者を過小評価していません。素晴らしいファイトを提供できるよう、いいコンディションに仕上げています。最近2試合で失っていたパワーが新しいトレーナーの下、よみがえっています。ボディーブローを多用して相手を弱らせる作戦です。ここ2戦はミスが目立ったので、その修正のために3倍練習しました。チームのベースを一新し、ファンが満足する試合をお見せします」

角谷「エルナンデスの試合映像を研究し、確かな作戦が固まりました。ガードを固くし、フットワークと身長を利してジャブをたくさん使いたい。これは大きなチャレンジ。ベターな準備をした者が勝つでしょう」
 
記者会見にはスライマン会長も出席

 エルナンデスは2度目の王座のV3戦。試合のキャッチは“オルグージョ・メヒカーノ”(メキシコ人の誇り)。会場はサンフアン・デ・バレラ体育館。現地時間木曜日に公開練習が予定されている。Photos/BoxingScene.com

2013年8月28日水曜日

ボクシングテレビ情報(31日まで)


◇8月29日(木)
午前9:20~
WOWOWプライム 週刊ボクシングnavi21
午後7:00~8:00
フジテレビNEXT BOXING LEGENDS~世紀の一戦~
モハメド・アリ×フロイド・パターソン(1965年11月22日)
 
亀海喜寛
◇8月30日(金)
午前11:50~
WOWOWプライム 週刊ボクシングnavi21

午後1:40~4:50
フジテレビONE ダイヤモンドグローブ黄金伝説 タイトルマッチ列伝2010前編
日本フライ級タイトル戦 清水智信×小林タカヤス、日本S・バンタム級タイトル戦 芹江匡晋×玉越強平、日本S・ライト級タイトル戦 小野寺洋介山×亀海喜寛、東洋太平洋女子フライ級タイトル戦 四ヶ所麻美×マルネージェ・ベラーノ

村田諒太

午後4:45~
WOWOWライブ 週刊ボクシングnavi21
午後11:45~
WOWOWライブ 週刊ボクシングnavi21
深夜0:00~
WOWOWプライム 週刊ボクシングnavi21

◇8月31日(土)
午後9:45~
WOWOWライブ 週刊ボクシングnavi21
深夜0:00~0:50
NHK BS1 金の拳、プロへ~村田諒太の闘い~

2013年8月27日火曜日

村田いきなり1位に 最新日本ランキング


 JBC(日本ボクシングコミッション)は27日、都内で日本ランキング委員会を開き、最新8月度ランキングを作成した。
 
村田諒太
大きなニュースとなったのは、25日にプロ・デビューしたばかりのロンドン五輪金メダリスト・村田諒太(三迫)。試合は6回戦ながら、A級ライセンスを持つ村田が現役の東洋太平洋チャンピオン柴田明雄(ワタナベ)に圧勝したことで、いきなりミドル級の1位にランクされた。

 また同日座間の日本L・フライ級王座戦で判定勝ちした井上尚弥(大橋)は同級の新チャンピオンに。井上に敗れ初防衛に失敗した田口良一(ワタナベ)は世界ランキングが残っているため、今月の日本ランキングには載っていない。ほかS・フライ級帝里木下(千里馬神戸)、S・バンタム級大竹秀典(金子)、S・フェザー級金子大樹(横浜光)、S・ライト級小原佳太(三迫)らのチャンピオンが防衛に成功。S・ウェルター級湯場忠志(都城レオS)、ミドル級中川大資(帝拳)が新たに王座に就いた。

 ほかにランキング入りしたのはフライ級清水裕司(松田)、S・フライ級森川真一郎(VADY)、石川貴章(角海老宝石)、フェザー級片桐秋彦(川崎新田)、ウェルター級大川泰弘(ワタナベ)ら。

スイッチ封印 ゲレーロが練習を公開


熱のこもったスパーを披露したゲレーロ
IBF世界S・フライ級王座決定戦(9月3日・サンメッセ香川)で同級3位亀田大毅(亀田)と対戦する同級4位のロドリゴ・ゲレーロ(メキシコ)が27日、都内の勝又ジムで練習を公開した。

