2011年6月30日木曜日

粉川、ポンサクレック計量パス


 粉川拓也(宮田)がポンサクレック・グラティンデーンジムに挑戦するWBC世界フライ級タイトルマッチは、本番を明日に控えた30日午後3時に計量が行われ、両者とも50.8キロのリミットでパスした。
 初のフライウェイトで減量に懸念のあった粉川だったが、順調なコントロールで一発で計量をパス。「昨夜こそ食事を抑えましたが、食べながら、水抜きをせずに落とせました。フィジカル、メンタルともいいデキです」と小澤コンディショニングコーチ。粉川は1ヶ月ぶりという好きなコーラでノドを潤し、「最高です。これで食べられるから(笑)」とスパゲティ3皿に200グラムのステーキ、ご飯を胃袋に収めた。
 計量後の写真撮影で握手をした際、「(王者は)握った手をひねってきた。だから僕も力を入れて握り返しました。にらみ合いもありましたが特別気合いは感じませんでした」(粉川)。タイの記者からKOで勝てるかと聞かれると、「KOできたらいい。何回? 12回」と答えて煙に巻いた。
 一方、減量の影響か精彩を欠いた王者だが検診の数値は血圧120/80、脈拍60(粉川は130/80、60)と安定しており「粉川の試合はビデオで見た、変則的なところのある選手だが、私には経験があるから特別な対策は立てていない。グローブを合わせ、状況によって修正していく」とベテランらしいコメントを残している。

1980年代の王者コステロ死去

 元WBC世界J・ウェルター(S・ライト)級チャンピオンのビリー・コステロ(米)が29日朝、ニューヨーク州キングストンの病院で死亡した。55歳とは若いが、昨年4月以来、肺がんと闘っていた。
 ニューヨークがホームリングのイタリア系ファイターは、84年1月敵地テキサスでブルース・カリーを10回TKOに破り世界王座獲得。シールズ、マンビー、ヘイリーと3人の挑戦者を撃退したが、85年、ロニー・スミスにTKO負けして王座を降りる。半年後アレクシス・アルゲリョにストップされたのを最後に引退したが、6年後に復帰して9連勝をマークした。99年、43歳で元王者フアン・ラポルテに判定勝ちしたのが最終試合。終身戦績は40勝23KO2敗。

2011年6月29日水曜日

6月のMVPに荒川 敢闘・渕上、新鋭・鈴木選出


 東日本ボクシング協会選定の「月間賞」7月の最優秀選手(MVP)に日本ライト級チャンピオンの荒川仁人(八王子中屋・29)が27日決まった。13日の防衛戦で、同級9位・生田真敬(ワタナベ)の挑戦を4回TKO勝ちで3度目の防衛に成功したことが評価されたもの。荒川にとって2度目の同受賞。
 同じく月間敢闘賞には、荒川の八王子中屋ジムの日本ミドル級チャンピオンの淵上誠(27)が選ばれた。同僚荒川と同日同じリングで行った2度目の防衛戦で、同級6位・田島秀哲(西遠)の挑戦を5回TKOに撃退した一戦が評価されたもの。さらに新鋭賞には、日本フライ級12位の鈴木武蔵(帝拳・25)が選ばれた。鈴木は4日の8回戦でOPBF12位の屋富祖裕信(琉球)に判定勝ちし不敗の8連勝をマークしている。

下田-ラモス戦でジョニゴンも登場


 7月9日、米国アトランティックシティで行われる下田昭文(帝拳)-リコ・ラモス(米)のWBA世界S・バンタム級タイトルマッチと同じリングに、WBC世界フェザー級王者ジョニー・ゴンサレス(メキシコ)が出場することになった。
 ゴンサレスは同日、メキシコ国内でロイネット・カバジェロ(パナマ)を相手に日本で長谷川穂積から獲得した王座の初防衛戦を予定していた。その後アトランティックシティのカードに組み込まれることになったが、カバジェロが米国入国ビザ取得にトラブり、挑戦者にはトマス・ビジャ(米)が選ばれている。
 この試合はメキシコのテレビサが同国へ放送を予定。アメリカはHBOが下田戦とメイン格のポール・ウィリアムズ-エリスランディ・ララ戦を放送する。

王者下田が米国へ出発 「絶対やってやる」


 7月9日米国ニュージャージー州アトランティックシティで防衛戦(対リコ・ラモス)に臨むWBA世界S・バンタム級チャンピオン、下田昭文(帝拳)が28日、成田空港から出発した。下田はまずラスベガスに入り、最終調整後に決戦の地アトランティックシティへと移る予定。
 前日に国内での練習を打ちあげた下田は「いよいよという感じですね」と武者震い。かつては外国嫌いだった男がいまは「アメリカのリングに立つことがワクワクします」という。勝敗はもちろん、日本人離れしたスピードと瞬発力を生かした下田の攻撃的なスタイルが本場でいかに評価されるかも注目だが、本人は「自信はあります」と堂々のコメント。アウェーの初防衛戦で1位挑戦者を迎えるという条件にも動じていないのだから頼もしい。
「ここ1週間くらいで“絶対やってやる”という気持ちになった」と意気込むチャンピオン。日焼けサロンで存分に焼き、パーマに金髪のメッシュを入れたのも「本場のリングで似あうかと…」(下田)。引き締まった表情でJALに乗り込んだ。

“JBC騒動”で専務理事辞任、事務局長降格


 財団法人日本ボクシングコミッション(JBC=林有厚コミッショナー)は28日午後都内で理事会を開き、事務局長だった安河内剛氏(50)にまつわる一連の問題についてJBC調査委員会の報告を受け、審議した。この結果、今回の件で各方面に迷惑と心配をかけたとして謝罪するとともに、安河内氏の処分を決め報告した。安河内氏は正式に事務局長職を解かれる降格処分。代わって森田健氏(76)がこちらも正式に事務局長に就任した。また一連の騒動の責任をとって斉藤慎一氏(82)は専務理事を辞任し、代わってJBC理事の秋山弘志氏(72)が新たに専務理事に就任した。
 今回の安河内氏の疑惑についての調査結果は、不正経理や女性職員を不正に採用した情実人事等の事実は認められなかったものの、部下に対する“パワハラ疑惑”については安河内氏に行き過ぎがあり、「(職員に対し)不十分な説明に基づく雇用契約の不利益変更を行ったのは不相当であると認めざるを得ない」と結論づけた。
 その上で、安河内氏がこれまでJBCに対してなしてきた多くの貢献を考慮して、「引き続きJBCに勤務させ組織の発展に尽力せしめることが望ましい」と、職員の身分をはく奪することは避けている。
 これを受けて森田氏は大橋秀行日本プロボクシング協会会長と会い、謝罪した上で処分を報告。大橋会長もこれを受け入れた。なお安河内氏も理事会の後メディアの前に現れ、「おごりもあり、管理責任者として未熟だった。一職員として出直す」と終始神妙な表情で語り、陳謝した。JBC理事も自ら返上するつもりであるという。
 まだ確認できていないが、試合役員会が森田氏の説明に同意すれば、前代未聞の「JBC騒動」も一応の収束を迎えることになりそうだ。※写真は理事会後記者に説明する左から森田新事務局長、斉藤前専務理事、秋山新専務理事

2011年6月28日火曜日

ポンサク挑戦の粉川がタイ入り


7月1日、タイのハジャイでポンサクレックの持つWBC世界フライ級王座に挑戦する粉川拓也が今夕、タイのバンコクに到着した。
 台北経由、10時間という長旅の粉川だったが「機中は寝ていたので疲れはない。気候は思ったより暑くないですね。十分やれそうです、というか勝つと信じています」。現在雨季のタイはスコールがあり気温は確かにあまり高くなく、粉川にとってはプラス材料だ。
 懸念されたウェイトはすでにリミットでのタイ入り。顔つきもほっそりしていたが「食べながら落として約1週間前にリミットにし、食べて動いてを繰り返してキープしています。フライ級は初めてですけど、身体が軽くてよく動けます。全然いけますね(笑)」と余裕の笑顔も。小沢コンディショニングコーチも「計画通り、完璧につくりあげました」。岩佐、嘉陽らトップクラスとスパーリングをしてサウスポー対策も万全だという。粉川はホテルに到着後、5ラウンドほどシャドーなどで動いて食事を摂った。
 一行は明日、試合地ハジャイに飛び、30日検診、計量。1日午後(日本時間5時半予定)にリングに上がる。

2011年6月27日月曜日

「効いたパンチなかった……」敗者佐々木無念


 メキシコ・コスメルのWBC世界ライト級タイトルマッチで王者ウンベルト・ソト(メキシコ)に11回負傷判定負けを喫した佐々木基樹(帝拳)は試合後「効いたパンチもなかったし、スタミナも自分で驚くほど残っていた……」と悔しさをにじませた。
 5回にはソトの左アッパーを受けてダウンしたが、「その前にいい右を食ったのは覚えているが、(ダウンしたパンチは)覚えていない」という。「やはりチャンピオンは強かった」と勝者を称た上で「4、5ラウンド頃からチャンピオンがばてはじめているのに気づいたが、攻め切れなかった」と悔やんだ。
 バッティングで減点を取られ、ブーイングを浴びたことについては「頭が当たるのはお互いさま、意図的にやった記憶はない」と不本意そうだった。
 試合前は「負けたら引退」と口にしていたが、試合直後は進退に言及する発言はなし。相手の負傷で試合中止となり、完全燃焼による敗北ではなかったことからも、サバサバと引退の気持ちになれない? ※写真は試合直後のリング上で無念そうな敗者佐々木=PHOTO/SUMIO YAMADA=
 なお試合の模様はWOWOWが7月3日早朝のクリチコ-ヘイの世界ヘビー級チャンピオン統一戦を生放送する際に録画放映する予定(翌日夜のエキサイトマッチで再放送)。

