2012年10月31日水曜日

粉川がV2 日本フライ級戦

 

 日本フライ級タイトルマッチが31日、後楽園ホールで行われ、チャンピオンの粉川拓也(宮田)が同級7位の山口桂太(八王子中屋)を下し2度目の防衛に成功した。

 スピードと手数で上回る粉川のワンサイドゲームだった。終盤までガードを固めて前進を続ける山口に粘られたが、9回に連打を見舞ったところでレフェリーが試合を止めた。初挑戦の山口は闘志を見せたものの実力差を埋めることはできなかった。

◇その他の主な試合(左側が勝者)
S・ライト級8回戦
細川バレンタイン(宮田)[5回1分31秒KO]ヌクン・チャイヨンジム(タイ)
力みからミスブローの目立つ細川だったが、5回に右で3度ダウンを奪って試合を終わらせた。

女子S・ライト級8回戦
水谷智佳(宮田)[1回1分59秒TKO]ムエイレック・ゴーナロンサービス(タイ)
水谷が右ストレートで2度ダウンを奪って勝利。

54㎏契約6回戦
ブレイロール・テラン(ベネズエラ)[3-0(59-55×3)]中川雄大(角海老宝石)
テランが2回に左フックを決め、その後も試合を優勢に進めた。

S・フライ級8回戦
田部井要(宮田)[2回1分17秒TKO]清水大樹(横浜光)

仙台ダブル世界戦予備検診


 11月3日、ゼビオアリーナ仙台で行われるWBC世界バンタム&フライ級ダブルタイトルマッチの予備検診が31日、都内で行われた。


 トマス・ロハス(メキシコ)を迎え撃つバンタム級チャンピオン山中慎介(帝拳)は「ロハスは顔が小さいけど、しっかり当てていきたい」とリラックスした表情。ロハスは「山中は私を見て恐怖を感じていたようだった」とこちらも余裕の笑みを浮かべていた。


 フライ級王者の五十嵐俊幸(帝拳)は「ナルバエスは体のサイズが同じだけど、やりやすいのか、やりにくいのかはやってみないと分からない」と慎重な姿勢。挑戦者ネストール・ナルバエス(亜)の兄オマール(WBO・J・バンタム王者)は「私が五十嵐を真似てスパーリングを重ねてきた。技術と経験で五十嵐を上回る私と練習してきたことはネストールのアドバンテージとなるだろう」と自信を見せていた。
 主な診断結果は以下の通り。

        山中      ロハス
身長  171センチ      172.5センチ
首周り   35センチ        34.5センチ
胸囲      87センチ        86センチ
視力      左1.2 右1.2    左1.2 右1.2
リーチ    173センチ     176センチ
血圧      140/73      133/67
脈拍      66/min       53/min
体温      35.9度        35.8度

     五十嵐    ナルバエス
身長  166センチ   164.5センチ
首周り 33.5センチ  34.5センチ
胸囲    89センチ     87センチ
視力      左0.8 右0.6     左1.5 右1.5
リーチ   169センチ       168センチ
血圧      141/81       128/73
脈拍      53/min        53/min
体温      36.2度         36.4度

2012年10月30日火曜日

明日の粉川防衛戦、ネットで無料ライブ配信

 10月31日に開催される日本フライ級タイトルマッチがインターネットで生中継される。

 主催の宮田ジム、MGプロモーションは「インターネット配信によって世界中のボクシングファンの視聴が可能となるだけではなく、生放送を見逃してもアーカイブ放送によって観たい時にいつでも視聴が可能。今後も日本タイトル、東洋タイトル戦をはじめ、ノンタイトル戦も積極的に配信し、これまでのテレビ局側の選択で放送される時代からプロモーターが観せたい試合を配信する新たな形でボクシング界の活性化に繋げます」(宮田博行会長)
  パソコンはもとより、スマホ、 タブレットといった各種デバイスでネット環境さえ整えば日本各地でライブ観戦ができる。試合は開始から終了までフルラウンドを中継。また生中継時にTwitter連動で視聴者の応援コメントが随時投稿され、双方向の新たな放送が可能となっている。  

●放送日時 : 2012年10月31日(水) アンダーカード19時15分より3試合 メインイベント20時40分(早まる可能性あり)※アーカイブにて番組終了後の視聴も可能。
★番組名 : アスリート☆ジャポン UST Channel
★番組URL
http://www.athlete-japon.com/
★Twitter
@AthleteJapon
番組中に応援コメントを投稿募集
★Facebookページ
http://www.facebook.com/AthleteJapon

★放送カード(放送予定時間)
■19時15分/6回戦
元WBCカリブ海王者ブレイロール・テラン (ベネズエラ)-中川雄太(角海老宝石)
■19時40分/8回戦
東洋女子S・フェザー級王者水谷智佳(宮田)-ムエイレック・ゴーナロンサービス(タイ)
■20時05分/8回戦
日本S・ライト級1位細川バレンタイン(宮田)-ヌクン・チャイヨンジム(タイ)
■20時40分/日本フライ級タイトルマッチ10回戦
王者粉川拓也(宮田)-同級7位山口桂太(八王子中屋)

