2010年6月13日日曜日

「3度目の正直」ミランダ戴冠 WBOフライ級戦

 オマール・ナルバエス(アルゼンチン)がJ・バンタム級を制覇したため空位となったWBO世界フライ級王座決定戦が12日(現地時間)メキシコのプエブラで行われ、フリオ・セサール・ミランダ(メキシコ、IBF3位)がリッチー・メプラナム(フィリピン、WBO9位)を5回KOで下し、新王者に就いた。
 メキシコのホープ、“タイソン”マルケスを破って浮上したメプラナムがサウスポーから左ストレートを巧打してリード。しかしミランダは2回からボディーを執拗に攻めてペースを掌握。4回に一度、5回に2度、いずれもボディー打ちでメプラナムを倒し、フィニッシュした。KOタイムは2分41秒。
 ポンサクレック(WBC)、ムザラネ(IBF)と2度世界に届かなかったミランダは3度目のチャンスをモノにした。

ダウン挽回、カルデロン6度目の防衛

 WBO世界J・フライ級王者イバン・カルデロン(プエルトリコ)が12日(現地時間)ニューヨーク、MSGシアターで挑戦者7位ヘスス・イリベ(メキシコ)を3-0判定で下し、ベルトを守った。
 2回、サウスポーのカルデロンにイリベ(25歳)の右が決まり、王者は弾けるように尻餅をつく。だがカルデロン(35歳)がピンチに遭遇したのは、この場面だけ。以降、前進して左右を振りかざすメキシカンと十分に距離を保ち、得意のアウトボクシングを披露。右ジャブ、コンビネーションでポイントを蓄積した。公式スコアは118-110が2者に116-111で2階級制覇王者カルデロンが支持された。

岡田が殊勲 MSGでホープ下す

 WBO世界J・フライ級戦が行われたニューヨーク、MSGシアターのリングに登場した元MTジム所属の岡田隆志(26歳)が番狂わせを演じた。
 ロサンゼルスを拠点にリングに上がる岡田はフライ級4回戦でマックウィリアムズ・アローヨ(プエルトリコ)と対戦。初回、北京オリンピック代表選手で、トップランク社のサポートの下、世界を狙える逸材といわれるアローヨと岡田は互角の打ち合いを展開。2回、同胞の声援を受けるアローヨがやや優勢に立っていたが、ラウンド終了間際、岡田の左右でプエルトリコ人がダウン。すぐ立ったが、脚が震えダメージあり。3回アローヨが手数で挽回を図ったが、最終4回、岡田がジャブから攻勢をかけて終了。公式スコアは39-36に38-37が2者で岡田を支持した。
 セコンドの岡部トレーナー、ルディ・エルナンデス・トレーナーと歓喜に浸った岡田は2勝1KO1分。アローヨ(24歳)は2勝2KO1敗。

拓大に土 関東大学リーグ

 アマチュアの第63回関東大学リーグ戦は12日、後楽園ホールで1部リーグ3週目が行われ、前年優勝の拓殖大学に初黒星がついた。チャンピオン奪回を期す東京農業大学は全勝をキープ。第3週を終えた時点で東農大(3勝)、拓大(2勝1敗)、日本大学(2勝1敗)、法政大学(1勝2敗)、駒澤大学(1勝2敗)、日本体育大学(3敗)の順。
 この日、日大と対戦した拓大はL・ウェルター級で主将・杉浦剛史がポイント勝ちし、チームの勝利に王手をかけたが、残る2階級で粘る日大が連勝。4-5で逆転負けを喫した。次週(6月26日)の東農大戦を前に痛い黒星となった。
 一方の東農大は駒大と対戦。L・フライ級こそ失ったものの、残りの8階級すべてで勝利し8-1の大差で駒大を下した。ルーキーの青木貞頼、吉野修一郎は開幕週から3連勝。
 また法大は日体大に7-2で勝利した。

2010年6月6日日曜日

コット3階級制覇! フォアマンをTKO

 ニューヨークのヤンキースタジアムで5日(現地時間)行われたWBA世界S・ウェルター級戦は、元S・ライト級、ウェルター級王者ミゲール・コット(プエルトリコ)が王者ユーリ・フォアマン(イスラエル)に9回42秒TKO勝ちでカムバックを果たした。
 コットは出だしからジャブ、左フックを痛打。フォアマンは何度かバランスを失う。4回、右で反撃したフォアマンだが、7回、右ヒザを痛め、2度スリップダウン。中断で続行が許された後、8回にはコーナーからタオルが投入された。しかし主審のアーサー・マーカンテJrはそれを認めず、試合は続行。8回を乗り切った王者だが、9回、コットの左ボディーでついにダウン。ここでストップがかかった。
 パッキアオ戦から再起したコットはビッグマッチを希望するコメント。S・ウェルター級戦線が興味深くなってきた。
 セミではバネス・マルティロスヤン(アルメニア=米)が3-0判定でジョー・グリーン(米)を下し、NABFとNABOのS・ウェルター級王座を防衛している。

