日本人初の世界ウェルター級チャンピオン誕生ならず――。3日(日本時間4日早朝)ウクライナのドネツクで行われたWBA世界ウェルター級タイトルマッチは、王者ビアチェスラフ・センチェンコ(ウクライナ)が同級15位佐々木基樹(帝拳)の挑戦を大差の判定でかわし、初防衛に成功した。
試合開始ゴング直後、佐々木はチャンピオン目がけて突進し先制攻撃に出た。しかしセンチェンコはこれをかわすと、身長で8センチ、リーチで9センチの体格の利を生かして、佐々木得意の接近戦を許さず、アウトボックス。ジャブ、ワンツーを積極的に放って、元アマの名選手らしい巧みな試合運びをみせた。
ポイントではセンチェンコがリードしたものの、6回にはバッティングで右目を切り出血。クリストドール主審(南アフリカ)はこれを故意の反則ととり、佐々木に2ポイントの原点を科した。佐々木も持ち前のトリッキーなボクシングで後半王者を脅かした。9回には王者が左目もカットし出血に苦しんだところにラッシュを敢行。ペースが変わるかと思われたが、センチェンコも慎重に佐々木の攻撃をかわし、変則的な挑戦者の不意打ちパンチを食うリスクを冒さない。結局両者12回フルに戦い、佐々木は自ら予言した「番狂わせ」を起こすには至らなかった。
3ジャッジの採点は、全員が9ラウンドを佐々木につけた以外は王者が取り、119-107の大差がついていた。
佐々木の話「やはりチャンピオンは強かった。くやしいけれど、でも(実力を)全部出したので、悔いはない。できるなら今すぐにももう一度やりたい。でも(世界戦は)これが最後かな」
0 件のコメント:
コメントを投稿