 シャドー、ロープを終えて行った実戦練習は「マス4ラウンド」のはずだったが、いざゴングが鳴ると白熱の打ち合いとなった。比国人ボクサーのジョビー・カツマタ相手に右ボディーストレート、左フックで肉迫。被弾もあったが、スイッチ戦法は見せず、ほとんど右構えで戦った。

 ゲレーロは元同級チャンピオン。王座返り咲きに向けてやる気満々の様子だ。

WBO総会がハンガリーで開幕


 今年で第26回となるWBO(世界ボクシング機構)の年次総会が26日月曜日、東欧ハンガリーの首都ブダペストで開幕した。同地での総会は09年以来4年ぶり。フランシスコ“パコ”バルカルセル会長とともにイベントを取り仕切るWBO副会長兼WBO欧州代表のイシュテバン・コバチ氏(元WBO世界フェザー級王者)の母国ということが影響している。
 
バルカルセル会長と亀田和

 26日はゴルフトーナメントの後、夕刻から恒例のカクテルパーティーがブダペストの一流レストラン「カルペティア」で開催された。地理的に近いドイツからウィルフレド・ザウアランド、ピーター・コール両プロモーターをはじめ、世界各国からボクシング関係者、オフィシャル、メディアが多数出席。その中にはフィリピンで戴冠したばかりの新WBO世界バンタム級チャンピオン亀田和毅の姿もあり、真新しいベルトが授与された。

 総会は翌27日から同地のインターナショナル・ホテルで会議、セミナー、会計報告などが行われ、29日に閉幕する予定。会長、コバチ氏直のリクエストに応え、フィナーレには本サイトやボクシング・ビート誌でお馴染みの山田純夫氏がハンガリー国歌を披露することになっている。

ボウ、今度はプロレス転向?

 
今後はプロレス…
6月、タイでキックボクシングの試合に出場、惨敗を喫した元世界ヘビー級王者リディック・ボウ(米=46)が今度はプロレスラーになる!? ボウはタイの試合の後もキックのリングに上がるプランがあることを表明しているが、同時にプロレスのゴシップサイトで「ハルク・ホーガンを目標にプロレスのキャリアに興味がある」と明かした。

 これを受けてトミー・ドリーマーというプロレスラーが自身のジムをボウに無料で使用してもらうと提案。もしボウが本気になれば、そこでトレーニングをこなし、デビューという段取りがあるようだ。

フィゲロア、元王者J・ディアスと対戦か

 
フィゲロア
米テキサス・サンアントニオで荒川仁人(八王子中屋)との激闘で名を売ったWBCライト級暫定王者オマール・フィゲロア(米)の初防衛戦が元ライト級統一チャンピオンのフアン・ディアス(米)を相手に行われるプランが持ち上がっている。

 ゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)のリチャード・シェイファーCEOが公言したもので、新旧テキサス人気選手同士の対決でファンの観戦意欲を煽ると話す。ディアスは今年4月、約2年半ぶりに再起。今月17日には同州ラレドで元ランカーのアダイルトン・デヘスス(ブラジル)を終始圧倒して5回TKO勝ち。健在ぶりを誇示した。ディアスがGBPのライバル、トップランク傘下なのがネックになるが、アグレッシブな選手同士の対戦は“第2のフィゲロア×荒川戦”が展開されるかもしれない。

 シェーファー氏によると、WBC“正規”王者エイドリアン・ブローナー(米)のベルト返上は時間の問題とのこと。フィゲロアの昇格は決定的だという。

ラウンドアップ

 
沼田康司
■引退をほのめかしていた元日本ウェルター級王者の沼田康司(トクホン真闘)が再起に向けて始動。沼田は6月25日、東洋太平洋S・ウェルター級王者のチャーリー太田(八王子中屋)に9回KO負けを喫した。再起戦は未定。

■最強後楽園S・ウェルター級にエントリーしていた王座元ミドル級王者佐々木左之介(ワタナベ)が10月19日のファイナルを欠場。眼疾のため。19日の決勝はL・フライ、S・フライ、S・バンタム、S・フェザーの4階級で開催となる。

