右の技巧派としてWBC世界S・フライ級王座を獲得し、2度の防衛を成功させた佐藤洋太(協栄)が13日、都内のジムで会見して現役引退を表明した。佐藤は5月3日、タイでシーサケット・ソールンビサイ(タイ)に敗れ、王座から陥落していた。プロ戦績は26勝(12KO)3敗1分だった。
佐藤と10年コンビを組んだ新井トレーナー(左)、金平会長に挟まれて |
会見に臨んだ佐藤はすっきりしていた。
「結論を言うと引退させていただきます。満足しています。1人で満足して申し訳ないけどやりきった。やり残したことはない。劣等感の強い自分は日本チャンピオンにもなれないと思っていたけど、世界チャンピオンにもなれた。出来すぎです。自分はこれくらだという線を大きく超えてしまった。納得してます。2回防衛したくらいじゃジムに恩返しはできていないけど、会長からは義務や責任感でやるものではない、と言ってもらった」
「もうS・フライには落ちない。かといって階級を変えるのは好きじゃない。よくないんですよ。バンタム級でやればとも言われたけど、バンタム級でランキングに入って、いままでのランカーを飛び越えていきなり挑戦するとかは。自分はルールを守ってきたつもりだし、正々堂々と戦ってきたと思う。バンタム級でやるならまた日本からやらないといけないですから」
来年には家族で故郷の岩手に帰る予定。ボクシングには特に関わらずに第2の人生を楽しむつもりだという。
「本当にみなさんに感謝の一言です。負けて引退というと絶望な感じがするけれど、希望にあふれた引退です」
会見は終始笑いが起こり、佐藤の人柄がにじみ出るものだった。協栄ジムでは引退セレモニーを企画するという。
2012年3月。スリヤンを下して世界王者に |
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