2010年4月30日金曜日

西岡左強打炸裂! 4連続KO防衛の新記録

 33歳のチャンプ強し! 30日東京・九段の日本武道館で行われたダブル世界タイトル戦の第1試合、WBC世界スーパー・バンタム級戦は、王者西岡利晃(帝拳)が不敗挑戦者(10位)バルウェグ・バンゴヤン(フィリピン)に5回1分14秒TKO勝ちし、一昨年獲得したタイトルの4連続KO防衛に成功した。
 立ち上がりは波乱なし。4回終了時までの公開スコアでは、西岡が1~5点優勢だった。5回、劣勢のスコアに反応するかのようにバンゴヤンが攻勢を強めると、一瞬の隙をついて西岡の左ストレートが顔面を直撃。バンゴヤンたまらず仰向けに倒れる強烈なノックダウン。
 挑戦者はよろけながらも立つが、ダメージが深刻なのは明らか。すかさず西岡が連打すると、青コーナーのセコンドが駆け上がり、ここでペレス・レフェリー(メキシコ)がストップをかけた。西岡は初防衛から4連続KO防衛をマーク。これは日本人世界チャンピオンの新記録である。
 西岡は試合を振り返って「相手はサウスポー対策がうまかったが、思い通りの展開になった。KOを狙っていたのではなく、自然に出た。いいかたちで終わりましたね」と、満足そう。そして、今後の抱負を聞かれると、「指名試合なら望むところ。目ざすは世界の西岡です」と、スーパー・チャンピオンに向けてさらに精進を誓った。
 年齢を気にしないという西岡、この日も10歳若い挑戦者を鮮やかに撃退し、改めて「精神的にも肉体的にも、試合ごとに強くなっている」と、円熟の王者ぶりをアピールした。

2010年4月29日木曜日

いよいよ明日ゴング! ダブル世界タイトル戦



 明日30日、日本武道館で行われるダブル世界タイトル戦の計量が29日、後楽園ホール展示場で行われ、出場4選手すべて一発でパスした。
 WBCバンタム級戦はチャンピオン長谷川穂積(真正)が53.4キロ、WBO王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)がリミットちょうどの53.5キロ。今回いつになく減量の順調さをうかがわせたように、長谷川のコンディションはよさそう。なおこの日は計量後にルールミーティングが行われたが、その前に昨日に続きグローブチェックの場が設けられた。これはモンティエル陣営が「色を変更したい」と申し出ていたためで、WBC、JBC、長谷川陣営了承のもと、結局WBO王者は当初の青色から白地に赤、緑の入った“メキシコ・カラー”を使用することになった。レイジェス社製8オンスに変更はない。グローブチェックを終えたモンティエルはコンビニで買ったミートスパゲティをほおばった。
 WBC・S・バンタム級戦は王者西岡利晃(帝拳)、挑戦者バルウェグ・バンゴヤン(比国)ともに55.3キロ。西岡は好コンディションをうかがわせる体つき。写真撮影で拳を向けてきたバンゴヤンに負けじと自分の拳を相手のアゴ付近にもっていくなどプライドを感じさせた。計量を終えたバンゴヤンはカップヌードルと食パンをおいしそうに食べていた。
 4選手ともこの日の検診結果も問題なし。明日は期待どおりの好ファイトが見れそうだ。

2010年4月28日水曜日

長谷川×モンティエル、西岡×バンゴヤンが必勝宣言 ダブル世界戦前に


 30日のダブル世界タイトル戦(東京・日本武道館)を前に、28日都内のホテルで調印式、記者会見が催され、出場選手らがそれぞれ必勝コメントでアピールした。
 注目のバンタム級「チャンピオン統一戦」は、WBC王者長谷川穂積(真正)と、WBO王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)とも相手を「頭のいい、優れたチャンピオン」(長谷川)「5年間も君臨する偉大なチャンピオンとして尊敬している」(モンティエル)と称えながらも、「判定であれKOであれ、最後は僕の手が上がっていればいい」(長谷川)「この試合にかつことは大きなメリット。せっかく遠くまでやってきたので、勝ってベルトをメキシコに持ち返る」(モンティエル)と、勝利には両者とも自信満々だ。
 長谷川が「得意の右フックで倒す」とジャブを放つと、すかさずモンティエルも「右で決まるなら、それは私の右フックだ」とカウンター!? 3階級制覇のベテラン、モンティエルはメキシコでも人気が高く、この試合のためにテレビ中継のスタッフや新聞等のメディアも取材にかけつけ、ビッグマッチの緊張ムードはいやが上にも高まってきた。長谷川は勝てば11度目のタイトル防衛となる。
 同じリングで行われるWBC世界S・バンタム級タイトル戦は、33歳の王者西岡利晃(帝拳)が23歳の若き不敗挑戦者バルウェグ・バンゴヤン(フィリピン)を相手に4度目の防衛戦に臨む。4連続KO防衛の記録がかかるが、西岡は「KOか判定かは分かりませんが、勝つことは確信している。状態は最高なので、いい試合します」。バンゴヤンは「西岡選手は私より(10歳)上なので私の方が有利。西岡選手、覚悟してください」と応じた。
 同じリングで行われる「世界前哨戦」で元世界挑戦者ワイベル・ガルシア(パナマ)と対戦する粟生隆寛(帝拳)も会見に出席。ガルシアを横目に睨みながら「これに勝ったら次(世界挑戦)があると聞いていますが、まずこの試合にしっかり集中したい。慎重かつ大胆に戦います」と気負いなく語っていた。
 写真は勢ぞろいした3試合の出場選手――左から粟生、西岡、長谷川、モンティエル、バンゴヤン、ガルシア。