■日本ヘビーチャンピオン藤本京太郎(角海老宝石)の初防衛戦(11.25後楽園ホール)の挑戦者に決まっている竹原虎辰(緑)が9月22日、地元・名古屋国際会議場イベントホールでチューンナップファイトに臨む。李鍾錫(韓国)との10回戦。この日は2部制で、竹原の試合は2部緑ジムの興行で。午後6時第一試合スタート。

元王者ミハレスがサンタクルスに挑戦状


 メキシコの元S・フライ級統一王者クリスチャン・ミハレスが先週土曜日24日、ビクトル・テラサス(メキシコ)を下し、WBC世界スーパーバンタム級王座に就いたレオ・サンタクルス(メキシコ=米)へ挑戦したい意志を明かした。専属広報を通じてメディアに発信したもので、WBCへ直談判すると言っている。
 
サンタクルス挑戦の意思を表明するミハレス

 ミハレスは4月、テラサスと空位の王座を争い、有利に試合を進め、最終回にダウンを奪ったが1-2判定負け。大半の関係者はミハレスの勝ちと見ただけに、自身もテラサスとの再戦の機会をもくろんでいた。標的が変わり即行動を開始したわけだ。

 26日(日本時間27日)地元トレオンから発信したEメールでミハレスは「私はこのタイトルの挑戦者として相応しいと思う。全力を傾けて交渉をまとめ、できれば年内にサンタクルスに挑戦したい。セニョール・ホセ・スライマンに直にお願いし可能性を広げたい」と方針を語っている。

プロにきてよかった! 村田が会見で語る


 注目のプロ・デビュー戦を鮮やかなTKO勝利で飾ったロンドン五輪ミドル級金メダリスト、村田諒太(三迫)が一夜明けた26日、帝拳ジムで記者会見に臨んだ。

スポーツ各紙を前に笑顔の村田

 東洋太平洋王者の柴田明雄(ワタナベ)を2回TKOに破り、「最高のスタートを切れた」(浜田剛史・帝拳ジム代表)と関係者の間でも高評価を得た村田。ほとんどまともにパンチを受けなかった顔には腫れひとつなし。プロになった感想を聞かれると、「ボクシング好きの人間として、こういうボクシングもあるんだ、こういう技術もあるんだということを知るのは大きいし、この世界(プロ)にこれてよかった」と心境を語った。

 年内にもう1試合行う予定というが、対戦相手については「自分が成長できる相手とやっていきたい」。石田順裕、湯場忠志ら対戦を希望している点については、「試合を決めるのは僕の対戦相手ではないことを分かってほしい」と、素っ気ない。いちいち希望に応じていたら何十戦もしなくてはならない……と本音もチラリ。

 なお今後の試合体重については「いろんな可能性があると思う。きのうの73キロに関しても、あと500(グラム)減らして72.5(ミドル級リミット)でもまったく問題ないし、必要なら、時間さえかければ69.8(キロ)でもやる。そのあたりは相談してやっていきたい」。ミドル級だけにこだわるつもりはないようだ。

2013年8月26日月曜日

井上、日本タイトル獲得に安堵 次戦は年内


 25日にプロ4戦目で田口良一(ワタナベ)を下して日本L・フライ級タイトルを獲得した井上尚弥(大橋)が26日、横浜市内のジムで記者会見した。大橋秀行会長は「国内にもう相手はいないと思う」と語り、これからは世界挑戦をにらんでマッチメークしていく方針を示した。
 
左から父・真吾トレーナー、井上、大橋会長

 右目じりを少し腫らせたジムに現れた井上は「勝ててほっとしている。10ラウンド戦えたことと、世界3位を相手にああいう試合ができたことはよかったけど、まだまだディフェンス面が課題。無駄なパンチをもらってしまった。目で足でしっかり外せるようにしていきたい」と前夜の試合を振り返りつつ、課題を口にした。

