26日名古屋の日本ガイシホールで行われたダブル世界タイトルマッチの第一試合、WBC・S・フェザー級戦は、挑戦者で同級2位の粟生隆寛(帝拳)が王者ビタリ・タイベルト(ドイツ)からダウンを奪って3―0判定勝ちをおさめ、新チャンピオンとなった。これでWBCフェザー級に続く2階級制覇に成功した。
この日の粟生は、立ち上がりからタイベルトにプレッシャーをかけ続けて、3回にはチャンピオンが得意の左フックを放つ前に速い左ストレートを打ち込み鮮やかなダウンを奪った。アマチュアの経験も豊富な試合巧者タイベルトも必死に手を出して反撃を試みたが、粟生はその後も優勢を保ち続ける。タイベルトは7回に粟生のパンチで左目を切られ、8回には別な箇所からさらに激しく出血。9回には粟生の連打にタジタジとなる。粟生は10、12回にも左を好打し、最後まで気を抜くことなく長丁場を乗り切った。スコアは115―112、118―112、116―110と全ジャッジが粟生の勝利を支持していた。
感激屋の粟生は初めて世界王者になった時と同様テレビの勝利者インタビューで感涙に声を詰まらせたが、落ち着きを取り戻すと、「タイベルトは思ったより速かった。自分から行って(試合を)作りたかった。もっといけたのに」と反省の言葉が口をついた。それでも「これで長谷川さんに繋げられました」と、兄貴分の長谷川の試合に弾みをつけられたことを喜び、また涙。試合が近づくと、インタビューを切り上げ、長谷川の応援のためリングサイドに駆け出していた。
0 件のコメント:
コメントを投稿