本日午後行われた計量は粉川、山口ともに50.7キロでパスしている。

名王者オマールとマスを披露 挑戦者ナルバエス

左からオマール、ネストール、マリオのナルバエス兄弟

 王者五十嵐俊幸に続き、挑戦者ネストール・ナルバエス(亜)の公開練習も帝拳ジムで行われた。
 こちらは5人兄弟のうち、名ボクサーのオマール、マリオの兄2人を引き連れての来日となった。五十嵐の印象は特にないと語るものの「クレバーに戦いたい。瞬間、瞬間で(試合展開が)変わるものだから」と落ちついた表情の挑戦者。10月16日に亡くなった父エスタニスラオさんのためにも、初挑戦でベルトを巻くつもりだ。
この日の練習は、オマールとのマスボクシング、マリオとのミット打ち、バッグ打ちなどを交互に行った。優雅な身のこなしのオマールと比べると、さすがにぎこちなさも目についたが、次から次へと精力的に連打を繰り返していた。
20日にWBO・J・バンタム級王座の防衛に成功したばかりのオマールは「半年間、ネストールは私のとなりで練習をし、見てきた」と、弟の勝利を信じている。過去にアルゼンチンで兄弟世界王者の例はないらしく「最初のケースになりたい」と語った。

五十嵐、初防衛で歴史に名を刻む 


 WBC世界フライ級チャンピオン五十嵐俊幸(帝拳)の公開練習が30日、帝拳ジムで行われた。
 順調な調整を続ける五十嵐が言った。「チャンピオンになって自信がもてた」――。戴冠戦はハロの強打にひるまず、アウトボクシングも打ち合いも敢行。「戦いの幅が広がった」と手ごたえをつかんだ。
 今回が初防衛戦。守る立場の重圧に加え、西岡、粟生と続く帝拳の世界戦連敗をストップする役目を担う。「自分がこの流れを断ち切らないといけない」と使命感に燃えている。
奮い立つ理由はまだある。五輪代表からプロの世界王者になったのは五十嵐で3人目だが、過去のロイヤル小林、平仲明信はいずれも初防衛に失敗した。五十嵐は初防衛を成功させて歴史に名を刻むつもりだ。
 29日でスパーリングを打ちあげたチャンピオンは、葛西裕一トレーナーのミットにシャープなパンチを打ち込んだ。普段は減量で苦しい時期にも「スピードが落ちなかった」(葛西トレーナー)と、ネストール・ナルバエス撃退に向け、好調の様子だ。

2012年10月29日月曜日

山中とロハスが公開練習




 WBC世界バンタム級タイトルマッチ(11・3ゼビオアリーナ仙台)の公開練習が29日、帝拳ジムで行われ、2度目の防衛戦に臨む山中慎介(帝拳)が練習を公開した。

 挑戦者にトマス・ロハス(メキシコ)を迎える山中は「やりにくいというイメージはあるが、負ける相手ではない。自分のボクシングをする」と抱負を語った。

 先日、同僚の粟生隆寛が王座から陥落したことについては「すごく悔しかった。粟生はあんなものじゃない。でも自分はそれを引きずるわけにはいかない。勝つだけです」と厳しい表情を浮かべた。
 スパーリングとミット打ちでは、報道陣から感嘆の声が挙がるほどの切れ味を見せた山中。調子は良さそうだ。


 トマス・ロハスの公開練習も続いて行われ、2階級制覇を狙うメキシカンも好調をアピールした。S・フライ級時代に河野公平、名城信男を判定で下しているロハスは「山中はディフェンスがよく、足を使うボクサーだからカウンターを狙いたい。彼の左は非常に警戒している。難しい試合になるだろう」と山中の実力を評価しながら「日本はジャッジがニュートラルだから安心して試合ができる」と敵地にも落ち着いた様子だった。

ベネズエラのWBA暫定戦は中止 


 ベネズエラ・カラカスで27日(日本時間28日)予定されたWBAスーパーフライ級暫定タイトルマッチが直前に中止の憂き目に遭った。暫定王者リボリオ・ソリス(ベネズエラ)、挑戦者ホセ・カブレラ(メキシコ)ともに前日計量をパスしていたが、リングに上がる時点になって財政難を理由に試合が消滅した。スポンサーやテレビなどの関係でプロモーターが両選手にファイトマネーを支払えなくなったらしい。
 同日の興行自体は、このメインエベントを除く7試合がカラカスのパルケ・ナショナレス・ウニダーデスで行われている。

パッキアオ、ロサンゼルス入り




 12月8日ラスベガスでフアン・マヌエル・マルケス(メキシコ)との第4戦に臨むスーパースター、マニー・パッキアオ(比)が27日午後8時過ぎ(現地時間)フィリピン航空102便で米ロサンゼルスに到着した。