 次戦について大橋会長は「年内に1試合やる。防衛戦になるか、ノンタイトル戦になるかは分からない」とし、対戦相手について「国内にもう相手はいないと思う。もちろん井岡くんは別です」と語った。WBA3位の田口に勝利し、世界ランク入りは確実。今後は世界挑戦のウェイティングサークルに入る。

 また、同じ日に衝撃のプロデビューを飾った村田諒太(三迫)について井上は「率直に強すぎですね」と苦笑い。「体の強さが違う。ジャブ、ワンツーをショートで打ち抜く。それでいで威力があるとことがすごい」とアマチュア時代から尊敬する先輩のパフォーマンスに脱帽していた。

 フジテレビ系列で放映された井上と村田の試合は、平均視聴率が6.6%、瞬間最高視聴率は12.0%だった(いずれも関東地区)。

詳報 ナルバエスV8 久高10回TKO負け


 安定チャンピオン、WBO世界S・フライ級王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)のホームタウンで挑んだ挑戦者15位久高寛之(仲里)だったが、10回1分26秒ストップ負けで4度目の世界挑戦も実らなかった。
 
久高(右)は4度目も実らず

 久高は出だし、左フックのボディー打ちでプレスをかけた。だがサウスポーの王者は巧妙にかわし、左右ストレートをアゴに打ち込む。4回、身長で勝る久高が散発気味のパンチを打ち返す場面もあったが、ナルバエスはレバー打ちなどで挑戦者の戦力をそぐ。6回、王者はコンスタントな連打で久高をロープへ送り、アッパーをミックスさせた重厚なアタックを敢行。7、8ラウンドもそれをリピートし、ワンサイドな展開となる。

 久高は単発ながらパンチを繰り出して抵抗するものの、ナルバエスのカバーリングとボディームーブの前にパンチは空を切るばかり。9回、ダメージを蓄積した久高はそれでも打って出るが、焼け石に水。続く10回、ボディー連打で痛めつけたナルバエスが右から左のアッパーを顔面へ返したところでレフェリーのフリオ・セサール・アルバラード(パナマ)が割って入った。ナルバエスは8度目の防衛。世界戦のレコードを25勝1敗1分とした。

「減量順調なら負けへん」大毅


ミット打ちをする大毅

IBF世界S・フライ級戦に出場する亀田大毅(同級3位=亀田)が26日、都内のジムで練習を公開した。

 試合まで残り10日をきった。大毅は「ここまでは順調」という。リミット体重まであと約5キロと明かした減量はこれから過酷をきわめる。「今週末には絶食になるんちゃうかな」と大毅。一方で「順調に減量さえできれば絶対に負けへん」とも。調子を落とさずにうまくコンディションを仕上げたいところだ。疲労もたまっているのか、この日の大毅は軽いミット打ちのあと、入念にマッサージを受けていた。

 大毅は9月3日、サンメッセ香川でIBF世界S・フライ級4位のロドリゴ・ゲレーロ(メキシコ)と空位の王座を争う。勝てばWBAフライ級に続く2階級制覇、そして亀田三兄弟の同時チャンピオンの記録が誕生する。

2013年8月25日日曜日

村田デビュー戦、圧巻の2回TKO


 ロンドン五輪金メダリストの村田諒太(三迫)が25日、有明コロシアムでプロデビュー戦に挑み、東洋太平洋ミドル級王者の柴田明雄(ワタナベ)を2回2分24秒TKOで下した。試合は73キロ契約6回戦で行われた。
 
村田(右)は初回から圧倒した

 圧巻のデビューだった。村田はゴングと同時にジリっとプレスをかけると、フットワークが自慢の柴田を早くも捕獲。ここから右ストレートを的確にヒットすると、早くもフィニッシュの予感が漂った。そして柴田のガードが下がった瞬間、村田の右ストレートが決まり、OPBF王者がキャンバスに崩れた。

 この回を何とかしのいだ柴田だったが、村田の圧力と正確なパンチを前になす術なし。2回終盤、村田が攻勢に出たところでレフェリーが試合を止めた。

 試合を終えた村田は「勝ってほっとしている。最初にブロックの上を打たせて、今日はブロックでいけると思った。何点? デビュー戦で東洋太平洋チャンピオンに2ラウンドで勝ったので80点くらいもらってもいいですかね」と笑顔で試合を振り返った。敗れた柴田は「ジャブも右ストレートも全然見えなかった。何もできなかった。体の強さを感じた」と言葉を絞り出したが、予想以上の完敗に茫然自失だった。