冨山判定勝ち


 27日の後楽園ホールは8回戦2試合とA級ボクサー4回戦賞金トーナメント「レイジング・バトル」(旧称ビータイト)の“2本立て”。トリを飾ったバンタム級8回戦は、日本同級4位冨山浩之介(ワタナベ)が同S・バンタム級2位の梶山友揮(平石)に2-0判定勝ちした=写真=
 1年前、名城信男のWBA・S・フライ級王座に挑んだ冨山は、梶山のしつこいくっ付き戦法に次第に消耗戦を強いられ最終8回にはホールドで減点1を喫しもしたが、それでも右アッパーや右ストレートをクリーンヒットし続け、明白にポイントをあげていった。最終回は減点の後、右で梶山のヒザを折る反撃もみせた。スコアは78-73、77-74、76-76。「世界がまだまだなのは分かっているので、S・フライ~S・バンタムのどこでもタイトルできるように頑張りたい」と一歩ずつ上を目ざす決意を語った。
 また、ノーランカーの佐藤祐太(ワタナベ)と対戦した日本S・バンタム級12位の福島学(花形)は、動きに精彩を欠いたものの、6回右フックでダウンをマーク。ダメージの残る佐藤を追撃してストップした。連敗を2で止めたベテランはこの日が50戦目(36勝20KO10敗4分)。今回の勝利を条件に王者・芹江匡晋(伴流)挑戦が内定しており、久しぶりのタイトルマッチの舞台へと前進した。
 準決勝2試合が行われた「レイジング・バトル」は、60キロ級で無敗の元新人王・斉藤司(三谷大和スポーツ)が佐々木悟(ヨネクラ)相手にダウンを喫したものの、右ショートのカウンターで倒し返し、2回逆転TKO勝ち。「優勝とMVPも獲る」と息巻いた。同級準決勝のもうひと組は原純平(大橋)が鈴木拓也(ワールド日立)とダウン応酬の末に判定勝ち。ほか56キロ級は齋藤純彦(輪島功一スポーツ)が額賀勇二(鹿島灘)に判定勝ち、土居コロニータ伸久(ヨネクラ)対竹中良(古口)戦は初回わずか35秒で負傷引き分けに終わり、規定により土居が6月25日の決勝に進んだ。
 同大会は優勝賞金50万円、MVP20万円以外にもKO賞として1、2ラウンド以内だと10万円、3、4ラウンドなら5万円が贈られる賞金ファイト。

2010年4月27日火曜日

西岡とバンゴヤンも順調な仕上がり WBC・S・バンタム級戦予備検診


 27日後楽園ホール展示場で行われたWBC・S・バンタム級の予備検診は、こちらも王者西岡利晃(帝拳)、挑戦者バルウェグ・バンゴヤン(比国)ともに特に問題はなし。仕上がりの順調さが見てとれた。
 西岡はバンゴヤンの印象を特になし、としつつ「思ったより小さいかな」と語った。今回も夫人の料理を冷凍して送ってもらい、それを摂って調整してきたというチャンピオンは「最高」とコンディショニングに自信たっぷり。
 一方のバンゴヤンのほうも「食事、コンディションは問題ない」と話し、初対面の西岡については「怖気づいたとかはない。むしろ試合に向けて、強い気持ちが湧き上がってきました」と腕撫していた。
 両者の検診結果は以下のとおり。
     西岡        バンゴヤン
身長   169.0㌢       165.8㌢
頚周   37.0㌢       36.0㌢
胸囲   91.5㌢       89.0㌢
胸厚   22.0㌢       21.5㌢
視力   右1.5左1.5     右1.5左1.5
リーチ  175㌢        170㌢
血圧   125/70       132/75
脈拍   50         40