 今回、地元フィリピンではごく軽い練習にとどめたというパッキアオはフレディ・ローチ・トレーナー、アレックス・アリサ・コンディショニングコーチの指導の下、29日からワイルドカードジムで6週間みっちりトレーニングに励む予定。詰め掛けたファン、待機したメディアの歓迎を受けながら、迎えの車に乗り込んだ。Fhoto/Boxing Scene.com

“メヒカニート”和毅25連勝


 メキシコ・ユカタン半島のチェツマルで27日(日本時間28日)、WBCバンタム級3位亀田“メヒカニート”和毅(亀田)がハビエル“チベロ”フランコ(メキシコ)に5回1分18秒TKO勝利を飾った。
 試合はノンタイトル10回戦。初回、和毅がコンビネーションで仕掛けると、フランコも右スウィングで応戦。3回、フランコをロープへつめた和毅は左フックからの連打でダウンを奪う。5回、またも相手をロープへ送ると、フランコは防戦一方になり、主審がストップをかけた。
 和毅は25勝16KO無敗。フランコは21勝17KO10敗1分。

 メインには“リナレスをストップした男”セルヒオ・トンプソン(メキシコ)が登場。ルイス・アルマンド・フアレス(アルゼンチン)を5回3度倒して2分31秒TKO勝ち。WBC・S・フェザー級シルバー王座を守ったトンプソンは新王者ガマリエル・ディアスへ挑戦を希望。
 もうひとつのWBCシルバー王座戦ではロベルト・オルティス(メキシコ)がジャンカルロ・アパリシオ(アルゼンチン)に大差の判定勝ちでS・ライト級ベルトを防衛。

アブレグ、1位ドゥローメを倒す


 バスケス×キンテロのIBFライト級戦と同じリングで行われたトリプルヘッダーの他の2試合、メインのWBCウェルター級1位トマス・ドゥローメ(プエルトリコ)×同10位カルロス・アブレグ(アルゼンチン)の10回戦はアブレグが7回TKO勝ちする番狂わせ。

 この日まで16勝12KO無敗の長身パンチャー、ドゥローメがリードしたが、3回、アブレグの右でダウン。左構えにスイッチするなどして挽回に努めたプエルトリカンだったが、7回またもアブレグの強打が火を吹き2度目のダウン。カウント中にセコンドが棄権をリクエストした。TKOタイムは2分35秒。
 空位のWBCインターナショナル・ウェルター級王者に就いたアブレグは34勝28KO1敗。唯一の黒星は2年前、ティモシー・ブラッドリーに判定負けしたもの。リマッチを希望する。
 もうひとつのタイトル戦、NABO(WBO傘下)J・ウェルター級戦はWBO6位カリム・メイフィールド(米)がIBF7位マウリシオ・エレラ(米)に3-0判定勝ちで防衛。スコアは96-94、98-92、97-93。

2012年10月28日日曜日

藤岡、地元でV2


 28日宮城県大崎市の古川総合体育館で行なわれたWBC女子世界ミニフライ級タイトルマッチは、王者藤岡奈穂子(竹原&畑山)が3位ビクトリア・アルゲッタ(メキシコ)に判定勝ちで王座防衛に成功した。
 試合は王者のワンサイドゲーム。アルゲッタが狙う強い左フックのリターンに臆することなくスピードと回転力で勝負。3回、7回にダウンを奪い、98-90(2人)、99-90の大差で21歳無敗の挑戦者を退けた。地元凱旋を好ファイトで゛飾った王者は9勝5KO無敗。
 セミ8回戦は風神ライカがバス・ソータンマチャッタを2回KOに下している。

ミハレス、マルケス弟をストップ メキシコの元王者対決


 ソーサ-李明浩と同じリングのメインエベント、ラファエル・マルケス-クリスチャン・ミハレス(ともにメキシコ)の元チャンピオン対決は、ミハレスが9回TKO勝ちを飾った。

 パンチャーとテクニシャンの一騎打ち。出だしは自信満々のマルケスが攻め込み、ミハレスにダメージを与える。ヘッドバッドが発生し、ミハレスは額をタテにカット。ドクターチェックの後、WBCルールによりマルケスは減点1。なおも攻勢をかけるマルケスだが、6歳年少のミハレス(31)はサウスポーから左を巧打して挽回を図る。中盤、再びマルケスが左ジャブを決めてリード。だが8回、ダメージングブローを叩き込んだミハレスが9回に左強打でチャンスをつかみ、追撃でストップを呼び込んだ。TKOタイムは1分58秒。

 サバイバルに成功したミハレスはドネア-アルセ戦の勝者への挑戦を希望。敗れたマルケスは引退が噂される。なお、この一戦は当初予定されたWBC・S・バンタム級シルバー王座戦ではなく、USNBC(WBCアメリカ)王座がかけられた。Fhoto/Boxing Scene.com

李、大善戦 ソーサに0-2判定負け



 メキシコシティで27日(日本時間28日)、元WBC世界L・フライ級王者で現フライ級1位のエドガル・ソーサ(メキシコ)と対戦した李明浩(大阪帝拳、日本フライ級1位)はマジョリティー・デシジョンで敗れた。