小原、竹中に楽勝 初防衛


 25日、有明コロシアムで行われた日本S・ライト級戦は、チャンピオン小原佳太(三迫)の圧勝。1位挑戦者の竹中聡(大鵬)からダウンを奪い、3回KO勝ちした。
 
村田の後輩、小原(右)は圧勝

 初回から左のコンビネーションで竹中をぐらつかせた小原は2回にも強烈な左フックをカウンターし、KO勝ちのチャンス。ここはどうにかこらえた竹中だが、3回小原は冷静に右ストレートを合わせてダウンを奪う。立ち上がった挑戦者にマーチン主審は続行を許さなかった。カウントアウトしたタイムはこの回2分34秒。

 初防衛に成功した小原は「本当は1ラウンドから行きたかったんですが、リスク回避で距離をとって戦いました」とコメントも落ちついたもの。試合後に友人の結婚式のため岩手に帰省するらしく「負けたら友人代表のスピーチを辞退するつもりでした」と茶目っ気たっぷりに語った。

井上が4戦目で日本タイトル獲得、田口に3-0判定


 日本L・フライ級タイトルマッチが25日、神奈川県のスカイアリーナ座間で行われた。20歳のスーパールーキー井上尚弥(大橋)はチャンピオンでWBA同級3位につける田口良一(ワタナベ)を3-0の判定で下し、プロ4戦目で日本タイトルを獲得した。スコアは97-94、98-93、98-92。田口は初防衛に失敗した。
 
井上(右)は終始試合を優勢に進めた

 圧倒的なスピードを誇る井上は初回からコンビネーションを打ち込んだ。田口は早くもそのスピードに翻弄されかかったが、そこはさずがチャンピオン。ラウンドの終わりには浅いながらも右ストレートをを打ち込んで勝利への強い意欲をアピールした。

 2回からは田口がプレッシャーをかけ、井上が打ち終わりにカウンターを合わせた。井上は田口のディフェンスが固いと見るや、ボディブローを多用した。4回に入ると井上の動きが躍動する。フットワークからビシビシとジャブを打ち込み、上下にもスムーズにパンチを打ち分けた。

 3回あたりで少し落ちたかに見えた田口はこのままズルズルいくかと思われたが、後半に入ると元気を取り戻す。右ストレート、左フックで井上に襲い掛かると試合は徐々にヒートアップ。7、8回に入ると井上もややラフになりながら気持ちを前面に出して攻撃し、9、10回は互いに力を出し尽くす総力戦。敗者の田口に大きな拍手の起きた試合となった。井上は4勝3KO無敗。田口は18勝8KO2敗1分。

◇バンタム級8回戦
齊藤裕太(北澤)[6回1分45秒負傷引き分け0-1(56-58、57-57×2)]古藤功徳(折尾)
 30日に37歳定年を迎える古藤はこれがラストファイト。前に出る2012年新人王の齊藤をうまくいなしてミスブローを誘ったが最後まで決定打はなし。2回に齊藤が負った傷が原因で試合は終わった。

◇フェザー級8回戦
片桐秋彦(川崎新田)[3-0(79-74、79-73×2)]後藤俊光(金子)
 前戦でジョニー・ゴンサレスと拳を交えた片桐は日本7位のサウスポー後藤と対戦。片桐は初回から右ストレートをよく当て、左ボディブローにもつなげた。後藤は3回から前に出て手数をそろえたが、5回以降は再び片桐ペース。アッパーも効果的だった。

