2010年11月30日火曜日

4大タイトル戦公開練習






 12月6日に開催される4大タイトルマッチの公開練習が30日、協栄ジムで行われた。
 関西から秋田屋まさえ(ワイルドビート)を迎え5度目の防衛戦に臨むWBC女子世界アトム級王者・小関桃(青木)は「相手は脚を使ったボクシングがうまいので、アウトボクサーにどう対処するかを練習してきた」とコメント。WBA女子世界S・フライ級王座に挑戦する藤本りえ(協栄)と2ラウンドのスパーを公開し、サウスポースタイルのキビキビとした動きを披露した。
 小関とのスパーでは左ジャブを主体にした動きを見せた藤本は「減量もうまくいっていて順調」と言う。試合に向けたスパーリングはこれまでよりも多めの60ラウンドをこなした。藤本の挑戦を受けて立つチャンピオン、天海ツナミ(山木)は「(藤本は)ストレートに伸びがある。それは気をつけたい」と警戒点を挙げつつも「前回の防衛戦より今回は距離が近くなる。打ち合いの中で技術を見せたい」と自信を感じさせた。こちらはシャドー、バッグ打ちをそれぞれ1ラウンドこなした。
 また福本雄基(三谷大和S)を迎えて日本S・フライ級王座の防衛戦に臨む佐藤洋太(協栄)も2ラウンドのスパーリング。ロープを背にしながらも鋭い左右のストレート、アッパーをカウンターするなど、テクニックを披露していた。こちらは「欲を出すとこけちゃうタイプなので」と前置きしつつも「日本タイトルを獲って欲が出てきた。世界の匂いがするような勝ち方をしたい」と宣言した。
 当日はもうひとつ加藤壮次郎(協栄)-井上庸(ヤマグチ土浦)の日本&東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチも行われる。加藤の持つ日本タイトルと、空位の東洋太平洋タイトルが争われる。
(写真は上から小関-藤本のスパー、会見に臨むツナミ、スパーを公開した佐藤)

丸山、サウスポー対決を制す


 29日夜後楽園ホールのメイン8回戦はライト級のサウスポー対決。日本同級10位丸山伸雄(八王子中屋)がノーランカー佐々木悟(ヨネクラ)を2回58秒TKOに下した。
 大柄な佐々木が勢いよく攻め込んだが、丸山は冷静にブロックで被弾を避けると右フックをリターン。2回早々にこのパンチで佐々木をぐらつかせると、主審が試合をストップした。丸山は「最強後楽園」で中森宏に敗れて以来の再起に成功。「もう一度ランキング選手とやって、勝って自信をつけたい」と話していた。12勝3KO4敗1分。
 またセミ8回戦では日本S・ウェルター級7位山本忍(石橋)がミドル級2位の田中徹(横浜光)に3-0判定勝ち。初回に山本は右カウンターでダウンを奪い、アウトボクシングの田中を上下の攻めで終始追い続けた。これでキャリア10勝目(7敗)。
 もうひとつの8回戦は青山慶洋(角海老宝石)が人見斉光(帝拳)に5回終了時点で負傷判定勝ちを飾った。