 スタートから仕掛けた李はひと回り大柄なフィジカルアドバンテージを生かし、百戦錬磨のソーサを脅かす。左ジャブが秀逸で、右強打につなげる。しかし老獪なソーサは4回あたりから左右コンビネーションで挽回。右で李がのけぞるシーンが出てくる。ややソーサ優勢で迎えた9回、李の渾身のラッシュでソーサはピンチ。連打でソーサが崩れたが、主審はスリップと判断。最終10回も李は果敢に打ち合って会場を沸かせた。

 公式スコアはジャッジ1人が95-95だったが他の2者は96-94でソーサを支持した。ソーサは47勝28KO7敗。李は15勝5KO2敗。Fhoto/Boxing Scene.com

バスケス、キンテロに競り勝つ IBFライト級戦


 米ニューヨーク州ベローナで27日(日本時間28日)行われたIBF世界ライト級タイトルマッチは王者ミゲール・バスケス(メキシコ)が挑戦者1位マルビン・キンテロ(メキシコ)に2-1判定勝利。V4に成功した。

 試合はシーソーゲーム。変幻自在のヒット&アウェーから左ジャブ、右を決めるバスケスに、サウスポーのキンテロは前進して左右を振るう。バスケスがペースをつかみかけると、キンテロが奮起してポイントが接近。終盤に入ってもキンテロの士気は衰えなかったが、王者は10、11回にパワーパンチを痛打して勝利を引き寄せた。オフィシャル・スコアは割れ、一人が115-113でキンテロを支持したが、他の2人は116-112、118-110でバスケスだった。

34秒TKO勝ちの早川がMVP 新人王西軍代表決定

決定した新人王西軍代表

 新人王西軍代表決定戦が28日、愛知県の刈谷市あいおいホールで行われ、実施クラスで代表選手が決まった=写真=
三賞受賞者(左から敢闘・川村、MVP早川、技能・大森)
三賞も選ばれ、MVPに輝いたのはL・フライ級の早川大助(とよはし)。西川潤也(八尾)を開始34秒でストップした。「初回KOは狙っていたが、こんなにも早く倒せるとは」と本人もビックリの勝利。全日本新人王戦の必勝を誓っていた。
 技能賞はバンタム級の大森将平(ウォズ)が獲得。深蔵和希(HEIWA)を2度ダウンさせて初回TKO勝ちしたサウスポーだ。敢闘賞にはフライ級を制した川村琢磨(畑中)が選ばれた。
 試合結果は以下のとおり(左が勝者)。

◎ミニマム級 内野々大叶(ウエスタン延岡) 判定 岩下良太(中日)
◎L・フライ級 早川大助(とよはし) TKO1回 西川潤也(八尾)
◎フライ級 川村琢磨(畑中) TKO2回 先規鷹也(井岡)
◎S・フライ級 冨山智也(蟹江) 不戦 吉川晃平(仲里ATSUMI)
◎バンタム級 大森将平(ウォズ) TKO1回 深蔵和希(HEIWA)
◎S・バンタム級 堀池雄大(西遠) 引き分け 奥間思聡(ナカザト)
 ※規定により、堀池の勝者扱い
◎フェザー級 坂晃典(仲里ATSUMI) TKO2回 堀田慧(中日)
◎S・フェザー級 山口翔太(真正) 判定 水藤翔太(とよはし)
◎ライト級 奥田翔平(真正) 判定 川瀬源(KOZO)
◎S・ライト級 小川浩一(ハラダ) 不戦 曽我部マルコス(松田)
◎ウェルター級 丸木凌介(薬師寺) 判定 木村文祐(姫路木下)

2012年10月27日土曜日

粟生が王座陥落 ディアスに判定負け

 
歓喜に沸くディアス陣営と粟生
ノニト・ドネアも観戦に訪れた!

 WBC世界S・フェザー級タイトルマッチが27日、東京国際フォーラムで行われ、チャンピオンの粟生隆寛(帝拳)は同級4位のガマリエル・ディアス(メキシコ)に0-3(111-115、112-114、112-114)の判定で敗れ、4度目の防衛に失敗した。ディアスは3度目の挑戦で悲願の世界タイトルを獲得した。

 ディアスは序盤から右のブローをボディに集めて先制。シャープな右も顔面に決めてポイントでリードした。粟生は動きの硬さが目立ち、3回には左目上部をカット(ディアスに減点1)。ディアスは5回にローブローでも減点された。後半に向けてペースが上がるかに見えた粟生はなかなか調子をつかめず、その状況を打破しようと、中盤からピッチを上げるが、逆にディアスのカウンターを食らってしまった。
 終盤の粟生は血みどろになり、顔を大きく腫れ上がらせながら懸命に攻めたが及ばなかった。

中盤以降に追い上げた粟生だったが…

三浦が三垣を1回KO 岩佐は判定勝ち


 WBA世界S・フェザー級タイトルマッチの前座で行われたライト級10回戦は、元日本S・フェザー級王者の三浦隆司(帝拳)が元日本&東洋太平洋ライト級王者の三垣龍次(M・T)を1回1分37秒TKOで下し、注目の強打者対決を制した。