李は1位天笠に大差判定で初防衛 日本フェザー級戦

 メイン格の日本フェザー級タイトルマッチは、王者李冽理(横浜光)が1位挑戦者・天笠尚(山上)に文句句なしの3-0判定勝ち。2月の決定戦で獲得した王座の初防衛に成功した。頭脳派・李の変則ボクシングにペースを握られ、天笠は最後まで179センチの長身の利を活かせず。最終回逆転を狙って猛攻したが、この回のポイントを取るのが精一杯。スコアは98-93(2人)、97-94で李の勝利を支持していた。
 李(28)は16勝8KO1敗1分。完敗の天笠(24)は、15勝12KO4敗2分。

三浦、3回に竹下倒しV3 日本S・フェザー級戦

 日本S・フェザー級王者三浦隆司(横浜光)は、3度目の防衛戦で9位竹下寛刀(高砂)と対戦。立ち上がりから距離を詰めてプレスを強めたが、竹下も相手の飛び込みざまに右フックを迎え打ちし抵抗。サウスポー同士の噛みあいのいい攻防となった。
 3回半ば過ぎ、三浦は左ストレートをクリーンヒットした直後に竹下をロープに詰めてラッシュを敢行。挑戦者もこれに耐えて反撃機をうかがっていたが、我慢の限界を超えて崩れるようにダウン。これは立ち上がり試合続行となったが、三浦の連打に反撃できず、すぐさまレフェリー・ストップがかかった。タイムはこの回2分57秒。
 これで三浦(26)は3度目の防衛。規定回以内に試合を終わらせたのは、王座獲得戦以来。19勝15KO1敗2分。敗れた竹下(26)は、13勝9KO9敗1分。

池原のベルト獲り失敗 東洋太平洋フライ級戦

 横浜光ジムのトリプルタイトルマッチが5日夜後楽園ホールで行われ、同ジム所属の3選手が出場した。結果は、2人の日本王者はベルトを守ったものの挑戦者は失敗。試合順に報告すると――。
 東洋太平洋フライ級王者ロッキー・フェンテス(比国)に挑んだWBC、WBAとも同級15位池原繁尊(横浜光)は、健闘したものの老獪なチャンピオンに的確なブローを決められ苦しい展開に。ダウンはなかったものの、敗色濃厚の11回2分9秒、セコンドの石井一太郎会長がタオルを投入し、TKO負けとなる。フェンテスは3月に大久保雅史(青木)を攻略して手にしたタイトルの初防衛に成功した。
 フェンテス(24)はこれで24勝15KO6敗2分。池原(28)は2016KO2敗2分。

2010年6月4日金曜日

王者西岡が尼崎市長を表敬訪問

 WBC世界S・バンタム級王者・西岡利晃(帝拳・33)が3日、兵庫県尼崎市役所を訪れ、白井文市長(50)を表敬訪問した。
 4月30日の4度目の防衛戦で鮮やかなKO防衛を果たした後は、夫人と長女小姫ちゃんとの家族水入らずの日々を過ごし、すっかりリフレッシュしているチャンピオン。加古川市出身だが、実は2年前から美帆夫人の実家のある尼崎市に住民票も移しており、「尼崎市民」として名乗りを上げたもの。「尼崎は住みやすい町で、好きです。よく商店街に出かけています」というチャンピオン。先の防衛戦(バンゴヤンにKO勝ち)の後、急に地元でも声を掛けられることが増えたそうだ。
「チャンスがあれば、ぜひ関西で試合をして、尼崎の皆さんにも応援してもらいたい」と抱負を語ると、ボクシング・ファンとしても知られる白井市長も、「その時はぜひ(試合場に)いきたいです」と応援を約束していた。
 次の5度目の防衛戦は1位レンダル・ムンロー(英国)相手の指名試合が有力だが、期日、試合地ともまだ決まっておらず、再び東京に“単身赴任”してジムワークに戻るのは、7月になる見込み。西岡はすでに軽いランニングなど自主トレを開始している。
 写真はWBCのチャンピオンベルトを手に尼崎市長室を訪れた西岡と、白井市長

2010年6月3日木曜日

1位瀬籐、負傷判定勝ち


 2日、後楽園ホールに日本S・バンタム級1位瀬藤幹人(協栄)が8回戦に登場。サウスポー笛木亮(ジャパンS)に7回負傷判定勝ちで30勝目をマークした。
 瀬藤は上体を駆使しノーガードからフリッカージャブを繰り出す持ち前のスタイルで優位に試合を進めたが、強打に自信の笛木も踏ん張り、ロープ際で激しい戦いに。両者バッティングで流血するタフファイトは、左目上の傷が悪化して出血激しい笛木の続行が不能となり、7回2分13秒で終了。69-64、70-64(2人)のスコアで瀬藤の手が挙がった。 トップランカーに危ない場面はなかったが、一人相撲に陥った面もあり、「いいもの持っているんだが、出来、不出来の差がラウンド毎にもありすぎる」と金平会長が苦言。「こちらから発表できる話ではないが、次に大きな試合を予定している」(会長)瀬藤にとって修正点が明らかになったファイトだった。
 セミ8回戦は日本ウェルター級2位加藤壮次郎(協栄)が春山正太(西城)に7回TKO勝ち。日本S・フェザー級2位松崎博保(協栄)も佐々木康博(ヨネクラ)に判定勝ちしたが、終盤著しく失速して冷や汗モノだった。白石豊土(協栄=S・フライ級6位)は白井一彰(渡嘉敷)に2回TKO勝ちしている。