約3年ぶりの日本で快勝 リナレス3回で倒す

 25日、有明コロシアムの村田-柴田戦前座に登場したホルヘ・リナレス(帝拳)はベルマン・サンチェス(ニカラグア)に3回TKO勝ちした。
 
リナレスは格の違いを見せつけて快勝

 元2階級王者のリナレスが、約3年ぶりの日本リングで鮮やかな勝利を飾った。開始からスピーディーな左で相手を威嚇し、2回に右を打ちおろして先制のダウン。この回終了間際に右アッパーで再び倒すと、迎えた3回、左から右ストレートのコンビネーションをさく裂させてみたび倒し、試合を終わらせた。タイムは1分9秒。

 日本のファンの前で快勝したリナレスは上機嫌。「右ストレートがよかった。チャンスがあったら……」と、世界再挑戦に意欲をみせていた。

向井、タイで韓国王者に判定勝ち


 日本フライ級3位の向井寛史(六島)が23日、タイのバンコクで東洋太平洋S・フライ級4位で韓国王者のリ・ブンヨンと53キロ契約6回戦を行い、3-0で判定勝ちを収めた。

 同じ興行には八重樫東(大橋)や宮崎亮(井岡)と戦った元WBA世界ミニマム級王者ポーンサワン・ポープラムック(タイ)も出場。ベテランの35歳は、フィリピンの22歳レイ・ロレトとPABAのL・フライ級暫定王座を争い9回負傷判定負けを喫した。

速報 久高、ナルバエスに完敗


 アルゼンチンのチュブー地方トレレウで24日(日本時間25日)行われたWBO世界S・フライ級タイトルマッチは、地元の王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)が挑戦者15位の久高寛之(仲里)に10回TKO勝利。8度目の防衛を果たした。

 38歳のベテラン、ナルバエスがこれまでの防衛戦同様、ワンサイドに試合をコントロール。ダメージを蓄積した久高を10回レフェリーが救った。久高は4度目の世界挑戦に失敗した。

ジョニゴン劇的復活 無敗マレスを初回KO!


 パンチャーの恐ろしさ。戦前不利を予想された前チャンピオン、ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)が3階級制覇のアブネル・マレス(メキシコ=米)を初回で撃沈。再びグリーンのベルトを腰に巻いた。24日夜(日本時間25日)米カリフォルニア州カーソンで行われたWBC世界フェザー級戦は挑戦者ゴンサレスが初回2分55秒王者マレスにKO勝ち。
 
衝撃KOで王座に返り咲いたゴンサレス(右)

 偵察戦と思われた初回、ゴンサレスが右を決めると、マレスも果敢にボディー連打を返す。その直後だった。ゴンサレスの左ロングフックが急襲。マレスは棒が倒れるようにダイブ。ダメージは深刻。カウント後、ゴンザレスの追撃を懸命にかわすマレスだったが、左から右を浴びてまた痛烈なダウン。ジャック・レイス主審がストップを宣告した。

 ポンセ・デレオンに王座を追われ、2試合はさんで王座に復帰したゴンサレス(31)は55勝47KO8敗。「ロサンゼルスに入り、調子が上向いた。ナチョだけが私を信じてくれた。これは私の練習とナチョの作戦の勝利」とコーナーの名伯楽ナチョ・ベリスタイン氏を称えた。一方、初黒星を喫したマレス(27)は26勝14KO1敗1分。「私は大丈夫。続行の意志を示したけど、止められた。でもレフェリーはいい仕事をしたと思う」と語り、7年前メキシコでスパーリング相手を務めたゴンサレスを祝福していた。Photo/GBP

サンタクルス、テラサスを3回で轟沈


 米カリフォルニア州カーソンで挙行されたWBCダブル世界タイトルマッチのうち、WBC世界S・バンタム級戦は挑戦者1位で前IBFバンタム級王者レオ・サンタクルス(メキシコ=米)が王者ビクトル・テラサス(メキシコ)に3回2分9秒TKO勝ちで2階級目のベルトを巻いた。テラサスは初防衛に失敗。
 
ダウンを奪いガッツポーズのサンタクルス

 試合はサンタクルスの独壇場だった。スタートからボディー打ちを見舞ったサンタクルスは2回にペースアップ。上下へパンチを打ち分けるとテラサスの右目がドス黒く腫れてくる。テラサスは懸命に右アッパーをリターンするものの、3回、左を食らい前のめりにダウン。ここをカウント9で立ったが、追撃でまた崩れ、ダメージを考慮したモレット主審は続行を許可しなかった。