長谷川、モンティエルともに異常なし WBCバンタム級戦予備検診


 30日のダブル世界戦の予備検診が27日、後楽園ホールの展示場で行われた。
 WBCバンタム級戦はチャンピオン長谷川穂積(真正)とWBO王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)ともに異常なし。
 昨年9月以来の対面となった両者だが「背は低いけれどガッシリとしていて小柄な印象はない。イメージどおり」(長谷川)、「いいチャンピオンだと思う。きちんと調整をしてきている」(モンティエル)と互いの印象を語った。身長は長谷川が5センチ上回り、胸囲では逆にモンティエルが4センチ上回っていた。当日リングでの体格差がどう出るかも注目だ。
 ビッグマッチを控える両雄だが気負いは感じさせず、リラックスしているのが印象的。モンティエルは「落ち着いて見えるのは調整がうまくいったからでしょう」と自信のコメント。来日後は鶏肉やサラダ、パスタ、スープなどを摂っているという。長谷川は「海外で戦うことに慣れているんでしょう。リラックスしている」とモンティエルを評していた。
 以下は両者の検診結果。
     長谷川       モンティエル
身長   168.5㌢       163.3㌢
頚周   35㌢        37.5㌢
胸囲   86.0㌢       90.0㌢
胸厚   21.5㌢       20.2㌢
視力   右0.8左0.8     右1.5左0.8
リーチ  169.0㌢       169.0㌢
血圧   122/79       126/77
脈拍   49         44

淵上が岳制す 


 26日夜後楽園ホールで行われたミドル級ランカー対決、日本同級3位岳たかはし(川崎新田)対同1位淵上誠(八王子中屋)の一戦は、淵上が8回3-0判定勝ち。日本王座挑戦へと前進した。
 サウスポー同士の試合は2回、岳が左で淵上をダウン。岳は変則的なリズムで右を飛ばしてよく動き、左クロスを決めてリードしたが、淵上も右リードを上下に放って徐々に挽回する。終盤はボディー攻めも有効で、最終回は連打で岳をのけぞらせるシーンをつくった淵上が76-75、77-75(2者)と小差ながら試合を制した。
 試合後「ここのところ倒していたので、左を狙いすぎました」と淵上は反省の弁。昨年4月に敵地大阪で鈴木哲也(進光)の王座に挑み、接戦の末惜敗しているだけに「まだ悔しい。雪辱したい」とリベンジを誓っていた。13勝4KO6敗。
 またこの日行われた8回戦2試合の結果は、太田ユージ(ヨネクラ)が元新人王の古橋大輔(川崎新田)から2度ダウンを奪って判定勝ち、片桐秋彦(川崎新田)は古家充(鉄拳8)に6回負傷判定勝ちした。

2010年4月26日月曜日

多田、敵地でドロー防衛も統一ならず 女子ミニマム級

 24日(現地時間)トリニダード・トバゴのポート・オブ・スペインで行われたWBA女子世界ミニマム級王座統一戦で、正規王者の多田悦子(フチュール)は暫定王者リア・ラムナリン(トリニダード・トバゴ)と10ラウンドをフルに戦い、引き分けに終わった。
 スコアは95-95(2人)、97-97と3ジャッジともドローだった。
 多田の王座統一はならなかったが、敵地でのドローは立派。これが3度目の防衛となる。6勝2KO不敗2分。一方のラムナリンは13勝2KO5敗1分。

「殺しの女王」ケンティキアン、2-1でV12


 24日ハンブルクのWBO世界L・ヘビー級タイトル戦と同じリングで行われた女子世界フライ級タイトルマッチは、WBA・WBOの2団体が認定する王者スージー・ケンティキアン(ドイツ)が登場。ハルミッヒ引退後ドイツの女子で実力・人気ともトップのケンティキアン、この日は不敗のWIBAインター王者ナディア・ラウィ(ドイツ)と大接戦。小柄のファイターの両者は果敢に手を出し合ったが、試合は判定に持ち込まれ、2-1でケンティキアンの手が上がった。
 スコアは、2人のジャッジが96-94、96-95でケンティキアンの勝ち、残る1ジャッジは逆に96-94でナディアの勝ちだった。
「キラークイーン」の異名を持つケンティキアン(22)はこれが12度目の王座防衛。27勝16KO負け知らず。一方のラウィ(24)は11勝3KOで初黒星(1分)。
 写真はケンティキアンの右がヒットした場面=PHOTO/SUMIO YAMADA=

ブラーマー圧勝のV1 WBO・L・ヘビー級戦


 24日(現地時間)ドイツのハンブルクで行われたWBO世界L・ヘビー級タイトル戦は、王者ユルゲン・ブラーマー(ドイツ)が同級8位マリアノ・プロティンスキ(亜)に5回2分36秒TKO勝ちし、2度目の防衛に成功した。
 サウスポーの技巧派チャンピオンは、荒々しく突進する挑戦者を右リードであしらい、左ショートをビシビシ決めて優位に。5回には左アッパーも交えて一方的になったところで、レフェリー・ストップがかかった。
 ブラーマー(31)は36勝29KO2敗。プロティンスキ(35)は16勝8KO4敗。写真はプロティンスキを攻めるブラーマー=PHOTO/SUMIO YAMADA=