 三垣は軽快な動きから右ボディショットを決めて好スタートを切ったかに思われたが、1分すぎに三浦の狙い済ました左ストレートがドンピシャで炸裂。ダウンした三垣は何とか立ち上がったがダメージは大きく、三浦がラッシュを仕掛けたところでレフェリーが試合を止めた。

 セミの119P契約10回戦は日本王者の岩佐亮佑(セレス)が世界挑戦2度のデビッド・デラモラ(メキシコ)に判定勝ちした。ジャッジは3者とも100-90。


 岩佐は初回からリーチとスピードでデラモラを凌駕。随所でカウンターを決め、何度かデラモラをコーナーに追い込んで連打を見舞った。しかしデラモラも柔らかいディフェンスと粘り強い攻撃で最後まで戦い抜き、試合は判定決着となった。

明日マルケス×ミハレス&ソーサ×李

 

 明日27日(日本時間28日)メキシコシティのニュー・アレナ・メヒコで予定される2つのWBCシルバー王座戦の計量が26日に行われた。
 メインのスーパーバンタム級決定戦に出場する元チャンピオン同士、ラファエル・マルケス(メキシコ)、クリスチャン・ミハレス(ミハレス)ともリミットの122ポンド(55.34キロ)で無事パス。
 一方、WBCフライ級1位エドガル・ソーサ(メキシコ)、同級日本1位李明浩(大阪帝拳)は2人とも114ポンド(51.71キロ)を計測。当初、ソーサのフライ級王座が争われる見込みだったが、両者リミット2ポンド超のため、ノンタイトル12回戦に変更された。

リオスTKO勝ち パナマのIBF1位決定戦


 パナマシティのロベルト・デュラン・アリーナで25日夜(日本時間26日)挙行されたIBF世界J・フライ級1位決定戦は、IBF3位ルイス“パン・ブランコ”リオス(パナマ)が同5位フェリペ・サルゲロ(メキシコ)が11回ストップ勝利を収めた。
 リオスは5ラウンドにダウンを喫したが、11回、アッパーカットで倒し、レフェリーストップを呼び込んだ。TKOタイムは1分26秒。
 王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)への挑戦権を得たリオスは18勝12KO1敗1分。サルゲロは16勝11KO4敗1分。

WBO総会が閉幕 MVPにドネア


 米フロリダ州ハリウッドで開催されていた主要4団体のひとつWBO(世界ボクシング機構)の第25回年次総会が26日、閉幕した。

 25、26日には主要議題である全17階級のランキング会議が行われ、出席したプロモーター、マネジャー、マッチメーカーらの間で活発な議論が展開された。日本関係では、S・フライ級15位久高寛之(仲里・ATSUMI)をサポートするマッチメーカーから「10位以内にランクさせてほしい」という強い要望があり、バンタム級15位ロリー松下(カシミ)のランクアップに関してもプッシュがあったという。

 最後のディナーで表彰選手等が発表され、ファイター・オブ・ジ・イヤー(年間最優秀選手)にS・バンタム級王者ノニト・ドネアが選ばれた。また女子選手MVPはJ・フライ級王者ジェシカ・ボップ(アルゼンチン)、年間最高試合に昨年のパッキアオ-マルケス兄第3戦が選出された。優秀プロモーター賞はトップランク社とメキシコのフェルナンド・ベルトラン。

2012年10月26日金曜日

粟生とディアスともにリミット 明日WBC・Sフェザー級戦



WBC世界S・フェザー級タイトルマッチの計量が26日、東京・ホテルグランドパレスで行われ、王者粟生隆寛(帝拳)と挑戦者ガマリエル・ディアス(メキシコ)ともに一発でクリア。いずれも58.97キロ(130ポンド)のS・フェザー級リミットだった。
計量前の検診も、両者正常な数値を記録し、大槻穣治コミッションドクターのお墨付きを得た。今回粟生は後援会の亀田隆明会長が理事長を務める亀田総合病院で減量メニューを考案。これを採り、10キロ以上の減量を計画的に行った。対するディアスのコンディショニングも良好そう。あとは明日のゴングを待つばかりとなった。
 またセミに出場する岩佐亮佑(セレス)、デビッド・デラモラ(メキシコ)も計量に合格した。
 

名トレーナー、エマヌエル・スチュワード死去

 

 殿堂入りトレーナーで、数々の名選手を指導したエマヌエル・スチュワード氏が25日早朝(現地時間)デトロイトの病院で亡くなった。68歳。9月に胃がんの手術を行った後、病状が悪化していた。

