2011年5月14日土曜日

兄弟姉妹15人-挑戦者ペットサイルーン


 ツナミに挑むペットサイルーン・ルークサイコンディンが昨日タイから来日し、14日午後ワタナベジムで公開練習を行なった。
 練習に先立って行われた会見でペットサイルーンの驚くべきプロフィールが明らかになった。
 男7人、女8人の15人兄弟の4番目。母親のお腹の中には16人目がいるという。さらに上は26歳から下は4歳まで15人全員がボクシングをやっており、兄マンファー・グラティンデーンジムは元PABA・S・ライト級チャンピオン。和宇慶勇二(ワタナベ)と6月に対戦するペットスリヤーも兄弟。父ノパリット氏がマネジャーでありトレーナー。そしてルークサイコンディンジムは父がオーナーで、マネージするボクサーは全員子供たちというボクシング・ファミリーだ。
 敬虔なムスリム一家で、元ムエタイボクサーの父は牧師をしている。
「子供たちにボクシングをさせるのは、麻薬の売人などがいる危険な場所なので子供たちにはボクシングに集中させてピュアな人間に育てたいから。稼いだファイトマネーは籠に入れて家族、ムスリム共同体でシェアしている。もう一つの理由は、ボクシングで一発当ててリッチに……」
 日本でいうところの青少年育成か。ちょっと毛色の変わったボクシング一家だ。
 さて、挑戦者ペットサイルーン(21)、BOXRECのレコードは1勝9敗というとんでもないもので、昨年初来日して山口直子(白井・具志堅S)に3回で倒されている。しかしタイ・コミッションから提出された正式なレコードは13勝10敗。子供の頃からムエタイをやっており16歳でデビューしてキャリア60戦。IMTF(インターナショナルムエタイフェデレーション)準優勝の実績を持つ。現在も国際式、ムエタイを掛け持ちして今年に入って2戦2勝。最新試合は4月13日だという。
「ファイトスタイルはボクサー。得意のストレートでカウンターを取ります」と挑戦者。151センチと伝えられた身長はパスポートをつくったときのサイズであり、現在は155、6センチだという。父は「100%の自信があります」と語った。戦力で王者ツナミが上回るのは間違いなさそうだが、挑戦者のミット打ちを見た山木会長は「ムエタイのキャリアもあって実戦向き」と分析した。

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