6月28日、後楽園ホールで元WBA世界S・バンタム級王者の李冽理(横浜光)がOPBFフェザー級王座決定戦に出場する。わが国では、一度世界をきわめたボクサーが翻って下位のタイトルに挑む例はあまりない。
ロイヤル小林 |
小林はゴメスふくめ、アレクシス・アルゲリョやエウセビオ・ペドロサらの強豪ボクサーに果敢にアタックしたことで記憶に残る選手で、世界チャンピオンとしての栄光の時間は短かった。そのため見過ごされがちだが、黄に勝って手にしたOPBF王座は引退の81年まで7度も防衛している。ラストファイトは黄正漢に初回KO負けでこのベルトを失った試合だった。
元WBA・J・ミドル級チャンピオン、三原正も再び訪れるであろう世界のチャンスを信じて、下位のタイトルを守り続けた。
三原はプロ5戦目でOPBF王座に就き6度防衛、そして15戦目でニューヨークでロッキー・フラットに勝ってWBAチャンピオン獲得(81年)。初防衛戦でデビー・ムーアに敗れて、わずか3ヵ月の短命だったのは小林に共通するが、三原に2度目のチャンスは訪れなかった。
李冽理 |
世界王座の数が増えた現代ではなおさらのこと、昔も陥落後に日本や東洋のベルトをこつこつ守りつつチャンスを待つ元チャンピオンは少なかった。
ちなみに最近では高山勝成がWBCミニマム級王座を失ってから日本のベルトを巻いた例がある。防衛こそしていないが、その後の活躍はごぞんじのとおり。李もこれにあやかりたいところだろう。(島篤史)
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