2012年6月14日木曜日

キューバの巨星ステベンソン逝く


 オリンピックのヘビー級で3度金メダルに輝いたキューバ人テオフィロ・ステベンソンが11日、心不全のため亡くなったことが報じられた。60歳だった。
 1952年3月、キューバ東部のラストゥナスに生まれたステベンソンはAIBA(国際アマチュアボクシング協会)の主催する大会を軒並み制すると、72年のミュンヘン、76年のモントリオール、80年のモスクワとオリンピックを3連覇する快挙を成し遂げる。84年のロサンゼルス大会でも4つ目の金メダルが期待されたが、モスクワ大会をボイコットした多くの西側諸国に対抗し、東側の国々も同様の処置を取ったため、キューバは不参加。88年のソウル大会もキューバは選手を送らず、メダル獲得の機会は訪れなかった。世界選手権でも74年(キューバ)、78年(ベオグラード)、86年(米リノ)と3度優勝している。
 一方、モントリオール五輪後、モハメド・アリとの対決がアメリカで企画され話題となった。しかしアマチュアイズムを尊重するキューバのシンボルは対戦を拒否。「100万ドルの報酬のために、どうして800万人のキューバ国民を捨てることができるだろう」と語り、プロ転向の勧誘には全く応じなかった。
 戦績は301勝20敗と素晴らしいもの。身長193センチ(197センチ説もあり)から繰り出す強打が武器だった。死亡前はキューバ・ボクシング連盟の副会長を務めていた。


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