再起戦で2階級上げて世界戦に挑んだ長谷川穂積(真正)が見事にベルトを巻いた。フアン・カルロス・ブルゴス(メキシコ)に3-0判定勝ちし、バンタム級に続く“飛び級”2階級制覇に成功した。
これが再起戦のリングでもある長谷川は序盤、硬さがうかがえた。それでも持ち前のスピードを生かした左ストレート、右フックでブルゴスを攻め、優位に試合を進めた。だが7回長谷川はメキシカンの左アッパーをアゴに食らい、ぐらつくピンチ。ここを驚異的にも打ち返してしのいだ長谷川。8回には偶然のバッティングで右目上をざっくりと切ったが、WBCルールによりブルゴスが減点を食い、勝利へと近づく。ポイントをリードする一方でこの日の長谷川は足を止めて打ち合うシーンが多く、珍しく被弾もしてハラハラとさせた。終盤2回ブルゴスは右目下を大きく腫らせながらも攻勢を続け、長谷川はクリンチも使いながらの打ち合いとなった。
公開採点で行われた試合は結局長谷川が一度もリードを許すことなく117-110が2者に116-111のスコアで勝利。さまざまな重圧に負けず、長谷川が見事に世界チャンピオンに返り咲いた。リング上で亡き母への思いを語り、弟分の粟生と喜び合った長谷川は控え室でも「勝てて良かった」と第一声。
「途中まではよく動いて戦えたけれど、カットをしてから自分のボクシングができなかった。でも今日は強い気持ちを見せたかった、というのもある」とコメント。フェザー級で戦った感想は「(相手が)倒れないな、ということ。バンタムとは違う」と言いつつも「これでよく分かりました。これを次に生かさないと」と、自信とともに今後の修正の必要性をも語っていた。
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