2011年11月11日金曜日

“スモーキン・ジョー”死す


 元世界ヘビー級チャンピオンのジョー・フレージャーが7日(現地時間)、フィラデルフィアの自宅で死亡した。67歳だった。9月に肝臓がんがみつかり、ホスピスで治療を受けていた。
 44年サウスカロライナ州出身。64年の東京五輪に補欠で代表となり、代役出場で金メダル獲得。翌年プロ転向。182センチとヘビー級では小柄ながら後退を知らないファイターで、機関車が驀進するような戦法から“スモーキン・ジョー”と異名をとった。モハメド・アリに初めて勝ったボクサーとして有名で、1971年3月8日、ニューヨークのMSGで行われたアリとの第一戦は「世紀の一戦」と試合前から騒がれ、世界中で衛星テレビを通じて観戦したファンは3億人と言われた。実際に試合も歴史的名勝負となり、フレージャーが判定勝ちで世界タイトルを守った。最終回には得意の左フックをアゴに決めてアリから痛烈なダウンを奪っている。
 アリとは3度戦い1勝2敗。「スリラ・イン・マニラ」の名で知られる第3戦では14回死闘の末にセコンドに試合を止められTKO負けした。
 モハメド・アリとはボクシング史上もっとも有名なライバル関係といわれ、アリは訃報を受けて「我々は偉大なチャンピオンを失った」と声明で死を悼んだ。
 76年にフォアマンとの再戦に敗れ引退し、81年に1度再起して引き分けた試合を含め37戦して32勝27KO4敗1分。敗れたのはアリ、フォアマンの2人だけだった。
※写真は昨年4月米国のテレビ局ESPNのパーティに出席した時のジョー。=Photo/RayBailey=

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