 一段と向上の跡をうかがわせたラッシャー、サンタクルス(25)は25勝15KO1分無敗。テラサス(30)は37勝21KO3敗1分。Photo/GBP

プレフ、トンプソンに判定勝ち IBFヘビー級挑戦者決定戦


 ドイツのシュベリンで24日行われたIBFヘビー級ファイナル・エリミネイター(最終挑戦者決定戦)は1位クブラット・プレフ(ブルガリア)が4位トニー“タイガー”トンプソン(米)に3-0判定勝利。10月5日ロシアで予定される王者ウラジミール・クリチコ×アレクサンデル・ポベトキン戦の勝者への挑戦権をゲットした。
 
トンプソンに左を打ち込むプレフ

“ホープ殺しの41歳”トンプソンは前回のデビッド・プライス第2戦から1ヵ月半という短期間で重要な試合に臨んだ。かなりの勝算があったはずだが、プレフは2、3回、右でダメージを与える。中盤もクリンチが多い展開ながらブルガリア人が攻勢。7回、トンプソンが反撃して白熱。しかし終盤はプレフの優勢は明らかとなり、11回は主審がスリップと判断したものの、トンプソンをマットに這わし、最終回にもダウン寸前に追い込んだ。

 スコアは116-112、118-110、117-111でプレフ。キャリアでもっとも重要な勝利をあげたプレフは18勝9KO無敗。ウラジミールと2度対戦しているトンプソンは38勝26KO4敗。

村田、フジ試合中継→今夜TBS「情熱大陸」

 
村田諒太
TBS系列で今夜25日午後11時25分から放送されるドキュメンタリー番組「情熱大陸」は村田諒太(三迫)を特集。金メダリストになってから1年。プロ入りを思い悩んだ葛藤から、25日のデビュー戦に向けたラスベガスでのトレーニング、試合当日の映像も含め金メダリストのデビューをたっぷりと伝える。

 村田のドキュメンタリー番組は他局も取り組んでいて、NHKが「金の拳、プロへ ~村田諒太の闘い~」をBS-1で8月31日深夜0時から、総合テレビで9月1日午後4時40分から放送する。NHKは試合翌日26日の「おはよう日本」のスポーツコーナーでも村田の特集を組む。試合の模様はフジテレビ系列で中継。番組は25日午後7時スタート。

川西戦慄のTKO防衛 女子OPBF戦


 24日大阪の試合のメインカードとして行われた女子東洋S・フライ級タイトルマッチ8回戦は、4月に東京で新王座に就いた川西友子(大阪帝拳)が挑戦者2位の小澤瑶生(フュチュール)から初回2度ダウンを奪い痛烈なTKO勝ちを飾った。初防衛に成功した。
 
豪快KOで初防衛に成功した川西(左)

 試合は不敗の小澤が積極的に出たため決着も早かった。川西は左フックをカウンターして最初のダウンを奪うと、すぐ追撃して右ストレートで2度目のダウン。主審は即座に試合をストップ。4月の戴冠劇に続く衝撃のKOシーンとなった。 勝った川西(26)は8勝4KO1敗、一方の小澤(28)はこれが6戦目の初黒星。

 この日は大阪帝拳ジムの看板が総出演。日本フライ級2位で現WBC世界フライ級15位の李明浩は、同じ世界ランカーのレイ・ミグリノ(比国)と8回戦で対戦したが、1回に1度、2回に2度ダウンを喫したのがこたえ、終盤激しく打ちあって追い込んだものの0-3の判定負けを喫した。

 不敗の10連勝をマークしていたS・フェザー級の京口竜人は、アドニス・アゲロ(比国)と接戦を演じた末に三者三様のドロー。4回終了直前に右アッパーを決めてアゲロの腰を落としたのが唯一の見せ場で、後半はミグリノの反撃に手数が出ず、不本意な引き分けとなった。またもうひとつの8回戦では、日本ミニマム級4位の松本直樹(大阪帝拳)は浦西勝史(神拳阪神)に3-0判定勝ち。

