2011年10月1日土曜日

キューバの元王者初陣でまさかのTKO敗


 30日後楽園ホールのセミファイナルとして行われたS・フェザー級6回戦で大波乱……。キューバ人の元アマチュア王者バロディア・カレロ・エルナンデス(ワタナベ)が、プロ第一戦で石川省吾(新日本木村)に逆転TKO負けという意外な結果になったのだ。
 相手を探すのに苦労したワタナベジムは、エルナンデス(32)と戦って1R持てば10万円、2R持てば20万円、6R判定まで行けば50万円の賞金を進呈するとうたって相手を募った。これに応じた石川は、初回、2回と持ちこたえてまず20万円をゲット。3回は左眼をカットし、4回は全力でスパートしたエルナンデスの左フックを浴びてダウン。このままつかまるかと思われたが、石川はあきらめなかった。5回の猛攻にも石川は耐える。ガス欠気味のエルナンデスは石川の反撃にさらされ、ロープを背負う。石川息を吹き返したように逆襲の左右猛攻。エルナンデスはなすすべもなくパンチを浴び続け、レフェリー・ストップと同時に崩れ落ちた。アマで150勝13敗というエリートも5年以上のブランクの影響か、この夜はスピードもパンチの切れもなく、並みのボクサーでしかなかった。
 石川(28)はこれが11戦目で9勝3KO2敗。「賞金が目的ではない、強い相手とやりたかった」と、最高の結果を出して、してやったり。※写真はストップ寸前の石川の攻撃シーン
 この日は他に8回戦が2組あり、元日本フェザー級王者(現9位)の梅津宏治(ワタナベ)がノーランカーの鈴木淳(上滝)に3回1分3秒TKO勝ち。この回右アッパーで2度鈴木を倒し格の違いを見せた。同じく8回戦で、日本バンタム級12位の船井龍一(ワタナベ)が同9位でこれまで不敗の元全日本新人王・柘植雄季(駿河)に7回2分45秒TKO勝ち。左リードの差し合いから始まったボクサー同士の攻防は、5回に船井の左ストレートで柘植がフラついたあたりで差がつき、6回には船井のワンツーで柘植はダウン。これは立ったが、続く7回の船井の左攻撃でよろめき、早めのストップがかかった。

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