 1944年7月、米国ウェストバージニア州に生まれたスチュワード氏は50年代から60年代にかけアマチュアボクサーとして活躍。63年にはバンタム級で全米ゴールデングローブを制した。アマチュア戦績は94勝3敗。その後は指導者に転身し、71年にデトロイトで「クロンクジム」を開き、アマチュアをコーチしながらプロ選手を養成。77年3月、世界チャンピオン第1号ヒルメール・ケンティ(ライト級)が誕生すると、5ヵ月後トーマス・ハーンズがウェルター級王者につき、一気にクロンクジムの名が流布。その後もマイク・マッカラム、ジミー・ポール、ミルトン・マクローリー、ジェラルド・マクラレンらをチャンピオンに育てた。
 
 以後、著名選手だけでもレノックス・ルイス(写真)、イベンダー・ホリフィールド、オスカー・デラホーヤ、フリオ・セサール・チャベス、ナシーム・ハメドをコーチ。トレーナー業と並行してHBOの解説者を長年務め、好評を博した。96年に国際ボクシング名誉の殿堂入りした。
 
 
最近ではヘビー級統一王者ウラジミール・クリチコ、ミゲール・コット、コーネリアス・バンドリッジ、アンディ・リーらを指導。2週間後に防衛戦を控えるウラジミールのキャンプに同行できず、両者の不仲説まで噂されたが、実際は体調の悪化が原因だった。

「現代でもっとも尊敬すべきトレーナーの一人を失い、深い悲しみに浸っている」(デラホーヤ)、「ボクシング、人生、世界についていっしょに語り合ったことを長く忘れないだろう」(W・クリチコ)、「どれくらい深遠な悲しみなのか表現する言葉が見つからない」(HBOスポーツ社長・ケン・ハーシュマン)など各方面から追悼のメッセージが寄せられている。

2012年10月25日木曜日

粟生とディアスが火花

出場の6選手(左から三垣、デラモラ、ディアス、粟生、岩佐、三浦)

 10月27日に東京国際フォーラムで行われるWBC世界S・フェザー級タイトルマッチの調印式が25日、東京のホテルグランドパレスで開かれた。
使用グローブ(日本製8オンス)をチェックする粟生

 少しほおのこけたチャンピオンの粟生隆寛(帝拳)は「ディアスは好戦的な選手だけに、やりがいを感じている。プロである以上、ファンの期待に応えたい」とKO勝利に意欲を見せた。

これが3度目の世界挑戦となるガマリエル・ディアス(メキシコ)は「これは神の与えてくれたビッグチャンス。必ず勝利を手にしたい」とこちらも気合い十分。記者会見後のフォトセッションでは、両者が激しくにらみ合った。
ディアス㊧とにらみ合う粟生

 会見には前座に出場する岩佐亮佑(セレス)×デビット・デラモラ(メキシコ)、三浦隆司(帝拳)×三垣龍次(M・T)の4選手も出席。コメントは以下の通り。

岩佐「今回の相手は格上なので、挑戦者としてガンガンいきたい」
デラモラ「イワサはハードパンチャーで背が高いが、いいファイトをする」

三浦「普通に自分の試合をして勝つ。打ち合いの中で倒したい」
三垣「真っ向勝負は自分の得意とするところ。印象に残る試合をしたい」

藤岡とアルゲッタがスパー公開



 メディカルチェックを終えた藤岡奈穂子とビクトリア・アルゲッタは午後、青木ジムで公開トレーニングをおこなった。
王者は柴田マネジャーと2ラウンドのスパーリング。調整終盤、ジムの移転にともなってジプシー生活を余儀なくされたが順調か仕上がりを見せた。

「相手は一回り小さいが体格でボクシングをするわけではない。リーチも長いので油断しない。コンディションはいつもどおり。地元だけど気負いすぎずボクシングはいつもどおりやりたい」と藤岡。復興支援がメインテーマの凱旋試合、「これまで具体的に何かができたことがなかったが、初めて形にできる。楽しみです。超ホームなので超アウェイくらいのプレッシャーがあるが、それをパワーにしたい」とも。
 望みどおり無敗の強豪を迎える王者陣営、竹原会長は8回決着を予告したが「自分のボクシングを貫きたいが、相手が強いので早めにマイペースにしたい。興奮すると詰めすぎてしまうので、距離を意識したい」と王者は落ち着いてコメントした。


 藤岡が青木ジムを後にした午後2時半、アルゲッタがジムに入り、こちらはシャドー、ミット打ち練習を公開した。

 父が元アマ選手、二人の弟がボクシングを始めるのと一緒に10歳でグローブを握り、アマキャリアをスタート。85試合戦って70勝、2度国内チャンピオンに輝いたという。結婚3ヵ月の新婚で夫も現役ボクサーのアルゲッタは「チャンピオンは強いがチャンスはある。世界のベルトを獲るために長く戦ってきた。インファイト、アウトボクシングどっちもいける。クレバーに戦いたい」と語り「藤岡とふたりで被災地のみなさんを元気づける試合をしたい」と抱負を述べている。

 また当初8勝3KOと発表されていたアルゲッタの戦積が11勝4KOと訂正。プロデビューから2年半余りでこのレコードはまさに上り坂!