シュトゥルム「V10」 WBA世界ミドル級

 ドイツの安泰王者フェリックス・シュトゥルムが防衛回数を10度の大台に乗せた。WBA世界ミドル級のスーパーチャンピオンは25日コロンで同級2位マシュー・マックリン(英)の挑戦を受け、拙戦の末2-1判定勝ちしたもの。18000の観客の中で行われたこの試合、立ち上がりマックリンやや優勢でスタートしたが、徐々にペースを奪回。終盤は両者激しくパンチを応酬して大観衆を沸かせた。スコアは2ジャッジが116-112でシュトゥルム、残る1者が115-113でマックリンのスプリット・デシジョンでチャンピオンがベルトを守った。
 シュトゥルム(32)は2006年に同王座奪回後、V6の佐藤幸治戦を含めて10度防衛。戦績を36勝15KO2敗1分とした。一方敗者マックリン(29)は28勝19KO3敗。

2011年6月26日日曜日

モンティエルあっけない再起戦 セルメーニョが棄権

 ノニト・ドネアとの統一戦で痛烈なTKO負けを喫した前WBC&WBO世界バンタム級統一チャンピオン、フェルナンド・モンティエル(メキシコ)が25日、メキシコ・クリアカンで再起戦。WBA・S・バンタム級6位ネオマル・セルメーニョ(ベネズエラ)を序盤でストップした。
 初回、現WBAバンタム級王者アンセルモ・モレノと2戦接戦を演じ、メキシコでもミハレス(2勝)、バルデスに勝っているセルメーニョが右を決めるなどやや優勢。しかし2回、モンティエルは回転の速いパンチで挽回。終了間際の打ち合いで、モンティエルの左ボディーを食らったセルメーニョは抱きついて最後はスリップダウン。ここでゴングが鳴ったが、ベネズエラ人は戦意喪失。3回開始ゴングに応じることができなかった。主審のカウントが入り、このラウンド12秒、モンティエルのKO勝ちとなった。
 S・バンタム級でカムバック戦を飾ったモンティエルは「初回は(相手が)世界的な選手と対戦してきたのでリスペクトした。でも自信があった。できるなら、ドネアとのリベンジ戦を実現させたい」とコメントしている。

カークランドが初回KOで再起



 ラスベガスで石田順裕に3度倒されTKO負けを喫したジェームズ・カークランド(米)が24日(現地時間)カムバック戦を行った。ダラス近郊のフリスコでデニス・シャープ(米)とミドル級8回戦を行ったカークランドは初回速攻で2度シャープを倒し、2分18秒KO勝ち。戦績を28勝25KO1敗とした。シャープは17勝4KO8敗3分。
 同日のメインではS・ミドル級の大物食いブライアン・ベラ(米)がエロイ・スアレスに8回30秒TKO勝ちを収めた。以前、カークランドはベラをストップしている。
=PHOTO/BOXING SCENE=

ホープ、モリナ&エレラが勝つ


 米国西海岸で台頭中のジョン・モリナ(米、WBOライト級8位)とマウリシオ・エレラ(米、IBF・J・ウェルター級12位)が6月24日カリフォルニア州テメキュラに登場。
 モリナはロバート・フランケル(米)とUSNBC王座の防衛戦を予定していたが、両者ともリミット超だったため、ノンタイトル戦に。序盤の攻防で左目をカットしたフランケルだが、3回、左右でモリナをグラつかせる。しかしモリナはビッグパンチを振るって挽回。時折パンチをリターンするフランケルだが、顔面3個所を切り血ダルマになり、5回終了時にストップがかかった。TKO勝ちのモリナは23勝19KO1敗となった。フランケルは28勝5KO11敗1分。
 一方エレラはマイク・ダラス(米)と10回戦。メキシコ系のエレラが好戦的に対峙し、ダラスが随所にカウンターを見舞う展開。前戦でエレラの同僚ホセシート・ロペスにストップされていたダラスが終盤、エレラをロープへ詰め優勢に見えたが、スコアは95-95,98-92,96-94の2-0でエレラ(18勝7KO1敗)の勝利。判定に涙したダラスは17勝7KO2敗1分。(三浦勝夫)
=写真はフランケルを攻めるモリナ=

佐々木世界奪取ならず ソトに11回負傷判定負け WBCライト級戦


 日本人最年長世界王者の誕生ならず--25日(現地時間)メキシコ・キンタナロー州コスメルで行われたWBC世界ライト級タイトルマッチは、チャンピオンのウンベルト・ソト(メキシコ)が挑戦者同級11位佐々木基樹(帝拳)を終盤11回1分18秒負傷判定で破り4度目のタイトル防衛に成功した。佐々木は2度目の挑戦実らず。
 それまでポイントの上では大差でソト優勢。佐々木は初回ゴングとともに先制攻撃をしかけたが、王者もすぐペースを握り、挑戦者にジャブや左アッパーのボディー攻撃を決めて優勢。5回にはソトの左アッパーを打ち込まれて佐々木はダウンした。しかし35歳のベテランはその後も持ち前のトリッキーな戦法を駆使して抵抗し、チャンピオンを苦しめ続けた。
 ソトは終盤疲労も目立ち、スリップ・ダウンしてもすぐに立てないほど。11回やはりスリップ・ダウンの後、佐々木が走るようにソトに襲いかかる。いきなりの右はかわされたが、ソトはまたも足をすべらせ、顔面をキャンバスにたたきつけるようにダウン。この時右ひざを痛め、なかなか立ち上がることができない。試合は中断し、ドクターとセコンドがリング内に入り負傷箇所をチェック。ソトはようやく立ち上がった後も足を引きずり続け、ジェンタイル主審(米)は試合中止をコールした上で勝負を途中採点に委ねた。スコアは109-98(2人)、110-97と大差がついてソトの勝利となった。
※写真はソトの左アッパーを浴びる佐々木 =PHOTO/SUMIO YAMADA=

 

米軍基地内でチャーリーが試合 9月座間で


 在日米軍基地内でプロボクシング試合を見せようというユニークな計画が明らかになっている。9月18日、神奈川県座間市の米軍キャンプ座間内の体育館で予定される「Pacific Boxing Showdown In Camp Zama」で、OPBF及び日本S・ウェルター級チャンピオン、チャーリー太田(八王子中屋)が同級4位の十二村喜久(角海老宝石)と対戦する。主催の勝又プロモーションはこのイベントのために実行委員会を結成。委員長に小林弘さん(元WBA世界J・ライト級王者)が就任。24日都内の米軍関連施設ニュー山王ホテル内で開かれた発表会は実行委員会のパーティーも兼ねていた。日米親善の他、東日本大震災復興支援等を開催の目的としている。
 チャーリーは元米軍属として横須賀基地に勤務した経験があり、この日のメインカード出場を要請されたもの。ただしチャンピオンはこの十二村戦の前(8月8日)に前王者の柴田昭雄(ワタナベ)相手に防衛戦が決まっており、これに勝つのが条件だ。「スケジュール、ハードね。でも、練習をハードにやって頑張ります」とャーリーは試合にむけて意欲を示した。
 この「キャンプ座間の対決」は、米軍が基地内に地元住民を招いて交流する「オープンデー」のイベントの一環として計画されたもので、フィリピンからの輸入ボクサー、ウォーズ勝又(勝又)も出場を予定している。通常のプロ興行のようにチケットを販売することができないため、経費は主に企業の協賛金を募って賄われるという。では一般フアンが観戦するにはどうすればいいのか。「出場選手の所属するジムに問い合わせて、チケットに相当する整理券を手に入れてほしい」とは、主催の勝又洋・勝又プロ代表の話。
※写真 発表会のチャーリー(左)と、右隣は在日米軍基地勤務歴のある先輩、リック吉村さん(元日本ライト級王者)

2011年6月25日土曜日

佐々木のソト挑戦、明日ゴング! 計量クリア


 WBC世界ライト級タイトルマッチの計量が24日(現地時間)、メキシコ・コスメル市内のメヒカーナホテルで行われた。
 チャンピオン、ウンベルト・ソト(メキシコ)と挑戦者・佐々木基樹(帝拳)ともに61.0キロでパス。今回階級を下げて挑戦する佐々木は「とりあえずホッとした」と計量合格にまずは安堵のコメント。そして「水分を補給して休みます。食事をしてあとは明日、やるだけです」と世界奪取にむけて意気込みをみせた。前日に行われた記者会見でも好コンディションをアピールしたベテラン挑戦者。果たして国内最高齢での世界チャンピオン誕生はなるか――。
 また試合会場は当初、屋外のキンタナロ公園特設会場が予定されていたが、雨天を懸念して屋内の「コスメル・コンベンションセンター」に変更された。ソト-佐々木戦のキャッチコピーは「Kamikazes en Cozumel」といい「2つのKamikaze(ハリケーンの意)がコスメルに襲来」という意味だという。
=PHOTO/SUMIO YAMADA=

2011年6月24日金曜日

黒田が8.16初防衛戦 地元川崎で1位佐野迎え


 日本L・フライ級チャンピオン黒田雅之(川崎新田)の初防衛戦が8月16日、川崎市とどろきアリーナで開催されることになった。24日、川崎市役所で発表会見が行われた。相手は1位佐野友樹(松田)で、これは指名試合となる。
 会見でチャンピオン黒田は「防衛戦をクリアして川崎から世界を目ざしたい」とコメント。「佐野選手はまとまった、いい選手。かみあうと思います」と初防衛戦を心待ちにしている様子だった。
 また当日は川崎市体育協会の協力で会場前の広場で夏祭りが催される予定。これまでもボクシングを通じ地域活性化を図ってきた新田ジムの新田渉世会長は「“川崎愛”を育てたい」と意気込んでおり、今回川崎市内の小中学生は試合を無料観戦できるという。
 なお前座では地元出身の同僚・古橋大輔、片桐秋彦らも出場する。