2010年11月29日月曜日

セグラTKO勝ち バスケスもV1

 27日(現地時間)メキシコ・ティファナにWBA&WBO世界L・フライ級統一チャンピオン、ジョバニ・セグラ(メキシコ)が登場。同国のマヌエル“チャンゴ”バルガスと10回戦を行った。
 イバン・カルデロンとの統一戦を制して3ヶ月ぶりのリングとなったセグラは、この日も開始ゴングとともに自信満々攻め込む。初回、早くもセグラの左右でバルガスはキャンバスに這った(主審はスリップと判断)が、2ヶ月前、WBO世界J・フライ級暫定王者ラモン・ガルシアに挑み、2-1判定で惜敗したバルガスはセグラの強打を食らっても勇敢に打ち返し、試合を盛り上げる。前進を止めないバルガスに四苦八苦する場面もあった統一王者だが、パワーと手数で押し込み、前半左目をカットしたバルガスはラウンドを追うごとに出血に悩まされる。7回終了時にドクターが主審にストップを要請し、試合が終わった。公式TKOタイムは8回10秒となっている。
 セミで行われたIBF世界ライト級タイトルマッチはチャンピオン、ミゲール・バスケス(メキシコ)が挑戦者リカルド“ペロン”ドミンゲス(メキシコ)に3-0判定勝ちで初防衛に成功した。
 リング狭しと動き回るバスケスが2回からペースを掌握。パワーレスだが、スキルフルなバスケスが、今年WBC王者ウンベルト・ソトに挑戦し判定負けしたドミンゲスの両目をカットさせて攻勢を印象づけた。スコアは120-108,119-109,118-110でバスケスと、大差がついた。

2010年11月27日土曜日

中国金5個 アジア大会フィナーレ

 第16回アジア競技大会のボクシング競技は26日夜最終日を迎え、女子2階級、男子5階級の計7カードの決勝戦が行われた。前日の決勝初日で金2個をゲットした地元中国はこの日も強く、3選手が勝って金5個とした。08年の北京五輪金メダリストのゾウ・シミンは49kg級で強豪ジャキポフ(世界選手権銅)を2回に逆転して優勝している。
 また91kg級はシリアの22歳ゴスーンがインドのシンを制し、アジア大会のボクシングで同国に20年ぶりの金をもたらす快挙を演じた。この日の結果は下記の通り。
・女子
60kg級 チェン・ドン(中国)判定13-4 トンジャン・タサマリー(タイ)
75kg級 リ・ジンジ(中国)RSC4回 エルデネソヨル(モンゴル)
・男子
49kg級 ゾウ・シミン(中国)判定9-5 ジャキポフ(カザフスタン)
56kg級 ペッチクーム・ウォラポジ(タイ)判定8-3 ツァン・ジァウェイ(中国)
64kg級 ダニヤル・エレウシノフ(カザフスタン)判定16-1 サントシュ・ビロスー(インド)
75kg級 ビジェンダー・シン(インド)判定7-0 アッボス・アトエフ(ウズベキスタン)
91kg級 モハメド・ゴスーン(シリア)判定8-1 マンプリート・シン(インド)

明日マルケス-カツィディス戦 計量パス


 ラスベガスのMGMグランドで明日27日(現地時間)挙行される世界ライト級3冠戦の計量が26日午後、同会場で行われ、フアン・マヌエル・マルケス(メキシコ=WBAスーパー王者、WBO正規王者)が134ポンド(60.78キロ)、マイケル・カツィディス(オーストラリア=WBO暫定王者)が135ポンド(61.23キロ)で無事クリアーした。
 マルケスはパッキアオとの第3戦がクローズアップされており、勝利はもちろん、その内容が注目される。カツィディスは長年トップシーンに君臨するメキシカンを食ってビッグマッチに生き残りたいところだ。
 同じリングで行われるWBC世界ウェルター級戦は王者アンドレ・ベルト(米)が145ポンド(65.77キロ)、挑戦者フレディ・エルナンデス(メキシコ)がリミットの147ポンド(66.68キロ)だった。
 もう一つのS・フェザー級10回戦は階級転向を図るWBA世界S・バンタム級スーパー王者セレスティーノ・カバジェロ(パナマ)、相手のジェイソン・リッツアー(米)とも130ポンド(58.97キロ)を計測した。カバジェロは最初のトライで1.5ポンドオーバーしていた。
=photo/GDP=