藤岡アルゲッタ予備検診






 28日郷里・宮城県大崎市で2度目の防衛戦を迎えるWBC女子ミニフライ級王者、藤岡奈穂子(竹原&畑山・37)と挑戦者ビクトリア・アルゲッタ(メキシコ・21=3位)が、日本ボクシングコミッョンでメディカルチェックをおこなった。検診の数値は次のとおり。

●藤岡
身長158センチ
リーチ154センチ
胸囲85センチ
頸周33センチ
拳周センチ24.5/25 右/左
視力 1,2左右とも
血圧141/94
脈拍69
体温36.8

●アルゲッタ
身長149センチ
リーチ155センチ
胸囲86センチ
頸周31センチ
拳周23センチ 左右とも
視力 1.5左右とも
血圧128/71
脈拍59
体温37.1
※ドクター所見は両選手とも異常なし

2012年10月24日水曜日

井上初の日本ランク 


 JBC(日本ボクシングコミッション)のランキング委員会が24日開かれ、最新10月度の日本ランキングが作成された。主だったところをピックアップしてみると――。
 プロデビュー戦をKOで飾った大型新人の井上尚弥(大橋=写真=)が初のランクインを果たした(ライトフライ級6位)。井上は10月2日に比国王者を倒し、OPBFではすでにランクインしている。
 ほか、新たにランク入りしたのはスーパーフライ級江藤大喜(白井・具志堅スポーツ)、ライト級中谷正義(井岡)らのホープ勢。
 チャンピオン陣ではミニマム級新王者に原隆二(大橋)、ミドル級は湯場忠志を番狂わせのKOに破った佐々木左之介(ワタナベ)も王位に就いた。
 一方、試合予定のない林欽貴(E&Jカシアス)、殿村雅史(角海老宝石)らが外れた。

ゲレロ×ベルト 発表会見



 中量級の著名選手アンドレ・ベルトとロバート・ゲレロ(ともに米)が11月24日、12回戦で対決することになり、23日(日本時間24日)ロサンゼルスのグラミー賞ミュージアムでプレゼンテーションが開催された。設定は元WBC、IBF世界ウェルター級王者ベルトが現WBC同級暫定王者ゲレロに挑戦する。会場はロサンゼルス郊外オンタリオのシチズンズ・ビジネス・バンク・アリーナ。
 以下は会見での両者のコメント。


ベルト「私はゲレロに対してスピード、パワーを有効に使い、頭脳的に立ち向かう。すでに戦える準備をしている。私はハングリーだ」

「私にとり、今年は大変な年だった。今、私は原点に戻っている。それが自分に必要だった」(注:ベルトは今年ステロイド使用でサスペンドされた)

「私は今回のファイトが自分からの声明になればいいと思っている。チューンナップ試合はいらない。私は自分がどれだけのレベルの選手か分かっている。それゆえに対戦相手を尊敬している」

ゲレロ「ベルトは好戦的な選手でハングリーだ。でもそれは自分も同じ。私はいつでもハングリー。なぜなら世界中でベストになりたいから。世界チャンピオンになって安住するのはイヤ。私は彼をノックアウトできると信じている」

「人々は私に相応しい評価を与えてくれない。だから勝ち続けなければならない。私は最強の男を捜し求めていた。自分がベストであることを証明できない相手と戦っても意味がない」

 同じリングでは2つの注目マッチも予定される。WBAライト級暫定王者リチャード・アブリール(キューバ)にランク3位シャリフ・ボーゲル(ウガンダ)が挑む一戦。そして強打で台頭中のウェルター級キース・サールマン(米)とベテランの元王者カルロス・キンタナ(プエルトリコ)の対決。fhoto/Golden Boy Promotions.

粟生、ディアスともに良好 予備検診


 WBC世界S・フェザー級タイトルマッチの予備検診が24日、東京のホテルグランドパレスで行われ、王者粟生隆寛(帝拳)と挑戦者ガマリエル・ディアス(メキシコ)ともにコンディションに問題なしと診断された。
 両者の体格的な違いは身長。粟生の168.5センチに対し、ディアスは174センチを計測した。ただし粟生は「ディアスはもっと大きい印象だった。小さく見えたのは僕が調子のいい状態だから」と気にしていない。ディアスも「特に関係はない」と語った。リーチの長さは174センチで同じだった。
 主な診断結果は以下のとおり。
     粟生      ディアス
身長  168.5センチ  174センチ
頸周  37センチ    38センチ
胸囲  94センチ    93センチ
視力  左1.5右1.5   左1.5右1.5
リーチ 174センチ   174センチ
血圧  121/78         132/71
脈拍  54          62
体温  36.1度     36.8度

WBO年次総会が開幕


 今年で25回を迎えるWBO(世界ボクシング機構)のアニュアル・コンベンション(年次総会)が米フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロック・ホテルで開幕した。初日の22日はゴルフ会やバーベキューで親睦を深め、2日目の23日から本格的な会議に入った。