男子ジュニア世界選手権 中学生含む7名派遣

 AIBA主管の第2回ジュニア世界選手権大会が7月下旬にカザフスタンのアスタナで開催されるが、日本アマチュアボクシング連盟は23日、この大会に派遣するメンバーを発表した。
 出場資格年齢は、14~16歳――正確には1995年1月1日から96年12月31日の間に誕生した男子。中学生の年代の試合は、日連が「幼年ボクシング」として認めて間もないこともあり、世界大会に日本から代表を派遣されるのはこれが初めてである。
 3月の女子の世界ジュニアでは金・銅2つのメダル獲得に沸いたばかり。男子もこの勢いに乗ることができるか? 7名の派遣選手リストは以下の通り--。
ピン級 中嶋憂輝(奈良・王寺工高・15)
L・フライ級 井上拓真(神奈川・綾瀬西高・15)
フライ級 加瀬匠磨(神奈川・浅野高校・15)
L・バンタム級 北浦龍馬(長崎・諫早中・14)
バンタム級 森本紘斗(栃木・作新学院・16)
フェザー級 森坂嵐(京都・長尾中・15)
ライト級 三田拓也(埼玉・花咲徳栄高・16)
 この大会には、団長=清水正澄、監督=梅下新介、コーチ=海藤晃、川上栄秀、川島弘行、支援コーチ庄子真生の各氏が同行する。日本チームは兵庫・西宮で合宿練習をした上で7月19日関西空港からカザフスタンに向け出発する。23日予選開始、30日各級決勝。

第2コミッション設立へ 協会が理事会で決議

 財団法人日本ボクシングコミッション(JBC・林有厚コミッショナー)の内部紛争が当分決着しないことを見越して、日本プロボクシング協会(大橋秀行会長)は23日都内で開いた理事会で、JBCに代わって試合を管理統括する新団体を暫定的に設立し、運営していくことを決めた。
 JBCは安河内剛・前本部事務局長の金銭疑惑、パワハラ疑惑が持ち上がり、審判らで構成される東京試合役員会が安河内氏の解任を求め、対立状態が続いている。特別調査委員会の最終報告が28日にも出る予定だが、安河内X試合役員会の対立状態は収束の見込みがない。23日には週刊誌がスキャンダルを報じ、一方では安河内氏が怪文書により名誉を毀損されたとして警視庁練馬署に被害届を出し受理されたとも伝えられている。協会は「このままでは選手の生命・身体の安全に万全を期すことができない」という観点から、森田氏の新団体の設立を支持すると決議したという。
 協会によると、新団体は20日にJBCの事務局長代行に就任したばかりの森田健氏を事務局長とし、安河内氏と対立しJBCを退職することになる試合役員たちを抱えることになるという。その運営方法については、「当協会内での議論、関係者との協議等を通じて、決定する予定である」としている。具体的なことはこれから決めるというわけだ。本音は、できれば抜きたくない“伝家の宝刀”ということか。

2011年6月23日木曜日

佐々木、王者ソトと対面


 今週末25日にメキシコで世界挑戦を控える佐々木基樹(帝拳)が現地時間22日、滞在先のカンクンから試合地コスメルに移動。チャンピオンのウンベルト・ソトとも対面した。
 この日は公開練習が行われ、軽めに体を動かした佐々木。実際の試合リングで行われたが、これは屋外リングだった。また練習終了後にはソト本人の求めに応じて現地テレビ局の簡単なインタビューを受けた。コスメル到着後、ファンの激励を受けた佐々木は「気温もカンクンとほぼ同じということでとてもいい印象です」と語り、一方のソトも「多くの人が歓迎してくれるし応援してくれます。素晴らしい場所です」。コンディションについては「とてもいい」(佐々木)「私も申し分ありません」(ソト)と互いに好調をアピールした。
 ソトを実際に見た佐々木の感想は「オーラは特に感じないし、上背も予想していたものと大差ありませんでしたが、これで下の階級から上がってきたのかと思えるほど体格、骨格がしっかりしている。太い首と小さな顔が印象に残っています」というものだった。
(写真は王者ソトと健闘を誓い合う佐々木=帝拳プロモーション提供)

2011年6月22日水曜日

ロンドン五輪に向け 第一次合宿・選考試合

 日本アマチュアボクシング連盟(山根明会長)は7月16~18日の3日間、兵庫・西宮香風高校で第一次ロンドンオリンピック強化合宿兼選考試合を予定している。9月下旬にアゼルバイジャンのバクーで開催される世界選手権大会に派遣する選手と、五輪のアジア予選に出場する選手を選ぶための重要イベントだ。20日付で日連から発表された招集選手リストには、L・フライ級からウェルター級までの7階級に、トップ選手4名ずつ計28名が選ばれている。須佐勝明、清水聡、川内将嗣らの国際大会の常連はもちろん、各級の全日本選手権優勝者、あるいは高校生ホープの井上尚弥、藤田健児も含まれる。
 選考会は、トーナメント方式の公式試合として行われ、Gマシーンを用いた採点を行い、A級審判が担当する。この合宿に立ち会う日連理事らによる「選考委員会」が、競技終了後、その場で選考結果を発表することになっている。

2011年6月21日火曜日

『それでもやる』 辰吉がメッセージ本


「まだまだ俺は現役!」と、浪速のジョーこと辰吉丈一郎が新著で訴えている。本の題名も『それでもやる』(小学館101新書・735円=税込)。
 元WBC世界バンタム級チャンピオンの辰吉も今年3月で41歳の誕生日を迎えている。JBCのルールでは定年(37歳)を過ぎた時点で5年以上試合から遠ざかっていると、選手としてのライセンスの再発行を認められなくなる。辰吉はこの規則により国内では試合ができなくなったが、その後も試合を模索し、08年とその翌年に計2度タイのリングに上がった。しかし最後の試合で故・サーカイ・ジョッキージムに7回TKO負け。それ以降は2年以上も試合から遠ざかっている。
 普通の選手であれば、とっくに引退していてもおかしくないが、まだまだ現役と公言している辰吉は本書でもフアンに向けこんなメッセージを発している。
「周りはよく“いい加減にやめろ”というが、それでやめるぐらいならとっくにやめている。ボクは意地でボクシングを続けているのではない、やりたいからやっている。好きだからやっている。目標があって、そこまで行きたいからやっている」
 いつ引退するのか「やめかたも知っている」とも書くジョー。まだその時期がきていないだけというのだが……。

佐々木、カンクンで調整中


 今週土曜日25日、WBC世界ライト級王者ウンベルト・ソト(メキシコ)に挑む佐々木基樹(帝拳)がメキシコ入り。試合地コスメルに近いリゾートタウン、カンクンで最終調整に入った。
 佐々木と陣営は成田、ヒューストン経由でカンクンに到着。19日到着当初はあいにくの天候だったが、ロードワークのほか、当地のジムでストレッチやフィットネストレーニング、縄跳び、ミット打ち、シャドーボクシング等をこなし、順調に調整している。
「コスメルは8年前、個人旅行で訪れた土地で、いい思い出がある。素晴らしい試合を披露できるよう準備してきた。目標は東京へベルトを持ち帰ること」と現地記者に話している。
 佐々木チームは現地時間の22日水曜日、コスメルヘ移動する予定。
(写真はカンクンの佐々木と田中トレーナー)

辰吉の元トレーナーがジム開く 堺東ミツキジム


 元大阪帝拳ジムトレーナーで、辰吉丈一郎を担当したこともある春木博志さん(43)が自らのジムでプロ選手養成に乗り出すことになり、20日大阪・堺市の「堺東ミツキボクシングジム」に後援者らを招いてジム開きのセレモニーを催した。
 ジムそのものは2年前にスタートし、これまでフィットネスジムとして営業してきたが、6月11日付けで西日本ボクシング協会加盟ジムとして承認されたのを機に小宴を開いて新たな決意を表明したもの。ジムには関西の現元世界王者5人が続々お祝いに駆け付けた。辰吉(WBCバンタム級)、六車卓也(WBA・バンタム級)の元大阪帝拳ジム勢はじめ、徳山昌守(WBC・S・フライ級)、石田順裕(WBA・S・ウェルター級暫定)、現役の井岡一翔(WBC世界ミニマム級)はジムの同僚で東洋太平洋L・フライ級チャンピオンの宮崎亮とともに出席し、新ジムの門出を祝った。
 春木会長は、「いろいろな方々に協力していただきプロ加盟できました。大阪帝拳ジムでの経験を生かして、(出席の)すごいチャンピオンたちのような選手をうちのジムでも育てたい」と抱負を述べた。堺東ミツキボクシングジム住所は、大阪府堺市堺区中瓦町1-1-4辻野ビル1F(☎072-226-1120)
※写真は師・西原健司トレーナーの遺影を手にした春木会長とチャンピオン、関係者たち。

2011年6月20日月曜日

小谷KO、知念は判定勝ち 沖縄の試合結果


 19日午後沖縄県中城村民体育館で行われた琉球ジムの興行、予定されたふたつの10回戦はいずれも同ジムのホープが白星を飾った。メインのS・バンタム級戦は、“倒し屋”小谷将寿(琉球)がワンパデスック・オーベンジャマッド(タイ)に5回28秒TKO勝ち。一方セミのL・フライ級戦は、日本同級8位の知念勇樹(琉球)がラムボー・ゴーラットスポーツスクール(タイ)を仕留めそこねて3-0判定勝ち。内容もいつもの知念らしくない拙戦だった。  
 試合に恵まれず9ヵ月ぶりのリングとなった小谷は、ハデなスイングの応酬で地元ファンを沸かせた末に5回開始早々右アッパーを決めて豪快にワンパデスックを倒し、主審はカウントをとらずにストップを宣告。しかし内容は本人も納得せず、「不細工な試合をした。世界14位の嶋田(雄大)さんに挑戦したかったのですが、これでは……」と反省しきり。レコードを9勝8KO1敗とし、そろそろランキング入りが期待される。
 一方同僚の知念もこの日は不出来。攻め終わりを狙う同タイプの相手を警戒して、得意のカウンター攻撃に持ち込めなかった。5回に得意の左フックを脇腹にえぐって9カウントのダウンを与えながら、その後も最後まで攻め切れず、期待のKOをミスした。スコアは、97-93、98-92、98-94。「相手が強かった……というより、俺が弱かった」と自虐コメントも。※写真はワンパデスックを豪快に倒す小谷