長谷川&粟生 W2階級制覇一夜明け

 そろって2階級制覇に成功した長谷川穂積(真正)、粟生隆寛(帝拳)の両チャンピオンが試合から一夜明けた27日、名古屋市内のホテルで会見に臨んだ。
 ともに「勝ってホッとしている」と感想を述べた長谷川と粟生。長谷川は「昨日は粟生の試合のおかげで力がすごい入った」と、弟分の見事な戴冠に刺激を受けたと強調し、粟生も「いつも(長谷川に)勇気をもらってばかりだったので、今回は少しでも力になれれば、という気持ちでした」と語った。
 内容について長谷川は「どうしても気持ちが入っていて、うまさより強く見せようとしてしまった。次はうまく戦ってきれいな顔で終わりたい」。久々の激闘で顔には傷が目立ったが「腫れているだけ」(長谷川)とダメージはないという。
 粟生の試合については浜田剛史・帝拳ジム代表が「技術プラス、アルファの力が出た。やろうとしたことはほとんど出せたし、そうでなければ勝てない相手でしたから。実力をすべて出したと思います」と、たたえた。
 長谷川は次戦で元バンタム級王者のジョニー・ゴンサレス(メキシコ)を迎え、粟生もメキシカン挑戦者が有力。再び同時出場の可能性もあるが、これについては「またやりたい。今度は俺が先に試合をして、粟生に力をあげたいとも思う」と長谷川が言えば、粟生も「一緒に試合をするのは光栄です。ただ僕が先に試合をしたい」と返した。すべての交渉はこれからとなるが、時期的なタイミングからWBC・S・バンタム級王者西岡利晃(帝拳)をくわえた豪華トリプル防衛戦の構想もある。

長谷川、フェザーも制す ブルゴスに判定勝ち

 再起戦で2階級上げて世界戦に挑んだ長谷川穂積(真正)が見事にベルトを巻いた。フアン・カルロス・ブルゴス(メキシコ)に3-0判定勝ちし、バンタム級に続く“飛び級”2階級制覇に成功した。
 これが再起戦のリングでもある長谷川は序盤、硬さがうかがえた。それでも持ち前のスピードを生かした左ストレート、右フックでブルゴスを攻め、優位に試合を進めた。だが7回長谷川はメキシカンの左アッパーをアゴに食らい、ぐらつくピンチ。ここを驚異的にも打ち返してしのいだ長谷川。8回には偶然のバッティングで右目上をざっくりと切ったが、WBCルールによりブルゴスが減点を食い、勝利へと近づく。ポイントをリードする一方でこの日の長谷川は足を止めて打ち合うシーンが多く、珍しく被弾もしてハラハラとさせた。終盤2回ブルゴスは右目下を大きく腫らせながらも攻勢を続け、長谷川はクリンチも使いながらの打ち合いとなった。
 公開採点で行われた試合は結局長谷川が一度もリードを許すことなく117-110が2者に116-111のスコアで勝利。さまざまな重圧に負けず、長谷川が見事に世界チャンピオンに返り咲いた。リング上で亡き母への思いを語り、弟分の粟生と喜び合った長谷川は控え室でも「勝てて良かった」と第一声。
「途中まではよく動いて戦えたけれど、カットをしてから自分のボクシングができなかった。でも今日は強い気持ちを見せたかった、というのもある」とコメント。フェザー級で戦った感想は「(相手が)倒れないな、ということ。バンタムとは違う」と言いつつも「これでよく分かりました。これを次に生かさないと」と、自信とともに今後の修正の必要性をも語っていた。