元アマ王者中澤80秒で初陣飾る 大阪

 
勝ち名乗りを受ける中澤

“浪速のショー”が鮮やかプロ・デビュー――24日夜大阪・ボディメーカーコロシアム(大阪府立体育会館)第2競技場で行われたS・バンタム級6回戦で元アマ全日本王者の中澤奨(大阪帝拳)がプロ第一戦に臨んだ。デッチャイ・ボビージム(タイ)を開始早々左フックのカウンターで倒すと、すかさず攻めて同じ左を決め2度目のダウン。ダメージは深く、レフェリーは試合をストップした。KOタイムは初回1分20秒。

「ちょっと緊張しました。左が当たって倒れたので、ここは(倒しに)いかなければと思って出ました」と傷あとひとつない顔で試合を振り返った中澤。浪速のリングにまた新星出現の感を強くしたこの日のデビュー戦だった。

2013年8月24日土曜日

村田「自分に期待している」 明日デビュー戦


 明日25日、有明コロシアムでプロデビュー戦を迎えるロンドン五輪金メダリストの村田諒太(三迫)が24日、都内で計量を行い、契約ウエートの73キロを一発でパスした。対戦相手の東洋太平洋ミドル級王者、柴田明雄(ワタナベ)も同じくリミットだった。
 
アラム氏を囲んで村田(左)と柴田

 数少ない不安材料ともいえる体重をクリアした村田は「まずはひと安心。試合が楽しみになった」と水分を摂って一息ついた。これだけの注目を集めるのは昨年のロンドン五輪以来のこと。「オリンピックでは試合前にはこれほど騒がれなかった。自分としては強い相手に全力でぶつかっていくだけ。期待の大きさは感じているが、何より自分が自分に一番期待してます」と言い残し、計量会場を後にした。

 一方の柴田はミドル級ウエートよりも重い73キロでの計量に「いつもより楽だった」と笑顔を見せた。豊富を問われると「明日は自分の人生にとって一番大切な日になる。みなさんは村田くんがどう勝つかを楽しみにしていると思うが、自分が勝ってみなさんにショックを与えたい」とアップセットを宣言した。
 
小原(左)と竹中の一戦も注目
リナレス(左)は久々の日本登場

 前座には日本S・ライト級王者の小原佳太(三迫)が登場。1位の竹中聡(大鵬)を迎えて初防衛戦を行う。元世界2階級制覇王者のホルヘ・リナレス(帝拳)はベルマン・サンチェス(ニカラグア)とライト級8回戦。リナレスが日本のリングに立つのは、2010年10月以来およそ3年ぶりとなる。

 村田デビュー戦の模様は「ダイヤモンドグローブスペシャル」としてフジテレビ系列で25日午後7時~8時54分の枠で放送される。

田口、井上が計量クリア 日本L・フライ級戦


 明日25日、スカイアリーナ座間で行われる日本L・フライ級タイトルマッチの計量が24日、都内で行われ、チャンピオンの田口良一(ワタナベ)と同級1位の井上尚弥(大橋)がそろってリミットの48.9キロでパスした。
 
井上(左)と田口。その表情は既に戦闘モード

 初防衛戦が注目の一戦となった田口は「上半身が大きくなって減量がきつかったが、その分パワーアップしたと思う。明日は普段ボクシングを観ない人も観てくれると思うので、これぞボクシングという試合をしたい。打ち合いに持って行ってボクシングの醍醐味をお見せしたい。ダウンを奪って勝つ」と意気込みを語った。

 一方、辰吉丈一郎以来となるプロ4戦目での日本タイトル獲得に挑む井上はたくさんの報道陣に囲まれても落ち着いていた。「体重もいい感じに落とせたし、いつもと変わりません」と闘志を内に秘めていた。

 前売り券は既に完売。当日券は各券種少量ながら用意されており、明日25日の午後1時半から発売される。また試合の模様は「ダイヤモンドグローブスペシャル」としてフジテレビ系列で25日午後7時~8時54分の枠で放送される。