2011年6月19日日曜日

カネロ最終回TKOでV1 WBC・S・ウェルター級戦



 初防衛戦に臨んだメキシコのニューアイドル、サウル“カネロ”アルバレスが終始ペースを握り、英国からやってきた挑戦者ライアン・ローデスを最終12回ストップに持ち込んだ。
 メキシコのグアダラハラで18日(現地時間)挙行されたWBC世界S・ウェルター級タイトルマッチは王者アルバレスが序盤から素早いコンビネーションを浴びせてリード。4回には右を打ち込んでローデスをマットに這わせる。だがローデスはノーダメージ。それでも6回、ローデスは右目尻をカットし、7回以降はアルバレスのワンサイドの展開となる。特にボディーアタックが効果的で、10回終了後のインターバルではコーナーがローデスにギブアップを示唆。11回抵抗を見せたローデスだったが、12回、左右ビッグパンチにさらされセコンドがタオルを投入するのと主審のストップがほぼ同時だった。TKOタイムは48秒。
 アルバレスは37勝27KO1分。ローデスは45勝31KO5敗。
=PHOTO/SUMIO YAMADA=

セグラ&バスケス無冠戦で楽勝

 ロサンゼルスのアステカ・ジムのジムメート、前WBA&WBO世界L・フライ級王者ジョバニ・セグラ(メキシコ)と現IBF世界ライト級王者ミゲール・バスケス(メキシコ)が18日(現地時間)メキシコ・トルーカでノンタイトル戦を行った。
 L・フライ級王座を返上し、フライ級進出のセグラはエディ・スニェガ(コスタリカ)と対戦。実力差は明らかで、セグラが左右にスイッチしながら自慢のパンチを振りかざすと、格下のスニェガは劣勢。ボディー打ちで2度倒したセグラが初回2分58秒あっさりKO勝ち。
 一方、マーロン・アギラル(ニカラグア)と10回戦を行ったバスケスは珍しく?パワーを披露。リーチを生かして初回をリードした後、2回、左フックで倒す。オスカル・ラリオスに挑戦歴があるアギラルは追撃でまた倒れ、ストップされた。TKOタイムは1分46秒。

2011年6月18日土曜日

モレノ、ゴロフキンともTKO防衛 パナマ

 17日夜(現地時間)パナマ市のロベルト・デュラン・アリーナで行われた2つのWBAタイトルマッチはいずれもチャンピオンがベルトを守った。
 メイン出場のWBA世界バンタム級“スーパー”王者アンセルモ・モレノ(パナマ)はランキング2位ロレンソ・パーラ(ベネズエラ)に8回終了TKO勝ち。坂田健史との三戦が懐かしいパーラが久々の晴れ舞台に奮起するとも思われたが、元WBAフライ級王者はディフェンシブな戦いに終始。試合はモレノが悠々ペースを掌握して進行。打たれたパーラは拳の負傷を理由に、8ラウンド終了後のインターバルで棄権を申し入れた。
 モレノは8度目の防衛。31勝10KO1敗1分。パーラは31勝18KO3敗1分。
 一方、元IBF世界J・ミドル級王者カシーム・オウマ(ウガンダ)を挑戦者に向かえ、保持するWBA世界ミドル級“レギュラー”王座の防衛戦に臨んだゲネディ・ゴロフキン(カザフスタン)は10回TKO勝ちで2度目の防衛に成功した。序盤2ラウンズ、オウマが旺盛な手数でペースを握ったが、中盤ゴロフキンが自慢の強打で挽回。8回、ドクターチェックを受けたオウマは9回ワンサイドに打ち込まれ、10回ついにストップがかかった。TKOタイムは1分25秒。
 戴冠試合に続きパナマで勝利を飾ったゴロフキンは21勝18KO無敗。米国在住のオウマは27勝17KO8敗1分。

佐々木「やり残しはない」 6.25メキシコでソト挑戦


 現地時間25日にメキシコ・コスメルで世界再挑戦する佐々木基樹(35歳=帝拳)が17日、日本での最終練習を行った。
 今回クラスを下げてライト級でWBC王者ウンベルト・ソト(メキシコ)に挑む佐々木だが、減量は「あと4キロぐらい。水分で3キロ半は落ちるので、ほぼ終わった」と順調そう。あらためて「自分のボクシングをするしかない」と3階級制覇王者ソトと対する心構えを語り、「やり残しはない」と言い切った。
 この日はホルヘ・リナレスと4ラウンドのスパー。「あとは最終確認。最後のスパーは体に感覚が残るので重要」と佐々木。拳を交えたリナレスに「左ジャブがいいよ」と激励され、日本での練習を打ちあげた。帝拳ジムを出る際には練習中のメンバー全員から拍手で送り出されたベテランは、今日18日に成田空港から出発した。
(写真はリナレスと最終スパーを終えた佐々木)

カネロ&ローデス計量パス 明日WBC・Sウェルター級戦



 現地時間の明日18日、メキシコのグアダラハラで挙行されるWBC世界S・ウェルター級タイトルマッチの前日計量が行われ、地元のチャンピオン、サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)、挑戦者ライアン・ローデス(英国)ともリミットアンダーで無事クリアーした。
 主催のゴールデンボーイ・プロモーションズからの情報でアルバレスは153ポンド1/4(69.51キロ)、ローデスは152ポンド1/2(69.17キロ)を計測した。
 また同じリングでは八王子中屋ジム所属の日本ランカー、野崎雅光も出場する。野崎は52.8キロで計量を終えた。
=PHOTO/SUMIO YAMADA=

和宇慶、ウォーズらが勝つ 

 17日夜の後楽園ホール、メインを張った和宇慶勇二(日本S・ライト級3位=ワタナベ)はタイのペットスリヤー・ルークサイコンディンに2回51秒KO勝ちした。
 ペットスリヤーのパンチをガードとボディーワークで外しては左ストレートを上下に放っていく和宇慶。2回に右フックで効かせると、連打で相手を詰め、最後はサイドステップしてからの左ボディー。腹を押さえてダウンしたペットスリヤーはテンカウントを数えられた。「一戦一戦大事に勝っていきたい」という和宇慶は14勝7KO3敗1分。
 またフィリピンからの輸入選手ウォーズ・カツマタ(勝又)は昨年度全日本新人王で日本フライ級12位の角谷淳志(金沢)を初回2分52秒でノックアウト。試合はダウン応酬。右からの追い打ちで最初に倒したのはカツマタだが、角谷の左フック迎撃打でもろくもダウン。しかし打ち合いで左フックを決めて再び倒したカツマタは、立ち上がった角谷に左フック、右スチレートを浴びせて3度目のダウンを奪った。強打のカツマタはこれで14勝12KO5敗。
 この日はほかに8回戦が3試合行われた。船井龍一(ワタナベ)-古橋大輔(川崎新田)の元ランカー対決は両者譲らぬ熱戦の末2-1で船井が判定勝ち。また山崎武人(本多)は矢板貴行(全日本P)に小差3-0判定勝ち。岩崎健二(全日本P)が片桐秋彦(川崎新田)に判定勝ちした。

王者候補ゲレロが40歳にTKO負け

 主要4団体のミドル級でランク上位を占めるプロスペクト、フェルナンド・ゲレロ(ドミニカ共和国=米)が17日(現地時間)米テキサス州オースティンでベテランのグラディ・ブリュワー(米)と対戦。意外な結末が待っていた。
 ゲレロはこれまでミドル級、S・ミドル級で戦ってきたが、この試合からS・ウェルター級転向を画策。オフィシャル体重は152ポンド3/4(69.29キロ)だった。本来ウェルター&S・ウェルター級がテリトリーのブリュワーに右ジャブ、左ストレートで先制したサウスポーのゲレロ。しかし40歳のブリュワーは構わず新鋭の牙城に飛び込み、クロスレンジでパンチをヒット。このアグレッシブさが功を奏し、4回、右を命中させたブリュワーがラッシュすると、ゲレロはロープから体がはみ出すダウン。追撃の途中、ブリュワーの右アッパーが決まり、ゲレロはうつ伏せに2度目のダウン。ここで主審がストップをコールした。TKOタイムは2分16秒。
 殊勲のブリュワーは28勝16KO12敗。NABF・S・ウェルター王座を獲得した。初黒星のゲレロ(24歳)は21勝16KO1敗。
 セミのウェルター級10回戦ではカリム・メイフィールド(米)が元IBF・J・ライト級王者スティーブ・フォーブス(米)に集中打を浴びせ10回1分3秒TKO勝ち。フォーブスはプロ45戦目で初のストップ負けだった。
 なお、この日は元S・フェザー級&ライト級王者で日本でホルへ・リナレスと対戦したヘスス・チャベスさんがジャッジや立会人を務めていた。