粟生2階級制覇! タイベルトを撃破

 26日名古屋の日本ガイシホールで行われたダブル世界タイトルマッチの第一試合、WBC・S・フェザー級戦は、挑戦者で同級2位の粟生隆寛(帝拳)が王者ビタリ・タイベルト(ドイツ)からダウンを奪って3―0判定勝ちをおさめ、新チャンピオンとなった。これでWBCフェザー級に続く2階級制覇に成功した。
 この日の粟生は、立ち上がりからタイベルトにプレッシャーをかけ続けて、3回にはチャンピオンが得意の左フックを放つ前に速い左ストレートを打ち込み鮮やかなダウンを奪った。アマチュアの経験も豊富な試合巧者タイベルトも必死に手を出して反撃を試みたが、粟生はその後も優勢を保ち続ける。タイベルトは7回に粟生のパンチで左目を切られ、8回には別な箇所からさらに激しく出血。9回には粟生の連打にタジタジとなる。粟生は10、12回にも左を好打し、最後まで気を抜くことなく長丁場を乗り切った。スコアは115―112、118―112、116―110と全ジャッジが粟生の勝利を支持していた。
 感激屋の粟生は初めて世界王者になった時と同様テレビの勝利者インタビューで感涙に声を詰まらせたが、落ち着きを取り戻すと、「タイベルトは思ったより速かった。自分から行って(試合を)作りたかった。もっといけたのに」と反省の言葉が口をついた。それでも「これで長谷川さんに繋げられました」と、兄貴分の長谷川の試合に弾みをつけられたことを喜び、また涙。試合が近づくと、インタビューを切り上げ、長谷川の応援のためリングサイドに駆け出していた。

2010年11月26日金曜日

3位松崎、ノーランク岩井に敗れる

 26日後楽園ホールのセミファイナル8回戦で波乱--日本S・フェザー級3位の松崎保博(協栄)がノーランクの岩井大(三谷大和S)に判定負けを喫した。
 松崎の戦法はジャブから右強打につなぐパターンに終始。スピードに欠け、単調な試合を続けた。岩井もスピードには欠けたが、アッパー、ボディーブローに右ストレートとそれなりのバリエーションでランク獲りに意欲。終盤、松崎のボディー集中打を浴びたが右を返して押し返し、松崎の左目尻も切り裂いた。
 松崎はベテランらしからぬ試合運びで、75-78が2者に76-76の0-2判定で5敗目(20勝10KO1分)。殊勲の岩井は8勝4KO2敗。
 メインのウェルター級8回戦は、日本6位千葉透(国際)がファーペッチ・シットマノプチャイに1回1分55秒でKO勝ちしたが、タイ選手は2分足らずの間に2度のスリップに3度のダウンというていたらく。「倒れるようなパンチなんて当たっていない。最初から倒れるつもりなんでしょ。役者です」と千葉憮然。しかし「収穫は試合に備えてやってきたトレーニング。コンディションもよかった」と語って気を取り直していた。
 アンダーカードの8回戦は、森下裕己(協栄)が高桑和剛(輪島S)に6回TKO勝ち。またミニマム級8位の鬼ヶ島竜(三谷大和S)が5位濱中優一(国際)を初回57秒でKOし、3月の借りを返した。6回戦は和氣年邦(M.T)が福田勇輝(ワンツーS)に判定勝ちしている。

塩谷血染めの判定勝ち

 25日後楽園ホールのメイン8回戦に登場した日本S・バンタム級5位塩谷悠(川島)がノーランク山口卓也(レイS)に判定勝ちしたものの、山口のアタックに巻き込まれる格好で激戦に。塩谷がバッティングで、山口がパンチで負傷し最後は血みどろの乱戦になった。
 身長、リーチそしてキャリアで上回る塩谷。序盤は距離を詰めてくる山口の攻勢にジャブとカウンターで冷静な対処。初回山口の右でヨロめくものの右ストレートを繰り出し、4回にはこの右に左フックをつないでペースを握った。しかし、山口は塩谷の打ち終わりに好打。すると塩谷が熱くなって攻め返す。5回、バッティングで塩谷の左眉がザックリ切れて血が滴り落ちる。試合は、ランク奪取に意欲的な山口に呼応するように塩谷も正面から打ち合い、7回にはパンチで山口がカット。後半はタフな打撃戦となり、そのまま最終ゴングを聞いた。
 スコアは塩谷の77-76、78-76(2人)。ジャブを軸にしたアウトボクシングを練習してきたという塩谷は、思わぬ乱戦に反省ばかりだった。
 セミ8回戦は日本S・フライ級3位白石豊土(協栄)が永安潤之介(川島)に79-74(2人)、80-72と大差判定勝ち。白石はボディーショットで主導権を握り、フィニッシュこそ欠いたが磐石の試合運びだった。