21日名古屋の愛知産業貿易館で行なわれたOPBF・S・バンタム級タイトルマッチで大番狂わせ。2階級制覇の王者ロリー松下(カシミ)が12位・大橋弘政(HEIWA)に7回1分50秒KO負け。強豪ウェートから奪った王座の初防衛に失敗した。出だしからテクニックにまさるロリーが試合を支配した。出てよし、引いてよし―的確な距離のコントロールで大橋を打ちまくる。挑戦者は被弾して初回から右目の視界がさえぎられて早くもピンチに陥った。
しかし大橋はあきらめない。王者の強打を浴びながらも強引に距離をつめてボディー攻撃。タフネスと気迫をバックボーンにした押し出しの強さで反攻に移った。
それでも正確でパワフルなブローで王者がポイントを積み上げていた。同時に、止まらない大橋のアタックに激闘となり、疲弊の色が増していたのも事実。試合の流れは大橋に傾いていたようだ。
迎えた7回、挑戦者が打って出た。息をもつかせぬラッシュとはこのこと。ロリーをロープに釘づけにし、左フック、アッパーで大暴れすると、ボディーにダメージを負ったロリーがマットに座り込んでしまう。そしてそのまま10カウントを聞かされてしまった。
大番狂わせの戴冠となった新チャンピオンは「技術もパンチ力も劣っているが、スタミナと気持ちは負けないと思った。初回で右目が見えなくなったけど、相手の脚の位置を見て、中に入ってしまえばパンチは当たる。自分も打たれるんですけどね。実際何度も倒れそうになりました。でも当たったら一気に行こうと…。気持ちの勝利ですね。木村登勇、石井一太郎の敗戦など最近番狂わせが多いじゃないですか。あれにも力をもらった。ボクシングに絶対はないんだと」。その言葉どおり、6回まで劣勢のポイントを一気に引っ繰り返す熱狂の戴冠だった。20勝14KO8敗3分
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