2011年6月14日火曜日

タイソン、チャベス、ロッキーの大物 ボクシング殿堂入り


 米ニューヨーク州カナストータの「国際ボクシング名誉の殿堂博物館」で12日、恒例のセレモニーが開かれ、今年新たに選ばれた元王者ら12人(故人含む)が正式に殿堂入りした。22回目となった今回はマイク・タイソン、フリオ・セサール・チャベス、さらには関係者部門で選ばれた映画「ロッキー」主演のシルベスター・スタローンといった超ビッグ・ネームが揃って選ばれ就任式に出席したため、式場となった殿堂博物館構内のフィールドには過去最多の1万を超すファンが詰めかける盛況だった。
 写真は2011年度の新規殿堂入りした、左からナチョ・ベリスタイン(トレーナー)、チャベス、タイソン、コーシャ・ヅー、ジョー・コルテス(審判)、スタローンの各氏=PHOTO/SUMIO YAMADA=
 式にはマービン・ハグラー、ルーベン・オリバレス、リカルド・ロペス、アーロン・プライア―、ホセ・クエバス、アズマー・ネルソンといったおなじみの顔を含む大勢の元王者や、さらに現役のセルヒオ・マルティネス、エリク・モラレスらの新旧チャンピオンも参加。すでに殿堂入りしているドン・キングとボブ・アラムの宿敵プロモーターの姿もあった。
 注目のタイソンは夫人と娘を同道してカナストータ入りし、パレードでは笑顔で沿道のファンの歓呼に応えた。殿堂セレモニーの最後に挨拶に立ったタイソンは、簡単に生い立ちを振り返り、贈呈されたリングを誇示しながらファンに感謝を述べた。

井岡“聖地”登場! 初V戦は8.10後楽園で



“聖地”で最強挑戦者撃退へ――WBC世界ミニマム級チャンピオン井岡一翔(井岡)の初防衛戦が8月10日、後楽園ホールで挙行されることになった。13日、所属ジムで発表会見が行われた。相手は1位のフアン・エルナンデス(メキシコ)。これまでのプロ7戦をすべて関西圏で戦った井岡にとっては初の東都登場となる。
 井岡は「チャンピオンとしてまだ未熟ですが、チャンピオンとして戦うのが夢でした。でも次の相手に負けたくないという気持ちだけです」と初防衛戦にかける思いを語った。映像でチェックしたエルナンデスの印象は「よく動いて……時折大きなパンチを打ってくる。独特なタイプ」というもの。
 東京農業大学時代に関東リーグ戦で後楽園ホールのリングは経験済み(10戦全勝)だが「プロとして上がるのは楽しみ。応援の仕方も違うでしょうし、やりがいがあります」と腕をぶす。当日はセミで噂のホープ土屋修平(角海老宝石)も出場。関東圏のファンにとっても待ち遠しい一日となる。
=写真は父一法プロモーター㊧、叔父の弘樹会長とともに会見に臨んだ井岡=

荒川、淵上ともTKO防衛 ダブル日本タイトル戦

 ライト級とミドル級のダブル日本タイトルマッチが13日、後楽園ホールで行われ、ライト級はチャンピオンの荒川仁人(八王中屋)が挑戦者の生田真敬(ワタナベ)を4ラウンドTKOに下して3度目の防衛。ミドル級はチャンピオンの渕上誠(八王子中屋)が私挑戦者田島秀哲(西遠)を5ラウンドTKOに退けて2度目の防衛。八王子中屋ジム両チャンピオンのV競演の後、荒川は「できることなら三垣(龍次)さんに挑戦したい」とOPBF王者へのステップアップの意欲を口にした。=AS=

関大ヒヤリ…勝ち点差で上回り連覇

 アマチュアの第65回関西学生リーグ戦は12日に早くも最終週を迎えた。
 ここまで4戦全勝の関西大学は同志社大学と対戦し6-3で敗退。結果、関大、同大、龍谷大が4勝1敗で並んだが、勝ち点合計で上回った関大の優勝となった。今季リーグ戦を順調に勝ち抜いていた関大にとりヒヤリとさせられる連覇達成だった。
 なお最優秀選手賞には関大主将の宮本昌季(バンタム級)が2年連続で選ばれた。1部リーグの最終成績は以下のとおり。
 ①関大②同大③龍谷大④関西学院大⑤大阪商業大⑥立命館大

元王者中広、地元広島で約2年ぶり白星

 元日本S・フライ級チャンピオン(現同級6位)の中広大悟(広島三栄)は12日県立広島産業会館で行われた8回戦で、タイのチャンピオン、スリヤー・チューワッタナ()に3-0判定勝ちした。これは中広にとり、1年半ぶりに上がった地元広島のリングで、白星は約2年ぶり。ノックダウンはなし。
 中広(29)はこれで22勝8KO4敗1分。
 同じ興行で、バンタム級の越智大輔(ビッグアーム)はサンペット・ソーミーペット(タイ)に初回2分19秒KO勝ち、フライ級8回戦で中広の同僚板垣幸司(広島三栄)はパランポン・チューワッタナ(タイ)に7回2分13秒KO勝ちを飾っている。

2011年6月13日月曜日

プロアマ交流―大毅が日大でスパー


 最近のプロアマ交流の流れを汲んで、13日前WBAフライ級王者の亀田大毅(亀田)が日本大学ボクシング部(目黒区)を訪れてスパーリングを行なった。
 全日本バンタム級6位佐藤貴則(4年)との4ラウンズは手数とスピードで先行する佐藤に対し、亀田はじっくり待ち構えた重い左ボディーフックから攻め返す、それぞれの特徴を生かしたもの。日大の梅下新介監督は「これまでいろいろあったが同じボクシングというスポーツの中で、世界と戦っていくには互いのレベルアップが必要。今後も切磋琢磨していきたい」と語り、スパーした佐藤(東洋ミドル級王者=帝拳=の弟)も「交流はすごく賛成です。勉強になる。亀田ジムにも行きたい」。
 大毅も「アマは1ラウンドからトップスピード。当てるのもうまい。4ラウンドだとプロだから強いというわけにはいかない」とボクシングの質の違いから学んだものが多かったようだ。セコンドに付いた兄・興毅は「それぞれのよさかあるからめちゃくちゃ勉強になる。お互い刺激しあってやれたらいい。交流に動いてくれた方々に感謝したい。これからも力を合わせて合宿などもっと交流したい」と話した。

「パッキアオ倒せ!」 王者粟生のV1祝勝会 


 WBC世界S・フェザー級チャンピオン、粟生隆寛(帝拳・27)の後援会主催の祝勝会が12日夕千葉市幕張のホテルに約250名の支持者らが出席して、賑やかに催された。4月8日神戸でウンベルト・グティエレス(メキシコ)をKOした初防衛成功を祝う催し。東日本大震災発生後の混乱の中の試合だったこともあり、祝勝会も遅れての実施となった。
挨拶に立った亀田隆明・後援会長は地元千葉で病院を経営しているが、「試合後に(病院に)きてもらって診たら、まったく悪いところがなかった。目ぐらい悪くなっているのではと調べると、軽く視力2.0だった」と笑わせ、チャンピオンの頑丈さを報告した。その上で「これから防衛を重ね、最終的にはマニー・パッキアオをやっつけてもらいたい」と、とてつもなく大きな注文も。粟生は「次はまだ決まっていませんが、どこで誰とやろうとも、勝つのが僕の仕事です」と力強く誓っていた。
 祝勝会では、粟生の用いたグローブやパネル写真に本人がサインを入れてオークションも行われた。売上は日本テレビを通じて東日本大震災の義援金として贈られるという。
※写真は2本の世界チャンピオンベルトを手にした粟生をはさんで、大関・魁皇、小結・豊ノ島、後方は亀田後援会長夫妻。

李、水本が勝利 宮崎戦前座


 宮崎-マバオ戦セミに登場した日本フライ級5位の李明浩(大阪帝拳)はサウスポー小野心(花形)に10回判定勝ち。小野のボディーからの攻撃にやりづらそうだったが、4回に左フックでダウンをマーク。以降は粘る小野が飛び込んできた際に迎撃打を浴びせ、96-94が2者、97-94のスコアで勝利した。敵地に乗り込んだ小野は早い回にバッティングで鼻血を流しながら奮闘したものの、李を崩すまでには至らなかった。
 もうひとつの10回戦は水本昌寛(井岡)が松元慎介(日本S・ウェルター級9位=進光)に10回3-0判定勝ち。松元のカウンターにめげず水本が必死の攻勢。終盤は左ボディーも効かせて優勢を印象づけた。スコアは97-96、96-95、97-94と小差ながら、日本ランク入りを濃厚とした。=写真=

宮崎倒せず OPBF王座2度目の防衛


 12日大阪市のIMPホールで行われたOPBF・L・フライ級タイトルマッチは、王者宮崎亮(井岡)が15位挑戦者ドニー・マバオ(比)に3-0判定勝ち。2度目の防衛に成功した。
 この日の宮崎は下位挑戦者マバオに対し倒す気がありありのファイト。持ち前のリズミカルなステップが鳴りをひそめ、左フック、右クロスをいきなり打ち込んでいった。これは急激な減量によるスタミナ不安を懸念してのものだったというが、マバオもクリーンヒットを何度と食らいつつ粘り、ダウンを拒否し続けた。結局12ラウンドをフルに戦ってスコアは118-110、117-111、119-110だった。
「情けない。こんなん、チャンピオンやないです」と試合後の宮崎は反省しきり。それでも「次はしっかりとやりたい」と語っていた。