 23日午前には会長選挙が行われ、フランシスコ“パコ”バルカルセル氏(62)が再選された。バルカルセル氏は1996年から4期16年間会長を務めており、今回の再選で向こう4年間留任が決まった。WBCのスライマン会長、WBAのメンドサ・シニア会長に次ぐ安定政権を築いている。同日はその後ジャッジのセミナー、NABOやWBOアジア太平洋など傘下の地域団体のレポートが審議された。総会は26日まで開催される。

 同時にWBOは今月30日アフガニスタンで予定されるボクシング試合をプロモーターとして全面的に支援する方針を明らかにしている。

2012年10月23日火曜日

マルティネスが自伝を出版

 

 WBC世界ミドル級チャンピオン、セルヒオ“マラビージャ”マルティネスが自身の半生を書き綴った本を上梓した。タイトルは「コラソン・デ・レイ」(ハート・オブ・キング)。320ページの長編で、貧しい家庭に生まれ、ボクシングで大成したサクセスストーリーが綴られている。エンディングは9月フリオ・セサール・チャベスJrを下した試合。

 通常の伝記ものと異なり、マルティネス自身の目標、マネー、名声、成功に関する見解や最近のボクシング界の分析も記されている。そこでは「フロイド・メイウェザーが全クラスを通じてのベストボクサー。来年、彼と戦う夢を実現したい」と語る。

 学校は中学中退のマルティネスだが「ほとんどの部分を私が書いた。タイトルは私が決めたものではないけど、気に入っている」とのこと。アルゼンチンの著名記者カルロス・イルスタ氏が主宰する「リングサイド・マガジン」で毎月コラムを執筆しているため、文筆業はお手の物だったようだ。

 出版発表のためアルゼンチンに帰国したマルティネスはパパラッチに遭遇。「新恋人か?」の記事がゴシップ誌に載っている。
 

粟生、ディアス撃退に自信 公開練習


 WBC世界S・フェザー級チャンピオン粟生隆寛(帝拳)が4度目の防衛戦に向け、練習を公開した。
 4位挑戦者ガマリエル・ディアス(メキシコ)を迎える粟生は「しっかりと自分の距離をとり、相手をコントロールして勝ちたい」と試合展開について語った。3度目の挑戦に燃えるディアスが積極的に出てくることが想像されるが、「右リードを突き、フェイントも使って」対処するつもり。浜田剛史代表、田中繊大トレーナーともども「先手のボクシング」をディアス撃退のカギに挙げた。
 練習ではシャドー、ミット打ち、バッグ打ち……とひと通り披露し、汗をしぼった。
 また中継の日本テレビが、粟生-ディアス戦を自社の動画配信サービス「日テレオンデマンド」でライブ配信することを発表した。粟生のV4戦は関東地区の地上波放送ながら、パソコンやスマートフォンがあれば、前座試合からライブ視聴できる。セミの岩佐亮佑-デビッド・デラモラ戦とメインが500円。第3試合の三浦隆司-三垣龍次戦までは無料となっている。



マルケス弟とミハレスが対決 セミでソーサ×李



 ミハレス㊧とマルケス弟
  日本でも馴染みのメキシカン2人が今週土曜日27日、顔を合わせる。元バンタム級&S・バンタム級王者ラファエル・マルケスと元S・フライ級統一王者クリスチャン・ミハレス。試合はメキシコシティのニュー・アレナ・メヒコで行われる。争われるベルトはWBC・S・バンタム級シルバー王座。

 マルケスは昨年、西岡利晃に敗れた後、再起戦で元フェザー級王者エリック・エイケン(米)に初回KO勝利。一方ミハレスはバンタム級王座挑戦に2度失敗した後、10連勝と波に乗っている。パンチャー(マルケス)とテクニシャン(ミハレス)の一騎打ち。2人とも全盛期は過ぎたと思われるが、敗者が引退に近づくサバイバルマッチとして現地で人気を呼んでいる。

 セミファイナルでWBCフライ級1位エドガル・ソーサ(メキシコ)が登場。WBCフライ級シルバー王座の防衛戦に臨む。相手は当初、前チャンピオン、ソニーボーイ・ハロ(比)といわれたが、最新ニュースでは日本フライ級1位李明浩(大阪帝拳)に変更されている。

2012年10月22日月曜日

“プラタノ”ディアス公開練習 10.27粟生の挑戦者




 WBC世界S・フェザー級タイトルマッチ(27日・東京国際フォーラム)で王者粟生隆寛(帝拳)に挑戦する同級4位ガマリエル・ディアス(メキシコ)が22日、練習を公開した。
 シャドー、ミット打ち、バッグ打ちなどを披露したディアス。「私は手数の多い選手」と自負したとおり、決して速くはないものの次から次へと多彩なブローを繰り出した。ボディーワークは体の軸がしっかりとしたところをうかがわせ、相手にとってやりづらそう。「このチャンスは逃さない」と3度目の世界挑戦に自信をのぞかせた。
 猫背の姿勢などからバナナを意味する“プラタノ”と呼ばれる31歳の技巧派。威圧感はない代わりに、粘っこいスタイルの難敵だ。