ダブルで2階級制覇だ――長谷川穂積、粟生隆寛の世界戦発表会が27日、名古屋市内のホテルで行われた。11月26日(金)、名古屋市の日本ガイシホール(旧レインボーホール)で、長谷川はメキシコのフアン・カルロス・ブルゴスとWBCフェザー級王座を争い、粟生はWBC・S・フェザー級王者ビタリ・タイベルト(独)に挑む。ともに2階級制覇をかけたダブル世界戦が日本で開催されるのは初めて。
長谷川(29歳)は4月にモンティエルに敗れてバンタム級王座を失った後、2階級上げての再起即挑戦となる。長谷川の山下正人・真正ジム会長によると、オファーしていたモンティエルとの再戦交渉が実らず、それならば減量苦から解放するためにフェザー級に転級を決めたという。同級はエリオ・ロハスが負傷により休暇王者扱いとなっており、最新ランクで2位に入った長谷川と1位ブルゴスの間で正規王者決定戦が行われることになった。
「モンティエルと戦えれば一番よかったが、できないのならば前に進もうと思った。モンティエルと戦う運命にあるならば、いずれ戦うことができると思う。いまは11月26日にチャンピオンになることしか考えていない」。長谷川は現在の心境をそう語った。体重リミットが53.5キロから今後は57.1キロになることで「バンタムの時にできなかった自分のボクシングができる」(長谷川)と意気込む。もっともフェザー級は初体験で「正直、どうなるか分からない。おそらく一番厳しい試合になると思う」とも話した。「世界戦がそんなに甘くないのは分かっている。それでも一生懸命トレーニングをしてベルトを獲りたい」――。
一方の粟生(26歳)はすでに内定していたとおり、タイベルトへの挑戦。フェザー級タイトルを失ったロハス戦に続き、元トップアマ(タイベルトはアテネ五輪銅メダリスト)との対戦となるが「好戦的で前に出てきてくれる。かみ合うし、おもしろい試合を見せられると思う」と自信を見せた。兄貴分の長谷川と同じ会場で世界戦に臨むのは2008年10月以来。前回はラリオスに敗れたことに触れ「今度こそ(自分が勝って)いい流れをつくり、長谷川さんにバトンを渡したい」と決意を述べた。
浜田剛史・帝拳プロモーション代表によると、長谷川の相手ブルゴスは「左で相手を崩してから攻める。打たさずに打つ」というタイプで、タイベルトについては「基本がしっかりしており好戦的。だが相手が打ってきたらパッと下がるところもあり、相手に力を出させないタイプ」とのこと。「両選手とも世界最高峰の技術を持っている」と評した。ブルゴス(22歳)は25勝18KO不敗の右ボクサーファイターで今回が初の世界戦出場。タイベルト(28歳)はカザフスタン生まれでドイツに帰化しアテネ五輪フェザー級銅メダル獲得。09年にWBC・S・フェザー級暫定王座に就き(後に正規王者に昇格)、現在1度防衛中の右ボクサーファイター。20勝6KO1敗のレコードを持っている。
ちなみに名古屋で開催される世界戦は05年のマルティン・カスティーリョ-石原英康戦以来となる。当日は日本テレビ系で夜7時からゴールデンタイム放送予定。
0 件のコメント:
コメントを投稿