2011年6月12日日曜日

トラウト大差の防衛 WBA・S・ウェルター級


 WBA世界S・ウェルター級チャンピオン、オースティン・トラウト(米)が初防衛に成功した。11日(現地時間)メキシコのサンルイス・ポトシで行われたタイトル戦で、トラウトは挑戦者ダビ“ザ・デストロイヤー”ロペス(メキシコ)に3-0判定勝利を収めた。
 戴冠戦もメキシコでカネロ兄リゴベルト・アルバレスを下したトラウト。サウスポー対決はトラウトが右ジャブからコンビネーション、ロペスが体格を利した左ストレート、右フックでシーソーゲームが続く。中盤やや動きが落ちたように見受けたトラウトだが、8回あたりからアウトボクシングを全開。手数と正確さで勝り、ポイントを連取。11回、ロペスの左で王者が倒れたが、主審はスリップと判断。直後にトラウトの反撃でメキシカンが倒れ、ここではカウントが適用された。
 競ったスコアも予想されたが、3ジャッジが下した採点は119-109,117-110,118-109とトラウトのアウトボクシングが評価された。
 同じリングではWBC女子S・フライ級チャンピオン、アナ・マリア・トーレス(メキシコ)が挑戦者バネサ・ギマラエス(ブラジル)に4回1分32秒KO勝ち。トーレスは9度目の防衛を果たした。
※写真はロペス(左)に左ストレートを送るトラウト =Boxing Scene=

日大が拓大下し全勝キープ 関東大学リーグ戦

 第65回関東大学リーグ戦の1部リーグ第3週が11日、後楽園ホールで行われた。
 第1試合で激突した連勝校同士、拓殖大学-日本大学戦は日大が6-3で勝利。拓大はLF級嶋田亨、F級三須寛幸が勝って好スタートしたものの、その後は日大にまき返された形。拓大ルーキーの藤田大和(B)、井上浩樹(L)はともに初黒星を喫した。
 連覇を目ざす東京農業大学は駒澤大学に7-2で勝利。LF級は駒大・林田に敗れたが、以降順当に勝ち星を積み重ねていった。
 また法政大学-日本体育大学戦は最終ミドル級まで勝負がもつれた末に法大が5-4で勝利。ここまで2敗同士の組み合わせだったが、RSC決着も多い白熱した内容だった。
 3週目を終えて東農大、日大が全勝でリード、以下拓大(2勝1敗)、法大(1勝2敗)、駒大、日体大(3敗)の順。

2011年6月11日土曜日

仁木、大場そろってタイ倒す 宗像の試合結果

 11日午後福岡県宗像市の宗像ユリックスで行われたFUKUOKAジム主催の興行、ダブル10回戦はいずれも同ジム選手がタイ選手をKO、TKOに破っている。
 メインのS・フライ級元ランカー仁木一嘉は、ワンパデット・オーベンジャマッドを2回に倒し、そのまま2分35秒カウントアウトによるKO勝ち。また、同僚で日本S・フライ級3位の大庭健司は、ルンニルン・ゴーラットスポーツスクールに3回2分32秒TKO勝ち。これは強烈なダウンだったため、ノーカウントでストップしたもの。
 仁木(30)は27勝15KO5敗1分、大庭(27)は21勝16KO2分負けなし。両選手ともタイをお得意さんにしており、大庭の最近の相手は13人連続タイ選手(12勝9KO1引き分け)。同僚の仁木はさらに上手で、2月の前戦で坂本と対戦して記録が途絶えるまで18人連続タイ選手と対戦(17勝11KO1敗)していた。

パック-モズ戦 PPV130万件を突破

 5月7日ラスベガスで挙行されたマニー・パッキアオ-シェーン・モズリーのウェルター級タイトル戦のPPV購買数が全米で130万件を超えたことがわかった。
 主催プロモーター、トップランク社のボブ・アラム・プロモーターが発表したもので、これまでパッキアオの試合で最高だった2008年のデラホーヤ戦の125万件を上回り、パッキアオには自己最高となった。パッキアオはマルガリート、コット戦でも100万件を越える購買件数を記録している。
 PPV売り上げ金額は7500万ドル(約61億円)超で、約70万件がケーブルシステム、残りの約60万件が衛星放送によるものだった。また会場のMGMグランドのゲート収入は8,882,600(約7億円)。有料入場者は15,422人だった。
 アラム氏によると、数字は140万件に到達する可能性もあり、そうなると昨年のメイウェザー-モズリー戦、以前非ヘビー級最高だったデラホーヤ-トリニダード戦と肩を並べることになる。

レベコ、“暫定”2階級制覇 WBAフライ級

 WBA世界フライ級暫定タイトルマッチが10日(現地時間)アルゼンチンのメンドサで行われ、挑戦者1位フアン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)が2回2分47秒、暫定王者ジャン・ピエロ・ペレス(ベネズエラ)にKO勝ち。
 初回からボディー打ちでペレスにダメージを与えたレベコが2ラウンド、シャープな左フックをレバーに痛打。ヒザをついたペレスは立てず、テンカウントが数えられた。
 レベコは27勝16KO1敗。WBA・L・フライ級暫定王者から同級正規王者に昇格したが返上。これが2階級制覇達成となる。初防衛に失敗したペレスは18勝13KO4敗。

カーン×ジュダー統一戦 7.23ラスベガス


 スーパー・ライト級のチャンピオン同士、WBA王者アミール“キング”カーン(英)-IBF王者ザブ“スーパー”ジュダー(米)による2冠統一戦が実現。8日(現地時間)ロサンゼルスで発表プレゼンテーションが開催された。
 これまでWBA王座を4度防衛しているカーンは「ザブはトリッキーなサウスポーで、多くの世界タイトルを獲得してきた。でも彼は私ほどのハングリーさは持ち合わせていない。私からベルトを奪うことはできない。これはアメリカのみならず、イギリスのファンにとってもビッグファイトとなるだろう」と発言。
 対するジュダーは「私は最近、メキシコ、アルゼンチン、アフリカの男を破ってきた。次は大英帝国の選手だ。私を“インターナショナル・アサシン(暗殺者)”と呼んでくれ。トップに戻るまでは長い道のりだったけど、チャンピオンとはそうして生まれるものだ。ノックダウンしても起き上がってくる」
 試合は7月23日、ラスベガスのマンダレイベイ・イベントセンターで挙行される。プロモーターはカーンを擁するゴールデンボーイ・プロモーションズとジュダーのメインエベンツ社。カーンのフレディ・ローチ、ジュダーを受け持つ元4階級制覇チャンピオン、パーネル・ウィテカーのトレーナー対決も注目を集める。
=PHOTO/BOXING SCENE.COM=

安河内氏は「事務局長代行補佐」で復職 JBC


 財団法人日本ボクシングコミッション(JBC)の斎藤慎一専務理事は10日、不正疑惑が持ち上がり1ヵ月間休職中だった安河内剛本部事務局長(50)を同日付で「事務局長代行補佐」とする林有厚コミッショナーの示達をメディアに公表した。斎藤専務理事が引き続き「事務局長代行」を兼任。安河内氏は斎藤氏付となり同代行を補佐するというもの。安河内氏はこの日1カ月の休職期間が満了となり、コミッショナーからの示達を受けるためコミッション事務局に姿を現した。
 審判員らで構成する東京試合役員会は6月2日付で意見書のかたちで安河内氏の「解任要求」を出していたが、斎藤氏によると特別調査委員会の中間報告でも「問題とするような新たな事実はない」としている。コミッションの長い歴史の中でも前例のないスキャンダル騒ぎとなった責任を問う“降格人事”となったが、齋藤氏は82歳の高齢ということもあり、自身も「事務局長代行の激務は厳しいと思うので、職務に堪能な安河内君に補佐してもらいたい」と、事実上の安河内氏の事務局長職続投も示唆している。
※写真はコミッショナーの“降格人事”を発表する斎藤専務理事(中央)

2011年6月9日木曜日

モンティエルが再起戦 ソト-佐々木戦と同日


 前WBC世界バンタム級王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)が6月25日、再起をかけてリングに上がることになった。メキシコ・シナロア州クリアカンで行われる試合でモンティエルは、前WBA世界バンタム級暫定王者ネオマル・セルメーニョ(ベネズエラ)と対戦する。
 2月、ノニト・ドネアに痛烈なTKO負けを喫したモンティエル。クリアカンで8日行われたプレゼンテーションで前王者は「悲しいページはクローズした。過去を忘れ、100%のモンティエルをお見せします」とコメント。現WBA世界バンタム級“スーパー”王者アンセルモ・モレノ(パナマ)と2度接戦を繰り広げ、敵地メキシコでもミハレス、バルデスを下しているセルメーニョは復帰戦の相手には難敵に思える。
 この日は同じメキシコのコスメルで、ウンベルト・ソト(メキシコ)-佐々木基樹(帝拳)によるWBC世界ライト級タイトルマッチが挙行される。ソト-佐々木戦を放映するテレビサにライバルのTVアステカがモンティエル戦で対抗する。

訃報・池田久元IBF日本代表


 元IBF日本代表の池田久氏が8日、前立腺がんのため亡くなった。73歳だった。
 奈良市内で印刷業等を営むかたわら、昭和40年代初期に奈良市内に池田ボクシングジム(後に奈良池田ジム)を開き、西日本ボクシング協会の会長を務めたこともある。東京から移籍したバトルホーク風間を擁して日本ライト級王座を取らせ、1980年には風間―サムエル・セラノのWBA世界J・ライト級タイトル戦をプロモートした。
 元全日本高校L・フライ級チャンピオンの新垣諭(沖縄水産高)と契約してプロ転向させた際には、「契約金1千万円」と喧伝され話題になった。新垣の世界戦交渉の中で日本ボクシングコミッションと対立し、1983年当時設立されたばかりのIBF(国際ボクシング連盟)と交渉して「IBF日本」を立ち上げた。その後はJBC傘下から離れて独自に活動し、新垣は2度目の世界戦でIBF世界バンタム級王座についた。
 池田氏の葬儀は、通夜は9日午後7時から、告別式は10日午前11時から、いずれも奈良市の「ならやま会館」(☎0742-71-4300)で営まれる。喪主は妻の池田泰子さん。

日本でも戦った元王者 エルナンデスさん死去


 日本のファンにも知られた元チャンピオンの訃報である。J・ライト(S・フェザー)級の名チャンピオンだったヘナロ“チカニート”エルナンデス(米)が7日午後3時5分、ロサンゼルス近郊ミッション・ビエホの自宅で亡くなった。45歳だった。
 無冠時代から日本の帝拳ジムと契約して、再三日本のリングに上がった。1984年プロデビューしたエルナンデスさんは無敗のまま91年フランスで、ダニエル・ロンダスを9回TKOで下し、空位のWBA世界J・ライト級王座を獲得。日本で竹田益朗、渡辺雄二を下すなど8度の防衛に成功。95年オスカー・デラホーヤのWBO世界ライト級王座に挑んだが、TKOで敗退。97年アズマー・ネルソンに判定勝ちしてWBC世界J・フェザー級王座を獲得。4度防衛後、98年フロイド・メイウェザーにベルトを明け渡したのがラストファイトとなった。生涯戦績は38勝17KO2敗1分。
 リングでも私生活でもジェントルマンとして人望が厚く、引退後はテレビのスペイン語放送のコメンテーターなどを務めた。しかし2年ほど前から皮膚がんに侵され体調を崩していた。一時、現役時代契約していたトップランク社のボブ・アラム氏の善意で、テキサス州で治療を受け回復の兆しを見せていた。しかし数ヵ月前から再び症状が悪化。帰らぬ人となった。リリアナ夫人との間に1男1女がいる。

2011年6月8日水曜日

メイウェザー復帰! 9.17オルティスと対戦

 フロイド・メイウェザーが16ヶ月の沈黙を破り、リングにカムバックする。メイウェザーは7日朝(現地時間)自身のツイッターで「オルティスと対戦する」と発信。その直後、主催プロモーターの一つGBPから「メイウェザーがリターン。9月17日、WBCウェルター級チャンピオン、ビクター・オルティスに挑戦」というニュースがメディアに配布された。
 場所は今のところ、ラスベガスかテキサス州が候補に挙がっている。
 復帰のニュースでメイウェザーは「リングに復帰する準備はできている。私のファンのためにファンタスティックなボクシングを提供する」とコメント。相手のオルティスに関しては「現チャンピオンで素晴らしいスキルとハートを持ったタレントあふれるボクサー」と評価。メイウェザーはオルティスの最新試合、アンドレ・ベルト戦をリングサイドで観戦している。
 オルティスは「メイウェザーをリスペクトしているけど、私は世界チャンピオンになったから、すぐにタイトルを明け渡すことはできない。この試合に勝って長くチャンピオンのままでいたい」とコメントする。

2011年6月7日火曜日

元王者・沼田、36歳塩谷に敗れる


7日の後楽園ホール、メイン8回戦で波乱。元日本ウェルター級王者で現6位の沼田康司(トクホン真闘)が、元ランカー、36歳の塩谷智行(レパード玉熊)に6回終了TKOで敗れた。
 沼田はスタートからなぜか覇気を感じさせなかった。フック、アッパーと手数は出て塩谷を押し込むシーンを何度かつくるもパンチに力が入らず、塩谷の反撃を受けてロープに詰まる。攻防分離のはっきりした両者の打ち合いはタフファイトになった。沼田は次第にコーナー、ロープに詰まるシーンが増え、打たれるままに。鼻血を噴出させ、4回にはバッティングで右マブタから出血した。
 6回沼田はそのほとんどをコーナーに詰まったまま守勢ですごし、このラウンド終了後に棄権した。
 セミ8回戦は、新人王・中村幸裕(ピューマ渡久地)と山口卓也(レイS)が2回にダウン応酬。しかし攻撃力に勝る中村が3回にダウンを追加して優位に立った。そして迎えた4回レフェリーがストップをかけた後の加撃で山口がダウン。山口は休憩を取ったが脚を痛めて再開できず、山口の反則勝ちがコールされた。両陣営がレフェリングにミスがあったとしてJBCに激しく抗議した。
 もう1つの8回戦はフェザー級10位の渡邊卓也(青木)がジャブとカウンターで宮崎隆司(姫路木下)相手に落ち着いた攻防を展開。7回宮崎の左フックでダウンの大ピンチも8回には立て直し、2-0判定で逃げ切った。
 女子4回戦は、塚下真理(HEIWA)が小笠原恵子(トクホン真闘)を初回KOに下している。

2011年6月6日月曜日

山口KOで再起--チャリティー147万円集まった

 6日の後楽園ホール、OPBF女子S・フライ級タイトルマッチは、王者・山口直子(白井・具志堅S)A.7位の挑戦者リアントン・ロングレアーンギラコラート(タイ)を5回TKOに下してアナマリア・トーレス戦敗退から再起し、3度目の防衛に成功した。山口は、下がりながら左フックカウンターをセットした挑戦者を崩すのに手間取ったが、4回にダウンを奪い、5回にストップした。
セミ8回戦に出場したミニマム級1位金田淳一郎(白井・具志堅S)はノーランク吉田アーミー真(戸高秀樹)のパンチで右目上を切り裂かれるなど大苦戦したが、ボディーブローで吉田にダメージを与え、最終8回フックをまとめ打ちしてなんとかストップ勝ち。 OPBF・S・フライ級15位の江藤光喜(白井・具志堅S)はサンサクダ・ポータサナポン(タイ)に2回TKO勝ちしている。
 この日は元OPBF女子王者の菊地奈々子が具志堅用高会長とラストスパーのあと引退のテンゴンクに送られた。
 また震災復興支援チャリティーオークションにレア・グッズが多数出品され、マニー・パッキアオのサイン入りグローブが30万円、具志堅会長が現役時代に使用したガウンが35万円で落札されるなど、会場入口で募った募金とあわせて147万円余りが義援金となっている。

WBCユース王座戦ダブルで開催-亀田和毅が福岡登場


 2002年6月愛知で行われて(杉田真教がアネス・デミューハに勝ってS・バンタム級王座獲得)以来国内開催認められなかったWBC世界ユース王座戦が解禁。メキシコで同バンタム級王座を獲得した亀田和毅(亀田)が7月8日、福岡・九電記念体育館で防衛戦を行うことになった。挑戦者はボーイ・ドンディー・プマール(比)。 プマールは8勝2KO1敗3分のフィリピン6位。同王座は23歳以下で争われる。亀田19歳、プマール21歳。
 現在メキシコでトレーニング中の亀田は「自分にとって日本で初めてのメイン。今回は亀田三兄弟の三番目ではなく、亀田和毅をしっかりアピールしたい。プロ20戦目の区切りなので、KOて勝ちます」とコメントを寄せている。
 この日は地元の黒木優子(関)も女子ユース・アトム級王座決定戦を行う。黒木(20歳=WBC14位)の相手はノンキャット・ロングレンギーラ・コンケーン(タイ=23歳)。6勝2KO無敗だ。
 またセミファイナルは元WBA世界フライ級王者の亀田大毅(亀田)がチャッチャイ・モンソンジム(タイ)と10回戦。2階級制覇のためにスタイルチェンジ中という亀田、その成果を見せられるか。
 会見に出席した長男・興毅は「福岡のファンにまた見に来たいと思えるようないい試合をしてもらいたい」と語った。
 試合開始は午後5時。チケットは1万5千円、1万円、5千円、3千円でローソンチケットで発売中。

2011年6月5日日曜日

親子王者誕生 チャベスJr、ズビックに判定勝ち



 親子チャンピオンが誕生――。メキシコの英雄フリオ・セサール・チャベスの長男チャベスJrが王者セバスチャン・ズビック(ドイツ)に2-0判定勝ち。WBC世界ミドル級王座を獲得した。
 4日(現地時間)米ロサンゼルスのステープルズ・センターで行われた同タイトル戦はズビックが回転の速い左右フックで攻め立てれば、チャベスは父直伝の重厚なボディーブローで対抗。激しいペースの奪い合いの中、5ラウンドあたりから、挑戦者が体格を生かして押し気味に。ズビックのリターンで顔面が腫れたチャベスだったが、リングサイドで鼓舞する父に応えるように終盤、執拗なボディー攻めで押し切り終了。スコアカードは一人が114-114のドローだったが、他の2者は115-113,116-112でチャベスを支持した。
「拮抗したファイトだったけど、最終回を全力で獲る気持ちで戦った」と新チャンピオンはコメント。45戦目の戴冠だった。43勝30KO1分1NC。ズビックは初黒星だった。30勝10KO1敗。(三浦勝夫)
=PHOTO/SUMIO YAMADA=

マティスロスヤン、ガルシアKO勝ち

 4日(現地時間)ロサンゼルスのステープルズ・センターで行われたチャベスJr-ズビック戦のリングで、バネス・マティスロスヤン(米)がサウル・ローマン(メキシコ)に7回TKO勝ち。WBC・S・ウェルター級挑戦者決定戦を制するともにシルバーベルトを獲得した。
 アテネ五輪代表のマティスロスヤンに、初回ローマンの左フックが決まりダウン。波乱の幕開けとなったが、マティスロスヤンは左右の重いパンチで挽回。7回、右でダメージを与えて倒し返し、追撃でストップに持ち込んだ。タイムは2分58秒。マティスロスヤンは王者カネロ・アルバレスへの挑戦権を手にした。
 一方フェザー級の上位ランカー、ミゲール“マイキー”ガルシア(米)は10回戦でラファエル・グスマン(メキシコ)に4回1分55秒、右でKO勝ち。(三浦勝夫)

亀海2回KO勝ちで復帰戦飾る


 五十嵐-吉田の日本フライ級タイトル戦のセミの10回戦に登場した前日本S・ライト級チャンピオンの亀海喜寛(帝拳)は、フィリピンのジョエル・デラ・クルスを2回左フック一発でロープ外に吹っ飛ばし、そのまま10カウント勝ち。ドタキャンして日本タイトルを返上後の第1戦を飾った。当面ウェルター級で戦うというから、日本王者渡部あきのり(協栄)は要警戒? 
 注目のフライ級8回戦は、不敗新鋭・鈴木武蔵(帝拳)が日本同級12位の屋富祖裕信(琉球)を3-0判定に破り、ランキング入りをほぼ決定づけた。沖縄からホール初見参の屋富祖もよく応戦し最後まで戦い抜いた。
 ※写真はクルスをダウンさせコーナーに歩む亀海。

五十嵐、負傷判定でヨシケン撃退 日本フライ級タイトル戦


 4日夜後楽園ホールで行われた日本フライ級タイトルマッチは、王者五十嵐俊幸(帝拳)が1位吉田拳畤(ワタナベ)の挑戦を8回1分14秒負傷判定でくだし、初防衛に成功した。
 いつもの五十嵐らしいスマートな試合運びは2回まで。この回バッティングで右目上の古傷を破られると、その後は作戦を変更し吉田の距離で足を止めて打ち合った。頭から突っ込む吉田のラフファイトに苦戦しながらも、力強く応戦し右フック、左ストレートを決めた。試合は吉田も左目上を切って流血戦となり、8回、両者偶然のバッティングで吉田の頭部から激しい出血。試合続行不能と判断され、2-0ながら五十嵐の手が上がった。
 「自分のボクシングをさせてもらえなかった。でも、やりにくい相手にギリギリでも勝てたので、いい経験になった」と五十嵐。現在WBA、WBCともに世界3位にランクされ、指名挑戦権を得るためWBC2位のウィルベルト・ウィカブ(メキシコ)と対戦の可能性が高いという。
※写真は入ってくる吉田(左)に右フックを決める王者五十嵐

2011年6月4日土曜日

「負けないで!」 難聴の女子ボクサーが書いた本


 聴覚障害のハンデを負いながらプロのリングに上がる「4回戦ガール」が自分の生い立ちと思いを綴った『負けないで!』(創出版)が発売になっている。=定価1100円+税=
 著者の小笠原恵子さん(32)は、トクホン真闘ジムに所属する現役のフライ級ボクサー。生まれた時から耳が聞こえず、しゃべることもほとんどできなかったため、幼い頃からいじめに遭うなど苦労した。しかしボクシングと出会い、その奥の深さに惹かれて、前向きに取り組むようになった。試合出場を断られながらもあきらめず、現在のトクホン真闘ジムに入り、佐々木隆雄会長らの厳しくも暖かい指導でプロの道が拓けた。
 著者の小笠原さんは「最初、本を出さないかと言われた時はとてもビックリしました。私の人生はごくごく平凡だと思っているので、何を書けば良いか迷いました。思い切って過去に実際あったことを書きました。正直言うと恥ずかしいです。でも、こうやって本を出させていただくのは滅多に出来ないことです。貴重な経験をさせていただいたのでとても嬉しい。感謝いっぱいです」と自伝発刊の感想を語っている。
 なお現在2戦2勝の小笠原さんは6月7日に後楽園ホールでプロ第3戦を予定している。

JBC事務局長の解任を要求 試合役員会が意見書

 財団法人日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛本部事務局長(50)=休職中=の不正疑惑が取りざたされている件につき、JBCの審判らで構成する東京試合役員会(浦谷信彰会長)は2日、安河内氏の解任要求と、斎藤慎一JBC専務理事の監督責任を問うことなどを盛り込んだ意見書をJBC側に提出した。
 安河内氏については、金銭疑惑や女性問題を糾弾する怪文書が出回り、4月の試合役員会でも協議された。これを受けて斎藤専務は5月10日付で安河内氏に1ヵ月の休職を命じた上で、特別調査委員会を設置して実態を調査している。今回の意見書は、特別調査委員会を通じて、JBC側に届けられた。
 なお安河内氏は疑惑を否定しているというが、本人の直接コメントはない。休職明けの6月18日にメキシコで行われるカネロ・アルバレス×ライアン・ローズのWBC世界S・ウェルター級タイトルマッチの立会人を務めるようWBCから指名を受けており、これに応じるているとの外部情報もあるが、実際に行くかどうかも公式に明らかにしていない。

パックマンのサイン入りグローブ出品!6.6後楽園でチャリティーオークション

 6月6日、後楽園ホールで行われるOPBF女子S・フライ級タイトルマッチ、山口直子-リアントン・ロングレアーンギラゴラート(タイ)戦は、東日本大震災復興支援チャリティー。プロモーターの白井・具志堅スポーツジムがチャリティーオークションを行う。
 そこにファン垂涎のレアグッズが出品されることが明らかとなった。最大の目玉はパッキアオのサイン入りグローブと、モズリー戦、マルガリート戦のTシャツ(ともにパックマンのサイン入り。サインをしている場面の写真付き)。当日は元東洋王者・菊地奈々子の引退セレモニーも行われ、具志堅用高会長とスパー。そこで使用のグローブや、歴代世界チャンピオンの色紙等豪華グッズを多数を出品して「復興の助けにしたい」--と白井・具志堅ジム。当日券の発売は午後4時から後楽園ホール1階のチケットブースで

2011年6月3日金曜日

五十嵐-吉田戦 両者計量パス


 4日夜後楽園ホールで行われる日本フライ級タイトルマッチに出場する選手たちの計量が3日午後行われ、前座も含めて全員が規定体重内でパスした。
 メインの日本タイトル戦は、王者五十嵐俊幸(帝拳)がフライ級リミットの50.8kg、挑戦者1位(元王者)吉田拳畤(ワタナベ)がやや軽く50.6kg。このところ進境著しい五十嵐が、混戦を得意とし対戦者の誰もがやりにくさに音を上げるというベテラン吉田をどうさばくか。世界に進むには避けて通れないテスト試合になろう。五十嵐は2月に空位の王座に就いたばかりでこれが初防衛戦となるが、「別に意識していない。結果が問われるが、目指すところはもっと上にあるから……」と、こんなところでモタモタしていられないか。一方吉田も「勝つしかない」と、清水智信(金子)に敗れて王座を追われて以来3年ぶの返り咲きにかけている。
 セミは前日本S・ライト級王者亀海喜寛(帝拳)の出直し第一戦。ジョエル・デラクルス(比)とのウェルター級10回戦。2月の防衛戦直前インフルエンザに罹り、試合をキャンセルして日本タイトルを返上するハメになったが、「みんなに迷惑をかけたので、恩返しできるような試合をします」と快勝を約束していた。ウェイトは亀海が66.1kg、相手のクルスは64.5kgだった。
 この日は、日本フライ級12位・屋富祖裕信(琉球)に不敗ホープ鈴木武蔵(帝拳)が挑むフライ級8回戦も注目だ。=写真は計量後の五十嵐=

佐々木の世界挑戦 試合地コスメルに決定


 WBC世界ライト級チャンピオン、ウンベルト・ソト(メキシコ)対挑戦者同級12位・佐々木基樹(帝拳)のタイトルマッチは今月25日(現地時間)にメキシコで行われる予定だが、未定だった試合地がコスメルに決定した――と帝拳ジムが2日明らかにした。
 試合地がなかなか決定しなかったことと、王者ソトが高地で練習しているという情報を得て、佐々木は高地の試合も想定して富士山で走り込みをするなど準備をしていた。コスメルはカリブ海に浮かぶリゾート島で、結果的に高地対策は不要だったが、それでも「やってよかったし、マイナスではない」と佐々木は言っている。

2011年6月2日木曜日

チャンピオン内山、教授になる! 母校拓大で講義


 WBA世界S・フェザー級王者・内山高志(ワタナベ・31)が1日午後、東京・八王子市の母校拓殖大学を訪れ、約300名の学生を前に講義を行った。主に商・政経学部の学生を対象としたれっきとした授業で、34年前に拓大が八王子に移って以来続いている「世界の中の日本」という講座。名誉職とはいえ、「教授」の肩書を持った世界チャンピオンは、我が国では後にも先にも内山が初めてである。
 同大政経学部を2002年に卒業後初めて訪れたという母校。チャンピオンは「駅前も(在学時と)変わっていないし、メチャクチャ懐かしかった。嬉しい……」と感慨もひとしお。午後3時からの講義を前に、高橋敏夫・副学長から「客員教授」の委嘱状を受け取ると、後輩の学生たちに向かってハッキリとした口調で語りかけた。この日のテーマは「チャンスをつかむために」。内山は「自分はあまり大きなことも言えないし、いかにしてここまできたか、経験談を話しました」。1時間をみっちりと話し「自分にとっても勉強になりました」。内山のしゃべりの上手さは口下手なボクサーが多い中でチャンピオン級。これなら引退後も講演で食べていける?
 講義のあとは、ボクシング部道場を訪れ、後輩たちを激励した。関東リーグ戦では毎年のように後楽園ホールに駆け付け応援している。「今年は優勝してくれると期待しています」と、エールを送っていた。なお、本業の方は、10月頃に防衛戦を行うことになりそうだという。

2011年6月1日水曜日

林、タイ選手を初回で料理


1日の後楽園ホール、メインのフライ級8回戦は、日本3位の林徹磨(セレス)がタイのソムサク・シンマナサックを141秒でKOした。
ワイドなスタンスから右ストレートで直線的に突っ込んでくるソムサクを、林はインからのショートブローで迎撃。右アッバーでダウンを奪い、再開後にコーナーで乱打して二度目。左フックで三度目とダウンを追加してフィニッシュした。林は17勝6KO1敗1分。ソムサクは9勝1KO5敗。
アンダーカード8回戦は、宮森卓也(18古河)が田畑光輝(花形)に判定勝ち。横山大輔(ワールドS)が泉圭以知(18鴻巣)に判定勝ち。元トップコンテンダー飯田大介(三津山)は浦西勝史(神拳阪神)に初回KOで敗れている。